NEXUS アーティスト・インタヴュー:SEBASTIAN X「下手な理屈よりも感覚で、パワーとかエネルギーだけでやってきた」――SEBASTIAN X、メジャー進出で改めて明かす奔放さの由来

いよいよメジャー進出! 結成6年、ミニアルバム『イェーイ』で新たな地平に乗り出したSEBASTIAN X。奔放で、キャッチーで、エネルギッシュで、爆発力たっぷりの楽曲が詰まった新作は、バンドの新たなアイデンティティを力強く示す一枚だ。

メジャーデビューを機に、改めてバンドの音楽性と枠にとらわれない自由な発想を語ってもらう永原真夏(Vo)へのインタビュー。大きな転機になったというイベント「TOKYO春告ジャンボリー」について、今作のプロデュースをつとめたクラムボン・ミトとの関係について、そしてメジャーデビュー前夜に銀座で繰り広げられた一つの“暴挙”について――。たっぷり語ってもらった。

取材・文=柴那典




第一声に意味合いがないのがいい

――今回のミニアルバムの曲は、メジャーデビューが決まってから作っていったもの?

永原
そうですね。“スーダラ節”以外は全部、メジャーデビューのスケジュールが立って、そこから作っていった曲です。

――特に“イェーイ”は所信表明的な感じもしましたけれど、そういう気持ちはあった?

永原
ありました。でも、それをダイレクトに伝えるより、むしろ決意表明と捉えなくてもいいような曲を作ろうと思って。自分が好きでやり続けてきた、一人の人間が開かれていく感じが、情景とか色合いで伝わる曲にしようと思ったんです。

――でも、「決意表明と捉えなくてもいい」って作った曲のタイトルが“イェーイ”である、っていう(笑)。

永原
そう(笑)。やっぱりいろんなタイトルを考えたんですよ。ストレートなものから、余白があって深読みできるようなのとか。でもやっぱり、第一声ですから。(「イェーイ」という)言葉自体に意味合いがないっていうのがいいなって思って。音楽らしいなって思って。それが大きかったですね。

――音楽らしい、というのはどういう感覚?

永原
音楽はいかようにも解釈できるのが強いと思うんです。音楽だったら、明るい曲を聴いてウザいと思う人もいれば、楽しいと思う人も、泣けると思う人もいる。限定されないってことが、音楽の可能性だと思うんです。




上手く説明できないことを、ちゃんと実践で形にしてきた

――“イェーイ”だけじゃなくて、SEBASTIAN Xにはそういうタイプの曲が多いですよね? そういう価値観が根底にある感じがする。

永原
ありますね。限定したくないと思うし、それより広げたいと思っています。自分がどういう人間かとか、自分のメッセージが伝わることより、お客さんの気持ちが広がったり、何か楽しくなる、っていう。そっちをとにかく求めているので。

――いろんな前提事項とか語り方とか文脈があって伝わるんじゃなくて、なんかよくわからないけどエネルギーがあるとか、うまく言えないけどテンションがあがるとか、そういう風に伝わる。そういう象徴としての『イェーイ』という。

永原
実際、「語り口がなかなか無い」というのは、ちょっと歯がゆい部分でもあったんですよ。考察してほしいなって思ったこともあったんですけど。でも、やっぱりメジャーデビューで『イェーイ』というタイトルをつけちゃうんだって、自分たちでも自覚しました。

――それって、なかなか言葉にしづらいけれど、やっぱり言葉にするなら「生命力」ということになると思うんです。実際、生命力のすごくある音楽をやってきたわけで。

永原
そう。前作の『POWER OF NOISE』というアルバムを作った時に、言葉で説明できる部分は「いいや」って思ったんです。とにかく自分のエネルギーとか生命力みたいなものにピントを合わせて音源を作って、ライヴをして。実際、自分たちが毎年やってる「TOKYO春告ジャンボリー」もその象徴なんですよね。外で音楽を聴いても、いつもと何が違うのかわからないじゃないですか。だけどやってみたら超楽しかったんですよね。上手く説明できないけれど、そういうことをちゃんと実践で形にしてきた。それを経てメジャーに行くというのはマジカルなことだとも思わないし、タイミングも自然でした。

「自分には『春告』がある」というのが自信になった

――NEXUSは「TOKYO春告ジャンボリー」に関しては一年目から特設サイト作ってやってきましたしね。なので、その感じ、すごくわかります。

永原
そうそう、確か最初は「今年で辞める予定」って言ってたんです。一回だけで終わるつもりだった。だけどNEXUSの方々が一回目の終演後に「絶対続けたほうがいいよ」っておっしゃってくださって。

――そうでしたっけ?

永原
そうだったんですよ! あの一言がきっかけで自分の中で確認できたんです。

――でも実際、あそこにない空気が、ちゃんと出来上がってましたしね。

永原
うん。出来上がっていた、というのが近いですね。ブッキングとか装飾とか、イベントは自分たちで作る部分も当然あるじゃないですか。でもその先の空気はお客さんが作ったもので。そう思うと、SEBASTIAN Xを好きな人達のキャラクターが爆発してる空間だったんだなって思いました。

――あれを続けてきたことで、バンドのアイデンティティが見えやすくなった気がするんですよね。あそこにある、昼からいい大人が酒を飲んで音楽を楽しんでるムードっていうのは、バンドの財産になった。

永原
めちゃくちゃなりました。考え方も変わったし、ある意味、「自分には『春告』がある」というのが自信にもなりましたね。あれをお客さんと作れたから、どこにでも行ける、という。

――ただ、真夏ちゃんのそもそものリアルな感覚で言うと、ああいう場は――。

永原
あんまりリアルじゃないです(笑)。

――もっとインドアな人間?

永原
インドアです。外でお酒なんて、絶対飲まないです。実際、野音は好きな場所なんですよ。でも、お酒を飲んで騒ぐより後ろのほうに静かにいるタイプなので。でも、お客さんもそうだと思うんです。もとからアッパーな人たちじゃないけど、場を用意したら全員で弾ける。これは自分の鏡みたいだな、って思ったりします。きっかけさえあったら爆発する、っていう。「春告」はそういう場になっているし、そういう場を作れているという感覚はありますね。

――「春告」がお客さんにとって爆発できる場所になってるのと同じように、そもそもSEBASTIAN Xが真夏っちゃん自身にとって、そうなれる場でもあるという感覚はあります?

永原
確かにそうです。そういう場所ですね。SEBASTIAN Xは理屈がいらないし、感性だけでやれる。そうできるよう、3人がしてくれているんです。私は楽器が弾けないから。この3人がいないとSEBASTIAN Xは確実にあり得なくて。下手な理屈よりも感覚で、パワーとかエネルギーだけでやってきた。そういうことにメジャーデビューのタイミングで気付かされたんです。20歳くらいでバンドを始めてから、それしかやってこなかった。

SEBASTIAN X

永原真夏 VOCAL
工藤歩里 KEYBOARD
飯田裕 BASS
沖山良太 DRUMS

2008年2月結成の男女4人組。2009年11月6日に初の全国流通盤となる『ワンダフル・ワールド』をリリース。
その後も2010年8月に 2nd Mini Album『僕らのファンタジー』、2011年10月、1st Full Album『FUTURES』、 2012年7月、3rd Mini Album『ひなぎくと怪獣』、2013年8月に2nd Full『POWER OF NOISE』とコンスタントにリリースを続ける。 独特の切り口と文学性が魅力のVo.永原真夏の歌詞と、ギターレスとは思えないパワフルだけど愛らしい楽曲の世界観が話題に。
ライブパフォーマンスとキャッチーなキャラクターも相俟って、シーンでも一際目立ちまくっている存在になっている。
そして、2014年10月にメジャーデビューすることが決定し、新たな章が幕をあける。

オフィシャルサイト
『イェーイ』特設ページ


メジャー1st Mini Album
『イェーイ』

CD+DVD盤:CTCD-20009/B / 2,000円(税抜)


通常盤(CD):CTCD-20010 / 1,500円(税抜)

2014年10月22日(水)発売

[ 収録楽曲 ]
・CD
1. イェーイ(Produced byミトfromクラムボン)
2. ラブレターフロム地球
3. スーダラ節
4. ぼくはおばけさ
5. ライダースは22世紀を目指す
6. イェーイ(玉屋2060% HYPER MUSASHINO REMIX)
・DVD
「SEBASTIAN X ライブベストセレクション 2014春夏」
1. ROSE GARDEN,BABY BLUE
2. スーダラ節
3. 光のたてがみ
4. DNA
5. ワンダフルワールド
6. GO BACK TO MONSTER
(以上 2014/6/28 代官山UNITライブより)
7. サディスティック・カシオペア
8. 世界の果てまで連れてって!
9. ヒバリオペラ
(以上、2014/4/19日比谷野外音楽堂『TOKYO春告ジャンボリー』より)

・SEBASTIAN Xメジャーデビュー記念インストアイベント
日時:10月26日(日) 15:00スタート
場所:タワーレコード新宿店7Fイベントスペース
観覧フリー
予約者優先でタワーレコード新宿店・渋谷店・池袋店・秋葉原店・吉祥寺店にて10/22発売『イェーイ』をご購入頂いた方に、特典引換券をプレゼント。そちらご利用で終演後メンバーよりオリジナル・ステッカーをプレゼントいたします。

TOUR INFORMATION

SEBASTIAN Xワンマンツアー2014
11月09日(日) 福岡Graf
11月15日(土) 名古屋APOLLO BASE
11月21日(金) 大阪Music Club JANUS
11月23日(日) 仙台PARK SQUARE
11月28日(金) 東京キネマ倶楽部
チケット:10/11(土)より各プレイガイドにて一般発売開始

『イェーイ』CD購入+レコ発ツアー来場者対象 連動特典プレゼント!
■内容/参加方法
SEBASTIAN X『イェーイ』(CD+DVD盤 / CDのみ盤)をご購入頂き、2014年11月に行なわれるツアー公演にこの用紙をご持参の上ご来場頂いたお客様に先着で特典の「SEBASTIAN Xのちょっと大きいステッカー(永原真夏デザイン)」を差し上げます。
特典引換所はご入場受付のそばに設置予定です。詳しくは当日各会場のご案内をご確認ください。

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