スペシャルGO-BANG'Sショー ライヴレポート

Photo : 釘野孝宏   Text : 竹内伸一


1983年に結成され、80年代後半から90年代初頭の音楽シーンを賑わせたガールズ・バンド、GO-BANG’S。94年に解散し伝説と化したが、2013年5月にメジャー・デビュー25周年を記念したベスト・アルバム『スペシャルGO-BANG'S』を発表。そして森若香織が“1人GO-BANG’S”として復活を宣言した。ベスト・アルバムのリリースにあたりGO-BANG’Sの作品を聴き直したところ、自身のソロ作品と世界観につながりを感じたことがその理由だという。復活宣言から約半年、12月4日には渋谷duo MUSIC EXCHANGEで待望のワンマン・ライヴの開催となった。



ステージ後方のスクリーンにかつてのミュージック・ビデオが流れる中、唐突にメンバーがステージに登場するとゆっくりと暗転。SEで“サマンサ”のイントロがループする中、森若香織が登場。センターに立つやいなやバンドが実際に“サマンサ”を奏で始めるという演出で約20年ぶりとなるGO-BANG'Sのライヴがスタートした。



白いブーツにグリーンのワンピース……よく見るとエルヴィス・プレスリーの顔がプリントされているという衣装の森若は、当時の雰囲気のままなのが驚異的。実にキュートかつ華やかだ。“サマンサ”を歌い終えると「こんBANGは!GO-BANG’Sです」と叫び、続いて“かっこイイ ダーリン”へ。若干テンポアップしている印象を受けたが、アレンジはオリジナルをほぼ踏襲。MCで「GO-BANG’Sの曲はメロディと歌詞とアレンジが三位一体となっていて完成されている」という旨の発言があったが、まさにそういうことなのだろう。ポップ&キャッチーでいてちょっとマニアックなGO-BANG’Sサウンドの完成度は高く、ミュージシャンとしては現在の感覚で過去の楽曲に手を加えたいという気持ちが沸き起こりそうだが、現代風に改変する隙がないのだ。そんなことをライヴを通じて改めて感じた。ルックスやサウンドも不変だが、彼女の歌声も変わらない。3曲目の“Sha・la・la”で歌われているように、その「甲高くて便利」な歌声も以前のままだ。コーラスの2人とステップを踏みながら歌った“ロリポップ・ロリータ・ロンリーデイ”が終わると「ありがとう!」と改めて客席へ挨拶し、「今日が完全復活TONIGHTで〜す!」と力強く宣言。いやしかし、早口で話題がどんどん展開するMCも当時のままで、彼女の話を聞いていたら、GO-BANG’Sのライヴに来たんだという実感がふつふつと湧いてきた。



中盤にはパンキッシュな“OK!”で恒例のメンバー紹介を盛り込む。この日はGO-BANG’Sのアレンジを手がけていたムーンライダーズの白井良明(G)、後期のバック・バンドのメンバーで、現在はFOEなどで活躍する會田茂一(G)、森若のソロでもプレイしていたFOE/Bloodthirsty butchersの小松正宏(Dr)、同じくFOEのメンバーで元マルコシアス・バンプの佐藤研二(B)、ROLLYなどのサポートを務める村原康介(Key)、そして森若と共演経験のあるダイナマイトしゃかりきサ〜カスのゆうきとたろうがコーラスを務めるという布陣。「1人GO-BANG’S」だけに、コーラスの女性2人はいるものの、ガールズ・バンドながら男性陣ががっしりと脇を固める……思い返してみると、GO-BANG’Sはデビュー当初からギターとキーボードに男性メンバーを加えてライヴをやっていたわけで、男女混成もGO-BANG’Sらしさかもしれない。ともかく、GO-BANG’S&森若香織に縁の深い面々は、會田が“スモーク・オン・ザ・ウォーター”を弾けば、白井は“パープル・ヘイズ”という具合に、有名曲の名フレーズやソロを披露して自己紹介していき、会場を沸かせた。



「この頃は売れてなかったから知らないかもしれないけど(笑)、いい曲だから」と前置きして演奏された最後のシングル“キスしたい”では、森若はアコースティック・ギターを弾きながら歌い、軽快なサウンドを聴かせた。続く“ショートカット・ラブリー”ではエンディング間際にブレイクし、渋谷公会堂のライヴでこの曲を歌うまではカツラ&帽子をかぶり、この曲で華麗に脱ぎ去りショートカット姿を披露するという演出を試みたものの、この曲の前でかつらが取れてしまった「ズラ事件」について話し出すというまさかの展開。そう言えば、あの日の渋公では「みんな、初めて見たみたいに驚いて」と言っていた気がする。さらにポップかつメロディアスに失恋を歌った“Bye-Bye-Bye”、会場が飛び跳ねて大盛り上がりとなる“アイスクリームマン”など人気曲が続き、ライヴは加速度的に熱気を帯びていく。ライヴは終盤に披露されたメジャー・デビュー・シングル“ざまぁカンカン娘”ではサビでおしりを2回叩くフリがあり、当時は会場中が一緒になって踊っていたものだったが、この日の客席も(当時のように大暴れとはいかないものの)一緒になって踊る人が続出し、会場に当時の熱気が蘇った。ラストはGO-BANG’Sの代名詞とも言える“あいにきてI・NEED・YOU!”。途中の谷島美砂の「ん?」のパートは森若がモノマネでこなし、その熱気はピークに達してライヴは終了した。




会場から、これも恒例だった「We Want GO-BANG’S!」のコールが巻き起こると、その声に応えてメンバーが再びステージに。森若は黒いブーツに華やかにリメイクされたGO-BANG'S Tシャツという出で立ちに着替えて登場するとエレキギターを抱えて“ダイナマイト・ガイ”をプレイ。ガレージ・ロック風のサウンドをかき鳴らす姿がカッコ良い。続いて季節柄ということで“ロックンロールサンタクロース”。エンディングで「ハッピーバースデイ、アイゴン」と叫ぶと、GO-BANG’Sの“ハッピーバースデイ”が流れだし、ケーキが登場。しばらくみんなで歌い、會田の誕生日を祝った。が、サプライズはこれで終わらず。「あなたは特別過ぎるから〜!」というきっかけセリフを森若が叫ぶと、本当は“スペシャル・ボーイフレンド”のイントロを演奏し始めるはずが、“ハッピーバースデイ”(こちらはトラディショナルな方)をバンドが演奏し、改めて大きなケーキが登場。翌週に迫った森若の誕生日を祝った。そして改めてきっかけセリフから“スペシャル・ボーイフレンド”を披露し、ライヴは大団円となった。


ライヴ中、彼女は「GO-BANG’Sの曲はすごく明るい」「GO-BANG’Sはすごく楽しい!」と語っていた。その言葉通りのライヴだったと思う。20年ぶりに鳴らされた曲は確かに懐かしいものばかりなのだが、それを聴いてノスタルジックな気分になるのではなく、当時と同様、ハッピーで楽しい気持ちになった。それは曲の持つ明るさと、GO-BANG’Sという存在が持つ眩さゆえだと思う。そしてそれは会場にいた誰もが感じていたことなのではないか。メンバーがステージを去った後も止まない「We Want GO-BANG’S!」の声がその思いを物語っていたように思う。




オフィシャルサイト


GO-BANG'S
スペシャルGO-BANG'Sショー
2013.12.4(水)
渋谷duo MUSIC EXCHANGE

■セットリスト
01. サマンサ
02. かっこイイダーリン
03. Sha la la
04. ロリポップロリータロンリーデイ
05. ちょっとだけハイカラ
06. テレフォンコールで抱きしめて
07. OK!
08. チキチキバンバン
09. キスしたい
10. ショートカットラブリー
11. Bye-Bye-Bye
12. 恋のフリフリ
13. アイスクリームマン
14. 人生は絵の具のパック
15. ざまぁカンカン娘
16. 無敵のビーナス
17. あいにきて I・NEED・YOU!
EN1. ダイナマイト・ガイ
EN2. ロックンロールサンタクロース
EN3. スペシャル・ボーイフレンド


    <RELEASE INFORMATION>

    ヴォーカル森若香織 選曲・監修 25周年ベストアルバム『スペシャル GO-BANG’S』

    ヴォーカル森若香織 選曲・監修
    25周年ベストアルバム
    『スペシャル GO-BANG’S』
  • 全国CDショップ・Amazonで販売中
  • PCCA-03925 / 2,940円(税込)
  • [ 収録楽曲 ]
  • 01. ざまあカンカン娘
  • 02. かっこイイダーリン
  • 03. スペシャル・ボーイフレンド
  • 04. チキチキバンバン
  • 05. あいにきてI・NEED・YOU!
  • 06. 無敵のビーナス
  • 07. BYE-BYE-BYE
  • 08. サマンサ
  • 09. ちょっとだけハイカラ
  • 10. 恋のフリフリ
  • 11. ダイナマイトガイ
  • 12. キスしたい
  • 13. Sha・la・la
  • 14. テレフォンコールで抱きしめて
  • 15. 人生は絵の具パック
  • 16. ショートカット・ラブリー
  • 17. ロリポップ・ロリータ・ロンリーデイ
  • 18. アイスクリームマン


  • GO-BANG’S公式Facebookページ
    GO-BANG’S 森若香織オフィシャルサイト
    GO-BANG’S 森若香織オフィシャルブログ
    森若香織Twitter
    GO-BANG'S公式Twitter(裏GO活)


    インタヴュー GO-BANG'S


 NEXUS TOPへ