NEXUS アーティスト・インタヴュー:片平里菜 「こういう生き方に憧れると思ってもらえたら嬉しい」――片平里菜がデビューアルバムに込めた“芯の強さ”

片平里菜が、ファーストアルバム『amazing sky』をリリースした。

デビューから一年、シングルのリリースに加えて度重なるライヴの場でも、その真っ直ぐで力強い歌声を届けてきた彼女。今年5月から7月にかけても、地元・福島や東北を皮切りに全国各地での弾き語りツアーを繰り広げてきた。

アルバムは、そういう中で発揮してきた彼女本来の“芯の強さ”が詰まったような一枚になっている。“女の子は泣かない”などのポップソングだけでなく、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDを編曲に迎えた“amazing sky”など、幅広い可能性を感じさせる。

数々の先輩バンドマンとも交流の深い彼女。アルバムについて、そしてこの先シンガーソングライターとしてどんな道を目指していくのかについて、話を聞いた。

取材・文=柴那典





初期衝動的な、10代の頃にしか書けなかったような、そんなアルバムにしたかった

――アルバム、すごくよかったです。

片平
ありがとうございます。

――ご自分としてはどういうアルバムができあがった感触がありますか?

片平
ギターを持って音楽活動を始めたのが18歳の頃だったんですけど、あの頃から今まで4年間の集大成になったと思います。

――どういう4年間でした?

片平
本当にあっという間でしたけど、その一つ一つが濃かったので。不思議な感覚ですよね、思い返しても。18歳の時に弾き語りを始めて、その翌年には「閃光ライオット」に出場して、ちょっとずつこういう世界に足を踏み入れて。うん、あっという間でした。

――このアルバムもデビュー作という「一度しか作れないアルバム」の感じがあると思うんです。初期衝動的な瑞々しさがある。そういう感覚はありました?

片平
そうですね。この4年間でいろんな曲を書きためてきたんですけど、ファースト・アルバムにどんな曲を収録しようかって考えた時に、なるべく昔から歌ってる曲、10代くらいだった時のことを思い浮かべて書いてみた曲をとにかく入れようと思って。まさに初期衝動的な、10代の頃にしか書けなかったような、そんなアルバムにしたいなと。

――ちなみに、今、持ち曲ってどれくらいあるんですか?

片平
100曲以上普通にあるんですけど、あとは数えてないです(笑)。

――曲作りでスランプになるようなこともなかった?

片平
少し前にも毎月5曲くらいは作っていた時期があって。それも「作れ」と言われたからというよりは、作りたくてしかたなかったというか。曲を作ることで、普段言えないこととか外に出せない感情を出すという。自分のために曲を作ってたっていう感じでした。

――なるほど。ということは、沢山ある中から曲を選ぶ作業だった。

片平
選ぶ作業でしたね。どの曲も好きな曲なんですけど、やっぱりもどかしくはありましたね。最新の曲をまだ披露できていないのもあるけど、18の時に作った“夏の夜”という曲とか、自分が世に出したかった曲を早く出したいなっていう気持ちですね。

――なるほどね。いろんな意味で、スタート地点みたいなものをまずは形にしたかったと。

片平
そうですね。

パンクスとかハードコアの人の精神と近い部分がある

――先ほど言われたように、10代に届くものをイメージした。おそらくそれは、片平さん自身が10代だった時に憧れていたものと繋がると思うんです。

片平
繋がると思います。私が憧れた音楽の要素をすごく含んでますね、どれも。

――どの辺でした? 中高生の頃の憧れって?

片平
ジャンル問わずいろんなものを聴いてたんですけど、アヴリル・ラヴィーンを入り口に、しっかり自己主張のできる芯の強い女性シンガーにすごく憧れていて。アラニス・モリセットだったりとか、シェリル・クロウだったりとか。キャロル・キングとか。もちろん、バンドも大好きなんですけど。私もそういう力強い女性になりたいなっていうのがあって、多分それはこのアルバムにも反映されてるかなって思いますね。

――それって多分、音楽性とかサウンドとか、そういうスタイルの問題じゃなくて、「こうありたい」みたいな気持ちの部分ですよね。

片平
そうですね。精神の部分だと思います。

――芯の強い女性に憧れた理由って、10代の自分を振り返ってみるとどういうところがありますか?

片平
学生の頃から内向的で。あんまり自分の気持ちをうまく伝えることもできなかったし、人並みに孤独も感じていましたし、そういう時にこういう力強い独立心のある女性っていうのがすごくかっこよく映って、憧れましたね。

――全然会ったことないミュージシャンだけど、この人の歌ってることはすごく自分のことを分かってるって思えるというか。

片平
そうですね。こうやって音楽活動をしていて、当時感じていた孤独っていうのは全くなくなってきて。もちろん、寂しい時はありますけど。私も、自分が本当に心の底で思ってるようなことを吐き出して歌っているし、だんだんと周りにそういう人が集まってきて。いろんな出会いがあって。

――しかも、その集まってきた面々が、それこそアジカンの面々とか細美さんとか、いわゆるバンドマンですよね。しかも、ハードコアな人たちも多い。そういう人たちとも普通に気が合う感じ?

片平
気が合うし、一緒にいて信用できるし、気持ちが楽なんですよね。私自身も小さい頃から何かしらの反骨精神みたいなものも育んできたし、現状に満足できなくて、いつも現実を打破したい、もっと先を、良い景色を見たいってやってきたので。そういった部分ではパンクスとかハードコアの人の精神と近い部分があるのかなって思います。

――しかも、そこが自然体なんですね。

片平
そうですね。感じていることも、話してる内容も本質的だし、私もいろんな場所で活動するようになりましたけど、たまにそういった人たちに会いたくなって、自分のぶれた軸を戻したいなって思います。

――ほんと、ファーストアルバムをリリースする前にこれだけ先輩に恵まれる人って、なかなかいないですよね。

片平
そうですね。それはちょっと不思議(笑)。

――不思議な縁ですよね(笑)。

片平
うん。アジカンさんから、こんなに広がったんだって思います(笑)。あとは、震災以降、気持ちがある人はみんな東北に足を運んでくれたので、そういう人たちがたまたまハードコアとかパンクの人たちだった。ずっとずっと、何を言われても長く長く今も通い続けてくれてるので、そこでの繋がりがすごく深かったし、そうやって気持ちだけで動いている人とはそんなに深い話をしなくても何か通じ合ってる感じもしたし。その人が普段どういう職業をやってて、とか全く分からなくても、すごく居心地がいいんですよね。そしたら、近くにTOSHI-LOWさんがいたりとか、ハイスタのメンバーさんが近くにいたりとか、そんな環境にいつの間にかいたみたいな(笑)。

――うんうん。そういう感覚が、ちゃんとアルバムにも入ってる感じがします。筋が通ってる感じというか。

片平
ありがとうございます。嬉しいです。

片平里菜

福島県福島市出身 22歳シンガーソングライター。
「閃光ライオット2011」にて1万組の中から審査員特別賞を受賞。

2012年、ソニー “WALKMAN” 「Play You.レーベル」第1弾アーティストとして抜擢され、7月にはASIAN KUNG-FU GENERATION 主催「NANO-MUGEN FES.2012」に出演。早くも横浜アリーナの舞台でその歌声を響かせた。

2013年1月に配信リリースした「始まりに」は、東北地区全6局でパワープレイに選出され、新人としては異例のレコチョクデイリーチャート2位を獲得。

2013年8月7日シングル「夏の夜」でメジャーデビュー。全国約50局のAM/FM/CS局でパワープレイに選出される。2014年1月15日に2ndシングル「女の子は泣かない」をリリース。オリコン週間ランキング初登場18位を記録(1月27日付け)。

1月25日にはアメリカ/アナハイムで開催された「the NAMM show2014」にGibson/Epiphoneの招待で参加。海外初ライブを経験。1月31日から全国3カ所(東京・大阪・福島)で開催された初のワンマンツアー【片平里菜 1stワンマンツアー2014〝女の子は泣け、笑え、叫べ〟】も全公演SOLD OUT。

4月30日には3rdシングル「Oh JANE / あなた」をリリース。8月6日には1st Album「amazing sky」のリリースが決定している。日本人女性初のギターブランド エピフォンの公認アーティストとして認定され、福島・東北から全国へさらなる活躍が期待される若手女性アーティストである。

オフィシャルサイト


1stアルバム
『amazing sky』

2014年8月6日(水)発売

初回限定盤(CD+DVD):PCCA.4064
3,500円(+税)

通常盤(CD):PCCA.4065
3,000円(+税)

【収録曲】
01. 夏の夜
02. tiny room
03. HIGH FIVE
04. 女の子は泣かない
05. あなた
06. teenage lovers
07. CROSS ROAD
08. Hey boy!
09. Oh JANE
10. 心は
11. Come Back Home
12. amazing sky
13. 始まりに

■初回限定盤DVD収録内容:
Music Video / ライブ映像(渋谷WWW 2014.1.31) / メイキング映像(Music Videoメイキング、ライブドキュメントほか)など約60分の豪華内容を予定

■封入特典:
フリーライブチケット / 弾き語りコード譜(初回限定盤のみ)

■予約/先着購入W特典
・オリジナルラジオCD「カタコトLOCKS!」(TOKYO FM「片平LOCKS!」×FM yokohama「カタコトラジオ」)
・amazing skyオリジナルギターピック(チェーン別カラー)
※予約/先着購入W特典は、一部店舗/オンラインショップでは対象外となります。あらかじめ、購入される店舗にて確認のうえのご予約をお勧めいたします。


■TOUR INFORMATION

片平里菜 2nd ワンマンツアー2014「amazing sky」

11月16日(日) 愛知ell.FITS ALL
11月18日(火) 宮城LIVE HOUSE enn 2nd
11月23日(日) 大阪umeda AKASO
11月24日(月・祝) 東京LIQUIDROOM
12月06日(土) 福岡Queblick
12月13日(土) 福島Live Space C-moon

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