NEXUS アーティスト・インタヴュー:藤巻亮太

レミオロメンの活動休止と共に、ソロとして新たな一歩を記した藤巻亮太。
その記念すべき処女作“光をあつめて”は、強くも大きな波の動きを抱かせるような、彼らしい力強いバラードとなった。
何故、藤巻は今、一人で唄うのか?
今、この国で求められる音楽の表情とは何なのか?
“粉雪”などのみんなの歌を作り唄ってきた藤巻が示す、「明日のみんなの音楽」。

取材・文=鹿野淳

音楽って、表現者にとってはアウトプットなんだけど、リスナーにとってもアウトプットなんですよね。凄くそれを感じた。

――震災以前と以降で、自分が歌を歌うということ、音楽を届けるということで、大きく変わった部分を教えてもらえますか?

藤巻
……やっぱり人間って心と体でできているんだなと思って。うまく言えないけれど、やろうと思えばできるということは抜きにして、音楽では被災者の皆さんをお腹いっぱいにさせてあげることもできないし、瓦礫をどかすこともできない。ましてや放射能のことも何もできない。だけど、4月7日に初めて被災地に歌いに行ってから、“心に対しては何かできるなあ”という実感が強くなり、それからは何回か行っているんですよね、東北に。

――「歌の炊き出し」という企画だよね?

藤巻
はい。やっぱり音楽って、表現者にとってはアウトプットなんだけど、リスナーにとってもアウトプットなんですよね。凄くそれを感じたんですよ。被災地の小学校とかに歌いに行ったりすると、小学生とかって僕のことを知らないんですよ(笑)。まあ、『粉雪』とかは少しは知っているんですけど、あの曲でピョンピョン跳ねるんですよ!

――(笑)

藤巻
もう、ピョンピョン跳ねて凄く楽しそうだったんですよね。その子供たちの光景が一生忘れられないなと思いました。被災された方に限らず、やっぱりいろんなものを溜め込んで生きているじゃないですか、みんな。

――そうだね。

藤巻
いろんなものが溜まっていくと、淀みとか濁りとかが生まれちゃうし、それは健康的なことじゃないと僕は思うんですよね。で、音楽って、そういうものをスーっと浄化したり、外に出したりすることができる力が備わっているんだなと真剣に思えたことが大きいです。……でも、音楽のパワーって個人差もあるし、当然ながら曲の差もありますよね。『だったら、より強力にそういうパワーを生み出すことができるように目指すのが、ミュージシャンとしての道かな』と、あらためて凄く思いました。

被災地の小学校とかに歌いに行ったりすると、『粉雪』でピョンピョン跳ねるんですよ!その子供たちの光景が一生忘れられないなと思いました。

――これまでレミオロメンのワンマンでは何万人規模のライヴを何回もやってきたよね。例えば、2006年に山梨の滑走路ライヴでは自分たちの役割を実感したと思うし、その他の場所でも、幾度となく経験してきたかと思います。一方で、歌の炊き出しのような何のサウンドシステムも整っていない場所に単身赴き、バンド時代の何百分の一かの人間に向けて歌い、そしてその場所にいた子供たちがきっと知らないであろう自身の曲でピョンピョン反応して喜びを覚えてくれていた。そこにはバンド時代に嗅ぎとった役割と、どんな違いがあったんですか?

藤巻
これは自分の意識の問題なんですけど、震災以降、ファンの前で演奏したのってYour Songs 神戸公演とap bank fesぐらいしかないんですよね。で、気が付くと、“音楽を演る=当然自分たちのことを知っている人達の前で演る”ということに、いつの間にかなっていたんです。最初にライブハウスでやっていた頃は、『誰も知らないけどやるぞ!』みたいな気持ちでステージに上がっていたわけじゃないですか。でも、いつの間にか音楽を演るってことは、ある程度自分たちのことを知っていてくれてたりだとか、ファンの友達が来てくれたりだとか、なんかそういうことになっていってたなと思って……。僕らのことをまったく知らない人の前で演るということに対する凄く新鮮な気持ちと、さっきの話がいい例で、子供たちはピョンピョン跳ねてくれたけど、お爺ちゃんやお婆ちゃんは静かに聞いてくれてたりするんですよね(笑)

――(笑)

藤巻
それって、圧倒的にリアルなんですよ。だいぶリアルな空気感なんですけど、その中で『自分は何を表現しなきゃいけないのか』って考えたら、せっかくこの場所で短い時間だけど出会えたのに、そんな空気のまま終わるのも嫌だったので、歌が相手に伝わるようにすごく努力しました。初めて僕の音楽を聴く人達に歌を届ける努力ってやっぱり新鮮だったし、『こういうことってすげえ大事だな』と改めて思い知らされました。今、もっと冷静になって考えると、テレビで一曲演奏するということは、もっと知らない人の前で演ることだし、興味のある・ないに関わらず電波を通じて勝手に流れちゃうものだから、そういうところに対する意識の持ち方っていうのは高く保つべきだなと考えたりしています。そういうことで言ったら『人に喜んでもらうってことはとても大変なことだな』というのを改めて実感したのも、震災がきっかけでした。先ほども言いましたが、震災の惨状を前にしたら“自分の曲なんかじゃ何も出来ない”ことだってあると思うんですよね。そういう現実もやっぱり受け容れなきゃいけないですし、やっぱり自分の生き方とか音楽とかを見つめ直さなきゃいけないなと本当に思いました。まあ、そういう体験から学ぶことの方がきっと多いんでしょうけど……。

藤巻亮太


小学校からの同級生3人で、2000年12月にレミオロメンを結成。
バンド結成10周年を迎えた2010年、3月3日に5th Album「花鳥風月」リリース。5月からは、全国47都道府県を巡るレミオロメン史上最大規模の全国ツアー『レミオロメン 10th Anniversary TOUR 2010 “花鳥風月”』を敢行。
2011年1月、「Your Song」を配信シングルと初の書籍型CDの形態でリリース。3月9日、10日横浜アリーナ2days、震災後に開催を慎重に検討し、メンバーの想いから開催を決めた26日、 27日神戸ワールド記念ホール2daysの「レミオロメン SPECIAL CONCERT“Your Songs”with Strings」開催。
3月9日横浜ライブ音源を収録したLIVE ALBUMを4月にリリース。

3月11日の東日本大震災後、音楽とひたすら向き合うことで生まれた新曲「光をあつめて」が、 藤巻亮太ソロ名義で2012年1月12日先行配信される。
2月29日には、ソロデビュー作品となる1st Single「光をあつめて」のリリースが決定。
この楽曲「光をあつめて」は、震災後から続けているap bank Fund for Japanの活動の一つ、 被災地の学校を中心にライブを行う“歌の炊き出し”で、今も歌い続けている。

http://www.fujimakiryota.jp/


デビューシングル

1thシングル「光をあつめて」
2012年2月29日発売
1,050円(税込) / AVCO-36072
[ 収録楽曲 ]
1. 光をあつめて
2. ひとりぼっち
3. キャッチ&ボール(Live version)



  iTunes版ジャケット
  iTunes
【初回特典(封入)】
『藤巻亮太「光をあつめて」SPECIAL LIVE』エントリーNo.入り応募用紙

【ORSショップオリジナル特典/「光をあつめて」アナザーCDジャケット】
プロモーションビデオ撮影時の写真に、藤巻亮太の直筆(印刷)によるタイトルと名前が施されたスペシャルなデザインです!
購入したCDをカスタマイズして楽しんで下さい!!
※予定数量に達し次第終了となりますので、何卒ご了承下さい。
■PC・スマートフォン
■MOBILE


【「光をあつめて」スペシャルLIVE】
藤巻亮太ソロデビューシングル「光をあつめて」リリースを記念して行われる、 シングル購入者を対象としたSPECIAL LIVE 開催決定!
開催日時:2012年4月12日(木)
場所:東京 赤坂BLITZ
※イベントへの応募方法の詳細につきましては、「光をあつめて」初回生産分にのみ封入されるシリアルNo.が記載された応募用紙をご覧ください。


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