NEXUS アーティスト・インタヴュー:POLYSICS

フミをリード・ヴォーカルに、久々にど真ん中のキラキラとしたメロディが映えるポップチューン“Lucky Star”をシングルとしてリリースしたPOLYSICS。この曲について、さらには「なんでPOLYSICSというバンドからは最高なアイディアが次々と生まれてくるのか?」というテーマについて語り合ったのが、以下のインタヴューだ。

今年で結成15周年を迎えた彼らは、総勢67名が参加した“友達ケチャ featuring 友達”などを含む記念アルバム『15th P』を2月にリリース。秋には「DJという名の不法集会」とも称されるハヤシ独特のDJプレイをメインにした「DJハヤシツアー!!! Opening Act : POLYSICS」も予定されている。いろんなアイディアや思いつきが、アニバーサリーイヤーを迎えたバンド活動のスパイスになっている。

ハヤシ、フミ、ヤノという今の3人編成になってからバンドがどう変わったか、全国をまわってきた「UKFC on the Road 2012」の実感、さらにはライヴでは定番の挨拶になってる「TOISU!」の誕生エピソードなどなど、いろんな話を聞かせてもらった。

取材・文=柴那典

フミが曲作りのアイディアを沢山出してきた

――今回の『Lucky Star』って、3年ぶりのシングルなんですね。

ハヤシ
ねえ? 意外とシングル出してなかったんだなって

――この曲は、どういうところから制作は始まっていったんですか?

ハヤシ
POLYSICSが今の体制になって2年経つんですけど、そういえば “Baby BIAS”とか“NEW WAVE JACKET”みたいな、もともと自分たちが得意なテクノ・ポップ的なタイプの曲をまだ作ってない気がして。そういう曲で、ちゃんとシングルとして出せるものを作ろうよということで、作り始めたんです。きちんとシングルを意識して曲を作っていったという。

――久しぶりにど真ん中のポップな曲を作ってみよう、と。どうでした、出来上がっての感触は?

ハヤシ
いやもう、「これだ!」みたいな感じでしたね。ちゃんとこういう曲ができたねって。こういうシングルを意識した曲を作る場合って、すごい時間をかけるんですよ。いつものPOLYSICSのストレートなロックナンバーを作るときだと、僕が家で仕込んできたシーケンスをスタジオで鳴らして、セッションして、すぐに出来ることが多くて。

――勢い重視みたいな?

ハヤシ
そうそう。すぐ親指がグッと立つ感じ。でも、”Lucky Star”みたいな曲を作るってなるとやっぱそういうわけにはいかない。フミとずっと2人で曲作りしてましたね。で、ほぼ初めてフミが電子音やシーケンスのことにもすごく突っ込んできたんです。この音を足したらもっと面白い聴こえ方するんじゃないかとか、この音はいらないんじゃないかとか。

――フミさんがメイン・ヴォーカルであるだけでなく、曲作りに積極的に関わった、と。

ハヤシ
そうですね。

――どういう経緯でそうなったんですか?

ハヤシ
まず、最初から、シングル曲のヴォーカルはフミにしようっていうのは決めてあって。で、POLYSICSはコンピューターで曲作りをするんだけど、そのときにはもう俺の横にいて、こうじゃないああじゃないみたいな感じでフミが言ってきて。フミが曲作りのアイディアを沢山出してきたんですよね。俺が隣でマニピュレーターのようにそれを作業する時もあるぐらい、曲やシーケンスの音作りに関して絡んできた。自然にそうなってきた感じです。

僕が突っ走りすぎると、フミが襟を捕まえてくれる(笑)

――僕がここ2年のPOLYSICSを見て思うのは、カヨさんが卒業されて今の編成になってから、人数が減って背負うものが増えた分、メンバー1人1人が非常に能動的になっている感じがするんです。そういう実感はあります?

ハヤシ
ありますね。それはもう、みんな1人1人が強く思ってることだから。3人体制になった最初の時に、1人1人のパーソナルな部分をもっと出していきたいって言ったし。俺がリーダーで、フミ、ヤノといるんだけど、3人の顔がぎゅっと前にでるようなサウンドにしたいし、バンドにしたいんだよねっていうのを言って。もちろん生バンドとしての強化をしないといけないと思ったし、あとはもっと個々のアイディアや、人となりみたいなものを曲としてちゃんと出させたいと思ったんで。

――4人のときフミさんのキャラってもっと、言ってしまえばお母さん的なキャラだと思ってたんですよ。肝っ玉姉さんみたいな。でも、わりとこの新しい曲とか、どんどんキュートなところが出てきてる感じがする。

ハヤシ
ほーう、それはどうなんですかね(笑)。

――どうですか? バンド内のキャラって変わりました?

ハヤシ
いやもう基本は変わんないです。僕がリーダーでいろんなアイディアを出すし、曲作りも引っ張っていくんだけど、たまに僕が突っ走りすぎるときがあるので、そういう時はフミが襟を捕まえてくれる(笑)。まあ落ち着け、みたいな。そういうところは信頼してる感じです。肝っ玉母さんというより、「あばれはっちゃく」のお父さんっぽいというか(笑)。そういう意味で、リーダーじゃないけど手綱を握ってるようなところはあります。でも、キュートってあんまり意識はしてなかったな。

――かつてはカヨさんが担っていた部分も、今はフミさんがだんだんキャラクターとして担うようになっていったのかもしれない。それでキュートさが出てきているのかも。

ハヤシ
ああ、なるほど。それはあるかもしれないな。

POLYSICS

1997年結成のニューウェイブ・パンクバンド。ツナギにバイザーのスタイルと、生バンドとコンピューターミュージックが融合した唯一無二のサウンドで国内外の注目を集める。 2010年3月14日の武道館公演でカヨが卒業。休止期間を経て、同年8月にハヤシ、フミ、ヤノの3人体制で活動を再開。2012年2月には結成15周年を記念して『15th P』をリリースした。

http://www.polysics.com/


New Single

New Single『Lucky Star』
2012年8月22日発売
Ki/oon Music

[初回限定盤]
KSCL-2097〜2098 ¥1,575(税込)
[通常盤]
KSCL-2099 ¥1,020(税込)

[CD収録曲]
1.Lucky Star
2.No Control

[初回限定盤DVD収録曲]
MEMORIAL LIVE OR DIE!!! 〜祝!!! 1000本!!!
「おめでTOISU!」と言ってくれ!!!〜ダイジェスト!!!

01. Buggie Technica
02. T・RIANGLE
03. Tei! Tei! Tei!
04. Pretty Good
05. ムチとホース
06. 1.2.ダー!
07. KASUGAI
08. TIME SHOCK!
09. Head O' clock
10. LED
11. Moog is Love
12. How are you?
13. Beat Flash
14. シーラカンス イズ アンドロイド
15. Smile to Me
16. Let's ダバダバ
17. Shizuka is a machine doctor
18. Electric Surfin' Go Go

【ライヴ情報】
結成15周年特別企画 DJハヤシツアー!!!
Opening Act : POLYSICS

2012年10月30日(火)大阪府 梅田Shangri-La
2012年10月31日(水)愛知県 池下CLUB UPSET
2012年11月3日(土・祝)福島県 福島Out Line
2012年11月8日(木)東京都 渋谷CLUB QUATTRO

インタヴューArchives