NEXUS アーティスト・インタヴュー:UNISON SQUARE GARDEN

これはまさに決定打! UNISON SQUARE GARDENというバンドの真骨頂を詰め込んだような4thアルバム『CIDER ROAD』が届いた。彼らが突き詰めてきたカラフルなポップセンスと爆発するようなテンション、「ロックバンドは楽しい」という信念が形になった一枚だ。

 ドラム、ベース、ギターの最小編成で鋭角に突っ走るジェットコースターのようなアンサンブルと、図抜けた演奏力、斎藤宏介(Vo/G)の芯の強い歌声、めまぐるしい曲調、イメージの奔流のような歌詞と、メジャーデビュー時からオリジナルな音楽性を突き詰めてきた彼ら。昨年のシングル『リニアブルーを聴きながら』もヒットを記録、上昇気流に乗る状況のなか、いよいよそれが全13曲に花開いている。

 アルバムと同日には、昨年春のZEPP TOKYOでのステージを収録したライヴDVDもリリースされる。今回は新作アルバムの話だけでなく、そのライヴでの“とある特別な瞬間”の話もした。さらには彼らの音楽だけでなく、大きなロックフェスやライヴハウスの場に当たり前のようにある、一つの風潮についての話もした。

取材・文=柴那典



作ってる最中からずっと「今回はちょっとヤバいぞ!」みたいな感覚があった

――アルバム、ほんとに素晴らしかったです。こんなにも熱量を詰め込んで、なおかつ一筋縄ではいかない、ポップなアルバムはなかなかないと思うんですけれども。完成した時の手応えはどんな感じでした?

斎藤
作ってる最中からずっと「今回はちょっとヤバいぞ!」みたいな感覚がありましたね。完成も待ち遠しいし、早く聴いてもらいたいなっていう気持ちで。実際、自分たちが積み重ねてきたバンド活動の中で、ようやくこういうものを作れるようになった達成感があって。自分がやりたいこととのギャップもなく、純粋に聴いててストレスもないし。
鈴木
ほんとに、ようやくできたなという感じはありますね。今まで、音源を作るたびに、そのつど全力だったし、最善を尽くしてきたけど、それでもやっぱりできなかったことも沢山あって。頭で思うことと実際にやれることにギャップがあって、そこの違いで苦しんできたというのがあったんです。でも、ようやくこの4枚目の制作クールの中で、こうやったらこういう音になるというができるようになった。思ってるものを実現するためにはどうしたらいいかっていう手法を自分なりに書いた本が完成したというか。自分で作った作品をこんなに後で聴きたいって思える作品に初めて出会えました、ほんとに。

――なるほど。田淵さんはどうですか?

田淵
完成した時と今とは実感が違ってますね。実は出来上がったときは不安だったというか。作ってる時から、口を開けば「ちょっと、今回すごいんじゃないすか?」みたいな感じで鼻息荒く言ってたんですけど。まあ、だいたいそういう人を見ると人間ってちょっと嫌がるじゃないですか(笑)。

――ははは!

田淵
「お、おう……」みたいに周囲がなってて。自分の中でも限界点を超えた作り方をしてしまったから、それがすごい裏目に出てしまったんじゃなかろうかっていう不安もあったんですけど。ただ、自分で聴いてもやっぱりすげぇ作品だし。いくつかインタビューをしても、それ相応の評価をもらって。「あぁ良かった、間違ってなかった」ってほっとして、ようやく自信作ですって言える段階に今入ってますね。

――ちなみに、今言われた「限界点を超えた作り方」というのは?

田淵
これは僕の中だけの話なんですけど、これまでアルバム作りは一定の哲学を持ってやってきたんですね。一つのストーリーになることを前提に作り始めて、主要な曲を決めて、その穴埋めをするように間を埋めていくっていうのが僕の中での理想的な作り方、最終的にいいアルバムになるのはそういうものだなって思ってたんです。でも、今回はそういうコンセプチュアルなものを全部すっ飛ばして、本当にすごい曲が13曲揃ってしまったというもので。

――これまでとは曲の並び方が違う、と。

田淵
今までの哲学だったら、それは全部1枚のアルバムにしてはいけないものだったんですけど、でも、こんないい曲だし出さないわけにはいかないよなっていう。曲順を並べたり、トータルの世界観を体現するのにどうしたらいいかっていうところに、むしろ葛藤が多かった。今までのアルバムの作り方とは全然違う作り方だったんです。

ほんとに自分が楽しくてステージに立ってる



――アルバムの話とちょっとズレるけど、UNISON SQUARE GARDENのライヴで、すごく覚えていることがあるんです。前作の『Populus Populus』の後、Zepp Tokyoでライヴをやった時の話で。確か、“アイラブニージュ―”のときに、風船を飛ばしてましたよね。

鈴木
ああ、あの時の!

――あの時に起こったことは、僕、ちょっと伝説だと思ってるんですけど。

斎藤
あははは!
田淵
僕らもよくあの時の話はしますね。

――ステージ脇から巨大な風船が飛び出てきて、お客さんがそれを跳ね返して、ポンポンとフロアの上を飛ばしていた。偶然、それが斎藤さんのところに返ってきて、しかもさらに偶然に曲のブレイクのところで、斎藤さんがそれをピックでパーン!と割って、ギターソロに入ったという。

鈴木
あれ、ヤバかったですね。ドラム叩きながらあれ見て、感動してミスっちゃいました(笑)。

――あははは。

鈴木
感動しすぎて。「やべぇ〜! かっけぇ!!」って。その瞬間リスナーになっちゃった(笑)。

――あれって、言ってみればミラクルだと思うんですよ。でも、ああいうことは、演奏力の面でも、パフォーマンスの面でも、ステージに立つ上での意識をバンドがきちんと磨き上げていないと絶対起きないわけで。そういう意味でも、非常にユニゾンのライヴの象徴的な瞬間だと思うんです。そういうところはどうですか?

田淵
それはやっぱり、ステージの中での決め事を沢山作ってたら生まれなかった事件であるのは確かで。ウチらは基本的にステージ上でのルールを決めてなくて。それが、「ああ、あのバンド自由で楽しそうだな」って思ってもらえることの一端を担ってるのかなっていう気はします。ライヴって、お客さんにステージを観てもらうっていう感覚よりは、ほんとに自分が楽しくてステージに立ってる感覚のほうが強いので。そういうステージ上に、やれルールだとか、ここはこういう振り付けしなきゃとか、そういうのでやってない。それが自分の中での楽しいライヴのやり方だし、それが自分が考える、お客さんが観てて楽しいロックバンドだと思ってるので。無理やり説明つけるとしたら、そういうところですかね。

――それに、ユニゾンの曲って格好いいキメが満載なんですよね。バン!って一瞬で合わせた音を鳴らした時のロックバンドの格好よさ、気持ちよさみたいなものを曲の時点で内包している。ライヴでやればそれが一目瞭然で。UNISON SQUARE GARDENっていうバンドが積み重ねてきたものって、そういうものな気がしていて。その感覚はあります?

斎藤
そうですね。やっぱステージの上で自分たちが楽しむことが、結果お客さんにとっての一番のUNISON SQUARE GARDENを観に来た意味みたいなものだと思うから。その中で楽曲の決まり事じゃないところはせめて何かしらしてやろうっていうのは思ってるかな。

UNISON SQUARE GARDEN

斎藤宏介(Vo/G)、田淵智也(B/Cho)、鈴木貴雄(Dr/Cho)による三人組。透明感に溢れながらも個性的なトゲを持つ斎藤宏介のボーカルと、エッジが効いたコンビネーション抜群のバンドアンサンブルが共鳴する見たことのない新世界。キャッチーなメロディーライン、鮮烈なライヴパフォーマンスを軸に、右肩上がりにセールスと動員を延ばし続ける3 ピース・ロックバンド。テレビアニメ『TIGER&BUNNY』オープニングテーマ等、活躍の場を広げている。

unison-s-g.com/


NEW ALBUM『CIDER ROAD』
2013年2月6日(水)発売

初回限定盤[CD+DVD] TFCC-86423 / 3,500円(税込)

通常盤[CD] TFCC-86424 / 2,800円(税込)

[CD収録曲]
01. to the CIDER ROAD
02. ため息 shooting the MOON
03. リニアブルーを聴きながら
04. like coffeeのおまじない
05. お人好しカメレオン
06. 光のどけき春の日に
07. クロスハート1号線(advantage in a long time)
08. セレナーデが止まらない
09. 流星のスコール
10. Miss.サンディ
11. crazy birthday
12. 君はともだち
13 シャンデリア・ワルツ

[初回限定盤付属DVD収録内容]
STUDIO LIVE
・シャンデリア・ワルツ
・クロスハート1号線(advantage in a long time)
・リニアブルーを聴きながら
・ガリレオのショーケース


[LIVE DVD]
『UNISON SQUARE GARDEN ONEMAN TOUR 2012 SPECIAL 〜Spring Spring Spring〜 at ZEPP TOKYO 2012.04.21』
2013年2月6日(水)発売

[DVD]TFBQ-18132 / ¥3,500-(tax in)

[収録曲]
01. overture 〜 Spring Spring Spring 〜
02. フルカラープログラム
03. プロトラクト・カウントダウン
04. 23:25
05. 空の飛び方
06. デイライ協奏楽団
07. スカースデイル
08. 誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと
09. マスターボリューム
10. スペシャルメドレー
(ライドオンタイム〜等身大の地球〜 R. アンディ〜CAPACITY超える〜ワールドワイド〜スーパーガ―ル〜コーヒーカップシンドローム〜センチメンタルピリオド〜ドラムsolo 〜ガリレオのショーケース)
11. シャンデリア・ワルツ
12. クローバー
13. シュプレヒコール〜世界が終わる前に〜
14. cody beats
15. オリオンをなぞる
16. 場違いハミングバード
-ENCORE-
01. アイラブニージュー
02. サンポサキマイライフ
03. kid, I like quartet


【ライヴ情報】
UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2013
2月23日(土) 札幌PENNY LANE24
2月26日(火) 松坂M'AXA
2月28日(木) 滋賀U★STONE
3月02日(土) 広島CLUB QUATTRO
3月03日(日) 高松オリーブホール
3月08日(金) 仙台darwin
3月10日(日) 長野LIVE HOUSE J
3月16日(土) 福岡DRUM LOGOS
3月17日(日) 長崎DRUM Be-7
3月19日(火) 富山SOUL POWER
3月20日(水・祝) 甲府CONVICTION
3月23日(土) 山形ミュージック昭和セッション
3月24日(日) 青森QUARTER
3月29日(金) 高知X-pt.
3月30日(土) 米子AZTiC Laughs
4月06日(土) オリックス劇場
4月07日(日) 名古屋市公会堂
4月10日(水) 東京 NHKホール

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