NEXUS アーティスト・インタヴュー:ZIGZO

1999年にデビューし、わずか3年で惜しまれながら解散した「伝説のスーパーバンド」が、10年ぶりに再結成。最後のライヴとなった日付のちょうど10年後の“翌日”に、10年前と同じ会場である赤坂BLITZでライヴを行ったのが、2012年3月17日のことだった。バンドはその後もツアーとレコーディングを重ね、10月10日に新作アルバム『THE BATTLE OF LOVE』をリリース。シンプルなリフを元にしたハードロックな曲調に、ロマンティックなメロディ、そしてアクの強い4人の個性がプレイに反映された一枚になっている。
10年のブランクを経て、シーンの最前線に戻ってきた彼ら。改めてZIGZOとは何か、そして4人を支えるものは何かという話を訊かせてもらった。

取材・文=柴那典

自分たちがロックバンドとして、生き物として蘇生するために

――まず、今年3月に行われた赤坂BLITZのライヴについて、改めて訊かせてもらえればと思うんですけれども。あそこを再結成の最初のステップにしようということになったのは、どういう流れだったんでしょうか?

高野
単純に、こんど10年目だよねっていう会話から始まったんですよ。将来的なものとか考えずに1本ライヴやってみようよぐらいの軽いノリで。

――最初はわりと同窓会的な?

高野
しかも、俺以外の3人が出てるライヴの打ち上げ中に俺が酔っ払って「来年10年じゃん、やろうよ4人で。お客さんも喜んでくれるだろうし」ぐらいなテンションで言って。メンバーには「その先もやりたい」っていう人がいて、「えっやるの?」みたいな人もいて。それが2010年の年末のことだったから、10年後は2012年だし「1年かけて話し合えばいいんじゃない?」って。毎月それをネタに飲み会をしようよぐらいな感じになって。そうやって話し合ってるうちに、当時からのスタッフとか、周りが動き出してくれたっていうのが大きかったです。

――まずはスタッフや周囲の人たちから「ZIGZOって愛されてたんだ」みたいなムードを感じた?

高野
そうそう、すごくそれが大きくて。嬉しかったですね。お客さんから愛されてるかっていうのはBLITZに出るまでわかんなかったけど、まずスタッフがそうやってわかりやすく手を挙げてくれて、愛情表現をしてくれた。それがバンド4人の気持ちが固まる要素として大きかったと思う。

――実際にステージに立って、10年経ってお客さんの反応を見て、そこで思いが変わったり、何か確かめたとか、そういったことはありましたか?

高野
それはそんなになかったかな。ある程度BLITZに関しては予測できていた部分があったし。お客さんに喜んでもらいたいなと思ってステージも作ったし。それよりも「これからしっかりやらないと」という気持ちの方が強かったです。そうしないとあっという間にもう1回解散することになるぞっていう(笑)。せっかく、人間関係だけはずっとよかったんだから、まとめるところをきゅっとまとめて動くべきだなと。

――あの後には小バコのライヴハウスを回るツアーも行なっていましたけれど、それはバンド感を現場で取り戻そうみたいなことだったんでしょうか?

高野
プランを立てたときは、そういうのは別になかったんですよ。遠くから来れなかったお客さんのためにこっちから行くよっていう、そういうツアーだったから。だけど、結果そうなりましたね。自分たちがロックバンドとして、生き物として蘇生するためにはあの息苦しさがとてもちょうどよかった。そういう感じでしたね。それって、当時も掴みきれてなかったものだと思うんですよね。ほんとはこの4人なら掴める「息苦しさの中の息吹」のようなもの。そういうものを当時も掴みかけてて掴めないまま終わったんですよね。でも、6月のライヴハウスのツアーで10年前に掴みきれなかったものを掴んだ気もしていて。3月と6月はバンドとして全く違う生き物だったなあっていう感じが自分ではしていますね。

やっぱりあの4人でいると貪欲になるんです

――アルバムも、今言われたような息苦しい中でのぶつかり合ってる感じっていうのがすごく如実に表れていると思うんです。できあがって、今のZIGZOというバンドのどういうところが現れたように感じましたか?

高野
曲作りに関しては3月の前から進んでいて、6月のツアーが終わってからレコーディングを一気にしたんですけど。曲作りの段階では、自分たちが掴んできたものを表現するっていうよりも、掴んできたその上を表現するための一つの目標値という感じがしてますね。バンドがより生き物として成長して、どんな姿になっていくのかっていうのを予測しているアルバムのような気がする。どんな自分たちを表してるかっていう質問にお答えするんであれば、ほんのちょっとだけ先の自分たちの姿を表してるんじゃないかなっていう気がします。僕の個人的な考えかもしれないけど、やっぱりあの4人でいると貪欲になるんですよね。それぞれはそんなに貪欲じゃないんだけど4人集まると何故か貪欲になる。もっとよくなるんじゃないか、もっとよくなるんじゃないかっていうのを1曲に対してすごく探して、追求して、でもその追求した先にどっかでいい諦めもできるんですけど。そうは言っても俺たち楽器持ってなかったらアホなおっさんたちっていうところもどっかにあって、いいさじ加減でそれを終わらすことができるんですけど。

――ZIGZOの曲作りについて、スタジオで何時間かやっていると完成している、ってスタッフの方に訊いたんですけれども。

高野
それは本当にそう。間違いないですね。で、昔よりも完成形として全員の聴こえてる音が同じになってきていて。スタジオで何時間かやってれば、曲ができる。ボツになった曲も入れれば、今回のプリプロの期間で30曲、40曲はあるんですよ。そこから厳選して12曲になったんだけど。曲の軸は俺のビジョンなんですけど、それぞれがアイディアを持ち寄ってるみたく聴こえる。それは何故かと言うと、3人が音も人間性も顔も、個性がすごい強いから。絶対バックバンドにはなり得ない人たちっていう。すごくアクが強い。そこがこのバンドの武器だと思うので、逆に俺がメンバーに指示出しちゃうことも恐くない。ただ8ビートを刻むだけでも個性が立つわけだから。

――そういうところすごくありますね。不協和音があるわけでもないし、物珍しい楽器を使っているわけでもない、8ビートで、変なコード展開を使っているわけでもない、だけど音にはいい意味でも変な異様さがある。謎の張り詰め方がある、という。

高野
そうですね。前に誰かに言われたんですけど、ZIGZOってバンドって名前もよくわかんないし、何となく異物である感じがするって。それを自分の中で解析していくとそういうことなのかなって。多分人間が強いんだと思うんですよ。それが集まっちゃってる面白さがあるっていう。

ZIGZO

2012年3月に、10年と1日ぶりに電撃再結成を果たしたZIGZO。再結成を経て、さらに音楽的な絆が深まった彼ら。Vo/高野哲、Gt/岡本竜治、Ba/大西啓之、Dr/櫻澤泰徳の四人がライヴパフォーマンスで「音を楽しむ」姿は圧巻である。
3rd Album 『THE BATTLE OF LOVE』も絶賛発売中。

http://zigzo.net/


ALBUM
『THE BATTLE OF LOVE』

10月10日発売
CRCP-40330 / 3,000円(税込)

[CD収録曲]
01. Day By Day
02. アドレナリン ドライブ
03. I Cult You
04. Super Charger Star
05. Medicine Man
06. 炎は青く揺れる
07. Beyond The Moment
08. ぶらつく天使
09. I’m in Love
10. トロイメライ
11. Hello, I Love You
12. MADAMADA

【ライヴ情報】
渋谷公会堂公演決定!
2012年10月25日(木)
OPEN 18:00 / START 18:30
チケット料金: 前売 6,000円 全席指定

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