NEXUS アーティスト・インタヴュー:BOOM BOOM SATELLITES

絶頂に上り詰めていく興奮そのものを形にした音楽。鼓動が高まるかのように徐々にテンポアップしていくビートから、リフレインを繰り返し激しいシャウトに至る歌声から、ロックの生々しい“熱”が放たれる。BOOM BOOM SATELLITESから届いた2年ぶりの新曲“BROKEN MIRROR”は、そんな一曲になっている。

ダンス・ミュージックの高揚感とロックの攻撃性を根っ子の部分から融合した音楽性で、デビューから15年に渡って唯一無比のキャリアを築き上げてきた彼ら。アニバーサリー・イヤーとなる今年は、より外側に開けた活動に向かっているようだ。挑戦心を失わず歩みを進めるバンドの今を、二人に訊いた。

取材・文=柴那典

格闘していきたい。そういう意識はいつもあります

――前作『TO THE LOVELESS』からは2年ぶりになりますが、それからはずっと制作をされていた感じでしょうか?

中野
いや、あれからはスタジオも変わったし、いろいろなことが重なって、震災もあったし、落ち着かない時期でしたね。

――これまでの作品も基本的に自分達のスタジオで作っていましたよね。そういう音楽制作の環境をイチから作り直した感じですか?

中野
そうです。そのスタジオを作ってるときに、地震があった。そういうところでの悩みも多かったです。たとえば9・11があった時にはアメリカのアーティストがすごく感傷的な音楽を作ったりしたけれど、そういう変化が一過性のものになってしまうのも見てきた。だから、こういう状況にあっても、自分たちの揺らがないスタイルで、落ちついて腰を据えてやっていこうとは思っていて。でも、そうするには時間がかかってしまったというか。だから、振り返れば中途半端だったのかもしれないけど、まあ、必要な時間だったのかもしれない。

――では、震災以降の社会のムードや流れに対して表現をしていくということにおいて、BOOM BOOM SATELLITESとしてはどういうところにスタートラインを考えたんでしょうか?

中野
結局、自分たちの音楽に立ち返るということですね。僕たちの場合は、起きた事件に対して右往左往しないほうがいいと思った。でも、そうは言ったって、自分たちだってショックを受けているわけで。なので、ジタバタする感じはありました。思うことも沢山あったし。でも、僕たちとしては、距離を置いて自分たちの足でちゃんと歩こう、と。

――音楽シーンの動きはどんな風に見ていました?

中野
音楽自体の話になると、まず、いろいろなものがすごく多様化していますよね。昔だったらニッチなマーケットだったインディペンデントなものが、よりバラバラに細分化している。で、それはいいんだけれども、どれもメインストリームにのし上がっていくことができないようなバラバラな状態になっている。たとえばUSインディーのチルウェイヴにしても、たとえば日本のボーカロイドにしても、細分化されたそれぞれの好みが交わらないように感じて。一方で、アイドルユニットのようなマスなものもある。そういう中で、結構悩んでいる時期だったと思います。

――では、自分たちのアクションをどういうものにするかについてはどんな風に考えましたか?

中野
まず、自分たちのファンだけを囲っているような活動の仕方というのは、満足できるものではないですね。やっぱり、格闘していきたい。そういう意識はいつもあります。

――自分たちの音楽が聴かれていくフィールドをどんどん広げていこう、自分達より下の世代の人にも届けていこうという。

中野
はい。たとえば、2006年あたりから、邦楽アーティストだけのフェスティバルに出るようになった時期もあって。最初は違和感もあったけれど、それは自分たちに対してプレッシャーをかけていくみたいなことだったりしましたね。対バンでツアーをやるということも、こないだが初めてだったので。

――9mm、ホルモン、サカナクションという組み合わせの対バンツアーでしたけれども、やってみていかがでしたか?

中野
サカナクションはこちらの都合で延期になってしまったんですけれども。9mmとホルモンにつては、それぞれ感触は全然違いましたけど、世代が下のバンドと一緒にやって、自分達を再確認することはありました。まず単純に、ロックにおいては昔から上の世代がクールじゃないとされるということがあって、たとえば、パンクが出てきたら、それまでのハードロックは古くなる。で、自分達はそういうことがとにかく嫌いだし、常にパンクの側にいたいんですよ。世代が違うバンドとやったときに、自分たちが古い側になってしまうのはまずい。日頃からそういう風に考えてやってきたんですけれど、実際にまだリアルタイムの音楽としてできているなっていうことを確認できた。同時に、純粋に、彼らのことを尊敬するというのもありましたね。あのパフォーマンスを裏打ちするような事柄っていうのは、彼らの楽屋の過ごし方からしても感じるし。これまで自分達より若いアーティストとつるむようなことはなかったんで、すごく新鮮だったし、学ぶことも多かった。でもまあ、「負けねえぞ」って感じは強かったです。

――川島さんはいかがでした?

川島
ステージに立つ直前の精神状態っていうのは、やっぱりフェスとも違うものがありますね。挑戦者としてのフレッシュな心境でもありましたし、演奏し始めてからの雰囲気もっていうのは音楽ファンと作り上げる時間なので、楽しめた部分でもありますし。いい体験でしたね。

BOOM BOOM SATELLITES

1997年ヨーロッパでブレイクした中野雅之、川島道行からなるロックバンド。エレクトロニックとロックの要素を取り入れながら新しい未知の音楽を創造し続ける日本屈指のクリエイターである。ヨーロッパR&Sよりリリースされた12インチシングルをきっかけに、ヨーロッパの音楽誌「Melody Maker」は<ケミカル・ブラザーズ、プロディジー以来の衝撃!>と報じ、数々のヨーロッパ大型ロックフェスティバル、海外ツアーを敢行し多くのメディアに大絶賛される。2007年、FUJI ROCK FESTIVAL07 White Stageのヘッドライナーを務め、2009年にはSUMMER SONIC 09では最大ステージ、マリン・スタジアムでのアクトを披露しオーディエンスに衝撃を残し国内外でライブバンドとして高い評価を受けている。デビューから現在に至るまでクリエイター、映画監督、アーティストからの絶大なる人気を誇り、楽曲提供やリミックスのオファーが絶えない世代を超えた不動の魅力を持ち合わせたアーティストである。

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new single

New single『BROKEN MIRROR』
2012年6月6日(水)発売
通常盤(CD-EXTRA) SRCL-8016 ¥1,020(税込)


「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」期間生産限定盤 SRCL-8017 ¥1,365(税込)
gr8! records

【通常盤】
M1. BROKEN MIRROR
M2. BROKEN MIRROR
‒THE LOWBROWS REMIX―
※リミックス・パーツ収録

【期間生産限定盤】
M1. BROKEN MIRROR
M2. BROKEN MIRROR(Movie Edit)
M3. BROKEN MIRROR
‒THE LOWBROWS REMIX―




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