先日、大船渡~陸前高田地区へ行ってきました。
震災地です。「the band apart」の原、そして最近は活動していないけどNYのレーベルからもリリースする素晴らしいコアバンド「54-71」の川口ら仲間と共に向かいました。
僕は去年、KESEN ROCK FESというフェスを体験しました。これはもう究極の手作りフェスで、その素晴らしさと自由さと「ようやるわ」という気力に本当に感動しました。そんな去年の自分が体験した中で最高だったフェスを作った人達の多くが大船渡~陸前高田地区にいて被災しています。
ここに至るまでは物資を直接送ったり、ツイッタ―で有志を募って物資を送ってもらったり(約80名ものみなさん、本当にありがとうございました! 現地でも「いいもん送ってもらってー、助かりましたぁ」と大変喜んでもらいました。全部あなた方の力です)しましたが、ここから長い期間をどうしていくのか? ということを顔を見合わせて話し合いたかったので、行ってきました。
それと共に、あるものをみんなで持って行ったのです。
それは―――――。
「太陽光エネルギーシステム」、いわゆる「ソーラーパネル」です。
これは54- 71の川口の発案で、電気が通ってないところにソーラーパネルを設置しようと決めて持って行ったものです。ソーラーパネルは石油や乾電池などの燃料もいらないものだから、いろいろな意味で震災地でこそ力を発揮するんじゃないか?と思って設置に向かったのです。
実際には、陸前高田の子供たちがたくさん集まっているお家に設置することにしました。海沿いでありながら、ほんの少し高台にあるこの家は隣の家が津波で全壊していて、つまり、隣の家より一メートル高台にあっただけで助かった家なのです。その助かった家の人と、全壊した家の人が、いたって普通に会話しているのを観て、僕はとても多くのことを学んだ気になりました。
人はみんな、最終的には繋がって生きていく存在で、だから喜びだって憎しみだって生まれて、それでもまた繋がって行くんですよね。壊れた家の人とそうでない人の間にはいろいろな気持ちがあるのに、でも現実を前にして自分を奮い立たせるために、いたって普通に繋がる。これはもう、人という存在の根本的な「性」というか「業」だと思ったのです。
そういう人達に対して自分ができることって何なんだろうか?って考えた時、本当にいろいろなことがあるんだなって改めて気付かされました。
ソーラーパネルは、一ヶ月振りに一軒の家の電球を光らせました。
それは多くの子供たちにとって、僕の想像以上に楽しいことで、もう大はしゃぎだったよ。持って行ったサッカーボールも、男女分け隔てなくみんなで蹴り合って楽しんでました。よかった。
ソーラーから生まれた電気を隣の家にも分配したくて、長いコードで繋げたら、電気がついた直後にブチっとブレイカ―が降りちゃって(ソーラーパネルにもブレイカ―はついているんです)。喜びまくっていた現地の人が、すぐにシュンとしながら今度は苦笑いを浮かべていたりして。なんか「表情」エネルギーによって生まれたのがよかったなあと思いました。
まだまだ多くの人達に灯りをもたらすだけのソーラーパネルを持って行けたわけじゃなくて、でもこんな現地の人たちの姿を観て、この行動を続けなければと思いました。何度も何度もソーラーパネルを作って、みんなの所へ持って行こうと。場合によっては、仮設住宅とセットでソーラーパネルを付けて少しでも多くの仮設住宅に役立てたり、子供たちが遊んだり学んだりできる寺小屋のような場所を作ってそこにソーラーパネルを付けてみたりとかできないかな?と、現地ともコミュニケーションをとりながらいろいろ模索して実行にうつそうと思います。

その後、新聞社の取材を受けさせてもらいました。
現地のメディアは同じメディア人として、本当に尊敬を抱く動きをしていました。記者の人の中には家が流されて無い人もいるんです。心配事しか周りにないんです。でも毎日取材を続けて記事を書いて、そして毎日新聞を出すんです。女性だって三日に一度シャワーを浴びればラッキーという中で、それでも強く目を輝かせながら、みんな必死に話を聞いたり、メモを取ったりしているんです。
それはそれは親切かつ丁寧な取材で。
それはそれはあたたかい記事ばかりで。
メディアがどうとかじゃないんだ、この話は。人は何をするべきなのか? そしてそれを果たすことによって僕らは人間をやっているんだってことに気付くんじゃないか?って話で。僕が出逢った現地のメディアは、まさに「伝えるためにやれることのすべて」をやっていました。
自分がどれだけのことをしていて、どれだけのことができてないまま目をつぶっているのか、いろいろ実感しました。
震災地は凄い景色が広がってました。
でも凄い人間の力が広がってました。
毎日テレビで報道されている世界もあったけど、もっとわかったこともたくさんあって。
今度自分がそのことをテレビとは違う形でどう伝えていくべきなのか? そんなことを始めるきっかけになりました。

多くの人が義援金を出したり、支援をしていることと思います。
僕もこれからも頑張ろうと思いますが、現地の人達は、これから「自分との闘い」が始まるんだなあということを感じました。
家がある人達は電気が復旧していて(ソーラーパネルを設置させてもらった家のように、家があって電気が来ていない所の方が珍しいらしいです)、でも家がない人は未だに先が見えなくて、本当に震災地の中でもいろいろな明日があります。
そういういろいろな人達は、自分らがこの状況下でこの先、どう前へ進んで行くのか? というテーマと立ち向かっています。
そういう人達に長い期間、どういう支援体制をもってお付き合いし続けていくのか? そういうことをもっと本気で具体的に考えねばならないと感じた「始まりの一日」でした。
前記しましたが、僕は3月中にツイッタ―などで呼び掛け合い、現地に直接物資をおくりました。
支援の力はまだまだ足りてないと思います。震災地の人は今も日常生活という言葉に値するいろいろなことやものを手に入れていないし、そういう人たちは自分達だけでできないことがたくさんあります。でも何よりも震災地の人たちは、これから自分自身でどうしていくかをみんな考えてました。そういう前向きな震災者に具体的にどういう支援をしていくのか? をみんなで考えていきましょう。
今後もみんなで震災地を、震災と立ち向かっている人たちの気持ちや力を見詰めて、そしてその自分が感じた気持ちをもって、何よりも「自分らしく」行動に移していきましょう。僕もそうしたいと思います。

最後に。15日、MUSICAの最新号は発売されました。
表紙巻頭企画はマキシマム ザ ホルモン!!
マキシマムザ亮君との独占対面インタヴュー。これまたバンド史上初のナヲちゃん、ダイスケはん、上ちゃんの3人インタヴュー。そして1500人ものみんなから寄せられた質問に4人が答えるインタヴュー、全部で22ページの大特集です。
他にも凛として時雨のTKと、くるりの岸田繁、両者の初ソロ作品へのロング取材。
andymoriの傑作アルバム・レコーディングへの密着取材。The Birthday、黒猫チェルシー等、心からやりたいことをやり抜いて作った号です。
先月号は印刷をしている最中に地震が起こり、作業がストップして大幅に発売日が遅れましたが、今月は大丈夫です。仙台のタワーレコードで発売されているという情報を店員さんのツイッターから知って、いつも以上に雑誌を作っている意義を感じました。
今月もよろしくお願いします!!

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