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第九回 HIWATT AMP

ヨーロッパのアンプと言えばマーシャルが一番有名ですが、ハイワットもかなり有名なメーカーです。



60年代半ばくらいに電気技師のデイブ・リーブスが設立したメーカーで、パートリッジのトランスやムラードの真空管など、当時最高のパーツをハンドワイヤードで組み上げるのを売りにしてました。

当時はボリュームを上げれば歪むのは当たり前だったんですが、ハイワットはクリーンで大音量を実現したアンプです。音のレンジが広く、密度の濃い音が出ます。

70年代は注文から数年待たないと入手できないくらい大人気だったらしいですが、肝心のデイブ・リーブスが81年に急死してしまい、その後はいろんなメーカーの傘下を転々とし、コスト削減やら改悪を受けて評価を下げてしまいました。



これはハイワット全盛期の一台。シリアルでは1974年製で、パーツのデイトも72~73年の物が多いので、ほぼ74年製で間違いないと思います。

さすがに消耗品のムラードの真空管は交換されてしまってますが、パーツのオリジナル度は高いです。交換パーツで確認できるのは、ボリュームポット一個と抵抗数個くらいかなぁ?あ、あとオレが変えたスピーカーケーブルくらい。通常、高電圧がかかる電解コンデンサーと呼ばれるパーツの耐用年数は10年前後と言われているんですが、このアンプに使われてるやつは今だに問題無し!たまにしか電源を入れなくても、ノイズも無く普通に動作するモンスターアンプです。



キャビネットもマーシャルより分厚いバーチ材を使っていて、しっかりしたキャビネットでしっかりスピーカーを鳴らす、といった感じです。

おかげで持ち運びには非常に苦労するんですけどね(^^;;



内部を見ても、整然としいて美しいパーツレイアウトです。ビンテージのレコーディング機材などにも使われ、今では「聖杯」とも呼ばれる「マスタード」キャパシターが惜しげも無く使われています。配線などの手間暇を考えると、かなり時間をかけて一台一台丁寧に作られているのがわかります。



ハイワットアンプにはギターアンプ、ベースアンプの区別はありません。ただ出力が何ワットなのかで別れています。なのでどのアンプでも、ギターからベースまで問題なく再生できる音のレンジを持っている、という事です。

今回のレコーディングでは、ベースを一度ラインで直接レコーディングしてから、再度アンプを通した音を録音する「リアンプ」という作業をしています。その時に使ったのがこのハイワット。ほとんどの曲でベースアンプとしてこのアンプの音が入っています。

ギターアンプとしても多用されていて、「僕は今更しなくていい途方に暮れる」や「冬の怪獣」のバッキングでの使用の他、ほとんどの曲でバッキングやソロ等で使用されています。