avengers in sci-fi “Unknown Tokyo Blues”

Special Site

Release Information

5th Album『Unknown Tokyo Blues』2014年6月18日(水)発売 VICL-64181 / 2,800円(税抜)

[ 収録楽曲 ]01.Intro 02.Citizen Song 03.Riders In The Rain 04.Tokyo Techtonix 05.Superstar 06.20XX 07.Metropolis 08.No Future 09.Anonymous 10.Soldiers 11.And Beyond The Infinite
5th Album『Unknown Tokyo Blues』
  • iTunes
  • amazon
  • TOWER RECORDS
  • HMV

NEXUS SELECT 木幡太郎が最近よく聴いてる洋楽ナンバーを5曲紹介 「Selected YouTubes 2014」

TOUR INFORMATION

“Chic City Tour”

7月12日(土) 名古屋CLUB QUATTRO

7月13日(日) 大阪BIG CAT

7月19日(土) 東京EX THEATER ROPPONGI

※新曲ダウンロードコード付き

▶ 特設ページ

“Home Chic Tour”

9月18日(木) 熊本 Django

9月19日(金) 福岡 Queblick

9月22日(月) 岡山 IMAGE

9月23日(火・祝) 広島 BACK BEAT

9月25日(木) 浜松 FORCE

9月27日(土) 長野 CLUB JUNK BOX

10月02日(木) 宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-2

10月03日(金) 仙台 MA.CA.NA.

10月07日(火) 水戸 LIGHT HOUSE

10月11日(土) 札幌 cube garden

10月17日(金) 新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE

10月18日(土) 金沢 vanvan V4

10月25日(土) 福山 Cable

10月26日(日) 高松 DIME

10月28日(火) 神戸 VARIT

10月29日(水) 京都 GROWLY

11月03日(月・祝) 赤坂BLITZ ※追加公演

チケット:前売り 3,500円(D代別)

※全公演ゲストバンド有り

avengers in sci-fi インタビュー

アベンズが「2014年の東京のブルース」を鳴らした理由

avengers in sci-fi、2年ぶり5枚目のアルバム『Unknown Tokyo Blues』。バンドの持つ「未来感」はそのままに、しかし明らかに今までとは違った方向を目指して完成した一枚だ。キーワードは「東京」と「ブルース」。数々のロック・クラシックからフレーズを換骨奪胎、独自の骨太なエレクトロ・サウンドに仕上げている。

新作で目指したものを、木幡太郎に語ってもらった。

取材・文=柴那典

Read more

“Home Chic Tour” 11月3日(月・祝) 赤坂BLITZ


avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi

Photo:橋本 塁(SOUND SHOOTER)

-メンバーによる全曲解説あり!! まだまだ伝えきれてない『Unknown Tokyo Blues』のUnknownな魅力をヌメンチョ3が聞いちゃいました!-



今回、avengers in sci-fiのご厚意により、貴重なインタビューの機会を 何故かどこぞのど素人の私に与えて頂きまして、困惑していますが大事な役割を頂いたからにはしっかりとやらせて頂きたいと思いますので、宜しくお願いいたします。

一同:宜しくお願いします。

そもそも「ヌメンチョ誰だ、お前は!?」と思われる方もいらっしゃると思います。
私は、木幡・稲見選手とは神奈川は鎌倉市にある高校の同級生で、一時期は彼らのライヴをスタッフ的に手伝いしている時もあって、、今は単なるavengers in sci-fiの大ファンですね。avengers in sci-fi・時事問題を絡めた爆笑コラムを粛々と書き連ねております。(ヌメンチョ3のコラム http://numencho3.seesaa.net/)  
04年からだよ10年間 誰が読んでんだか知んないけど・・・。

一同:(笑)

っということで、自己紹介もしたところで早速インタビューに入りたいと思います。

取材・文:ヌメンチョ3




ヌメンチョ3(以下、ヌメ):後ほど一曲づつ細かい話は聞くとして、アルバム全体としての話を聞きたいんだけど、前作から2年2ヶ月という長い期間が空いてるじゃないですか、この期間、新作に向けてどんな準備をしてたの?


木幡太郎(以下、木幡):前作から2年間何をやってたかと言われると、、、延々とツェッペリンのコピーをしてた(笑)残りの2か月で曲を作ったみたいな。

ヌメ:曲の制作期間は、やっぱタイトなんだ(笑)

稲見喜彦(以下、稲見):でも「Citizen Song」なんかは1年前くらいから原型はあったかな。

木幡:ツェッペリンの部分だけはあったよ

ヌメ:あれはそのまま(「移民の歌」/Led Zeppelinの引用)じゃんよ(笑)

一同:爆笑

長谷川正法(以下、先生):もともとあるもんだからね。

ヌメ:インタビュー等で、「今作はロボット化したツェッペリンをやりたかった」と言ってたけどツェッペリンを持ってきたというのはグルーヴ感を意識してのもの?

稲見:Mutemathをよく練習中にコピーしてて、その流れでツェッペリンに繋がったのかな。

ヌメ:質感似てるもんね

木幡:Mutemathの「odd soul」が凄く良くて、あれに触発された部分はあるね。あの作品はやってることは古臭いんだけどそれを全然感じさせないじゃない。録音の質感とかミックスの仕方で現代的に聞こえる。古い素材とロボット的な要素との組み合わせで新しいものを作れないかと。そこで浮かんだテーマがロボット化したツェッペリンがネオトーキョーかなんかを舞台にした映画の中で演奏してる感じ。

ヌメ:アベンズは、なんだかんだ綺麗な素敵メロディーを持ってくるじゃない。グルーヴィーなああいう曲調に組み合わせるって難しいと思うんだけど。

木幡:そう、難しいんだよね。グルーヴを持続させようとすると、メロディーも歌もリズムにならないといけないみたいなところがあって。ファンクの原理というか、、でもやっぱりそこまでドープにしたくないという、ひらけたPOP MUSICにしたいっていうのがあるから、そこの共存はすごく難しくて良いバランスを見つけるのに時間が掛かったね。

ヌメ:今作はさ、レコ屋の宣伝コメントとかみると「時代に反逆する」みたいなそういうインパクトが付いてるじゃないですか。だからお客さんからすると「ちょっと難解な作品で手出し辛いのかな」なんて印象があるのかもしれないけど、全然いつものアベンズ節で聴きやすいもんね。もし誤解して手を出せて無い人いたら絶対買ったほうが良いよ!!

稲見:岡ちゃん(J-POPマニア)だって聴き易いって言ってるからね。

木幡:うちのかあちゃんも一番良いって言ってる。まぁ毎度新作が一番良いって言ってくれるんだけどね(笑)

ヌメ:一番ありがたい言葉じゃないですか(笑)

稲見:なんだろうな、俺らっていうと難解なことしてる人たちみたいな印象があるんだよね。

ヌメ:それ!本当に絶対あるとおもうんだよね(大声)avengers in sci-fi=近付きづらいみたいな。一人変な格好しているメンバーとかいれば良いのかな?君ら「華」がないじゃない。

一同:爆笑

ヌメ:『Unknown Tokyo Blues』を初めて聴いたときに作品から溢れる満足感を今までで一番強く感じたんだけども、その辺の手応えは今までの作品と比べてどうでした?

木幡:当然、毎回満足感は感じているんだけど、今までの作品はどちらかというと自分たちが演奏していて気持ち良いとかいう概念はなるべく捨てて、作品の世界観を構築するみたいなところに徹底して、プレイヤービリティみたいなのは制約してたんだよね。だけど今作はその制約を取っ払ってもavengers in sci-fiらしくできる方法を発見できた。制約を取っ払った分、今まで辿り着かなかった領域まで突き抜けた・行ききった感があるんじゃないかな。

ヌメ:先生もイキきってる?

先生:イキきってるねぇ!!

一同:大爆笑

ヌメ:それでは一曲づつ解説して頂きましょう。



 01. Intro

ヌメ:これはスマホのバイブ音だそうで。

木幡:そう、情報社会って感じでいかにも「東京」ぽいってのいうもあるし。録り方としては、ギターにスマホを近付けてバイブ音をピックアップで拾ってアンプから出してるんだけど、マイクじゃなくてギターで拾う事でちょっと耳で聴くのとは違う質感になってる。

稲見:最初はセッションの始まりみたいなノイジーなハウリングを入れようと計画してて三人で一緒にブースに入ったんだけど、音がでかすぎてベースアンプが飛んじゃったんだよね。急遽もう一台借りてきたんだけどそれも飛んじゃった。まだ、ベース一曲も録り終わってなかったのに・・・。

一同:笑

ヌメ:ずいぶん高く付いたね、イントロのために(笑)

一同:こだわりです。



 02. Citizen Song

ヌメ:まさにロボット化したツェッペリンというように、往年のリフとデジタルな音が同居してて特にベースなんかはアナログとデジタルを行ったり来たり、みたいに感じたんだけど演奏的にはどういった技術を使ってるの?

稲見:サビの部分はAKAIのDeep Impactっていうベースシンセエフェクターを使ってるんだけど、あそこはどうしてもデジタルな音を出したくて、色々と探し求めて、ようやく自分の求めていた音を出せて満足。フレーズもすごい気に入ってる。あのフレーズを生音で出すと普通のファンクっぽくなりすぎちゃってうちのバンドには合わないんだけど、Deep Impactを通すことでデジタルPOPな音色になってハマるんだよね。A〜Bメロの部分はBig Muffを使ってるからエフェクターの使い分けでデジタル⇔アナログの行き来を感じるんじゃないかな。サビ前にBossのPS−6を踏んでベンドアップさせてるとこもあるけどそこ以外はこの2つの使い分けだね。

木幡:Deep Impactはアルバム中で多用されてて、こいつのいい感じのシンセベース感と往年ロック調のネタの対比が今作の色を決めていると言ってもいいと思う。

稲見:もともと8千円くらいのエフェクターだけど、今は廃版で5万円とかするのよ。プリセットの2番を俺は使ってます。最高!オススメ!

先生:5万出せば稲見さんの出したかった音を出せます。

ヌメ:イントロからBメロの稲見のファルセットボイスまで聴いてると「この曲一体どういう展開で終わってくんだ?」って心配になるんだけど、あそこから上手くサビに繋がっていくよね。

木幡:テクノロジーと往年感の融合っていう意味でもサビはカントリーロードみたいな牧歌的というか郷愁を誘うというか、そんなメロディーにしてみた。それがDeep Impactの音色に乗ってるっていうのが肝。まあよくもこの展開からサビに繋げたなと。自分を誉めてあげたいね。俺だけかなそう思ってるの(笑)。

ヌメ:みんな素晴らしいと思ってますよ(笑)。

稲見:Bの歌はえせファンクってイメージ。歌メロはまんまJamiroquaiの「Cosmic Girl」だね。

木幡:今作に限らず定番になってるフレーズみたいなのは積極的に引用しちゃえみたいなとこはあるね。「Rock Bandが人力サンプリングミュージックやってみました」っていう。A〜Bメロで目指したのはPrimal Screamの「Kill All Hippies」みたいな攻撃的な雰囲気。『EXTERMINATOR』に入ってそうな感じ。ちなみにBのギターのフレーズ自体はStone Rosesのセカンド風なんだけど、これもLine6のM9でシンセギターみたいな音色にしてロボティックに。

ヌメ:ああいう感じの稲見のファルセットボイスって今まであったっけ?

稲見:「Stairway To The Sun.Ⅱ」でやってるよ。それこそ「Kill All Hippies」ぽい。

木幡:そうだ。「Stairway To The Sun.Ⅱ」は殻を破るきっかけになった曲かもしれないな。あの曲は遊び感覚でやった曲なんだけど、レッチリありプライマルありツェッペリンありで、やってみたら楽しかったし意外とはまったなぁって。今作に向けてあの曲が一つのきっかけになったね。

ヌメ:なるほど。個人的にはサビ「IDなどいらないよ♪」に入る前のギターの音(テンテテンテンテン)が大好きなのよ。あそこが大好きなのよ。

稲見:マイケルジャクソン?

ヌメ:そうマイコー。感じるんだよね、たまんねぇんだよなぁあの部分。

木幡:80’Sぽくて良いでしょ。しかし、よく聴いてるねヌメンチョさん(笑)。

ヌメ:いきなりこんな企画やらされるっていうからね(笑)改めて聴いたよ。

一同:爆笑



 03. Riders In The Rain

ヌメ:まず、この曲は先生がツインペダルを導入したそうで。その狙いを教えて貰えますか?

先生:そもそもツインペダルってジャンル的にはメタルのドラマーが使ってることが多いんだけど、メタル的な使い方じゃなくて、ダンスミュージックの盛り上げとかでよくあるキックの連打を人力で再現してみようと。そういうアレンジで使ってみたいというアイデアは10年くらい前からあって、今回ようやく導入してみた感じですね。

ヌメ:やっぱ先生たる人でも練習はしたんですか?

先生:練習は、、、ひっそりとしてました。

一同:爆笑

ヌメ:全然練習なんてしなくたってできるぜみたいなテイでやったんだ(笑)

先生:練習しましたよ。左足は素人みたいなもんだからね、右足と左足の音を揃えるのは相当難しかったね。トライしがいのある曲でした。

ヌメ:なるほど。

先生:でも実はツインペダルは初めてじゃなくて「Caravan」のレコーディングで使ってるんだよね。あの曲はスローテンポなんだけど、実はドラムは倍速で叩いて録音したものを半分のテンポで再生することで ドン ドン パー っていう独特の響きにしてる。倍速で演奏するためにツインペダルを使ったんだよね。要するにレコーディングの段階ではドンドン、パッ、ドドドン、パッって叩いてる。

稲見:そうだー。

ヌメ:今更「Caravan」の録音秘話を。。あの曲最高だよね。聴いてない人は要チェック!!


ライダースの話に戻って、この曲はThe Chemical Brothers風だと思うんだけど、、好きだよねケミカル。


木幡:ハンドクラップが印象的な感じにしたかったんだけど、この曲のイントロとAメロのリズムパターンはフォークソングからのサンプリングをエディットして作ってる。弾き語りに合わせてカホンとかアコギのボディーをパコパコ叩いてパーカッションにしてるやつ。フォークとかカントリーって結構ダンスミュージックにアレンジ出来そうなリズムの曲が多い気がしてて組合わせてみたかった。2種類のリズムが同居してて面白いと思う。ちょっと複雑だけど。
機材はKorgのMS-20っていう往年のアナログシンセの復刻版を多用したんだけど、イントロのリフとかはそれにギターを通して音をシンセ風に加工して演奏してる。正確には加工するというより、ギターが鍵盤の役割をしてシンセが発音するというメカニズムなんだけど。普通に鍵盤で鳴らしたり、ギターに繋いだり、今作ではとにかくこいつをよく使った。

稲見:出だしではダンスミュージックって感じの高揚感を出すためにベースはBossのSYB−5を通した音色にワウとPS−6で上昇、下降させてる。いかにもケミカルの曲に出てきそうな感じになってるかと。

木幡:ギターのディレイのフィードバックとMS−20のつまみを操作して出してる電子音がそいつを追っかけて行くんだけどフィードバックとアナログシンセの音色がこれまたケミカルって感じ。

稲見:ベースのベーシックな部分はDeep Impactなんだけどもっと重みが欲しかったから4弦と2弦のチューニングを下げて録ったり、Bメロでは二本ベースを重ねたりもしたな。

ヌメ:この曲、稲見さんのBメロのボーカルの乗りが凄く良いなぁと感じるんだけど、そもそもボーカル分け・割り振りってどうやって決めてるの?

木幡:歌のキーで合いそうな方が歌うっていうのが基本なんだけど、演奏との兼ね合いだったり、歌詞の内容によって歌い分けたり色々。メロを作ってる段階でどっちが歌うかイメージしながら作ってる事が多いかな。

稲見:ちなみにライダースのサビの部分は俺が歌う予定だったんだけど、キーが合わなくて太郎に歌って貰ったんだよね。

ヌメ:やっぱそういうパターンもあるのね。実際に歌ってみて決めるという。。そういえば、それこそ高校の時からツインボーカルだよね。

木幡:REACHとかSHERBETの影響だね。あとThe Beatlesみたいでなんか格好良いじゃん(笑)。歌をスイッチすることで世界観が変わってそれだけでも展開が付けられるし。せっかく二人で歌えるなら、ツインボーカルスタイルにすることが自体が個性になるしってのもある。

ヌメ:今後、先生がメインボーカルを取るような曲も出るかもしれない?

先生:基本的には歌いたがりだからね、俺!

一同:苦笑

木幡:でも究極的にはあるよね、先生に歌って貰ってその分演奏に集中するっていうのは。あとライダースってのはバイクに乗ってる人達、じゃなくてライダースジャケットの方をイメージしてもらえると(笑)。旧知の人でライダースが正装の人がいるんだけどその人と夜な夜なよく遊んでた時の事を歌った曲。



 04. Tokyo Techtonix

ヌメ:この曲はなんといってもベースのチョッパーとギターのスクラッチ音ですね。

稲見:ちゃんとチョッパーになってんだかわかんないけど。。。良いフレーズができたなと。元々MUSEの「Panic Station」に触発されて。あの大御所バンドがコテコテのチョッパーで始まる曲を出すという半分ギャグ、半分本気みたいな感じが面白いなと。あの人たちも笑いながらふざけて作ってんじゃないかなと思う。だからフレーズも技術的に難しかったり本格的なチョッパーっていうよりはなるべく印象的に、キャッチーに、というのを心がけた感じ。遊び心もありつつのアレンジだね。

木幡:ギターでレコードのスクラッチ音を出す発想は、それこそまんまトム・モレロ(Rage Against The Machine)なんだけど。この曲はファンクとかHIP HOPのテイストを意識した曲だったから、まさにROCKとHIPHOPの融合って感じで象徴的だなと。スクラッチ音の出し方自体はトム・モレロとは違ってて、MS-20とMooger FoogerのFreq Boxを同時に使って出してる。この曲でギターのカッティングと一緒にピョコピョコ鳴ってるのがギターをMS-20に通した音なんだけど、ワウペダルを駆使したファンクギターのあのパーカッシヴな感じをロボットナイズ出来ないか、という発想でワウをアナログシンセに置き換えてやってみた。バンドをロボット化するっていうテーマにもぴったりなアイデアだと思って。

ヌメ:トム・モレロの常套手段ではあったんだけど、ギターでスクラッチ音て、たぶん今の時代では えっギターでやってんの!? みたいな、LIVEの視覚的にも映えるし、改めて面白さを感じたんだけど、良い目の付けどころだよね。何でみんなやらないんだろう?

木幡:一回りしてこういうのが面白く感じる時代になった気はするかもね。曲のテーマの一つに渋谷系っぽい空気感っていうのもあったけどそんな雰囲気も出せたと思う。

ヌメ:「狙い」が良いよね。時代の流れがさ、Daft Punkの「Get Lucky」だって、それこそMUSEの「Panic Station」もジャスティン・ティンバーレイクもブルーノ・マーズもフォーチュンクッキーだってさ、レトロなソウルやファンクが流行じゃないですか。そこを逃さず持ってくるってのはさすがだよねぇ。狙いが良いよねぇ。ドラムのプレイ的にはどうですか?

先生:ドラムのプレイもバスドラで引っ張ていく感じが基本になってる。ロックよりもHIP HOPとかブレイクビーツにありそうな感じ。スネアを使ったフィルにしてもサンプラーで出したような機械的なイメージとか、コンセプトを意識しつつという感じです。

稲見:先生はRAP歌いたいんじゃない?(笑)

ヌメ:オレガトウキョー みたいな。

一同:爆笑

稲見:ベースはこの曲もDeep Impactですよ。オシャレな感じ出てるでしょ? この曲の雰囲気にもすごく合うんだよね。音がウーンと出てくる感じが良くて、体を引っ張ってくれる感じがして演奏してても気持ち良い。

木幡:あとこの曲はKAGAMIさんの「Tokyo Disco Music All Night Long」のフレーズをサンプリングしてて、HIP HOPの要素って言う意味でもサンプリングを使いたかったんで使用許可をもらったんだけど、亡くなられてるから諸々の権利の所在が分からなくてご実家に連絡したりと、裏ではけっこー大変だったようで。使わせて頂けて感謝してます。

ヌメ:やっぱ昔から好きな曲で持ってきた感じ?

木幡:たしかWIREで見た頃にCDを買っててヴォコーダーの音色が格好良いなと思って使った感じ。ワード的にもあってるし。

ヌメ:稲見と俺もKAGAMIさんのLIVE見てるんだよね。

稲見:そうだっけ?

ヌメ:そう、くるりの百鬼夜行を観に行ったときね、出てたんだよね。縁があったということだ。



 05. Superstar

ヌメ:JRAのCMソングで使われましたが、CM制作側からの要望は何かあったの?

木幡:あのCMは大まかに場面が3回切り替わるから、だからスピード感と最低2回展開のある曲にして欲しいって要望があったね。

稲見:あとボーカルの掛け合いを入れて欲しいっていうのもあったな。

先生:本当は「Citizen Song」でいきたかったんだけど、却下された・・・(笑)。

ヌメ:ちょっとスピード感が足らないかね。「Superstar」は完璧にCMにはまってて良かったですよ。さすがの仕事力です。この曲が唯一というか、サウンド的に今までのavengers in sci-fiの王道を踏襲する曲、『Disc 4 The Seasons』の流れを汲んでる曲だと思うんだけど。

木幡:そう、この曲はアルバムの中でも一番初期からあって『Disc 4 The Seasons』の流れを汲んでて、、ある意味、『Disc 4 The Seasons』の延長線にあるというのは過去を振り切ってないという意味で不本意ではあるんだけど・・・。過去の流れを濃く汲んでいるという点でも、この曲がすんなり入れるという人は多いのかもね。

稲見:16分(ぶ)ベースをやってるのもこの曲だけだからね。

ヌメ:そうだわ、たしかに稲見さん必殺の16分ベースはこの曲だけだね。

木幡:avengers in sci-fiの様式を踏襲している曲なんですよ。

ヌメ:だから今までの流れで考えればね、やっぱこのアルバムのリード曲は「Superstar」になるんじゃないかって思うんだけど、でもPV作ってるのも、扱い的にもリード曲は「Citizen Song」じゃないですか、この辺がやはりあなた達3人のこだわりという。

稲見:周りの人は「Superstar」だろって思っていたかもしれないけど(笑)。

ヌメ:葛藤もありつつ、この曲の構成には相当苦労した? 年末にLIVEで披露して一切やらなくなったじゃない、あの時から変わってるんだっけ?

稲見:年末の時は、サビがぜっんぜん違ったんだよ、サビが「ライラーラ ライラ♪」みたいな感じだったからね。

ヌメ:ウソー!! そんなんだったっけ??

先生:そうでした。もはや誰も覚えてないだろうけどね(笑)結局一番最初に考えてた展開に戻ったんだよね。CMバージョンに戻った。

木幡:この曲は本当に苦心の曲なのよ、一番難産だった感じ。

稲見:ミックスも一番最後まで残してたし。

ヌメ:ボーカルの掛け合いの部分は、どの辺りからインスピレーションを受けてるの?

木幡:あそこはR&Bの感じを混ぜたかったんだよね。こぶしの効いた歌の掛け合いみたいなのを。この曲でイメージしたのはBack Street Boysだけど。

稲見:ワウペダルを使ったベースのフィルターが開いて上昇していくクラブ風アレンジだったりとかは、この曲で色々トライしたからこそ他の曲にも応用できたって感じだな。

木幡:まぁでも本当に苦労したなぁ。アルバム制作の初期からある曲って、方向性が定まる前だから実験台になりやすいというか、いじり倒しすぎて正解がわからなくみたいなことが多いから、被害者になることが多いね(苦笑)。

稲見:スーパースターなのに被害者・・・。

ヌメ:いやいや良い曲ですよ! CMソングだから部分的に先に完成しちゃってるっていうのも難しくなる要素じゃない?

木幡:あぁ、それもあるね。

稲見:どうしてもキラーチューンにしたいっていう意識もあったからかなぁ。

ヌメ:「Psycho Monday」の音色を使ってるじゃないですか。昔の自分たちの曲ですらサンプリングするみたいなスタイルはすっごくおもしろいよね!「The Planet Hope」でも「El Planeta / Death」の一部を持ってきてるじゃん。

木幡:TRFばりの『フォー!』ね。『フォー!発声機』ことFreq Box(Mooger Fooger)で出してるやつ。お約束とか使い回しのネタがアルバム毎に入ってるのってナンバガとかもやってたじゃない。面白いなぁと思ってて。

ヌメ:面白い!ライヴのアレンジでもそういうのどんどんやって欲しいです。



 06. 20XX

ヌメ:まずはですね、この曲の読み方を教えて下さい。

木幡:公称「にせんエックス」です。

木幡:ちょっとトイレ行っていいですか?

稲見:タバコ吸いに行っていいですか?

宮下智史(マネージャー。以下、宮):では休憩で。既に1時間半経過してます。

一同:マジで!!



休憩




ヌメ:皆さん、「にせんエックス」ですよ!
この曲、シンセで始まって、地鳴りのようなベースが来て、ドラムが入ってきて、重厚なリフに入っていく、、始まり方が本当格好良いよね。


稲見:太郎があのフレーズを持ってきた時点で、本当にやっていいのこれ? みたいな、すげぇことやらせるなっていう気持ちだった(笑)。

木幡:いきなり「Breed」(Nirvana)だもんね(笑)。アルバムのコンセプトを上手く形にできてるからこの曲凄い好きなのよ。「Black Dog」(Led Zeppelin)をミニマルにしたようなリフなんだけど、リズムマシンっぽいドラムパターンとかシンセを合わせる事で単純なバンドサウンドっていうだけじゃなくて、昔のロックからギターをサンプリングしてビッグビート作りましたっていう雰囲気にしたかった。ロボット化したロックというかフランケンシュタインみたいなロックのつぎはぎというか・・。北斗の拳とかマッドマックス的な世紀末感あるよね。文明が崩壊し暴力が支配する近未来の東京〜的な設定でビデオ作りたい感じ。ギター的にはイントロの歪みも好きだけどサビのギターが気に入ってる。ゆっくり音程が変わって行くようなやつ。「Crusaders」から使い始めたElectro HarmonixのAlter Egoていうペダルなんだけど、もれなくマイブラ(My Bloody Valentine)みたいな音になる。マイブラのコピバン以外の用途が思いつかない(笑)。

ヌメ:なんというか、私的に思ってるのは「Stairway To The Sun.Ⅰ」とか「Crusaders」とか作ったことによって、勇気みたいなのが出てきたんじゃないかなと、昔だったらこの曲も思いきれない感じになってたのかもと思うんだよね。

木幡:うん、たしかにそれはあると思う。アルバムの1曲目にしようという案もあって、ツアーの1曲目にしたっていうのもそのへんから。

稲見:この曲はトリップホップ的な要素も出せてて、ヤバいなと。演奏してても気持ち良くて、ヤバい(笑)。

先生:俺はこの曲は難しかったなぁ。テンポもそうだし、余計なことやりすぎて空気感を壊さないようにと最後まで悩んだ。「Kill All Hippies」みたいなドラムパターンを、ってことだったんだけど、あれとかそもそも生ドラムじゃないし、延々とループが続くしで人間がやるにはかなりストイック(笑)。その辺とRageみたいな重さを意識しながら。

ヌメ:今回のアルバムは今までの先生らしいドラミングはあんまり無いよね。

先生:今までと同じ感じになることは極力避けたね。今回のアルバムはよりヘビーにっていうテーマがあったから。今までは手数を多くしたりスピード感を出すことを狙ってたんだけど、今回のアルバムではそれとは違うベクトルだった。音色的にも今回はスネアのリムショットとか“響き”の部分は抑えて実音の部分を強調してるから、以前より音が近く、タイトに鳴ってるとは思う。

ヌメ:シンプル且つヘビーにという

先生:とにかく、いる・いらないで判断して、無駄を無くしていくとベース・ギターと合わさった時の破壊力が増すんだよね。昔はギター&ベースに対して、ドラムは別物みたいな構造をしてたけど今は同じ世界に3人いるという感じで。だからこそ2人合わさった時の重みが増す。

木幡:小手先な感じじゃなくてマッチョで上裸でスキンヘッドのドラマーが叩いてますみたいなイメージを出して欲かったのよ。

先生:ちょっと諸事情で上裸にはなれないんすけど。

一同:爆笑

ヌメ:んじゃ、次のツアーはスキンヘッドに期待ですね(笑)。



 07. Metropolis

ヌメ:この曲は格好良すぎて笑っちゃうね。良いダサさが満載の曲。

稲見:良い笑いがあるよね。

木幡:音的には、石田純一が肩パット入って眉毛太くて真っ赤な口紅塗った女を隣に乗せてドライブしてるみたいな感じなんだけど、俺たちの世代って物心ついたころからずっと不況で、俺たちに輝かしい未来があったことなんかないよねっていう怨念を込めてる。物質主義の暗部とか見て見ぬふりされてる部分について。場末のメンタリティって感じだね。

ヌメ:(笑)この曲の制作過程は?

木幡:この曲が一番バンド感のある作り方をしたかもね。スタジオに持って行く時点でサビ〜サビ終わりのユニゾン部しか出来て無かったから、そこからつながる展開はコード進行だけ決めて流れのままにセッションするという。そこに歌メロも即興で考えて乗っけちゃった感じ。Phoenixとかフレンチっぽいテイストもあるけどただお洒落な曲って感じにはしたくなかったからそこは気を付けつつ。

稲見:この曲は人気あるのかな?

ヌメ:この曲は人気ありますよ!! 私のTwitter調べですがね。

一同:笑

稲見:この曲のイントロとAメロでもチョッパーやってるんだけど、なんか気持ち悪いとこに音符が入ってるみたいで、自分的には良い演奏ができたと思ってたんだけど、エンジニアに録り直す?って言われて。厳密に言うと32分休符が入ってるみたいな。聴く人が聴くと気持ち悪くて変らしい(笑)。

木幡:真面目にチョッパーベースを勉強した人だとこういう仕上がりには絶対ならないという(笑)。

ヌメ:聴いてても全然気にならないけどね。邪道の極みだね、稲見さんのベースの真骨頂。稲見3のベースは、それこそギターの音が鳴ってなくたってベースだけでも十分間を持たせられる。

稲見:ベースという解釈をしないでやってることは多々あるね。この曲のチョッパーの部分もベースというより装飾品という立ち位置。上モノならシンセでも何でもいいんだけどちょうどParliamentなんかを聴いてたからワウを使ったベースにしたかった。これと別にコード進行を支えるルートのベースが入ってて計二本のベースが鳴ってるんだよね。

ヌメ:ライヴではどうやってやるの?

稲見:先生のパッド(ローランドのサンプリングパッドSPD−SX)からルートのベースのループを出してて俺はチョッパーを弾いて上物の音を出してる。YMOの「テクノポリス」を意識したベースラインだね。「トキオ」まで使わせて頂いてるけど(笑)。

ヌメ:この曲は先生のドラムも従来の感じが出ているかなと思うんだけど。

先生:これでも自重してるかな、だけど最後のドラムロールの部分は本当は1回で終わりのはずだったんだけど。

稲見:先生がいきなり何回もドラムロールをやり始めっちゃって(笑)。

先生:主張させて頂きました。俺的には1回じゃ寂しかったのよ、でやったら採用されたみたいな。

木幡:サビ終わりのユニゾンセクションのギターは色んな音色を重ねてる。通常の歪み以外にアンプを通さないでミキサーに直でギターの音を送って録ったりとか。あとはMS−20を通したノイズみたいな歪みとか、三浦カオルさん(今作のエンジニア)所有のNord Modularにギターを突っ込んだり。Nine Inch Nailsとかのインダストリアルなギターとか多分そういう手法で作ってるんだと思うけど、ああいう感じを出したくて。ミキサーに直でギターを送るのは「Citizen Song」とか「20XX」でもやってるんだけどアンプで鳴らすより過激な歪みになるんだよね。MUSEのライヴとかギターが異常に近く感じるからもしかしたら同じようなことしてるのかも。ライヴでも再現出来るシステムを構築したから特許出願中です(笑)。



 08. No Future

ヌメ:ロックンロール丸出しな1曲ですね。これ本当に。

木幡:自分たちへのご褒美的な曲です。“ど”が付くガレージロックをやらせて貰ったという。やってて気持ちが良いね! 例のミキサー直ギターシステムを作ったからこそこういう曲が気持ち良くてっていうのはあるね。

ヌメ:ライヴも圧巻でした。口ポカーンと開けて見ちゃう感じ。

一同:笑

ヌメ:それぞれのソロパートに入るとこあるじゃない。あそこでお客さんの歓声が凄かったの。あの日一番沸いた気がしたよ、皆さんわかってらっしゃるなぁと思ってさ。

一同:そうなの!?

稲見:そこで歓声が沸くっていうのは嬉しいな。バンアパのライヴ見ててソロ回しで格好良いフレーズを演奏して、それに歓声が沸き起こるっていうのは憧れだったから。良いことだね。

木幡:歓声が沸くほどのフレーズ弾いてないけどね(笑)。

ヌメ:そういえばさ、なんであそこ先生のソロが途中で被されちゃうのよ!? 先生なんで抗議しなかったのよ!

木幡:もともともうちょっとテクニカルなフレーズだったんだけど(笑)。ジョン・ボーナムとかBlack Sabbathみたいなフレーズにってリクエストしたんだけど、ボーナムというよりなんかメタルで。まあボーナム自体メタルドラマーの元祖みたいなとこあるから間違ってはいないかもだけど。

先生:だから一悶着あったんだけど、要は太郎のメタル判定に引っかかったのよ(笑)。

稲見:ベースは全体的に昔風な音を出したくて、使ってるベースとアンプがイメージ出来るような音を出したかった。故障しちゃった(Intro項参照)アンプの方がもっと往年の雰囲気だったのが残念ではあるんだけど、リッケンバッカーを上手く使えたから良い音を出せてる思う。

ヌメ:この曲はすごいくるよね、ベースの音が。

稲見:今回はアルバム通してベースをデカく・重くミックスしてもらったのかな。

木幡:レコーディングエンジニアの三浦カオルさんが元々ベースプレイヤーだからその辺の感覚には通じてるというのはあると思う。ベースが引っ張って行く作りの曲が多かったからキックとベースに比重を置きたいってリクエストもしたし。

ヌメ:ディープな音で攻めつつ、2番のメロの部分で一転軽い感じになるじゃない、あそこがまた格好良いよねぇ。

木幡:あそこはクリーンギターとタンバリンと手拍子で、まさに往年の雰囲気で良いよね。

ヌメ:この曲はどんどんライヴでやってください。ライヴでは速いよねこの曲。

稲見:「Accelerator」(Primal Scream)みたいな、ライヴでは超速いっていうのを参考にしてる。かなり速くしてる。

ヌメ:だから圧巻、口ポーカンになるのよ。この曲は最後の方にできたの?

木幡:そうだね、最後の方だなぁ、アルバムの形がある程度見えてこなきゃこんな曲やれないもん(笑)。



 09. Anonymous

ヌメ:アノニマス、こないだのツアーでやんなかったのは何故?

木幡:色々あるけど、やっぱ昔の曲もやりたいし、聴きたいお客さんもいるだろうからセットリストのバランスを考えて外したんだよね。

ヌメ:アノニマスってタイトルの通り得体の知れない曲だよね。この曲はどうやってできたの?

木幡:これもFat Boy Slim風のイントロ部分だけしか出来てなくてどうしようかと思ってたんだけど、稲見がPassion Pitみたいなのを作りたいって言っていうからそこから強引にそっちに展開させていった感じかな。

ヌメ:結果的に全くPasson Pitの要素を感じないんだけど・・・(笑)。

稲見:最後の方なんてめちゃくちゃだよね。

ヌメ:そう!? 私的にはあのシャウト後のセッションが大好きなのよ。あの部分だけで10分くらいセッションやって欲しいんだけど。

先生:長くやろうと思えばいくらでもできるからね、あそこは(笑)。

木幡:そうだよね。本当は今回のアルバムはそういうところまでやるのが理想だったんだよね。ツェッペリンで言えばジミーペイジとロバートプラントが声とギターで掛け合いをやる感じに、ボコーダーとかオートチューンとかのテクノロジーを持ち込んでみるっていう。Daft Punk feat.Led Zeppelinみたいな。

ヌメ:俺は聴きたいなぁ、そういうの。さすがに、アノニマス 10分やられても困るか、お客さんは(笑)。

木幡:意外とメロが良いよねこの曲は、あとは歌詞が好きなのよ。

ヌメ:「ウェブサイトの明かりは通りを照らし続けてる」素晴らしいねぇ痺れるねぇ。

木幡:テクノロジーの輝かしさとそれにまつわる影って感じね。俺はあれが好きなの「平和に開いた穴をついて生きていけ」っていう部分。

ヌメ:アノニマスっていうタイトルはどういう世界観で?

木幡:インターネット掲示板とかのAnonymous(匿名)からつけてるんだけど。ネットと実社会の線引きがあいまいな現代の危うさみたいなのがテーマだったからアノニマスに。

ヌメ:映画みたいな路地裏で待ち伏せっていう表現も不思議なんだけど。

木幡:これはね、ターゲット見つけて誹謗してやろうってパソコンをカリカリ言わせながら匿名を盾にしてネット上で待ち伏せするっていうニュアンス。ネット上は現実にも増して不条理とか憎悪に満ち溢れてて反吐がでること多いよね。そういえば最近のパソコンは性能がいいのか考え中もあんまりカリカリ言うイメージ無いけどね。

ヌメ:なるほど。 前のアルバムの「Skywalker」とかこの曲とか、ジャンル分けがなんと表現していいか分からないよね。ジャンルavengers in sci-fiとしか言いようが無いというオリジナリティ。

先生:たしかに、説明しろって言われてもなんて表現していいか分かんないね。めちゃくちゃだよね。

ヌメ:あと、「テラバイトの 〜♪」の部分から鳴るシンセの音が良いよね。持ってかれる感じ。

稲見:ガンガンに音を上げたんだよね。ミックスで。

木幡:あれはRolandから貸してもらったGAIAというシンセだね。「20XX」の出だしとかでも使ってる。あそこはベースが片側にパンしたりして音の定位のバランスが劇的に変わるからそういうところで持ってかれるというのもあるかも。



 10. Soldiers

ヌメ:この曲はやっぱりね、突然のRage Against The Mascineのリフ・・・。これは何があったんですか一体?

木幡:Kanye Westの新譜で、唐突にサンプリングが入ってくるとこがあって、流れとか完全に無視してるからまるで作りかけみたいなんだけど新鮮だなぁって思って、そういう極端なことをやってみたくて。2番まで来たら突然Rage“風”になるアレンジにしたくてそのRage部を作るセッションを始めたんだけど、稲見がやったのがRageのリフまんまだったの(笑)。

ヌメ:ベースの音だって気付いた時はビックリしたよ本当。

稲見:ワウを踏んで弾いてるんだけど、最高に気持ちいよね。指弾きでやってるんだけどピック使ってやったらもっと気持ちいだろうなぁ。

ヌメ:なんで指弾きなの?

稲見:この曲もDeep Impactを使ってるんだけど、指弾きの方が相性が良いだよね。だから今作は本当に指弾きを多用している。まだまだ素人みたいなもんだけど。

ヌメ:突然Rageのリフが入ってね、私はあそこからの主線への戻り方、その後の展開のさせ方が好きなんですよね。ただ単に突拍子もないことやってるんじゃないぜみたいな。

木幡:まぁでもこのリフを楽しみに待つ人もいれば、こんな展開にしなければいいのにって思う人もきっといるだろうね(笑)。

稲見:でも“綺麗な流れの中に壊す流れが来るから、より綺麗さが増す”みたいなところがあるんじゃないかな。そういうのが凄い好きで格好良いよね。このアルバムのベースの立ち位置はそういうところを意識している。

木幡:このアルバムのマスタリングはVimpire Weekendとかをやってるジョー・ラポルタさんにお願いしたんだけど、途中までは展開が平坦だから「この曲のマスタリングすごく簡単ネ」ってラポルタさんが油断してるとこにレイジセクションが来て「FxxK!!」って言ってるだろうって話してた。

稲見:トム・モレロに電話されて「ニホンジンニパクラレタヨ!、スクラッチマデマネサレテルヨ!!」みたいな展開になったら面白えなあと。

ヌメ:まあそうやってね、色んな曲の引用して持ってきてるけど、センスだよね。

木幡:フレーズが似てるということにいちいち目くじらたてる人がいるけどさ、結局は全体がオリジナルに仕上げられていれば問題ないと思うんだ。「フレーズがあれと同じじゃん」とか本質を突いた意見じゃないし、そういう的外れな批判を恐れてちまちまフレーズ変えてる方が見苦しいみたいなとこあるよね。

ヌメ:センスだと思いますよ。素晴らしいと思います。

稲見:ベースはサイドチェインというのが掛かってて・・ドラムのキックが鳴るとベースにコンプが掛かってキックが鳴っている間だけ音量が引っ込むというダンスミュージックでは定番のエンジニアリングなんだけど、それによってベースが波打つようなフレーズになってる。

ヌメ:そんな技術も使っているソルジャーズ。要チェック!



 11. And Beyond The Infinite

ヌメ:しっとりと終わっていくのかと思わせつつ、最後は躍らせて終わりますという感じですね。

木幡:この曲が一番最後にできた曲だね。これももともとあったのは冒頭部の歌だけであとは流れるままにセッションしたらこんな展開に。大まかな流れが出来た後でもう一度パソコン上の作業にもどって環境音のサンプリングとかシンセ素材を足していってストーリー性のある曲に仕上げていった。

稲見:「不時着」形式で盛り上がっていく曲(笑)。

木幡:フジロックでありそうな曲だよね。

ヌメ:アンダーワールド的な。最後の歌詞の部分て歌ってる?

木幡:あそこはElectro HarmonixのVoice Boxというのを使っていて、いわゆるボコーダーなんだけどギター用のボコーダー。「Universe Universe」の頃からお世話になってる。ギターの音を歌ってる声の波形に加工する。ロボ声というかギターが歌ってる感じというか。ベースでも使えるから俺も稲見もよく使ってるエフェクターなんだけど「20XX」の中間なんかはベースでこれを使ったパターンだね。声と楽器の中間っぽく聴こえるかもね。エンディングっぽい曲でしょ。

稲見:WE ARE THE FUTURE。

木幡:WE ARE THE FUTUREはサンプリングした声ネタなんだよね。

ヌメ:自分たちで歌わずに、声ネタを持ってきたっていうのは何故?

木幡:テクノに声ネタが入ってたりして声ネタと共にそのWordがスクリーンに映し出される演出とかあるじゃん。そういうのをやりたかったから自分達で歌うっていうのは違うんだよね。

ヌメ:実際ね、ツアーでもWE ARE THE FUTUREの文字が映し出されてましたね。演出としてすごく効いていたと思います。

木幡:あと、ニュースとか演説のサンプリングも入ってるね。

ヌメ:そういえば、前もそういうの無かったっけ?

稲見:あったなぁ、なんだっけなぁ

木幡:そうだ「Space Station Styx」で使ったんだ。

ヌメ:今回の曲でそういうニュースとかの声を入れるのはどういう狙いなの?

木幡:今はさ、もの凄いスピードで望むにしろ望まないにしろ色んな情報が入ってきちゃうじゃない。そういうことから逃れられない感覚を描写したかった。「Pulser A」でもさえちゃん(ヌメンチョの娘)の生まれたての泣き声を使ったけどあれって映像に合わせて音楽を作る感覚というか俺の中では映画的というか。And Beyond〜もそういう風にしたかった。走馬灯のように映像が流れるイメージ。

ヌメ:またさえちゃん使ってやってくださいよ。もう喋りだしちゃうけど(笑)ベース的にはどうですか?

稲見:最後にできた曲だから、エフェクターはさすがにBig MuffもDeep Impactももういいかなって感じで、Line6のM9に入ってるサブオクターブファズを使っています。よく聴いてもらえば他の曲とは違うベース音を感じてもらえると思います。そういうのも面白いでしょ。

木幡:ギターはさっきのVoice Box以外はディレイをフィードバックさせてダンスミュージック感をだしてるくらいかな。

ヌメ:聴きどころはまだまだ一杯あると!! 本当に貴重な話をたくさん聴けて、またより楽しく『Unknown Tokyo Blues』を聴くことができると思います。長丁場になりましたが、ありがとうございました!

一同:ありがとうございました!



 今後のavengers in sci-fiについて

ヌメ:おまけ的に、今後のアベンズについて何か考えてることがあればヒントを教えて下さい。

木幡:今作は長い曲が多かったから、新しい曲は3分台の短い曲を作りたいと思ってる。フェスとかでセットを組むのが大変だったから(笑)胃もたれしない感じのライトな曲をやりたいね。

ヌメ:次のツアーくらいでやってくださいよ(笑)期待してます!

“Chic City Tour” 7月12日(土) 名古屋CLUB QUATTRO

avengers in sci-fi

avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi

Photo:古川 喜隆

“Chic City Tour” 7月13日(日) 大阪BIG CAT

avengers in sci-fi

avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi

Photo:森下 綾音

“Chic City Tour” 7月19日(土) 東京EX THEATER ROPPONGI

avengers in sci-fi

avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi
avengers in sci-fi

Photo:橋本 塁(SOUND SHOOTER)

Selected YouTubes 2014

NEXUS SELECT


ニューアルバム『Unknown Tokyo Blues』をリリースしたavengers in sci-fiの木幡太郎が、最近よく聴いてる洋楽ナンバーを5曲紹介。インタヴューとあわせてお楽しみください。(取材・構成=柴那典)

http://www.nexus-web.net/select/?p=889