NEXUS アーティスト・インタヴュー:10-FEET

3年ぶりとなるニューアルバム『thread』を完成させた10-FEET。凄まじいエネルギーと熱量でかっ飛ばすような、そして同時に、膝を抱える人にも優しく寄り添うようなロック・ミュージックだ。

この夏、nexusでは各地の夏フェスをレポートしてきた。
http://www.nexus-web.net/live/future/summer-fes/2012/

その様々な場所で、10-FEETとオーディエンスは、たくさんの特別な瞬間を作っていた。サークルを作って走り回ったり、ガッツポーズを掲げたり、隣の人とハイタッチしたり、抱き合ったり。各地のお客さんのキラキラした笑顔を、僕は沢山見てきた。彼らが主催する「京都大作戦」のTシャツを着た人もたくさんいて、そういう人たちは大抵、隣の見知らぬ誰かを気遣い、一緒にその最高な気持ちを分かち合おうとする人たちだった。

彼らのライヴに凝縮している「一度きりの生を、限られた時間を、全力で謳歌する」ようなムードを、そのままパッケージしたようなアルバム。それがどういう風に作られたのか、3人に訊いた。

取材・文=柴那典

1曲1曲が、3年かけて作られてる

――シンプルに、音楽として非常に素晴らしいアルバムだと思います。

全員
ありがとうございます。

――まずタイトルの話を訊いていこうと思うんですが、この『thread』というタイトルは、は最後につけたものですか?

TAKUMA
最後です。辞書を見ていたら、この言葉が飛び込んできたんですね。「1本の線、一筋の光」とか、そういう意味を表すんですけど、そこから「生命」とか「つながり」とか、いろんなイメージが見えたんです。あと、曲は全部カラーが違うんですけども、針と糸で通せそうな箇所がどの曲にもある。そういう、いろんなものに広く共通して使える言葉だなと思って、いいなと思ってつけました。

――TAKUMAさんは昨年の年末にnexusのUstream番組「NEXUS presents Unforgettable 2011」に登場いただきましたけれども。あの頃は、アルバムの制作状況はどんな感じでした?

TAKUMA
まだ60%、70%とかだったんじゃないですかね。

――今回、アルバム制作に苦労したという感覚はありました?

TAKUMA
搾り出した感は後半あったかなあ。ホンマにぎゅーって搾り出して作った感じ。でも、最後に作った2、3曲はもう振り切って、開き直って純粋に楽しんで作ったんで。だから、煮詰めて作りこんだ曲と、ガッと弾いてガッと歌ったような曲が共存してる。2年以上前にできていたけれど、ずっと煮詰めてきた曲もあるし、全部完成し切らんままほっといたけど、最後の1手をアルバムの完成直前に加えたような曲もあるし。1曲1曲が、3年かけて作られてるような感じ。そういうことは、今までやったことなかったし、そんなに時間がかかったこともなかったから、それが1番の今までと違う点かな。

――シングルとしてリリースされた“その向こうへ”を作っていたのは2011年のころですよね?

NAOKI
2011年ですね。

――あれは自分たちにとってどういう曲、どういう意味合いを持つ曲になったという感覚がありますか?

TAKUMA
もともと震災が起こる前、去年の3月にはほぼ完成してた曲なんです。大きな地震があったけど、その前からやっぱり人それぞれ、辛いことっていうのはあったんですよね。歩くのがしんどい、前に進むのがしんどい、生きてんのもしんどくなってしまう瞬間って、やっぱり誰しもある。それでもやっぱり生きていかなくちゃいけないっていうときに、思いっきりビンタされるような、そういう刺激や励ましや突き動かす力みたいなものを自分自身もすごく求める瞬間が、日常に数多くある。そういうものを僕はいろんな音楽から貰ってるし、自分が音楽をやるにあたってもやっぱり自分でそれを感じれるような音楽をやりたいなと思ってたんですね。

――はい。

TAKUMA
で、地震があって、いろいろ考えることがあって。震災が起きた後も、そういう意図と歌う理由、込める気持ちっていうのは変わらなかったです。でも、意味合いは一緒でも、その中の内容が変わったというか、増えたようなところはあるかもしれない。よりこの歌がこの歌らしくなっていったというか、自分の中でもこの曲を歌うにあたってより相応しくなるような思いが増えたという。

“シガードッグ”は、地震があってから一週間くらいしてから、ずっと鼻歌で歌ってた曲

――アルバムを聴いてすごく印象的だったのは、“その向こうへ”のよう奮い立たせてくれる曲、エネルギーを与えてくれる曲ばかりのアルバムでは決してないということなんですね。たとえば“シガードッグ”のように、残された側の曲というか、置き去りにされたもの、放っておかれたものに対して寄り添うような曲がある。そのことが、アルバムの大きさにつながっていると思います。なので、まずは“シガードッグ”について聞こうと思うんですけれども、これはいつ、どういうきっかけでできた曲だったんでしょうか?

TAKUMA
これは3月の後半ぐらいですね。地震があってから1週間ぐらいは何も動けなかったんすけど、それぐらいから急に、頭の中でこの曲が流れ出した。毎日、歌ってたんです。スタジオを借りて作曲の活動をやってたりしたんですけど、その行き帰りとかもずっと歌ってた。その傍らで、支援物資を集める作業をしてて。東京に滞在している期間にやってたんですけど、そんときにもずっと歌っていて。この鼻歌を、なんとか歌にして仲間に届けたいなと思ったんです。復興支援活動とかそういうことじゃなくて、仲間に歌いたくて。でも、歌える環境もなかったんで、宅録みたいな感じでワンコーラス分入れて持っていったりして。で、それを帰ってきてから、みんなでバンドアレンジした。自分たちの思いとか生活、今思うこと、そういうものを歌詞につけ足して完成させたんです。すごく、光が見えそうなコード進行と歌のスケールがあって、でも歌詞だけ読むとそんなにポジティブでもない内容で。そういうのが、なんか自然な形だったんですよね。僕らはそういう自然な形のものを、自然にあんまりやったことなかったんで、最近はライヴでやってて楽しいんですよね。

――たとえば“蜃気楼”とか“CRYBABY”とか、“淋しさに火をくべ”とか、こういう、強いエネルギーと寄り添うような言葉を持った曲が、僕はこの『thread』っていうアルバムの核になっているように思うんです。こういう曲は、どういう風にしてできていった曲だったんでしょうか?

TAKUMA
その辺の曲は”その向こうへ”の前ぐらいには、できていました。で、歌っている内容っていうのは、すごくいろいろ省略すると、みんなが思ってることを歌ってると思うんですよね。誰しもが経験してたり、誰もが思ってることを、言葉を選んだり、コードやメロディやリズムを選んで作り上げていくという。

――というと?

TAKUMA
やっぱり「ありがとう」という言葉だけでも、たまたま「最近元気にしてんの? ふと思い出したからメールしてみたわ」っていうメールが来たときに、「ありがとう、何気ないメールでもすごい嬉しいわ」っていうのと、「実は最近全然人に会えてへんかって、結構ネガティブにいろんなことを考えてて、暗くなってた瞬間にこのメール来たしすごい嬉かってん」っていうのとじゃ、やっぱり相手への伝わり方が全然違う。「ありがとう」っていう意味合いを伝えるのは一緒なんですけど、やっぱりそういうときの言い方で、伝わり方が違う。音楽を作るって、スケールを考えてみたりヴォーカルラインを考えてみたり、いろんな楽器で伝え方を考えているという感じなんですよね。それで、みんなの日常にあることを歌ってるという。たとえば、内容がちょっと重かったり湿っぽかったりしたら、太陽みたいに、かっ飛ばすように歌えばいい塩梅になるんじゃないかなって思うし。音楽って、そういう力、そういう面白さがすごいたくさんあると思うし。ブルーハーツのマーシーさんが、「難しいことはシンプルに楽しく」みたいなことを昔言ってはったんですけど、まさにそこに通ずるもんっていうか、そういう面白さ、力が音楽にはすごいあると思うんで。サウンドにしても歌詞にしても、そういう表現にずっと興味を持ち続けて、今も追及してるんです。それが楽しいんですね。

10-FEET

TAKUMA(Vo./Gt.)、NAOKI(Ba./Vo.)、KOUICHI(Dr./Cho.)の3ピースバンド。1997年に地元京都で結成。シンプルな3ピースという形態でありながら、メロコアと言うジャンルでは既に括る事のできない音楽性は、ROCK、PUNK、HEAVY METAL、REGGAE、HIP HOP、GUITAR POP、BOSSA NOVA等のジャンルを10-FEET流に取り入れ、幅広い独自のものを確立している。

また年間100本近い精力的なライブ活動も、その迫力満載のライブパフォーマンス、人間味溢れる、深いメッセージが込められた歌詞、笑顔を誘い出すキャラクターで常に話題を振りまいている。エンターテイナー性溢れるその活動スタイルを徹底している。
さらにその活動は日本はもとより、アメリカツアー、韓国、台湾でもライブを行い、音楽の力で国境を越える事ができる日本では数少ないバンドである。

2001年4月に1stシングル「april fool」をリリース。以降、アルバム6枚をリリース。2007年には地元京都の野外フェス「京都大作戦2007〜祇園祭とかぶってごめんな祭〜」を企画。初年度は台風で中止となったが、翌年からは大成功を続け、2012年7月には5周年となる「京都大作戦2012〜短冊に こめた願いよ 叶いな祭〜」が開催された。

http://www.10-feet.com/


7th ALBUM 『thread』
2012年9月19日発売

初回限定盤CD+DVD
UPCH-29086 ¥3,200(税込)
通常盤CD  UPCH-20283 ¥2,600(税込)
BADASS / NAYUTAWAVE RECORDS

[CD収録曲]
01. JUNGLES
02. focus
03. その向こうへ
04. 蜃気楼
05. hammer ska
06. シガードッグ
07. CRYBABY
08. 求め合う日々
09. SKANKIN' CHOKE BANGER
10. DAVE ROAD
11. 淋しさに火をくべ
12. コハクノソラ
初回限定盤DVDには京都大作戦2012でのライヴ映像を収録
goes on / その向こうへ / RIVER / super stomper
1sec. / CHERRY BLOSSOM / +オフショット

【ライヴ情報】
10-FEET "thread" TOUR

2012年
10月06日(土) Zepp Fukuoka
10月08日(月・祝) 広島BLUE LIVE
10月10日(水) Zepp Namba
10月12日(金) Zepp Namba
10月14日(日) Zepp Nagoya
10月16日(火) Zepp Nagoya
10月23日(火) 横浜BLITZ
10月25日(木) Zepp Tokyo
10月27日(土) 新潟LOTS
10月29日(月) 仙台RENSA
11月06日(火) Zepp Tokyo
11月09日(金) Zepp Sapporo
11月21日(水) 徳島club GRINDHOUSE
11月23日(金・祝) 高知CARAVAN SARY
11月25日(日) 高松MONSTER
11月27日(火) 松山SALON KITTY
11月29日(木) 周南TIKI-TA
12月01日(土) 松江canova
12月03日(月) 米子laughs
12月05日(水) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
12月07日(金) 神戸WYNTER LAND
12月09日(日) 和歌山GATE
12月11日(火) 奈良NEVER LAND
12月13日(木) 大津CLUB B-FLAT
12月22日(土) 京都KBSホール
12月24日(月・祝) 京都KBSホール
2013年
01月10日(木) 福井CHOP
01月12日(土) 富山MAIRO
01月14日(月・祝) 金沢EIGHT HALL
01月16日(水) 岐阜club-G
01月18日(金) 松阪M'AXA
01月20日(日) 浜松窓枠
01月22日(火) 清水ark
01月24日(木) 甲府KAZOO HALL
01月26日(土) 松本SOUND HALL a.C
01月28日(月) 長野CLUB JUNK BOX
01月30日(水) 高崎club FLEEZ
02月01日(金) 宇都宮HEAVEN'S ROCK
02月03日(日) 郡山CLUB #9
02月05日(火) いわきclub SONIC
02月07日(木) 水戸LIGHT HOUSE
02月17日(日) 川崎CLUB CITTA'
02月19日(火) 厚木Thunder Snake
02月21日(木) 千葉LOOK
02月23日(土) 木更津KAVACHI
02月25日(月) 熊谷HEAVEN'S ROCK
02月27日(水) さいたま新都心HEAVEN'S ROCK
03月12日(火) 山形MUSIC 昭和 SESSION
03月14日(木) 酒田MUSIC FACTORY
03月16日(土) 秋田CLUB SWINDLE
03月18日(月) 盛岡Club Change WAVE
03月20日(水・祝) 青森Quarter
03月22日(金) 函館CLUB COCOA
03月24日(日) 小樽GOLD STONE
03月26日(火) 札幌PENNY LANE24
03月28日(木) 岩見沢MP HALL
03月30日(土) 稚内HEART BEAT CAFE
04月01日(月) 旭川CASINO DRIVE
04月03日(水) 北見ONION HOLL
04月05日(金) 釧路CLUB GREEN
04月07日(日) 帯広MEGA STONE
04月09日(火) 苫小牧音楽館
04月25日(木) 宮崎SR BOX
04月27日(土) 大分T.O.P.S Bitts HALL
04月29日(月・祝) 長崎NCC & スタジオ
05月01日(水) 佐賀GEILS
05月03日(金・祝) 熊本Django
05月04日(土・祝) 熊本Django
05月06日(月・祝) 鹿児島CAPARVO HALL
05月10日(金) 宜野湾HUMAN STAGE
05月12日(日) 沖縄桜坂セントラル

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