YAMAZAKI MASAYOSHI 2011 TOUR 2011年12月1日(木)&12月2日(金)@Zepp Tokyo


〜怒涛!こんなライヴなかった!!〜
12月1日(木)、2日(金)の両日に行ってきました。水の底のような暗闇の中、ベース中村キタロー、ドラム江川ゲンタと共に登場。これから何が始まるのか想像が膨らむ、幻想的な調べが終わると、一気にダイナミックなシフトチェンジ。皆のボルテージが上がりました。そしてここから、とんでもない展開が待っていたのです。
エレキを中心に、新旧問わず様々な曲が、予想外の順でメドレーに連なっていきます。縦ノリのナンバーがこれでもかと続き、その中にもアコギあり、鍵盤あり、ブルースハープあり、打楽器あり。息を飲む怒涛の流れにひたすら興奮し、3人の止まない演奏に圧倒され続けました。
「皆さんが立っておられるのに、こっちがのんびり構えてられない」と言うまさやんに椅子はなく、MC中もそのまま緩いトークが繰り広げられます。「立ってるのが辛くなったら、隣の人と助け合って。今年のテーマは絆」と話してくれたと思えば、「君たちと会えて幸せだ、師走だ」とだじゃれを言い、「しゃべると大して面白くない、でも気にしないのよ40歳」とオチを付けました。
演奏ではカズーの音色を皮切りに、またまた息つく暇なく半端ないグルーヴで、転がる様に終盤へと向かいます。キタローさんのエンターテイナーなパフォーマンスも、ゲンタさんの入魂太鼓にも、目が釘付けになります。そして今までの軌跡を振り返るような、集大成とも言えるナンバーで、余韻を残して去って行きました。
アンコールでは、風景が浮かんでくるような曲もあり、本当に終わっちゃうんだなぁと感慨深くなる、でも元気になれるナンバーで最高潮に盛り上がり、全22曲を終えました。たった3人で演奏しているとは思えない音の広がりで、あうんの呼吸の3人だからこそ創り出せる、特許のような空間でした。そしてここまで走り続けたライヴは、初めての体験でした。ライヴは原曲と違うアレンジが満載で、驚きと裏切りが楽しめる醍醐味があります。キーやテンポが違ったり、原曲と使用楽器が違うとガラッと雰囲気が変わり、聴いていて楽しくなります。
歌ったことがない曲が殆どなく、意外な曲を聴けるのも、ライヴの特徴の1つです。「ギターとはどんなもの?それは練習するもの」と言う彼の日々の努力と進化が、高い演奏技術を裏付けるからでしょう。
そして1番の醍醐味は、どのライヴでも必ずある、心から楽しそうな笑顔かもしれません。音楽とライヴが楽しくて仕方ないというピカピカの笑顔を観ると、こちらもスカッとするし、幸せな気持ちになります。
まさやんは震災以降、約50回ものライヴに出演しました。このような状況だからこそ、音楽を発信し続けることを選んだ彼の、人と音楽に対する、深い尊敬と愛情を感じました。そして長年まさやんと共に動く、ツアースタッフの大きな支えがあってこそ、それが実現出来るのでしょう。沢山のパワーと温もりを頂けた2Daysでした。本当にありがとう!
赤廣泰栄

〜心に音楽を灯す〜
客電が落ち、歓声が沸き上がる。ライヴでは一度も演奏されたことのない、1曲目が始まる。怪しげに揺らめく映像。会場が静まる。と、ドラムのカウントが響く。これから始まるジェットコースターライヴの号砲のようだ。
one two, one two three GO!
歓声と共に腕が上がる。無彩色の照明の中で打ち振られる様に、秘密集会に参加しているような感覚を覚える。
息つく間もなくアップテンポの曲が続く。
今日はちょうどツアーの折り返し点、脂が乗りきって来た頃だ。音がドヤ顔をして迫ってくる。音の波に揺られる、を超え、波に巻かれて溺れそうにすらなる。
気づけば照明に色が入っている。赤、青、黄…。
3人はこの光のように、それぞれが違った色を投げかけているのではないかと、ふと思う。計算された演奏からはこんなグルーブは生まれない。偶然に生まれる瞬間を観客が感じ、それを共有することで感動が生まれるのだ。
怒濤のように8曲が過ぎ、打楽器だけの演奏が始まる。
太鼓の音は原始の血を騒がせる。アフリカンな声がそれを更に煽る。呼応する観客。会場のボルテージが益々高まっていく。びーんとアコギの低音。この曲をライヴで聴くことはもうないのかもしれない、と噂された、勢いのあるナンバーだ。 パーカッションの軽やかな響きに、カッティングされたギターの音が小気味よい。昔よりも太くなった声が、力強く、男っぽく歌い上げていく。観客が乱舞する。興奮が最高潮に達した頃、夕凪のようなブルースハープの音。沸騰した湯に水を差した時のように、しゅん、と会場が静まる。
今日、初めてのバラード。
この曲は山崎の心模様を映し出すかのように、聴く度に違った印象を受ける。もう1曲バラードが続く。恋することは孤独を確認することなのか…愛しい人へ手を伸ばすことができないもどかしさと切なさに、心が鷲掴みにされる。しかし、感傷に浸る間もなく、後半戦が始まる。クールダウンしたことなど忘れ、会場はあっという間にヒートアップしていく。演奏に合わせて歌う声が聞こえる。興奮を抑えきれず、感情の高まりをどうにかして表現したくなったのだろうか。
そんな状態を予測していたかのように、始まったのはコール&レスポンスのある曲だ。会場全体を包み込む大きな布をふうわりと広げたような一体感。至福の時。
だが、終わりの時は近い。静かにシンバルの音が響く。ほてった耳元を過ぎる優しい風のようだ。果てしなく続く平原を渡る風のように、とうとうと流れる大河の波のように、ギターとベースの音が加わり繰り返される。その上を山崎の声が、優しくのびやかに吹き渡っていく。
ライヴが終わる頃、脳裏に1人の青年の姿が浮かび上がってくる。
訳のわからない状態に投げ込まれ、自分を鼓舞し奮い立たせてはみたものの、不安は隠しきれず、孤独と絶望に打ちひしがれる。だがそれでも青年は、懸命に前を向こうとしている。
このライヴ全体が、大きな被害を受けた東北への、またそれを支えようとする日本へのエールなのではないか、と思うのは考え過ぎなのかもしれない。
しかし、今日この会場にいた人達全てが、彼らのメッセージを受け取ったことは間違いないだろう。
「今は辛くても、遠い空に輝く星に希望を繋ぎ、信じ続ければ、いつか未来は開けていくよ。明日が急に変わることはないかもしれないけれど、願い続ければ、未来はきっと変わっていくよ」と。
鈴木安代

〜師走しあわせマキゲの宴 -YMST at Zepp Tokyo 第1夜の記録- 〜
2011年12月1日、凍える曇天の東京。 そんな寒さを忘れるくらいの熱い濃密な時間をくれたのは’山さん‘こと山崎まさよしさんとベース中村キタローさん、ドラム江川ゲンタさん。通称’ マキゲ’の皆さんである。
11月から始まったこの《STANDING TOUR 2011》。「今年1年いろいろあったけどまた来年も頑張ろう、な打ち上げライヴです。」とは山さん談。
ステージがスモークで満たされ照明が落ちる。幻想的かつ柔らかなエレキの音色が響き渡り、意表をつく選曲からライヴはスタートした。
そしてゲンタさんのカウントを皮切りに新旧入り乱れた楽曲がどんどん続いていく!
山さんの軽快なエレキがぐいぐいお客さんを引き込めば、キタローさんのベースがビキビキその横を下をと動き回り、ゲンタさんのドラムがベースラインをしっかり支える。絶妙なバランスのスリーピースだ!メンバー1人1人の確かな実力に裏打ちされた厚みのあるサウンドに圧倒されながら、お客さんもどんどんヒートアップしていく。たびたび見られる3人のニコニコ目配せや、向かい合って演奏に興じる姿がいい。
アンニュイななんとも気持ちいいエレキのフレーズから始まったのはお馴染み“パンを焼く”。普段ならアコギのカッティングが際立つこの歌もエレキでは一味違う雰囲気だ。恒例の早口言葉でお客さんとの一体感はさらに増していく。
懐かしナンバー“窮鼠猫を噛め”。ラストの「矢でも鉄砲でももってこいぃ!!!」で力強く叫ぶ姿が印象的だった。今の彼らはまさに無敵!そう思えた。会場全体がそんな彼らに全てを委ねていたのは言うまでもない。
アコギの軽快かつ鋭い音色に力強い山さんの歌声が加わり得も言われぬかっこよさだった“関係ない”。サビではキタローさん考案の振付をみんなノリノリで踊るヒトコマも(笑) 「明日に幸あれぇ〜!」のフレーズが妙に胸に響いた。ようやく迎えたMCでは、一変してたどたどしくおどけながらも「絆」という今年最も耳にした言葉を口にした山さん。そんなギャップもまた魅力のひとつだ。
中盤にはバラードをしっとりと挟み、緩急もつけつつ熱気はそのままに怒涛の終盤へ。
絶好のタイミングで迎えたお気に入りナンバーの“ペンギン”。会場の盛り上がりは最高潮!ステージ際に山さんがせり出せば前方は大興奮!ギターソロにも一際熱がこもり、向き合うベースがそれに呼応する!お客さんは全身で精一杯応える。この楽しい時間がずっと続いて欲しい、心からそう思った…。
今回のツアー、飾り気はまるでない。ストレートにこれでもかと音楽を歌をその熱をバシバシと浴びせられるライヴである。そのシンプルな生々しさ熱っぽさがたまらなく良い!お祭の時のような心をくすぐる高揚感と心地良い余韻、まさにそれがこのライヴにはある。
ツアーも終盤に差し掛かかった今、バンドとして脂の乗り切った状態なのは間違いなく、今から千秋楽の盛り上がりを想像せずにはいられない。
心地良い疲労感を携え家路についた。
長谷川佳世













