NEXUS アーティスト・インタヴュー:ドラゴンアッシュ

やっぱり、ライヴがいいバンドは絶対残ると思う

――イベントとかフェスの場で建志ほどオーディエンスからエネルギーをもらって、それをそのまま倍返しするアーティストは数少ないと思う。そういうイメージが、活動のガソリンとなっている感覚はある?

Kj
ある。それはあるね。本当に俺はいい音楽人生を送っているなって、毎回思う。この前ベストアルバムを出した時に、チャートがAKB48、AAA、ドラゴンアッシュだったんだよ。すごいじゃん? そこに俺たちが居られるって。本当に感謝してるよね。

――『MIXTURE』を出した時から、建志の中にはマーケットの中でのロックバンドのすさんだ状況、マーケットからなかなか歓迎されない状況に対して何とかしたい気持ちがあったと思う。でも現実的にはどうにもならなくて、もっと悪化している状況があるよね。そこで自分たちにやるべきことがあるんじゃないかという気持ちはさらに増している?

Kj
うん。責任感というか「俺がやる」というんじゃないし、でしゃばる気は一切ないけど。でもやっぱり、ライヴがいいバンドは絶対残ると思う。この前RUSH BALLに出たけど、マジ良かったからね、みんな。長崎のBRAHMANもマジで泣いたし。エレカシもそうだけど、「まだ薄いな俺の思いは!」って思わせてくれる上の人達がいるのも幸せだし。

――モチベーションが上がるよね。

Kj
そうそう。それから、マジで格好いいと思う若手もいるし。TOTALFATのアルバムとか、俺、めちゃくちゃいいと思ったからね。あいつら、もうすでに生き方として音楽ができているんだと思って。ああいう若手がいるのも、すごく緊迫感があるし。もちろん、10-FEETとかRIZEとか山嵐とか、進んでいくのだけは絶対にやめないって決めて、傷だらけで歩んでる同年代の奴らも刺激になるし。バンド仲間は俺の大きな財産だと思うんだよね。ドラゴンは人一倍バンド仲間が多いバンドだと思うし。いいバンドは一杯いるし、お客さん呼べるバンドも一杯いるけど、ドラゴンのライヴはかなり上位で舞台の袖がパンパンだから。それは幸せなことだと思うね。

勝負の感覚でやれているうちは、俺はバンドマンでいられると思う

――ドラゴンアッシュにとって、この15年間というのは、どういう15年だったと思ってますか?

Kj
どういう15年だろう……。でも、それこそサク(桜井 誠/Dr)となんて、ガキの頃からバンドやってるわけだから。スポーツ選手みたいなもんですよね。それ以外の生き方が見当たらない。そもそも音楽をやめるという選択肢が毛頭ないわけだから。

――それは、音楽が自分を救ってくれたから?

Kj
いやいや、そういうことじゃなくて。これをしないんだったら、生きてく意味が半減するっていうこと。単純に、一番大好きなことを仕事にできてるってのは、すげえ幸せなことだし。

――ただ、建志にとって、音楽というものは10代のころから自分を認めてくれるメダルのようなものにもなっているわけですよね? そういう気持ちは、自分の中でかけがえないものになっている?

Kj
そうだね。音楽は勝敗を決するようなものではないんだけど、でも本人たちの中に勝ち負けはあるし、それを決めるのは本人だから。俺はまだ勝負論でライヴできてるんだよね。人のライヴを観てめっちゃよかったら、絶対もっといいライヴをしてやろうと思う。そういう勝負の感覚でやれているうちは、俺はバンドマンでいられると思う。ミュージシャンとバンドマンはイコールではないから。で、俺はミュージシャンであり、バンドマンである。そう思ってるからね。10代から現場に出ていて、16歳でライヴハウスに出てて「子供、出てきちゃったの?」って思われてた頃からは俺はやってるから。反骨精神も半端ないよ。いやな思いもしたし、いい思いもした。年齢の割に経験もあるし。

俺はAKBのファンの人たちも本当にすごいと思ってるんだ。実は、その人達が一番俺に近いと思うんだよね

――きっちりと世の中に勝ち負けをつけていくという考え方を持ったのがドラゴンアッシュだし、そういう哲学を持っているのが建志なんだよね。だから、歌うだけじゃなくて、感じて、ぶち上がっていく音楽だと思う。この2曲を聴いてもわかる通り、ドラゴンアッシュは男のメンタリティにど真ん中で入ってくる音楽なんだよね。そういう音楽は、特にこの国では実は他にあんまりない。ロックもポップもマーケットの多くを女性が占めてるから、みんなそっちばっか見て音楽作って出すからね。だからこそあなた方がそういう灯を絶やしちゃいけないと思う。

Kj
そうだなあ……。なんというか、俺、AKB48はマジですごいと思ってるのね。やったことのないことをやってるし、青春の全てを賭してあの子たちはやってるわけなんだから。ただ、そういうAKBのメンバーを囲むのがビジネス的なものばかりじゃだめだと思う。だってビジネスマンが音楽をやってるわけじゃないんだから。……青臭くても綺麗事を言っていくのがアートだと思うし、俺らが綺麗事を言わなければ誰が言うんだよ、っていう。

――今の話って、すごく今を表していると思う。音楽はただのビジネスになろうとしているわけだし、アンダーグラウンドもメジャーも、歌謡曲もロックも区別のつかないものになっている。そういう時に、愚直なまでにバンドは何か、ロックは何かということを考えて、それを音楽としてやり続けるバンドが日本にいなきゃいけないし、それが自分たちの役割だと、今のような時代だからこそ見えているんじゃないかなと思うけど

Kj
そうだね。今の俺にはそこはすごく見えてる。俺はAKBのファンの人たちも本当にすごいと思ってるんだ。周りからどう思われようが、働いた金でCDを何枚も買ってる人がいるわけじゃん。実は、その人達が一番俺に近いと思うんだよね。忌み嫌われてようが、それがクリエイティヴでなかろうが、格好悪かろうが、自分が応援したいから応援する。棒を振りたいから振る。あの願望みたいなエネルギーが、俺は音楽に対して、ある。AKBのライヴ中にさ、踊って、掛け声を上げて、汗かいてる人、傍から見たらすげえ滑稽じゃん? だから俺も同じように滑稽なんだと思うんだよね。でも、それでいい。人の目を気にせずエネルギッシュでいる部分では、あの人たちに俺は負けたくないと思う。

――わかりました。是非ドラゴンアッシュを続けていってほしいと思ってます。それこそ20周年なんて、あっという間にやってくるからね。

Kj
ははは! 20周年か! それはヤバいね

――もう一度言いますけど、20周年なんてあっという間だからね(笑)。

Kj
その時には37か。今のTAKUMAと同い年か。いいね、できるね(笑)。でも、シーンがどうなってるかとか、そういう問題じゃなくなってきてるからね。15年も経ったしさ、ここからはもう生き方そのものなんだから。俺は先のことを踏まえて生きていくタイプじゃないんで。「ペイ・フォワード」だね。横の奴に親切にして、そいつがまた他の奴に親切にして、結局みんなが幸せになる。そういう風にやっていきたい。

――創作は続いてる?

Kj
めっちゃ作ってますよ。もうこれは中毒だね。PES君(リップスライム)にもスタジオで言われた。「お前のは、ビョーキ」って(笑)。そう思う、自分でも。

――このシングルの2曲だけじゃなく、今年の頭に他にもいろんな曲を聴かさせてもらいました。今、クリエイターとしての建志は非常に豊作だと思うんです。何しろ素晴らしい曲が沢山ある。こういうストレートでメロウな音楽だけじゃなくて、いろんな音楽を作っているだろうし。今のソングライティングで、ドラゴンアッシュでいいバトルを仕掛けてほしいと心から思います。

Kj
うん。俺もそう思う。ドラゴンアッシュ、今、格好いいと思うんだよね。

――この素晴らしい灯を絶やさない次の機会がまた近い日に来ることを願ってます。またその時に。

Kj
はい、いろいろありがとうございます。お疲れ様でした!

ドラゴンアッシュ

1997年、Kj(Vo+G)、IKUZONE(B)、桜井誠(Dr)のスリーピースバンドとしてデビュー。現在はダンサーを含む7人編成。デビュー時よりあらゆるジャンルを驚異的なスピードで横断し、Dragon Ashとしか表現しようのない音を鳴らし続けている。常にオルタナティヴな道を自ら選びながらも、圧倒的なファンの支持を得続ける日本の音楽シーンを代表する怪物バンド。

http://www.dragonash.co.jp/

24th Single『Run to the Sun / Walk with Dreams』

【CD+DVD】
2012年9月19日(水)発売
VIZL-493 ¥1,980(税込)


[CD収録内容]
01.Run to the Sun
02.Walk with Dreams
03.Run to the Sun "RockStar mix" Remix by I.N.A. (hide with Spread Beaver)
04.Walk with Dreams "Live On" Remix by Toshiya (DIR EN GREY)

[DVD収録内容]
“Run to the Sun”video clip
“Walk with Dreams”video clip
「REST IN PEACE IKUZONE」memorial video

15th ANNIVERSARY BEST『LOUD&PEACE』

2012年8月22日発売
【初回限定盤 CD3枚組】
VIZL-478 ¥3,900(税込)
【通常盤 CD2枚組】
VICL-63891〜2 ¥3,200(税込)

[ LOUD DISC ]
01.The Day dragged on
02.羊を数えても夜は終わらない
03.Rainy Day And Day
04.Iceman
05.Drugs can't kill teens
06.Just I'll say
07.Deep Impact feat. Rappagariya
08.Amploud
09.百合の咲く場所で
10.Snowscape
11.Fantasista
12.Posse in Noise
13.Resound feat. HIDE, 136
14.Develop the music
15.Dear Mosh Pit
16.CALLIN'
17.AMBITIOUS
18.ROCK BAND
  feat. SATOSHI, KO-JI ZERO THREE
19.SLASH

[ PEACE DISC ]
01.Public Garden
02.Invitation (single ver.)
03.陽はまたのぼりくりかえす
04.Under Age's Song (single ver.)
05.Viva la revolution
06.静かな日々の階段を (single ver.)
07.Lily of da valley
08.花言葉
09.Life goes on
10.Harvest
11.朝凪Revival
12.夢で逢えたら
13.Beautiful
14.繋がりSUNSET
15.運命共同体
16.TIME OF YOUR LIFE

[ BONUS DISC ]
01.Dragon Ash trahere Mix  performed by BOTS
02.Ivory -out loud-
03.Something in view -L&P eternal session-
04.花言葉 -for peaceful morning-  performed by HIROKI

インタヴューArchives