NEXUS アーティスト・インタヴュー:[Champagne]

2010年のデビューからわずか2年。無名の存在からロックシーンの次世代を担う存在にまでのし上がってきた4人組[Champagne]が、渾身の新作『Schwarzenegger』をリリースする。新作は、研ぎ澄まされたリフやリズムの応酬、奔放なヴォーカルが放つ“熱”をそのままパッケージしたような一枚。豪速球のストレートが次々に投げ込まれるような13曲が詰め込まれている。

今年1月にはKASABIANのオープニングアクトとしてのライヴも実現。かねてから「世界一のバンドになる」と公言してきた彼らに、アルバムに込めたものと、海外のロックシーンとの距離について、語ってもらった。

取材・文=柴那典

完成するまで、この作品がどういうものになるかメンバーの誰もわからなかった

――アルバム『Schwarzenegger』、すごく本能的な音楽が鳴っていると思います。肉体的な感覚にダイレクトに作用するというか。自分たちとしては、でき上がった作品にどういうイメージがありますか?

川上
本能的だというのは的確だと思いますね。こういうテーマでいこうとか、こういうことを書きたいというのは、一切やらなかった。最後にマスタリングして完成するまで、この作品がどういうものになるかメンバーの誰もわからなかったんです。直感的に、本能的に、音や言葉を追求していたら、これができた。この音はいい、この響きはいい、このアレンジはいいというのを積み重ねて、最終的にできあがったのがこのアルバムなので。

――全体像や設計図を作るような発想はなかった?

川上
そうですね。去年の5月ぐらいに“Dear Enemies”ができて、アルバムの構成も最初はそれを中心にしようと思ったんですけれど、そこから “Kids”や“Kiss The Damage”や“Waitless,Waitless”のように、リード曲にしたい曲がどんどんできていった。どれを中心にするか考えずに、とりあえず最高の一曲を作っていこうということになっていった。アルバムの流れを作るというよりは、ベストアルバムを作るくらいの勢いでやっていたと思います。だから、みんなどれをリード曲にするか、いろんなことを言っていて。

――皆さん、アルバムのリード曲はどれにしたいと思っていたんですか?

磯部
俺は“Waitless,Waitless”を推してました。どの観点でリード曲を決めるかによって意見も変わるし、最後まで迷ってましたけど。
川上
俺の中で挙げられるのは5つなんです。“Dear Enemies”、“Kiss the Damage”、“Waitless,Waitless”、“Kill Me If You Can”、“Kids”。その中でも自分の言いたいことを一番言えたのは“Kill Me If You Can”。このタイトルは「やれるもんならやってみろ」という意味。それくらい裸になっているという。「死んでもいいから、とにかくかかってこい」ということを言えたんですよね。
庄村
僕が特に好きなのは“Kiss Me If You Can”のドシンとした迫力と、”Kiss The Damage“の叙情的な感じです。
白井
好みで言えば、“Kiss the Damage”は一番好きですね。でも、どの曲がリードになっても誰もが納得すると思った。

――なるほど。バラバラですね(笑)。

庄村
どれでPVを撮るかも、何度も話し合いの場を設けたかってくらい話しましたね。で、終わるたびに、「あいつの言ってることもわかるなあ!」ってなったり(笑)。

ライヴで最高な姿を見せるために、本音を出しきる

――去年にシングルとして出された“言え”と“spy”については、アルバムの中ではどういう位置づけなんでしょうか?

川上
“言え”については、このアルバムに入れるつもりはあまりなかったんです。古い曲だし、最近できた曲と並べると合わなくて。でも、人に対して言っているのではなく、「自分のことをさらけ出せ」とこの曲に言われている気になってきた。この曲があったからこそ、他の曲でさらけ出すことができたと思う。そのおかげでいろんな曲ができたし、“真夜中”で最終的に俺がなんで歌っているかという理由も書けた。それで入れましたね。“spy”に関しては、正直、特別な歌なんです。今回のアルバムの中では一番古い曲で、アマチュア時代のデモテープからあった。この曲をデビューしたら絶対出すと決めていた。「後悔しない」という決意が書かれているから、そういうことをデビューしてからもちゃんと言えるようなバンドになりたいという思いがあったので、改めて入れた。どっちも大切な曲です。

――曲がスイッチを入れた感じなんですね。自分のアイデンティティの表明をするものとして、曲や歌詞を書く。そこで自分自身をさらけ出すよう、曲に背中を押されたというか。

川上
まさにそうですね。《言え》ってあれだけ歌ってたら、自分に対して言われている気がするし。「ツイッターで呟かないで、ちゃんと人に直接言うようになりました」とか、感想も聞くんですよ。それを聞いて、俺自身がそういうことをやらないと届かないし響かないと思ったし。何より自分の気持ちが濁っていると恥ずかしくなっていくんですよ。これから10年、20年同じ曲を歌えなくなっていく。10年後もその時の感情を乗せられる歌詞にしようと思ったんで。

――普通とは逆ですよね。歌詞というものを、「こういうことを書いたら共感されるだろう」とか「こういうことをメッセージにしよう」と書く人は多い。で、ツイッターでは「自分の思っていること」を書く。でも、[Champagne]は歌詞のほうが本音だという。

川上
そうなんですよね(笑)。僕、ツイッターもやってますけれど、そんなに好きじゃなくて。言いたいことがあるなら直接言えばいいと思うし。

[Champagne]

川上洋平(Vo,G)、磯部寛之(B&Cho)、白井眞輝(G&Cho)、庄村聡泰(Dr)の4人からなるロックバンド。2010年1月、ファースト・フルアルバム『Where's My Potato?』をリリース。メンバー4人で東京近郊の一軒家で共同生活を営みながら、音楽中心の生活を過ごす。2011年2月には2nd アルバム『I Wanna Go To Hawaii.』リリース。2012年1月にはKASABIAのオープニングアクトをつとめ、洋楽ファンの度肝を抜いた。

http://champagne.vc/


3rdアルバム

3rd Album『Schwarzenegger』
2012年4月4日発売
[初回盤CD+DVD]
RX-057-058 定価¥3.465(税抜¥3.300)
[通常盤CDのみ]
RX-059 定価¥2.625(税抜¥2.500)


[ 収録曲 ]
01.The
02.El Camino
03.Waitress, Waitress!
04.Dear Enemies
05.Kiss The Damage
06.spy
07.Pa Pa Pa Pa Pa
08.Girl In A Black Leather Jacket
09.言え
10.12/26以降の年末ソング
11.Kill Me If You Can
12.Kids
13.真夜中


[ 初回盤DVD内容 ]
2011年12月16日(金)赤坂BLITZで行われた [Champagne]自主企画ライブ"This SummerFestival"からの ライブ映像と3rd Albumのレコーディング風景を収録

01.My Blueberry Morning
02.Revolution, My Friend
03.She’s Very
04.Cat2

【ライヴ情報】
全国ツアー『TOUR Schwarzenegger 2012』

4月19日(木)千葉LOOK
4月20日(金)茨城・水戸LIGHT HOUSE
4月25日(水)横浜F.A.D
4月27日(金)宇都宮HEAVEN'S ROCK VJ-01
5月02日(水)石川・金沢vanvan V4
5月03日(木・祝)京都MOJO
5月06日(日)高松DIME
5月11日(金)長野LIVEHOUSE
5月12日(土)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
6月08日(金)札幌cube garden
6月10日(日)仙台Rensa
6月16日(土)広島クラブクアトロ
6月17日(日)福岡DRUM Be-1
6月23日(土)名古屋ボトムライン
6月24日(日)大阪BIG CAT
6月29日(金)SHIBUYA-AX
6月30日(土)SHIBUYA-AX (追加公演)


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