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サカナクション / DocumentaLy< RELEASE INFORMATION >
5thアルバム『DocumentaLy』
2011年9月28日(水)発売
■ 初回限定盤A / VIZL-437 / 3,500円(税込)
CD:全13曲
(ボーナストラック:ホーリーダンス Like a live Mix 含む)
DVD:DocumentaLy Documentary 「エンドレス」 「ドキュメント」(レコーディングドキュメンタリー映像を27min収録) ブックケース+豪華ブックレット仕様

■ 初回限定盤B / VICL-63785 / 3,000円(税込)
CD:全13曲(ボーナストラック:ホーリーダンス Like a live Mix 含む)
ブックケース+豪華ブックレット仕様

■ 通常盤 / VICL-63790 / 2,800円(税込)
CD:全12曲

[ CD収録楽曲 ]
01. RL
02. アイデンティティ
03. モノクロトウキョー
04. ルーキー
05. アンタレスと針
06. 仮面の街
07. 流線
08. エンドレス
09. DocumentaRy
10. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
11. years
12. ドキュメント
13. ホーリーダンス Like a live Mix
※M-13:<ボーナストラック>※初回限定盤A・Bのみ収録

[ DVD収録内容 ]
DocumentaLy Documentary 「エンドレス」 「ドキュメント」

< EVENT INFORMATION >
サカナクション 5thアルバム 先行爆音試聴パーティー
出演 : サカナクション (メンバーによるDJ&トークセッション)
片平 実(DJ)、鹿野 淳(DJ) and more
日時 : 2011年9月23日(金) 開場/開演24:00〜
会場 : LIQUIDROOM ebisu
料金 : 前売 2,000円(税込) *オールスタンディング、1drink(500円)別
プレイガイド発売 : 2011年9月11日~ ぴあ / LAWSON / LIQUIDROOM
※20歳未満の方のご入場はできません。
※年齢確認のため、顔写真付きの公的身分証明書をご持参下さい。
※サカナクションによるライヴパフォーマンスはありません。
問い合わせ先 : LIQUIDROOM (03-5464-0800)

< TOUR INFORMATION >
SAKANAQUARIUM 2011 DocumentaLy
10.01(土) 新潟LOTS (OPEN17:00 START18:00)
10.02(日) 金沢EIGHT HALL (OPEN17:00 START18:00)
10.07(金) 仙台ZEPP SENDAI (OPEN18:00 START19:00)
10.09(日) 札幌ZEPP SAPPORO (OPEN17:00 START18:00)
10.12(水) 広島CLUB QUATTRO (OPEN18:00 START19:00)
10.14(金) 福岡Zepp Fukuoka (OPEN18:00 START19:00)
10.15(土) 熊本DRUM Be-9 V1 (OPEN17:00 START18:00)
10.17(月) 名古屋Zepp Nagoya (OPEN18:00 START19:00)
10.19(水) 大阪なんばHatch (OPEN18:00 START19:00)
10.20(木) 大阪なんばHatch (OPEN18:00 START19:00)
10.22(土) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM (OPEN17:00 START18:00)
10.23(日) 高知高知キャラバンサライ (OPEN17:00 START18:00)
11.06(日) 千葉幕張メッセ (OPEN16:30 START18:00)
11.10(木) 京都KBSホール (OPEN18:00 START19:00)
11.11(金) 京都KBSホール (OPEN18:00 START19:00)
チケット代金(税込) 4,300円(会場によりドリンク代別)※幕張のみ5,000円

【Official HP】
http://sakanaction.jp/

サカナクション 山口一郎

どうも、サカナクション山口一郎です。小学生のころ、夏になると父親と橋の上からよく鯉釣りをしました。それは夏の恒例行事となっていて、毎年夏休みが近くなるとそれが楽しみで、学校の教室でそわそわしていたのを思い出します。渓流に棲む大きな鯉は警戒心が強く、外が明るいうちはなかなか釣れません。なので、父と橋の上から鯉釣りをするのは決まって夜遅くで、その頃から一人でよく釣りに出かけたりしてはいましたが、夜釣りができるのは一年でこの時だけでした。

本当に嬉しい事に、最近は非常にタイトなスケージュールが続いておりまして、なかなか釣りに行けない日々が続いております。2月にライブDVDが発売されることになりまして、特典映像としてドキュメンタリー映像も付いてきます。僕ら初のワンマンツアーと初の武道館公演。そしてそれらのドキュメンタリー。映像チェックのため一足先に僕は全編を見させていただきましたが、それを見ると2010年は僕の人生において本当に重要な一年だったのだと改めて自覚させられました。でも、ふと振り返ると、音楽が職業になって以来、重要じゃなかった一年なんてありませんでした。毎年毎年、新しい壁や難題が生まれ、それを様々な人に支えられながら全力で乗り越えてきました。だからこそ、充実した2010年を過ごせたのだと思うし、未来にも期待して生きていられるのだと僕は考えております。

このコラムを始められたのも2010年の僕にとって、とても大きく有意義な事柄でした。みなさんから寄せられた音楽に対する質問に答えたり、自分の中に沸き上ってきた音楽に対する考えなどを吐き出したりしているうちに、毎日音楽に埋もれ生活しているとどうしても忘れがちになってしまう大事なことを思い出させてくれて、今ではそれが音楽を続けるうえで重要なモチベーションの一つになっております。

僕は自分が作る音楽からだけではなく、街やメディアから鳴っている音楽からだけではなく、もっと音楽のことを、ミュージシャンのことを、音楽を愛する皆さんに知ってもらいたい、このコラムを通じて僕が2010年に気づけたこの感覚を2011年もここだけではなく様々な形で皆さんに伝えていけたらなと考えておりますので、どうぞ来年も宜しくお願い致します。

サカナクション 山口一郎

◎夜、外を出歩くことが特別だった子供時代。ひんやりとした夜の静かさや、外灯に照らされ影が伸びたり縮んだりするだけで嬉しかったあの頃の僕は、毎日夜道を歩いている今の僕を知ったら何というでしょうか。

サカナクション 山口一郎

どうも、サカナクション山口一郎です。松尾芭蕉の句で『いざ行かん 雪見にころぶ所まで』という句を、冬になると僕はふと思い出します。東京に住んで三年、北海道育ちであります僕も雪が無い東京の冬にすっかり慣れてきましたが、今まで当たり前だった事が当たり前ではなくなることに慣れていくこの過程は、なんだかとても淋しく感じるのです。

先日、MUSICAの対談企画でKen Yokoyamaさんとお会いしました。フェスやラジオ局で何度かご一緒させていただいた事はあったのですが、極度の人見知りである僕はなかなか話しかけることが出来ず、この時が初めてのコンタクトでした。なぜ僕が横山さんと対談する事になったかというと、Ken Yokoyamaさんが音専誌等や取材やコラム(http://www.pizzaofdeath.com/staff/column/ken-column.html)で音楽シーンについて言及している内容に、僕は非常に感銘を受けまして、普段からよく音楽業界の未来について話し合っている鹿野さんにお願いしてこの対談を実現させてもらったのです。

Ken Yokoyamaさんとどんな事を話したのか、詳しい事はMUSICAを是非読んでいただきたいのですが、今回は僕が今切実に考えている事をこのコラムで書きたいと思います。至極、個人的な見解が含まれるので、飽くまでもこれは音楽が大好きなお兄ちゃんの戯言だと思って読んでいただけたら幸いです。

音楽が好きな人、音楽に興味がない人、世の中には様々な人がおります。しかし、街を歩いたり、テレビを見たり、映画を観たり、ショッピングや外食をする為にお店に入ったりする度、誰もがそこで音楽に触れ、少なからずその恩恵を受けていると思います。しかし音楽はあまりにも身近すぎて、それが生まれて行く過程や、その音楽がどういった経路で耳に届いているのか、そういった点はあまり着目されていないのは現状です。が、それは当たり前の事です。だって音楽はそういった泥臭い部分や、人間臭さは極力出さないように、ユメやキボウやネガイやサケビなどを代弁するツールが主となっている点があるからです。しかし現在、音楽の聴かれ方は大きく変わろうとしています。レコードからCDへとツールが変化して行ったように、今はCDから配信、ストリーミングへ転換しています。これは、時代の変化でありこの流れを止めようとする事はテクノロジーの波への反抗なので非常に困難であり、もはや時代に逆行した行為となるでしょう。

配信が齎した功績は目覚ましく、今までの音楽史の中でこれほどまで音楽を身近にしたツールは他にはないと言っても過言ではありません。その恩恵は計り知れませんし、僕らミュージシャンにとっても現在、非常に有意義な物になっています。

でも、僕は感じていることがあるのです。音楽がデータ化されたことによって、より沢山の人に広がり、より簡単に手に入るようになったおかげで、音楽のリアルさが損なわれすぎているのではないか?という点です。音楽は人が作っています。料理や服や家と同じように。手に触れる事ができなかったり、目に見えないものでありますが、確実に人が作っているのです。多大な時間と費用をかけ、これからも音楽を続けていけるように、愛する仲間やチームと仕事を続けていけるように、結婚している人は家族を守る為にセールスとエゴイズムの狭間に揺れながら、必死に音楽を作っているのです。

昨今、本当にCDが売れません。それはリスナーが配信に流れて行ったからだけではありません。違法ダウンロードや不正コピーの影響が大きいのではないかと言われています。違法ダウンロードは兎も角、販売目的ではないコピーにまで僕は何かを言えるほど立派な過去はありませんが、年々音楽の扱い方が軽んじられてきているのは事実のようです。そうなっていった原因は様々あると思います。横山さんの言葉を借りれば『努力をしてこなかった音楽業界』や、売る事だけに躍起になって制作してきたミュージシャンやレーベルだったり。

しかし、そういった原因を今から根刮ぎ淘汰するため行動したり『違法ダウンロードはやめよう!!』と音楽が好きな若者達に叫ぶだけではなく、昨今、リスナーに信頼されなくなっている大衆音楽の深さや面白さをちょっとでも知ってもらう為に、ミュージシャン自ら「音楽の素晴らしさ」と「音楽の現実」を発信していく必要性があるのではないかなと僕は感じています。

ミュージシャンは夢を送ります。華やかな表舞台でおしゃれな服を着て、ステージで歌い語る。それ以外の本質は多く語らずリテラシーを駆使し夢を送ります。しかし、そういった部分だけではなく、僕はリスナーの皆さんにミュージシャンの現実を知ってもらいたいのです。僕らはミュージシャンですが、皆さんと同じ社会人です。税金を払い真面目に生活しています。多少、社会とはかけ離れた職種ではありますが誇りを持って音楽を掘り下げております。

僕はミュージシャン達が、戦略すら表現して音楽を生み出し発信しているという事を、この高度な芸術性を、もっとリスナーに知ってもらうことできっとより音楽を信頼してもらえるような気がするのです。

こういった部分を話していけるのは、ミュージシャン本人しかいません。

ジャケットなどの装丁を駆使し、自分達が生み出した音楽の世界感を更に深く表現する事ができるCDというツール。それが無くなる事を、CDショップが街から消えて行くことを、それをただただ黙認するのではなく、音楽への信頼を取り戻すためにミュージシャンとして何が出来て、何を発信していくのか考えるべきではないのだろうかと、僕は切実に考えているのです。

所属しているメーカーや、立場的な問題のため、シーンについて発言しにくいミュージシャンが居る事も解っています。そういったミュージシャンの為に何かできないかという事も考えています。

どうか現状の音楽シーンについてミュージシャンが自ら声を上げて欲しい。そしてその声を、大好きな音楽と共にリスナーの皆さんも聞いて欲しいのです。

「売り上げを上げたいからだ」とか「ライブの集客を増やしたいからこんな事を言っているんだ」とかそういった意見を持つ方々もいるでしょうが、それも素直に受け入れます。僕らミュージシャンも、僕のまわりにいる家族のように大切なスタッフも、CDショップの店員も、それ以外にも音楽に関わっている数え切れない人間達が、みんな音楽で生活しているから。でも、今の子供たちが、未来にどんな音楽に囲まれてどのように音楽を聴いているのか、それが音楽を愛する僕らには重要なことではないのでしょうか。それを真剣に考える時がもう来ている気がするのです。

音楽は本当に素晴らしい文化です。しかし、音楽の素晴らしさは多面的です。どんな音楽の触手が人に刺さるのか、聴き手の人生、時代によっても変わってくるし、一概には言えません。

だけど、ただ一つ、僕には言える事があります。

毎日毎日作曲し、いつもいつも何かに向かって自分と向き合って行く。いつもその先にあるのは、確実にリスナーなのです。音楽を作るのはミュージシャン。それを聴くリスナー。つまり、シーンはリスナーです。

当たり前にすぐ手に入る音楽が、当たり前に手に入らなくなった時、雪のない冬に慣れていった僕のように皆さんはそれに慣れて行く事ができるでしょうか?

山口一郎

※編集注
ken yokoyamaと山口一郎(サカナクション)の対談は2010年12月15日発売の「MUSICA」に掲載されます。

サカナクション 山口一郎

どうも、サカナクション山口一郎です。夜にしか曲を作りたくない僕は、日が短く夜明けが遅くなる夏から秋への季節の変化に、毎年鈴虫と同じくらい敏感に反応してきた自負がありましたが、今年はその変化に鈍感にならざるを得ませんでした。

なぜなら10月8日に、僕らサカナクション初の武道館公演があったからです。リハーサル、制作とが同時進行だったので、窓のないスタジオでの非常に濃密な時間がたっぷりと僕らの時間を占めておりました。その結果、秋の夜長になかなか気づけなかったのです。

ライブはどうだったか申しますと、武道館のステージから客席を見渡しましたら、反り立つ壁のような一階席、二階席の方々が僕らを囲み手を上げ、アリーナ席はオールスタンディングではないので、指定席で綺麗に整列されながらも立ち上がって踊ってくれている人々が見えました。本当にありがとうございました。

ライブ後、ツイッターやブログ検索等で色々調べてみたところ、今回のライブで初めて武道館に来たという方々が沢山いたようであります。僕らも初の武道館公演でしたので、ライブ序盤は空気に飲まれ歌詞が飛んだりしましたが(笑)前回のコラムで書きました「ライブは総合芸術である」という点において、チームサカナクションで表現したかった事は、来てくださった皆様に体験していただけたのではないかと思っております。また武道館公演、やりたいです。

さて、今回のコラムでは何を書こうかと皆様からお送りいただいたメールを拝見したところ、こんなメールが来ておりました。

『昨年、某大学にてサカナクシションのLIVEを初めて観ました。

(床が抜けた大学です*笑*)

本当に楽しくて楽しくて、そしたらステージを見ると山口さんも楽しそうな素敵な笑顔でした。

ほんっといい笑顔でした。

嬉しくなりました。

山口さんはステージの上でどんなことを考えているんですか?』

——————————————————————————–

『山口さんは、サカナクションさんは、ライブのときに聴き手と

どう渡り合いたい、とか、ありますか?

または、ライブがうまくいったと思われるのはどんな時ですか?』

という二つの質問に今回は答えさせて頂きます。

ミュージシャンによって様々あると思いますが、僕はステージの上で幾つかの事を繰り返し考えながら演奏しています。

まずは、メンバーが演奏している楽器の音、自分の声が曲ごとにどのようにステージ上で聴こえてくるかを確かめながら演奏します。会場のキャパシティが大きかったりして反響音が大きい所では、リハーサルと本番ではステージ上での音が大きく変わるからです。お客さんが会場に沢山入ると、低い音が人の体に吸収され、外音もステージ上の音も全然変わるんですよ。

それと、お客さんの温度(テンション)を演奏中、確認します。先日の武道館公演のようなワンマンライブでは、自分たちを目的に来てくださっている方々しかいないので、来てくれている人の温度は始めから高めですが、フェスやイベントの時などは、僕らの事を知らないお客さんが沢山います。なので、そのような方々を惹き付けるにはどのようなパフォーマンスをするべきなのか考えたりしています。出演しているフェスやイベントにはどのような音楽が好きな人が集まっているのか、等を加味します。

次に、照明デザイナーの演出とPAオペレーターが出す外音が重なって、自分達がどう見え、演奏がどう聴こえているかを俯瞰で考えます。野外の昼のステージで照明が効かない時はどうパフォーマンスすべきかとか、強風の時は、音が風で流されてどう聴こえているだろうかとかを意識しています。

そして「曲に入り込んで何も考えない」という時間が生まれます。この時間がほとんどです。

これらの要素が絡み合って、自分たちと聴き手とスタッフが繋がり、来てくださった方々の笑顔が完璧だった時、僕は良いライブだったと思えている気が致します。それはすごく難しいことですが、だからこそ良いライブが出来たときの感動は凄まじいものです。

ライブとは、その瞬間にしか体感出来ない『生もの』です。もう二度と同じライブはできません。その瞬間のためにミュージシャンだけでなく、関わる全ての人達が良いライブにしようと尽力しているのです。

ライブの楽しさを知るという事は、音楽だけでなくそれ以外の演出や音響の楽しさも知るということにもなるのだ僕は思います。

音楽のジャンルや会場によって演出方法は大きく変わってきます。普段聴かないジャンルの音楽のライブにたまに足を運んでみてはいかがでしょうか?新しい発見があって、もっと音楽が好きになるかもしれませんよ。

このコラムでは皆様からの質問メールを随時募集しております。ミュージシャンに聴いてみたいこと、音楽業界について知りたいこと、なんでも僕が勉強してお答えしていきます。些細なことでも大丈夫です。メール待っています。

◎武道館のリハーサルを贅沢にも幕張メッセでやらせていただきました。帰り道に撮影できたこの夕焼けの美しさは、「武道館成功」を予期してくれていたのかもしれません。

サカナクション 山口一郎

急に寒くなりました。僕はよくシャツを着るのですが、気に入ったシャツが見つかると一日置きに着てしまいます。すると、そのシャツは週に何度も洗濯される羽目になり、ボタンがすぐに取れてしまうのでした。一つくらいボタンが取れても機能的にはさほど変化はないものの、周りの見る目、羞恥心からそれを着る事が出来なくなってしまうのは、なんだか自分に負けたような気がしてなりません。

今、僕は10月8日に行われるサカナクション初の武道館公演の為、毎日毎日リハーサルを繰り返しています。それと平行して新曲の制作もしておりまして、非常に痺れる日常を過ごしているのですが、こういった質問がこのコラムに届いていました。

「山口さんが ミュージシャンになったんだなー と思える時というのは どんな時ですか?」

僕がミュージシャンになったんだなと思えた瞬間は二度あります。病院で初診アンケートを記入しなければならない時、職業の項目に「ミュージシャン」と記入した時と、バイトに行かなくても、毎日音楽だけやって生活が出来るようになった時です。

想像はできても、音楽を作ってそれを沢山の人達に聴いてもらい生きて行くという責任感は、実際にそうやって生活し始めてからお湯が沸騰していくように徐々に徐々に実感していったのを覚えています。

今でも曲を作る度、ライブを重ねる度、それを体感していますし、そういった責任を一つずつ全うして行く事で自分の未来が見えてくる事も理解してきました。これは僕の個人的な見解ですが、ミュージシャンは芸能人ではないし、文化人でもありません。音楽を生業にしている一般人です。普通に仕事をされている方々と同じなのです。もちろん、音楽を作るという専門的な技術や才能が必要だったり、土日が休みじゃなかったり、人前に出るという特殊な職業だったり、普通ではない点は多々ありますが、他の職業でもそういった特殊な技術や才能が必要な職種もありますよね。僕はいつも自分を特別に思ったりはしません。みんなよりちょっと音楽や文学が好きなお兄ちゃんのつもりで歌を書いていたいと思っているのです。

そうやってミュージシャンの人間臭さ、性格、人と形をリアルに感じながら音楽を聴いてみたら、大好きなアーティストの大好きな曲がいつもと違って聴こえるかもしれませんよ。

引き続き、音楽にまつわる質問、ミュージシャンに聞いてみたいこと、募集しています。下記のアドレスに些細な事でも構わないので、是非メール下さい。

PS 外苑前にある事務所へ行った帰り道、秋の御神輿に遭遇しました。都会の神輿。ちょっと良い違和感です。

サカナクション 山口一郎

どうも、サカナクション山口一郎です。最近よく電車に乗りますが、車内にいる人々の服装は9月なのにまだまだ秋を感じさせません。この異常気象のせいか、僕は作曲合宿先の芦ノ湖近郊にあるペンションで風邪をひいてしまい、東京へとんぼ帰りするというなんとも情けない事件を引き起こしてしまったのでした。皆さんも体調管理には気をつけて下さい。

今回も沢山の質問メール、ありがとうございました。一つ一つ一緒に勉強しながら答えていきたいとは思っているのですが、今回は簡単に『LIVE』について少しお話しさせて下さい。

今までLIVEのMCで何度か話した事のある事ですが、LIVEとは僕らバンド(演奏者)だけでは成立しません。『LIVE』とは様々な技術を持った人達が集まり、一つの舞台を演出する総合芸術だと僕は考えています。

僕らが演奏した音をミキシングし、スピーカーから出して来場者に届けたり、演奏者にモニタリングの音響バランスをとってくれる『PAエンジニア』

演奏に合わせて照明をプログラミング操作する『照明デザイナー』

楽器のセッティングから整備、ギターやベースの持ち替えや、ステージ上にある楽器全てに関わる『ローディ』

LIVEの全体的な演出を理解し、進行管理をする『舞台監督』

LIVEの企画開催、会場のセッティング、チケットの管理を行う『イベンター』

その他にも沢山の人間が関わって一つの『LIVE』が開催されているのです。

僕はサカナクションのライブに関わってくれている人達を、勝手に『チームサカナクション』と呼んでおりまして、いつも勉強させてもらっています。自分では気づかない部分を一番近くで客観的に指摘してくれる先生のような方々が僕らの周りには沢山いて、本当に恵まれている音楽人生だなと実感せざるを得ない毎日なのです。

皆さんもライブに行かれる際には、アーティストだけでなく、そこに関わっているスタッフの方々にも目や耳を傾けてみたらいかがでしょうか?新しい発見があるかもしれませんよ。

◎先日、沖縄ライブ後、チームサカナクションのみんなと渡嘉敷島でオフを満喫させていただきました。事務所からの最高のバースデイプレゼント。僕はもっと頑張れます。

サカナクション 山口一郎

視界がもやもやするほどの暑い日々が続いておりますが皆さん、いかがお過ごしでしょうか?僕は全国各地で行われる夏フェスへの出演と、リリースに伴うプロモーションで毎日動き回っております。ラジオに雑誌やwebサイトの取材、コメント収録と様々なプロモーション活動を現在行っています。皆さんの耳や目に触れる事があったら是非見て聴いてみて下さい。

さて、前回のコラムで音楽についての質問を募集し、僕がそれについて勉強して皆さんと一緒に学んでいきたいと書いた所、本当に沢山のメールが届きました。ありがとうございます。こんなにも沢山の人が音楽について色々と疑問に思っている事があるのだと知って、僕はこのコラムが持つ意味をまた一つ確認できたのでした。頑張って続けて行きますので、皆さんこれから宜しくお願い致します。

送られてきた全ての質問を読ませていただきました。様々な種類の質問がございましたが、「ミュージシャンの収益」についての質問が多かったです。

例えば『ミュージシャンのお給料ってどうなってるんですか?月額いくらくらいなんですか?』や『CDの売上は、アーティスト活動にどんな影響を与えますか?つぎの作品の制作予算が増えたり?(スタジオや機材、エンジニアなどの費用がかけられる?)好きなことをやらせてもらえたり?リリースツアーにも影響ありますか?逆に売れないと、新しいCDが出せなかったりしますか?教えてください。』など。

「ミュージシャンの収益」に関してですが、このテーマについて話そうとすると「著作権印税」「アーティスト印税」「二次使用料」「ライブ収益」など、一つ一つ丁寧にじっくり説明しなければならない事が沢山あるので『ミュージシャンの収益』については、今後のコラムで何回かに分けて解りやすく丁寧に説明して行きたいと思います。なので、もう少しお待ちください。

なので第一回目になります今回は、下記のこの質問についてお答えしようと思います。

メジャー契約して、インディーズとの違いを、他のアーティストが語るより、ずっとずっと具体的に話して欲しいです。

僕自身、アマチュアからインディーズ経験をせずにメジャーデビューをした人間ですので、確かにメジャーとインディーズとの違いをはっきりと答える事は容易ではないです。なので、今回はこの質問について勉強してみました。

まず、『メジャーレコード会社』とは一体何なのか?

よく一般的に「メジャー」というカテゴリーを説明する上で使われるのは、そのレコード会社が『日本レコード協会』という団体に入会しているかどうかという事を指します。たとえばソニーBMG、ワーナーミュージック、EMI、ユニヴァーサルミュージック、ビクター、エイベックス、ポニーキャニオン、コロムビア、キングレコード などはレコード協会に加盟しているのでメジャーと言われています(レコード協会加盟社リスト)。
それらのレーベルと契約すると『メジャーデビュー』となります。
そしてそれ以外のレコード会社やレーベル、もしくは自主制作しているミュージシャンを『インディーズ」』と呼んでいるようです。

ただしこれも、一般的な区別の仕方で、明確な境界はどこなのかというのは多少あいまいだそうです。(たとえばレコード協会に加盟していないトイズファクトリーは流通業務をバップレコードがやっていることでメジャー的な捉え方をしていたりとか)

ちなみに、ワールドワイドでとらえると、メジャーと言われるのは

  • SONY MUSIC(レーベルではCBS,EPIC,BMG,ARIOLAなど)
  • UNIVERSAL MUSIC(レーベルではA&M,POLYDOR,ISALAND,GEFFENなど)
  • EMI MUSIC(レーベルではVIRGIN,CAPITOL,APPLEなど)
  • WARNER MUSIC(レーベルではATLANTIC,REPRISE,SIREなど)

を4大メジャーレコード会社といっています。(「メジャー」って言葉はここからきている。)
この理屈で言うと、世界ではこの4大メジャーの傘下にないものはインディペンデント(独立系)すなわちインディーズと言われています。

次に、『メジャーレコード会社』と『インディーズレーベル』の性質の違いについて。

『メジャーレコード会社』は、地方にも営業所を持ったりして、各地のレコード店にプロモーションしやすく、かつ大きな物流会社(NRC、JARED)を使用しているので、スムーズに商品を店頭に届けたり管理したりする事ができますが『インディーズレーベル』はそれを使用しない場合が多いので、レコード店頭にCDを納入しにくいもしくは店から商品の注文をされにくいなどユーザーがCDを手に入れにくいというデメリットがあります。現に小さいレコード店ではインディーズを取り扱わないお店がたくさんあります。さらに資本が小さい『インディーズレーベル』だと、スケール感のある宣伝(テレビ出演、ラジオ出演、雑誌への掲載など)が行いにくいというデメリットもあったりするようです。

しかし、『インディーズレーベル』のメリットもあります。関わる人数が少ない分、作風や戦略の意見が反映しやすいし、CDの価格設定なども自由に設定出来たり、あとCDが売れた際の利益率がインディーズの方がメジャー契約より大きい場合が多いというメリットもあるのです。

つまり簡単にまとめると、メジャー契約すると、レーベル内の沢山の人間に手助けされながら、会社のカラーや戦略もある中で音楽を作り、先行投資も含めた予算で自分達の音楽をより沢山の人へ広めていけるプロセスを手に入れることができる。

インディーズは、少ない資本と予算で自分の好きな音楽を自分のペースで着実に浸透させていけるし、そこで結果を出しメジャーレーベルと有利な条件で契約できる道も生まれる。

と、まとめられるのではないでしょうか?

しかし、レコード会社やアーティストによって契約内容が違ったり、メージャーレコード会社の中にインディーズレーベル(手法としての)があったりと、今の時代はっきりとしたメジャーとインディーズというカテゴライズは非常にあいまいなものとなっているとも言えます、実は、そのレーベルの『精神性』によってメジャーなのかインディーズなのかが決まったりしている部分もあります。ですので、一概にはここで説明した通りとは言えませんが、世間一般的な解釈として今回はこのように書かせていただきます。

あなたが好きなアーティストは、どこのレーベルでどのように活動しているか?ちょっと気にしてみると新しい発見があったりするかもしれません。そのアーティストが所属しているレーベルの他のミュージシャンを聴いてみたりするのも楽しいはずです。ちなみに当時、僕が好きなアーティストは大体2つのレーベルに所属していたと後から気がついた経験があります。

皆さんが毎日聴いている音楽。それがどのように生まれて、どのように届けられているのか少しでも知っていただけたら、音楽という目に見えないこの芸術を理解する第一歩に繋がるのではないのかなと僕は考えています。

なので、引き続き、質問メールを募集しています。下記のメールアドレスにどんな些細な質問でも構いません。気軽にメールを送っていただけたら幸いです。

8月4日にシングル『アイデンティティ』をリリースしまして、アイデンティティカラーのギターを思い切って購入したのです。ライブが更に楽しくなりそうであります。

サカナクション 山口一郎

 初めまして。サカナクションというバンドをやっている山口一郎です。俗にいう「ミュージシャン」という職業を生業にして生活しています。デビューしてもうすぐ三年くらいになるでしょうか。上京して音楽シーンに飛び込んでからは本当に月日が経つのはあっという間でした。しかし、デビューするまで、僕は音楽業界の仕組みや、未来に抱えている問題など、全くと言っていいほど知りませんでした。アマチュアではありましたが、毎日音楽を聴き、毎日バンドで音楽を作り、毎日歌っていたのにも関わらずです。

 ですが、デビューしてから、サカナクションを支えてくれているマネージメントの方々や、レコードメーカーの方々、音楽メディアの方々のおかげで、信じられないくらいのスピードで僕は音楽業界について知る事が出来ました。そして、音楽という文化の奥深さや面白さを僕はミュージシャンの立場としてたくさん知る事ができたのです。この事を僕はもっと早く知っておきたかったと思いましたし、音楽を愛するリスナーの方達にもっと音楽業界のことを知って欲しいと切実に感じたのであります。ですので、音楽を愛する皆さんに僕がデビューしてから知った色々な角度から見える音楽について、話していけたらと思っているのですが、僕もまだまだ勉強中の身でありますし、皆さんに上手に話す事などまだまだ出来るはずがありません。なので、僕も皆さんと共にこのコラムで学んでいけたらと考えております。

 では、どのような形で皆さんと一緒に学んで行ったら良いのでしょうか? 僕が考えたのは、このコラムを読んで下さっている方々から音楽についての質問を募集して、それについて僕が勉強して答えていくという方法です。下記のメールアドレスまで、どんな些細な事でも、ものすごく難しい事でも構いません。質問をメールで下さい。例えば、『mp3とCDとでは音の何が違うの?』とか『マネージャーってどんな仕事?』とか『印税ってなに?』とか。僕が一生懸命勉強してお答え致します。

 どうかこれから宜しくお願い致します。

◎楽曲提供したSMAPさんから、サイン入りのCDが届いた。人生って何があるかわからない。

サカナクション 山口一郎