NEXUS アーティスト・インタヴュー:赤い公園「もう何やっても大丈夫!」――赤い公園、無敵のポップネスを手にした飛躍の一枚『猛烈リトミック』

まさに本領発揮の一枚。

赤い公園というバンドが、持ち前のポップさ、チャーミングな魅力、そして音楽的な才能を全面に開花させたアルバムが、この『猛烈リトミック』だ。

メジャーデビューから2年。ソングライターの津野米咲がSMAPに楽曲提供をしたり、シングル曲“絶対的な関係”がドラマ主題歌に選ばれたりと、徐々に注目を集めてきた一年を経て、勝負作として作り上げたセカンド・フルアルバム。亀田誠治や蔦谷好位置のプロデュースもあり、彼女たちのユニークな感性がそのまま王道のJ-POPとして形になっている。

津野米咲、佐藤千明の二人に、アルバムの手応えを訊いた。

取材・文=柴那典





“NOW ON AIR”がないとアルバムが成り立たない

――すごいアルバムだと思います。これは。

津野
佐藤
ありがとうございます!

――まずは僕が「すごい」と思ったところから話させてもらえればと思うんです。これはいろんな人がいろんな風に聴けるアルバムだと思うんですけれど、僕がダントツで好きなのは“NOW ON AIR”と“楽しい”。

津野
嬉しい!

――赤い公園というバンドにとって「こういうのが欲しかった」というのもあるし、特に“NOW ON AIR”は大きなポイントの曲だと思ったんですけれど。この曲ができた時に「重要な曲だ」という実感はあった?

津野
ビンビンありましたね。このアルバムは曲順は一切迷わなかったんですけれど、作っている途中に「何かが足りない」と思って。それで最後に書いた曲が“NOW ON AIR”なんです。これがないとアルバムが成り立たないし、これがないと私たちはセカンド・フルアルバムを出せない。とにかく、立川から出てきて、2012年にメジャーデビューして、白い衣装を身にまとって、テレビではおちゃらけて、でも音楽は真面目で、ベースが可愛くて、音を出すとギャップが……とか、そういうことを全部置いといて、いい曲を作りたかったんですね。とにかくいい曲が作りたかった。そうやって苦しみながら書いた曲が形になって。「ああ、もう何やっても大丈夫!」って思いました。これは大事な曲になるし、『猛烈リトミック』のリード曲としては勿論だけど、赤い公園としてのリード曲にもなっていくだろうという思いでした。

――さかのぼる話になりますけれど、“NOW ON AIR”ができる前にも赤い公園にとっていろんなポイントで大事な曲ってあったと思うんです。そういう曲はどれだった?

津野
そうですね。まず赤い公園の活動として大事だと思ったのは“今更”と“交信”ですね。当時は、“今更”をリードトラックにすることに意味があったと思うんです。



津野
“今更”はデビュー前からあった曲だけど、活動していく中で、ライヴ活動だけだったものが、いろんな特集を組んでもらえるようになって。SMAPさんに曲を書いたタイミングでもあったし。そういう時に、当時できる一番ポップな曲、私たちの一番開いてる曲だったんです。だから、今はライヴをやっていても「大事な曲になったんだな」って感じますね。お客さんと自分たちの間で「あ、この曲は大事なんだ」という共通認識が生まれたというか。

――“交信”はどうですか?

津野
この曲は、出すことによって、うるさくてハードなバンドだったところから、繊細なところへ立ち戻れたというか。そういう意味で大事なシングルだったなって思います。



――佐藤さんは“NOW ON AIR”を津野さんがバンドに持ってきて、どういう印象がありました?

佐藤
まず聴いた時にびっくりして。すごくストレートだと思ったんです。で、蔦谷(好位置)さんの手が加わったものを聴いて、自分たちがそれをレコーディングして、出来上がったものを聴いて。そのときに、この曲ができたから、できることが増えたし、見せられる幅が増えたし、どこにでもいけると思いましたね。

ラジオに恋してる私たちの思いが伝わった

――そして、この曲、歌詞がとてもいいですよね。

津野
ああ、ありがとうございます!

――ポップスって、聴き手のものになるんですよね。聴いた側が自分の好きなように解釈する。そういう曲を引き受けていながら、作り手としてもとても素直な思いを書いている。その両立しているポイントが「音楽っていいよね」というところにある。そこに嘘がないし、いい歌詞だなって。

津野
まさにですね。「音楽っていいよね」っていう曲。ラジオにとって音楽が欠かせないものであってほしいし、音楽にとってラジオは間違いなく欠かせないものだから。その関係性を、音楽って最高だよね、ラジオって最高だよねってところで落とし込めたらいいなって思って。いい歌詞を書こうとして書いているんですけれど、頭のどこかで歯車を回してるっていうより、自分の心に一番近いことを歌詞にしようと思った。そうやってできたと思います。

――この曲が不意にラジオから聴こえてきて「あ、自分の曲だ」って思う人は沢山いると思う。そういう機能を持ってると思います。

津野
嬉しいなあ。ラジオ局にプロモーションに行ったときに、ラジオのスタッフの方から「ありがとう」と言われて。「ありがとう」なんて言われると思ってなかったから、うるっときちゃって。ラジオに恋してる私たちの思いが伝わったと思って。それが聴いてる人に伝わったら嬉しいと思います。

――これが必要なピースだったわけですね。そして、「これがあるからいろんなことができる」という「いろんなこと」が沢山入っているアルバムになっている。

津野
そうなんです。

赤い公園

佐藤千明(Vo)
津野米咲(G)
藤本ひかり(B)
歌川菜穂(Dr)

2010年1月結成。高校の軽音楽部の先輩後輩として出会い、佐藤、藤本、歌川の3名によるコピーバンドにサポートギターとして津野が加入。そのまま現在に至る。

東京、立川BABELを拠点に活動を始め、デモ音源「はじめまして」、ミニ・アルバム「ブレーメンとあるく」の2枚の自主制作盤をリリース。2011年10月にはカナダツアー「Next Music from TOKYO vol.3」に参加。

2012年2月ミニ・アルバム「透明なのか黒なのか」をEMIミュージック・ジャパンより発売。2012年5月ミニ・アルバム「ランドリーで漂白を」発売。2012年9月シングル「のぞき穴」発売。約半年の活動休止を経て、2013年3月1日活動再開を発表。

5月5日から復活祭と称したツアーを東京/名古屋/大阪で実施。全公演ソールドアウト。2013年8月14日1st FULL ALBUM「公園デビュー」発売。ガールズバンドらしからぬ圧倒的な演奏力と存在感から、今年最もブレイクが期待されるバンドとして高い評価を受けている。

また、作詞・作曲・プロデュースを務める津野の才能がアーティスト・クリエイターから注目を集めており、SMAP「Joy!!」の作詞・作曲、南波志帆「ばらばらバトル」の作詞・編曲等の楽曲提供を行うなど、活動の幅を広げている。

オフィシャルサイト


セカンドフルアルバム
『猛烈リトミック』

2014年9月24日(水)発売
初回限定盤(CD+DVD):TYCT-69023 / 3,500円(税抜)
通常盤(CD):TYCT-60045 / 2,800円(税抜)

[ 収録楽曲 ]
01.NOW ON AIR
02.絶対的な関係 (4th single)
03.108
04.いちご
05.誰かが言ってた
06.私
07.ドライフラワー
08.TOKYO HARBOR feat. KREVA
09.ひつじ屋さん (3rd single)
10.サイダー
11.楽しい
12.牢屋
13.お留守番
14.風が知ってる (3rd single)
15.木

TOUR INFORMATION

赤い公園 マンマンツアー 2014
〜お風呂にする?ご飯にする?
それとも、リトミックにする?〜

10月24日(金) 福岡 Drum Be-1
10月31日(金) 名古屋 CLUB QUATTRO
11月03日(月・祝) 大阪 umeda AKASO
11月23日(日) 六本木EXシアター


インタヴュー | 対談 山口一郎(サカナクション)×津野米咲(赤い公園)

インタヴュー | 赤い公園

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