NEXUS アーティスト・インタヴュー:ユナイト ジャンルを超えた、いろんな人にもっと響く活動をしていきたい。 そういう音楽を書ける自信はあるので

3枚目のフルアルバム『Ai』をリリースするユナイト。メンバーそれぞれ前身バンドの解散を経て「終わらないバンドになる」ことを目標に結成された彼らにとって、この作品はより広いフィールドにうって出る一つのキーになるかもしれない。
ヴィジュアル系のシーンではすでに確固たる地位を築きつつあるバンドだが、その武器はヘヴィなバンドサウンドと情報量の多い曲調。そして音楽だけでなく、小説をもとに楽曲を書いたりCDパッケージに価値を持たせようと様々なトライをするアイディアの濃さ。一つ一つの活動の裏側に戦略と企画がある。
3月29日に品川ステラボールで行われるワンマンライヴでバンドは3周年を迎える。アルバムについて、その先のビジョンについて、5人に訊いた。

取材・文=柴 那典



シャイな人見知りの集団なので、気軽に「愛してる」とか言えない

――アルバムの話からお伺いできればと思うんですが、どういうコンセプト、どういうヴィジョンから作っていったものなんでしょうか。

椎名
未緒
(以下
未緒)
1st、2ndが、ある程度ユナイトのオーソドックスな部分を進化させようという主旨で作ったんです。ただ、今回は3年目で3枚目のアルバムなので、アプローチを変えるという意味もこめて、あえてこれまでの流れを断ち切って作ってみたいという思いがありました。1stアルバムは全くコンセプトを決めずに、とにかくいろんな曲を詰め込んだもので。2ndは共通の一つの言葉としてタイトルの『MEANiNG』というテーマがあった。その曲の意味付けを考えた上でテーマを揃えて作っていったものなんですね。で、今作は、一つのフレーズとしての共通の言葉から踏み込んで広げていった曲を揃えてみたんですね。だから、発展性のある言葉、広げられる言葉をタイトルにしたいという思いから、「Ai」にして。漢字でもアルファベットでも、英語でも日本語でも同じ響きなのに全く違う意味があるという面白みもあるということで。

――では、皆さんそれぞれの「Ai」のイメージは?

LiN
やっぱり最初に思い浮かぶのは「愛」ですね。「愛」というフレーズは、普段なかなか使えないんですよね。シャイな人見知りの集団なので、気軽に「愛してる」とか言えないんです。なので、音に乗せることでそれを発言できるという。それは素晴らしいことだと思います。
僕はやっぱり歌い手なので、作曲者がそれぞれ曲に込めた「Ai」をどう表現できるかというところに力を注ぎましたね。それがユナイトでの一番大きな役割だと思うので。

歌詞の世界観には、実は裏の設定がある

――2013年には3ヶ月連続リリースもありました。椎名未緒さんが先に小説を書いて、それにあわせて曲を書いていくという。それまでやっていなかったことだと思うんですけれども。

未緒
そうですね。

――振り返ってみて、その試みははどういう体験になりました?

未緒
これは自分の作詞のスタイルにかかわってくるんですけど、伝えたいお話があったとしたら、一字一句間違いなく伝わってほしいんですね。自分が作ったお話が聴き手にちゃんと伝わって欲しいという気持ちがある。音楽に乗せるとなると、メロディにあてはめなければいけないんで、乗せられない文字が出てくるんです。それを補填するような形で歌詞カードには歌わない文字も乗せてはいて。ただ、それでも限界があったので。自分の中では主人公はこういう人格で、こういう世界にいてという、細かい設定を作りこむんですね。「実はこんなところまで作っている」ということを小説の形で伝えることができた。歌詞の世界観だけでしかなかったものが、実は裏の設定があるということを知ってくれたというのは収穫だったと思います。歌詞を見て想像するところまで手を伸ばしてくれた。アルバムでもそういう作り方をしている曲は沢山あるので。

――実は全曲そういう作り方をしていたんですね。

未緒
そうなんです。

――LiNさんはどうでした? すでにある小説をもとに曲を作るという曲は?

LiN
まず、人が書いた小説を題材に曲を作るのが初めてだったけど、単純に面白かったですね。普段自分が作った歌詞は、比喩を用いてふわっと書いて、聴き手の人にいろいろ委ねる感じで作っているんです。”色即是空 -イロスナワチコレソラナリ-”も、小説を読まないで歌詞だけみたらふわっとしてると思うんですね。でも元があるから、聴いてる人には曲の作り方がわかるみたいな感じで。

――結さんはどういうアプローチでした?

自分も初めての経験だったので、まずは楽しかったですね。3部作だったので、3つの物語に出てくるキーワードを歌詞に少しでも盛り込んだら面白いと思って。わりと俺はストレートな歌詞を書くほうなので、未緒くんが書いてる物語を俺が歌詞にするとこうなるんだという、今までのスタイルとは違った一面が見せられたと思います。

楽しんで曲を作るとガチャガチャした曲になる

――アルバムでも、椎名未緒さんが作った"アイ -’ation-”という曲とLiNさんが作った”May_A_Fly_i”という曲がリードになっています。それぞれどういうイメージから作ったんでしょうか。

未緒
最初にリード曲ではない曲を作った上で、最後のほうにリード曲を作ったんですね。自分は細かいことをしたがりなクセもあって、楽しんで曲を作るとガチャガチャした曲になることが多くて。アルバム曲で、その部分のやりたいことをだいたい消化した後だったので。フラットな状態で書けたと思います。リード曲だし、アルバムを象徴する伝えたいメッセージがストレートに届くものになった。勢いで作ったんで、自分としてはバカ正直な感じがして恥ずかしいと思うくらいの曲にはなってますね。

――確かに、ユナイトの曲調として、詰め込み型の曲は多いですよね。それはどういう風にできていったんでしょう?

未緒
たぶん、ビビリなところはありますね。空白が怖いというか、間が怖いところはあるかな。

――リズム隊のお二人にも訊きたいんですが、シンプルに演奏大変なんじゃないかと。

ハク
そうですね。音数も多いし、フレーズも曲中で変わったりしていて、すごく多い。
ゆきみ
他のバンドのドラマーから「なんでそんな大変なことやってるの?」とはよく言われますけどね(笑)。でも、やってて楽しいです。

――LiNさんも同じように音を詰め込むし、展開したがるタイプなんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。

LiN
やっぱビビリなんですね。あれもやらなきゃ、これもやらなきゃって思っているんで。自分が曲作りとしてしっかりしてきた印象はなくて。まだ荒削りの期間だと思っているんで。空白の沢山あるシンプルな曲もいずれ作れるようになるかもしれないんですけど、「クソガキ精神」が大事なような気がしてます。そこで攻める段階だと思っていて。

――”May_A_Fly_i”でも、"アイ -’ation-”でも、途中でお洒落なコードが入ったり、激しい曲でも仕掛けは多いですよね。

未緒
そうですね。癖だと思います(笑)。

ユナイト

2011年3月に彗星のごとくV系シーンに登場したユナイト。ファーストライヴから大きな話題を呼び、結成から1年の間に、オリコンインディーズチャート1位、初ワンマン渋谷O-WESTを即日完売、1st Full Album [STARTiNG OVER'S」も初回盤が即日完売など、数多くのハードルを一気に飛び越えた。
2012年3月には結成一周年記念となる赤坂BLITZでのライヴも完売。立て続けに3枚のシングルをオリコンメジャーチャートに送り込んだ。同年9月には東京国際フォーラムCでの初のホールライヴも敢行、次のステップへの意欲をシーンに知らしめ、その勢いのまま様々な音楽ジャンルを飲み込み、彼らの全精力がパッケージされた2nd Full Album [MEANiNG]を12月にリリース。2013年にはワンマンツアーUNiTE. 2013 SPRING ONEMAN TOUR [once live too meaning]を敢行、3月29日、ファイナル公演でもある結成二周年となる渋谷AXでの公演も大歓声の内に幕を閉じ、“終わらないバンド”としての3年目をスタートした。6月からの3ヶ月連続リリースも全作品が予約完売を記録、デジタルリリース音源『原典:パープルレシオ』がレコチョクデイリー1位を獲得する等三周年に向けますます加速度をあげている。3月29日三周年記念ワンマン品川ステラボール公演を目前に、3rd Full Album[Ai]を1/22にリリースする。

http://www.unite-jp.com/


3rd Full Album『Ai』

2014年1月22日(水)発売

初回生産限定盤(CD+DVD)
DCCL-128〜129 / 3,600円(+税)

[収録楽曲 ]
<CD>
01. アイ -'ation-
02. May_A_Fly_i
03. small world order (Ai ver.)
04. At traction S
05. プログルーミー
06. FCW
07. 色即是空 –イロスナワチコレソラナリ- (Ai ver.)
08. 粛清とチョコレート
09. flower of reunion
10. ハートレス クラシックメモリー (Ai ver.)
<DVD>
01. アイ -'ation-
02. アイ -'ation- MV Making

通常盤タイプM(CD)
DCCL-130 / 3,000円(+税)

[ 収録楽曲 ]
01. アイ -'ation-
02. May_A_Fly_i
03. small world order (Ai ver.)
04. At traction S
05. プログルーミー
06. FCW
07. 色即是空 –イロスナワチコレソラナリ- (Ai ver.)
08. 粛清とチョコレート
09. flower of reunion
10. ハートレス クラシックメモリー (Ai ver.)
11. scenes
12. Invit'

通常盤タイプL(CD)
DCCL-131 / 3,000円(+税)

[ 収録楽曲 ]
01. May_A_Fly_i
02. アイ -'ation-
03. small world order (Ai ver.)
04. At traction S
05. プログルーミー
06. FCW
07. 色即是空 –イロスナワチコレソラナリ- (Ai ver.)
08. 粛清とチョコレート
09. flower of reunion
10. ハートレス クラシックメモリー (Ai ver.)
11. アンテリナム
12. ポロメオノワ

LIVE DVD
『2013 SPRING ONEMAN TOUR[once live too meaning] TOUR FINAL AT SHIBUYA-AX』

2014年3月5日(水)発売
DCBL-14 / 4,800((+税))
※2013年3月29日渋谷AXにて行われた、ユナイト2周年を記念としたワンマン公演を完全収録!

デジタルリリース
「原典:パープルレシオ」

2013年1月1日(水)レコチョクにて期間限定配信
配信期間:2014年1月1日(水)〜2014年1月31日(金)

■ライヴ情報
UNiTE. 3rd Anniversary oneman live -U&U’s Ai-

日時:2014年3月29日(土)
 OPEN 17:00 / START 18:00
会場:品川ステラボール

チケット:前売り 4,500円
 (税込・1F全立見・D代別)
一般発売:2014年3月1日(土)

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