NEXUS アーティスト・インタヴュー:BIGMAMA 金井政人

4枚目となるアルバム『君がまたブラウスのボタンを留めるまで』をリリースしたBIGMAMA。バンドにとっての決定打となる1枚を完成させた金井政人へのインタヴューが以下のテキストだ。

「バイオリンをメンバーに擁するロックバンド」としてメロディックパンク・シーンに登場、確固たる人気を築き上げてきた彼ら。「ロック×クラシックの融合」をテーマにしたコンセプト作『Roclassick』を経て、単なるスタイルではなく、どんな思いを音楽に乗せて伝えるかという問いに本気で向き合う中で完成したのが、このアルバムだ。

彼が何を感じ、どんなことを考えてひとつひとつの楽曲を作っていったのか、アルバム・インタヴュー+全曲解説にて紐解いていく。

取材・文=柴那典

4枚目をバンドの成長期、一番光り輝く時期にしたかった

――まずはアルバムを作り始めた頃の話から訊ければと思うんですけれども。前作の『Roclassick』はバンドの風通しを良くするような1枚だったと思うんです。だから、あれを出した後に、新たなモードというか、バンドが何を音楽で鳴らすのかに関して正面突破になったと思うんです。そういうスタート地点はありました?

金井
おっしゃるとおりで、『Roclassick』までのアルバムは、いわば無我夢中で作った3枚だったんです。そのまま4枚目を作ろうと思ったら作れたと思うし、それなりの成長曲線も描けたと思う。でも、やっぱり一度風通しをよくしたかった。この流れのまま作っても、音楽的にも自分の発想としてもあまり変えれらなかったんじゃないか、という。4枚目をより自分の中で確固たるものにしたかった。バンドの成長期、一番光り輝く時期にしたかったというか。

――そのために、一度『Roclassick』を作った、と。

金井
もともと、そういうアイディアはあったんです。ロックとクラシックを融合させてひとつの曲としてパフォーマンスするという。そうすれば、初見の人も引き込めるキャッチーさもあるし、自分達でも新しい感触がある。それを<ここしかない>というタイミングでやれたのが、『Roclassick』というアルバムだった。で、その後に作った“秘密”という曲は、自分の中でもう一度バンドを始めるというか、バンドの1曲目をもう一度作ろうと思って作った曲なんです。僕らはもともとラウドなロックサウンドが好きだし、スピード感のあるものが好きで、バイオリンのメンバーがいて、僕が歌詞を書いている。そこで、バンドにとっての一番スタンダードなものを鳴らそうと思ったら、“秘密”という曲ができた。そこがアルバムのスタート地点でした。

この曲を書けたことで、今向かっているものと心中する決意ができた

――“秘密”という曲ができたのはどれくらいのことでした?

金井
“秘密”は『Roclassick』のツアーのワンマンシリーズからライヴでやっていたんで。2011年の初めにはできていました。

――その頃に思い描いていたアルバムのイメージとこれは違うんじゃないか?って僕は思ったんですけれども。そこから真っ直ぐに進んできたら非常にシンプルなアルバムになっている気がする。でも、もっと振り幅のある、もっと挑戦的なものになっている。その理由は?

金井
実は逆ですね。“秘密”の次に作った曲が “until the blouse is buttoned up”だったんです。この曲がアルバムのゴールになった。3・11の後に最初に作った曲がこの曲だったんです。3月30日のツアーファイナルで新曲をプレゼントしたかった。それが僕の中でゴールだという確信ができた。だから、それ以外はいくらでも攻撃的になれる、自由になれると思って、この振り幅ができたんです。

――“until the blouse is buttoned up”には、すごく肯定というか、包容するような感覚がある思うんです。これができたことは自分にとって大きかった?

金井
そうですね。音楽を続けるべきかどうかみたいなことも、リアルな時期に書いた曲だし。僕は、この曲を書けたことで、自分はやっぱり音楽が好きで、こういう状況でも音楽をやりたいと思った。今向かっているものと心中する決意ができた曲なんです。あの状況の時を思い出すと、ライヴをするか/しないか、キャンセルするかどうかという時に、それでもやるには強い意志が必要だった。これでいいんだ、と思えるかどうか、難しかった。でも、震災後にこの曲を作って、できあがった瞬間に、僕は自分が音楽をすること、次のアルバムに向かうことに肯定的になれた。そういう意味でこの曲はゴールになった。自分が、音楽と向き合う決意を固めることができた曲なんで。

BIGMAMA 金井政人


2002年東京にて結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、現在は金井政人(Vo,G)、柿沼広也(G,Vo)、リアド偉武(Dr)、安井英人(B)、東出真緒(Violin)の5人編成で活動 中。ロックを基軸に紅一点の東出によるバイオリンが楽曲に華を添えるサウンドとボーカル金井による独特な歌詞の世界観とで他のバンドとは一線を画する個性を放っている。

【ツアー情報】

全国ワンマンツアー
「母がまた母の日を終えるまで」
2/02(木)千葉 LOOK
2/04(土)水戸 LIGHT HOUSE
2/05(日)熊谷 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
2/10(金)奈良 NEVERLAND
2/11(土)神戸 VARIT.
2/12(日)京都 磔磔
2/18(土)高崎 Club FLEEZ
2/19(日)宇都宮 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
2/23(木)横浜 F.A.D
2/25(土)金沢 vanvan V4
2/26(日)浜松 窓枠
3/01(木)郡山 CLUB#9
3/03(土)盛岡 CLUB CHANGE WAVE
3/04(日)青森 Quarter
3/09(金)鹿児島 SR HALL
3/10(土)熊本 DRUM Be-9 V2
3/11(日)長崎 DRUM Be-7
3/16(金)徳島 club GRIND HOUSE
3/17(土)高知 X-pt.

3/23(金)TOKYO DOME CITY HALL
「母がまた座席指定のライブを終えるまで」

3/25(日)仙台 Rensa
3/31(土)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
4/01(日)長野 LIVEHOUSE J
4/08(日)札幌 PENNYLANE 24
4/14(土)福岡 DRUM LOGOS
4/15(日)岡山 IMAGE
4/21(土)高松 DIME
4/22(日)広島 CLUB QUATTRO
5/04(金)大阪 なんばHatch
5/05(土)名古屋 CLUB DIAMOND HALL
5/13(日)東京 Zepp Tokyo
              [TOUR FINAL]
5/19(土)沖縄 桜坂セントラル
              [TOUR 番外編]



4th Album

4th Album「君がまたブラウスのボタンを留めるまで」
RX-055
定価:¥2,940(税抜価格¥2,800)
2012年 1月25日(水) 発売

[ 収録楽曲 ]
01. beautiful lie, beautiful smile
02. #DIV/0!
03. 最後の一口
04. until the blouse is buttoned up
05. 荒狂曲"シンセカイ" 〜orchestra編〜
06. Zoo at 2 a.m.
07. "Thank You" is "Fxxk You"
08. アリギリス
09. I'm Standing on the Scaffold
10. 週末思想 
11. 秘密
12. 母に贈る歌

http://bigmama-web.com/

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