NEXUS アーティスト・インタヴュー:ACIDMAN 「死後の世界」というものが次のアルバムのテーマ

ACIDMANから、1年2ヶ月ぶりの新曲“EVERLIGHT”が届いた。

昨年6月にデビュー以来所属していた事務所から離れて独立、新事務所「FREE STAR」を設立した彼ら。新曲は、新たな旅立ちを象徴するような、力強く聴き手を鼓舞するエネルギッシュなナンバーとなっている。

5月からはファンのリクエストによりセットリストを決定するという全国ツアー「ANTHOLOGY」もスタート。そして、次なるアルバムへの構想も膨らんでいるようだ。大木伸夫に、バンドの今を聞いた。

取材・文=柴那典



全てを風通しよくやりたいとずっと思っていた

――ACIDMANは昨年に自分たちのマネージメントオフィス「FREE STAR」を設立しましたよね。新しい体制で物事を進めていこうという考えはどういうところからだったんでしょう?

大木
そもそもACIDMANは、お金のことも含めて、自分達で全部をやることから始まっているバンドなんですよね。そこから規模は大きくなったけれど、俺の性格、ACIDMANの性格としては、やっぱり基本的にはそこから変わってなくて。何もかも自分達でやりたいんです。ジャケットも、ビデオまでももちろんやりますし、制作に関しても100%セルフプロデュースで全部やってきた。だから、全てを風通しよくやりたいとずっと思っていて。それがようやく上手くまとまったのが去年のことだったんです。

――そもそもDIYでやるというのがACIDMANというバンドの重要なポイントだった。

大木
そうですね。俺らが学生時代の頃は、AIR JAM世代と言われる先輩方、本当にDIYで自分達で全てをやっている人達に憧れていて。当時はメジャーレーベルですら行きたくないって思ってたくらいだったんですよ。もちろん今は素晴らしいスタッフが沢山いるからメジャーレーベルでやってるわけですけれど、根本は全部自分達でやっていこうっていう発想がある。それが少しずつできるようになって、今はさらにそうなってきていますね。

――確かに、ACIDMANというバンドは大人の力を借りずにここまで歩みを進めてきたイメージがあるんですよね。

大木
でも、実際はすごく大人の力を借りてるんですよ。メジャーレーベルのEMIにすごくお世話になっているし、もちろん前の事務所のアムニスにもお世話になったし、ライヴのスタッフの支えもある。バックアップしてくれる体制はあるんですけれど、ただ、「これはやる」「これはやらない」って決めるのは全部自分達でやってきた、という。

――で、いまこの取材をしている場所も新事務所のオフィスなんですよね。楽器も並んでいるわけですけれど、ここはスタジオっぽい感じで使っているんですか?

大木
そう。もともと、この場所を借りたのは7〜8年前で、ずっとここで曲を作ってたんですよ。スタジオを借りてやるのもいいんですけど、そこにいちいち機材を運んでやるよりも、ここでやろう、と。ほとんど一人でこもって曲の骨組みを作ってるんです。

今の状況が作品にも出ている

――で、大木さんは「株式会社FREE STAR」の社長になったわけですよね?

大木
そうですね、一応。社長という名前ではあるけど、実際は皆でやってもらってる感じです。

――そんな風に自分のバンドの状況が変わったことと、音楽制作は、なんらか結びついている感じなんでしょうか? それとも切り離されているもの?

大木
制作してる時に、社長業の頭はないんですよ。ただ、やることが倍に増えたはずなんだけど、むしろ音楽を作る時の集中度が増していて。で、この“EVERLIGHT”を客観的に見ると、今の状況が作品にも現れている気がします。やっぱり人間なので、結果的には結びついている、という。

――“EVERLIGHT”という曲はいつくらいにできたんですか?

大木
最初にデモを作ったのは3〜4年なんですよね。その時メンバーの2人は「いいね」って言ってくれたんですけど、その時は自分はいまいちこの曲をやる気分ではなくて。でも、今回の制作に入る時に2人が「この曲やっぱりやろうよ」って言ってくれて。で、イントロのギターリフのフレーズを一悟(浦山一悟)君が考えてきてくれて。そこで曲もすごくよくなったと思うし、「じゃあ、これは一発目にやりたいね」ってことになった。2人のおかげですね。

――今のバンドの状況とこの“EVERLIGHT”という曲が結びついてるというのは?

大木
実は、最初に作った時はこの曲はバラードだったんです。タイトルも歌詞もない頃は、むしろ幻想的な曲にしようと思っていた。でも、その時はメロディーはいいんだけど何かが足りないと思っていて。それが今になって、新しくついたイントロと共に、一気にこの曲が生まれ変わった感じになった。今の気持ちと共にイメージが湧いて、言葉も書けるようになったという。

――どういうイメージが湧いたんでしょう?

大木
独立して一発目の曲っていうのもあるし、より密度濃く、風通しのいい環境で、ギアが深いところに入った感じなんですよ。そういう気合が入った感じにマッチしたんでしょうね。「おっしゃ! 行くぞ!」みたいな。

いくら説明しても説明しきれない

――ACIDMANってバンドは、ここのところずっと、少しずつ最高到達点を更新していくようなアルバム制作を繰り広げてきたと思うんです。同じ核心に毎回深く入り込むみたいな。正直、毎回の作品はすごくいいものが届くんですけど、終わったあと大変だろうなっていうことを客観的には思っていて。でも、大木さんはいつもアルバムを完成させると直後に曲を作り続けている。これはなんでなんでしょう?

大木
とにかくやりたいもの、いいと思うものをやっていこうという思いが強いので、飽きないんですよ。それはシンプルなメロディーだったり、気持ちのこもった演奏だったり、音楽的に面白いことだったり、そういうものを制限のある3つの楽器だけでやっていこうということなんですけれど。そこに自分の世界観を当てはめていくのも、言葉をいくら書いてもいくら説明しても説明しきれない。「100まで説明しきれた!」と思っても、アルバムが完成してそれが発売されるころにはやっぱり足りなくなっちゃう。その思いが絶えないんですよね。同じことを言ってるんですよ。命のことと、この世界のこと、この宇宙のことを歌いたい。それがまだ伝わらないからもっと違う言い方をしたい。止まらないですね。もちろん生みの苦しみはあるけれど、しんどい作業ではなくて、すごく楽しい作業なんです。

――なるほど。

大木
それでスタジオにこもって、曲を作って、それを2人にプレゼンして。「本当に感動しているか」とか「これ◯◯っぽいからいいと思っているんじゃないか」とか、そういう無駄なことを全部排除するんです。本当にシンプルにいいと思えるものを作る。一週間後に聴いてもよければ本物だと思うし、今回みたいに寝かせてる曲もあるし、そういう感じでやってますね。

ACIDMMAN

大木 伸夫(Vo&G)、佐藤雅俊(b)、浦山一悟(dr)からなる“生命”をテーマにした壮大な詩世界、様々なジャンルの音楽を取り込み、“静”と”動”を行き来する幅広いサウンドで3ピースの可能性を広げ続けるロックバンド。2013年、坂本龍一氏をゲストに迎えた楽曲「風追い人(前編 /後編)」を含む9thアルバム『新世界』を発表し、6月から7月に全国ツアーACIDMAN LIVE TOUR "新世界"を開催。ツアーファイナルは4度目となる日本武道館公演を大盛況におさめる。また、同年6月に自身による事務所「FREESTAR」を 立ち上げ新たな一歩を踏み出す。2014年4月16日、およそ1年2ヶ月ぶりとなるNew Single『EVERLIGHT』がリリース、そして5月から、全国6カ所にて開催されるACIDMAN LIVE TOUR “ANTHOLOGY”が控えている。

オフィシャルサイト

New Single『EVERLIGHT』

2014年4月16日(水)発売

【収録曲】
1. EVERLIGHT
2. ±0 -second line-
3. I stand free -second line-
4. ±0
5. I stand free

■LIVE INFORMATION

ACIDMAN LIVE TOUR "ANTHOLOGY"
5月22日(木) 仙台Rensa
5月24日(土) 北海道 サッポロファクトリーホール
5月29日(木) Zepp Namba
5月30日(金) Zepp Nagoya
6月06日(金) 福岡 DRUM LOGOS
6月12日(木) Zepp Tokyo

STEP in FUKUSHIMA 2014 ※振替公演
4月25日(金)@いわき芸術交流館アリオス 大ホール

ARABAKI ROCK FEST.14
4月27日(日)@宮城・みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく

VIVA LA ROCK
5月03日(土)@さいたまスーパーアリーナ

JAPAN JAM 2014
5月05日(土)@新木場スタジオコースト

石垣島Tropical Lovers Beach Festa 2014
6月15日(日)@石垣島フサキリゾートヴィレッジ サンセットステージ

Broccasion Live OSAKA
6月27日(金)@大阪BIG CAT

OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.5
7月26日(土)・27日(日)@秋田・男鹿市船川港内特設ステージ

中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014
9月27日(土)・28日(日)@岐阜県中津川市中津川公園内特設ステージ

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