NEXUS アーティスト・インタヴュー:Drop’s Drop’sが目指す「ずっと残るタイプ」のポップセンス

北海道発、平均年齢20歳の女子5人組、Drop’s。高校生時代に注目を浴びたインディーズ時代から、去年にメジャー初のアルバム『DAWN SIGNALS』をリリース、ブルースやロックンロールに根付いた円熟味ある本格派なロックサウンドが大きな注目を集めてきたバンドだ。ただ、新作EP『コール・ミー』は、それだけにとどまらない可能性を感じさせる一枚。

真っ直ぐに、時に少ししゃがれて、とにかく迫力と浸透力を持った中野ミホの歌声。それを活かす方向性として、歌謡曲のテイストに通じ合うポップセンスを追求した楽曲。それも、単なるスタイルとしてではなく、自分たちの表現の必然的な方向性として自然体でつかみとっている感覚がある。バンドの今を訊いた。

取材・文=柴 那典



この曲はメロディーから作っていった

――去年に『DAWN SIGNALS』というアルバムでメジャーデビューして、いろんな変化があったと思うんですけれど、僕は特に“太陽”という曲ができたのが大きいと思っていて。そこから今回の『コール・ミー』につながっていると思うんですけれども。

中野
そうですね。そういうところはあると思います。

――“太陽”という曲を作ったことはどういうきっかけになりました?

中野
“太陽”ができて、自然にポップな曲を作れるようになった感じがします。それまでは「Drop’sはこうじゃないといけない」というようなものがあって。でも、自分でも、きれいなメロディーな楽曲が好きだったりするんで。それで曲の作り方も変えたところがあって。

――この『コール・ミー』のEPの曲は全部今年になってから作った?

中野
そうですね。最近の曲です。

――メジャーデビューしてから、ライヴのやり方とかステージの感触も変わってきた感じはあります?

奥山
どうだろう……?
荒谷
なんか、楽しくやれるようになった感じはあるかもしれないです。

――“コール・ミー”で曲の作り方を変えたというのは?

中野
今まではフレーズとかから曲を作って、アレンジがある程度できてからそれにあう歌のメロディをつけていた曲がほとんどだったんですけれど、この曲は初めて先にメロディを考えて、そこから作っていったんです。

――なるほど。順序が違ったんだ。それは、そのほうがポップで歌の魅力が伝わるような曲になるだろうという確信があって?

中野
そうですね。

ユーミンも好きだし、あとは山口百恵さん、沢田研二さんも好き

――でも、今の時代って、ポップにもいろいろあるじゃないですか? それこそK-POPだって“ポップ”だし、きゃりーぱみゅぱみゅだって“ポップ”だと思うんです。でも、Drop’sの目指しているポップはそれとは違う感じがする。そのあたりはどうですか?

中野
さっきも言ったんですけど、メロディーがきれいなものというのがあって。で、やっぱり歌謡曲というか、昔から今までずっと残っているようなタイプの曲というのは、すごく好きです。

――たとえば?

中野
今回、ユーミンさんの“卒業写真”をカバーさせていただいたんですけど、ユーミンさんも好きだし、あとは山口百恵さんとか、沢田研二さんとかも好きですね。

――なるほど。確かに“コール・ミー”には、昭和の時代の歌謡曲につながる感じはすごくあるんですよね。スタイルを取り入れたり何かを真似しているわけじゃなくて、なにか本質的に通じ合うものがあるような感じ。

中野
ありがとうございます。

――ちなみに、荒井由実の“卒業写真”をカバーしたのはどういう経緯で?

中野
もともと、私一人で弾き語りのライヴをすることがあって、そこで歌ったりしていたんです。キーボードの石橋(わか乃)がユーミンさんが好きで、CDを貸してもらったりして、そこからわたしも好きになって。

――やってみてどうでした?

荒谷
この曲は最初に自分たちのワンマンライヴでやったんです。バンドでやるのは難しいところもあったけど、Drop’sらしくできたと思いますね。

――Drop’sの楽曲の歌謡曲とつながるところって、メロディーや曲調だけじゃなくて、歌詞にもあると思うんですよ。中野さんの書く歌詞って基本的に情景描写が多いですよね。

中野
そうですね。

――でも、そこに感情はこめられている。「悲しい」とか「切ない」とか直接感情を表現するんじゃなくて、何か風景を描写する言葉を通して、そういうものを言い表しているという。90年代のJ-POPの時代以降少なくなったけれど、歌謡曲の歌詞はそういうものが中心だったという話があって。

中野
松本隆さんの書く歌詞とか、そうですよね。そういうものが好きなんだと思います。

――なるほど。お話を聞いていて、ただ単に“古い”から良いんじゃなくて、時を超えて残る良さを目指すようになったというような、そんな感じの変化が生まれている感じがします。

中野
そう思ってもらえると嬉しいです。

――まだまだこの先にいろんな可能性がありそうな感じもしている?

中野
はい。新しい曲もレコーディングしたんで、それもいい曲になっていると思います。

Drop’s

札幌在住, 女子5 人のロックンロールバンド。2009年、同じ高校に入学し偶然出会った、中野ミホ(Vo&G)、荒谷朋美(G)、小田満美子(B)、石橋わか乃(Key)、奥山レイカ(Dr)の5人でDrop'sを結成。
高校2年生の夏休みに初めて作ったオリジナル楽曲『泥んこベイビー』で挑んだ高校生バンドコンテストでグランプリ獲得。 2011年、高校3年生だった7月に1st Mini Album『Drop's』をリリースし、同年12月には同じく札幌出身のロックバンド"爆弾ジョニー"とSplit Single『SPLIT』をリリース。
2012年7月に北海道の夏フェス「JOIN ALIVE」への初出演。 2013年3月、2nd Mini Album『LOOKING FOR』をリリースした後、初の全国ツアーを敢行。ツアーファイナルの地元札幌でのワンマンライブにてキングレコードのロックレーベル〈STANDING THERE, ROCKS〉への所属を発表。 2013年7月17日タワーレコード店舗限定シングル「太陽」をリリース。その年の7月、2度目となる「JOIN ALIVE」に加え、山口県で行われた夏フェス「WILD BUNCH FEST.」にも初出演を果たした。
2013年9月4日には「太陽」をリード曲に据えた、Drop's 初のフルアルバム『DAWN SIGNALS』をリリース。
2014年3月には『DAWN SIGNALS』が[第6回 CDSHOP大賞2014"北海道ブロック賞"]を受賞。

オフィシャルサイト

1st EP『コール・ミー』

2014年5月14日(水)発売
KICM-1518 / 1,389円(+税)

【収録曲】
1. コール・ミー
2. C・O・F・F・E・E・E
3. 卒業写真
4. C・O・F・F・E・E・E (Acoustic ver.)
5. カルーセル・ワルツ(Live ver.)
6. コール・ミー(Live ver.)


■LIVE INFORMATION

1st EP「コール・ミー」レコ発 LIVE
『LOVE ME,CALL ME』


6月7日(土) 渋谷CHELSEA HOTEL
出演:Drop's / BUGY CRAXONE / 黄金クリムゾン

SAKAE SP-RING 2014
6月7日(土) / 8日(日) @名古屋各ライブハウス

6月15日(日) 大阪・福島LIVE SQUARE 2nd LINE
出演:Drop's / チャラン・ポ・ランタン

1st EP「コール・ミー」発売記念ライブ
『Drop's アンプラグド』
6月22日(日) 札幌PROVO

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