NEXUS アーティスト・インタヴュー:THE BOHEMIANS 「ロックンロールはライヴが命。出てくる瞬間が最高に格好よくないと、ロックンロールバンドじゃないからね」――復活の狼煙を上げる新作アルバム『BUM』完成。痛快作の裏側を語る

THE BOHEMIANSがニューアルバム『BUM』をリリースした。

オープニング「NEW VIEW」から全11曲、ジューシィで痛快なロックンロールが詰まった新作は、ジャケットにあるハムの鮮やかなピンク色のイメージにも通じる、フレッシュなアルバムになっている。その背景にはバンドの状況の変化も大きくあったようだ。

山中さわお(the pillows)主宰の「DELICIOUS LABEL」に移籍し、再スタートをきった彼ら。自ら「BUM」(=怠け者、役立たず)と語った2013年の日々からエネルギッシュな飛躍を果たすバンドの今までを、5人に語ってもらった。

取材・文=柴那典





今回は音楽的になった

――アルバム、非常に格好よかったです。

全員
ありがとうございます!

――できあがった時はどういう感触、どういう手応えがありました?

平田
ぱんだ
今までで一番音楽に寄った、CDとしていいものができたという感触ですね。今まで、全部を入れようとしていたんですよ。ルックスとか、ロックンロールの匂いとか、そういう全部を詰め込もうとしていて。そうじゃないとリアルじゃないと思ってた。でもね、そういうのはやっぱりCDには入らないし、CDには必要なかったという。だから、今回はちゃんとロックンロールの音楽面が上手く収録できたとは思いますね。

――なるほど。音楽的な純度が高いものができた。

平田
そうですね。CDとして一番いいものができた。結局、ロックンロールはライヴだと思うんですよ。人前で演奏してなんぼだと思うんです。でも、今まではそれをCDにも入れようとしていた。勢いとかソウルとか魂とか、そういうものが入ってないとダメだというこだわりがあって。そういう基準でテイクを選んでたんです。でも、今回はもっと音楽的になった。そこが区別できたという感じですね。

――まずはパッケージについてから聞いていきたいんですが、今回のタイトルとジャケットはどういうところから決まっていったんですか?

星川ドント
レットミーダウン
もともとは平田ぱんだから「『BUM』だ!」っていう一斉送信メールがきて。


平田
そう言ったら、すごいウケが良かったんだよね。
星川
その時は特に意味はなかったんですよ。もう感覚的な感じで。
平田
『BUM』ならば、じゃあ8月6日に発売しなきゃいけないだろう、語呂合わせ的に。で、8月6日。それをわかりやすくジャケで表現するには「ハムだ!」と。

――なるほど(笑)。でもこれ、僕が見た時にはハイロウズの『バームクーヘン』を思い出しましたけどね。

平田
ああ。そういうのも俺ら的にはあるんですよ。今までは「ロックンロール・アイドル」というキャッチコピーだったのもあって、ジャケに自分たちの顔を出してたんですけど、今回はそういうのなしでやれるから、それだったらロックンロールは鮮度だから、CDを食べ物にたとえよう、って。そういうのを前々からやりたかったんです。『バームクーヘン』もそうだし、ストーンズの『レット・イット・ブリード』のケーキもそうだし、食べ物がジャケで名盤じゃないやつってないと思うんですよ。他は知らないんですけど(笑)
チバ・オライリー
(と無法の世界)
a.k.a ジャン

 なんとなくそんな感じがあるね。

平田
そんな感じがあって、食べ物がいいなって。

――なるほど。ある種、これまでの音源っていうのは、よく名刺代わりみたいなことを言いますけど、自分たちを紹介するための盤だった。

平田
そうですね。

――それが純音楽的な盤になったっていうのと、このハム、食べ物というのは意外に通じ合ってるっていうことなんですね。

平田
そうです。俺らは、結成してボヘミアンズっていう名前になってから来年で10年ぐらい経つんですよ。だからわりと歴史が長くて、曲が沢山あって。だから過去曲も入れてきて。それはバンドの歴史の説明っていうのもあったんですけど。でも、今回は初めて新曲だけのアルバムを出すという感じですね。2013年、すげえヒマしてた時に作った曲だけが入ってるっていう。

去年はひたすらBUMってました。毎日、酒とお菓子と映画で……(笑)

――去年はバンドの状況もいろいろと変わったわけですよね。どういう感じの状況だったんですか?

平田
去年はひたすらもうBUMってましたね。ひたすらダメでした、みたいな。それを「BUMってた」って僕は言ってるんですけど。
ビート
りょう
そういう俺たちの2013年の状況を一言で言い表したのがBUMっていう。

――基本的にはひたすらスタジオに入ったり曲を書いたり、みたいな?

平田
いや、それすらしてなかった。
りょう
あんまりそんなひたすら感は僕らはなかったんです。去年の前半は、移籍云々で、向こうの話待ちみたいなところがあって、それで俺らも「じゃあ待ってようか」みたいな感じで。
平田
別に誰に命令されるわけでもないし、なんとなく金はあるし、じゃあ、これは子供の頃の夢を叶えるぞ!とBUMってました。アル中ってましたね。起きたら酒飲んで。

――あははは。

平田
そして最近酒をやめました(笑)。

――まあ、ずっとBUMっていたら、このアルバムには辿り着いてないわけで。

平田
そうっすね。やっぱり堕落からは何も生まれないということがわかったんで、やっぱりやろうかってなったのがだいたい2013年の夏ぐらい。それまではほんとに、月イチぐらいでライヴやって、あとは家にいて、毎日酒とお菓子と映画で……(笑)。
本間
ドミノ
先生

それ、平田くんだけですよ。

星川
あの時代ね、5人で酒飲んでたらすげえヒドかった記憶がある。
チバ
ヒドかったね(笑)。ツアーをやろうかという話もあったんだけど、動きたくても動けないみたいなところもあって。だからしんどかったかな。
りょう
やっぱり不安はあったしね。
星川
もどかしさはあったよね。宙ぶらりんな状況だったから。そこでライヴがはけ口になってたかな。そこでライヴの楽しさ、バンドをやる楽しさが再び目覚めたっていう。

――で、今年1月に山中さわおさん主宰の「DELICIOUS LABEL」への移籍が発表になったわけですけれども。

チバ
よかったよね。
本間
去年の夏ぐらいに、さっき言った契約関連の話が全部なくなって。それからは完全に自分たちだけになって。そこでまず会場限定のシングルを作ったんですよ。その頃から少しずつ、以前から親しくしてもらったいたさわおさん、デリシャスの人たちにお世話になり始めて。で、年末にそのシングルを出して、今年の春には自分たち主体でツアーをやったりして、そこでもかなり協力してもらって。その流れの中で次のアルバムを作ろう、という自然な流れで決まっていった感じですね。

久々に自然なことを真っ当にやったアルバム

――今回のアルバムは、バンドにとって最も音楽の純度の高い作品であるという話ですよね。そのことと、2013年に作ってこのタイミングで出したというのは、どこかしら関係がある?

りょう
結果的にそうかなって俺は思いますけどね。このアルバムの曲は主に2013年に作った曲なんですよね。でも「ヒマになったから曲作るぞ」っていうことでもなく、時間があって「あ、できた、デモ録ってみっか」みたいなテンションで作ったやつの集まりなんですよね。
星川
音楽的な違いでいったら、プリプロをやったかやってないかは違うかもしれない。ファーストアルバムの『憧れられたい』はプリプロをやったんですよ。で、次の2作はほぼぶっつけ本番だった。アレンジもそこまで固めないで、勢いでやろうという感じで。で、今回はプリプロやって、アレンジもしっかり練って、で、レコーディングしたという。
りょう
さわおさんと一緒にやったのもデカいですけどね。こういう順番で作るっていう、当たり前のことをやった。
本間
久々に自然なことを真っ当にやったアルバムっていうか。
平田
だからあれだね、3年ぶりのアルバムだよね。ある意味。久々にボヘミアンズのアルバムが出たなと思う。

THE BOHEMIANS

山形県出身の5人編成のロックンロールバンドTHE BOHEMIANS(ザ・ボヘミアンズ)。
妖艶でグラマラスなルックスと、UKロックの系譜に連なるポップな楽曲、荒々しくも 骨太なバンドサウンドで人気を拡大中のロックンロールバンド。

2010年、初の全国流通版「I WAS JAPANESE KINKS」リリース。
2011年8月31日 Major Debut Album『憧れられたい』発表。
2012年4月25日 2nd Album『THIS IS POP!!!』発表。
2012年12月5日 3rd Album『BOHEMIANS FOR LIFE』発表。
2013年春、セルフマネージメント・レーベルで活動開始。
2013年12月24日 ライブ会場限定Single『NEW LOVE』発表
2014年1月、デリシャスレーベル加入。
2014年2月26日発売のthe pillows結成25周年記念トリビュート『ROCK AND SYMPATHY-tribute to the pillows』に「No Substance」で参加。
2014年3月「THE BOHEMIANNS NEW TOUR 2014 〜夢と理想のツーマン〜」を開催。go!go!vanillas、ザ50回転ズ、Droog、爆弾ジョニー、THE COLLECTORSと共演。
8月6日アルバム「BUM」リリース。
9月23日からは約2年ぶりのワンマンツアー「AUTUMN ROYAL BUM TOUR 2014 〜僕の復活〜」を開催する。

オフィシャルサイト


ニューアルバム『BUM』

2014年8月6日(水)発売
BUMP-041 / 2,500円(税込)

【収録曲】
01. NEW VIEW
02. BUM
03. SHOPPING
04. 真夏の仲間
05. Nadine
06. Shyboy
07. DRIVE LOVE
08. Johnny Foo
09. Pictures of Pete
10. THE ALWAYS
11. SUPER THUNDER ELEGANT SECRET BIG MACHINE

■LIVE INFORMATION

THE BOHEMIANS
「AUTUMN ROYAL BUM TOUR 2014〜僕の復活〜」


09月23日(火・祝) 新宿 red cloth
09月27日(土) 高松 DIME
09月28日(日) 福岡 Queblick
10月08日(水) 金沢 vanvanV4
10月10日(金) 大阪 Music Club JANUS
10月11日(土) 広島 Cave-Be
10月17日(金) 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
10月26日(日) 名古屋 CLUB UPSET
11月01日(土) 札幌 KRAPS HALL
11月03日(月・祝) 東京 キネマ倶楽部

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