ライヴレポート

BAYCAMP 2013

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[ FREE THROW DJ TENT ] bómi+フクザワ

bómi+フクザワ

bómi+フクザワ bómi+フクザワ bómi+フクザワ bómi+フクザワ
(C)BAYCAMP 2013 All Rights Reserved

夜になると、芝生の草の匂いが一層濃くなってくる。ほんとに気持ちいい空間となっている「BAYCAMP」。

続いて、ヴィヴィッドな色使いがカワイイ衣装に身を包んで登場したbómiと、マスクと白衣という独特の出で立ちで登場したイラストレーターのフクザワによる、コラボレーションライヴ。演奏中に、フクザワがどんどんステージ上の白いキャンパスにbómiと思われる肖像を描いていくというもので、このアートと音楽の融合がまずとても面白かった。ライヴのオープニングを飾った“iYO-YO”で、肖像画の顔の輪郭が浮かび上がってきた光景なんて、「イメージ」や「観念」という抽象的なものが、今目の前で具現化されていく瞬間を目の当たりにしているようで、鳥肌ものだった。

bómiの歌唱そのものも、彼女の表現力の高さと、その歌に宿る音楽的なポップさと歌詞に込められた気持ちが非常に届いてくる。“シャルロットの子守唄”では、動物の鳴き声のようなフレーズが奔放に次々と飛び出し、彼女のアヴァンギャルドな側面が垣間見えてくる。でも一方で、ラストの“CARNIVAL”では、率直な自分の気持ちを精一杯に届けようとする渾身の姿を披露してもくれた。この曲は、MCでも言っていたように、生きることの意味なんてよくわからなくて、それはまるで終わりなく各地で巡業をし続けるカーニバルのようで、でもだからこそ「今を生きるんだ。今を輝くんだ」という気持ちから生まれている。そんな、生きることについてを歌ったこの演奏、最高だった。スロウなテンポの中を、一語一語、丁寧に響かせながら、だが何よりも自分を奮い立たせるように歌うその姿に、グッと来ないわけにはいかない。オーディエンスも、曲に合わせてゆっくりと体を揺らしながら、その歌声は心に確かに染み入っているよう。

音楽性もキャラクターも、ポップでキュートでちょっと不思議で、中毒性の高い表現家であるbómiだが、その真ん中にある大切なものが届いてくるライヴだった。とても素敵だった。

[ Photo:市村 岬   Text:堺 涼子 ]

■ セットリスト
01. iYo-Yo
02. シャルロットの子守唄
03. フライデーナイトバタフライ
04. Midnight Station
05. CARNIVAL

[ FREE THROW DJ TENT ] Charisma.com

Charisma.com

Charisma.com Charisma.com Charisma.com Charisma.com
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日付が変わってDJ TENTに登場したのは、巷で噂の現役OLラップユニット、Charisma.com。7月にCDデビューしたばかり、初のワンマンライヴも11月に予定しているというフレッシュな二人組だ。もちろんBAYCAMPにも初参加。実は去年はこのフェスに客として普通として来てたそうです。

そんな二人、MCいつかとDJゴンチがステージに現れると、お客さんからは「かわいい!」の声が。一曲目は“HATE”。集まった人の中には彼女たちを初めて観る人も多かったと思うけど、キレのあるシャッフルビートにゆらゆらと身体を揺らして踊る。エレクトロ・ヒップホップのサウンドと社会や女性への不満をぶちまけるリリックの組み合わせが話題の彼女たちだけど、こういうフェスの場だと、持ち前の「毒」よりもサウンドの享楽的な面が前面に出てくるみたいだ。

「ごきげんよう、カリスマドットコムです」という挨拶から、ツンデレっぽい感じのMCを経て、“メンヘラブス”へ。よくよく聴くと歌詞の内容は相当ひどいこと歌ってるんだけど、なんだか不思議に楽しい。見回すと、一緒に手拍子したり、MCいつかのダンスの振り付けに合わせて踊るお客さんが、どんどん増えていく。

ラスト“GEORGE”が終わった後には大喝采。短い時間のステージだったけど、彼女たちのファンになった人、かなりいたんじゃないだろうか。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:柴 那典 ]

■ セットリスト
01. HATE
02. 歪LOVE
03. NOW
04. メンヘラブス
05. AUTOMADE
06. GEORGE

[ FREE THROW DJ TENT ] 後藤まりこ

後藤まりこ

後藤まりこ 後藤まりこ 後藤まりこ 後藤まりこ
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まず、後藤まりこのライヴに対して間違いなく言えることは、誰もその日のライヴがどうなるかわからないということだ。ある意味で、BAYCAMPのキャッチフレーズ「ドキドキとロック」を一番地で行く出演者かもしれない。ましてや、最近の後藤まりこと言えばロックフェスにもアイドルフェスにも登場し、食べてるだけなのにそれが他の登場人物を食い物にしてしまうテレビドラマにも出演。変幻自在、神出鬼没な露出の仕方をしている。果たして、どうなるの?

だが結果的に、どこにどう出て行っても彼女は彼女である、という事実をまざまざと見せつけられるライヴとなった。超鮮烈だった。

非常にポップなメロディをスイートな歌声で、たたきつけるのではなく高く広く響かせるようになった歌唱が全編にわたってまず印象的。だが、“sound of me”などで声の限りに歌い上げる姿、サウンドの高まりに合わせ文字通り一心不乱に暴れ狂う姿は、オーディエンスを否応なくアゲる。ライヴの後藤まりこは、誰よりも彼女自身が音楽に身を委ねる。そんな姿によって、彼女の核にある普通や常識という巨大でつまらない壁を越えていこうとする爆発の精神が、ポップさとスイートさの中からむしろ浮かび上がるという逆転現象が起こっていたように思う。ライヴ後半で、「ボク、これ、あとで絶対怒られるから!」とステージを飛び出しつつも、「……楽しいなぁ」とほほ笑む姿は、まるで天使の姿をした悪魔のように、オーディエンスの心を完璧に捕まえていた。彼女がワンピース姿でダイブしオーディエンスの上で寝た格好のまま歌い続けていたテント内は、カラフルな照明が照らしスモークが漂い、まったくの異世界となった。

ラストの“大人のなつやすみ”は、童謡のようなメロディが幽玄なサウンドの中でリフレインする幻想的なもので、そのリフレインは呪文のようにオーディエンスを音楽へと求引していく。昇天、泥酔、覚醒--その他なんでもいいけれど、とにかく、暫定的に今ある目の前の風景をガラリと瞬間的に変えてみせるそういった後藤まりこのカリスマ性に、誰もが痺れ切っていた。ライヴ後も、きっとみんなの中のドキドキはしばらく収まらないだろ。実際に私の心臓はすっとドクドク言いながら、でも今、とても解放されている。

[ Photo:釘野孝宏   Text:堺 涼子 ]

■ セットリスト
01. M@HφU☆少女。。
02. まやく
03. うーちゃん
04. sound of me
05. あたしの衝動
06. 大人のなつやすみ

[ FREE THROW DJ TENT ] neco眠る

neco眠る

neco眠る neco眠る neco眠る neco眠る
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まるで神龍が姿を現しそうな中国風のオリエンタルな演奏に引き寄せられるように集まるオーディエンス。イベントスタート時から主催者が出演のラヴコールを送り続けてきたという大阪のインストダブバンド、「neco眠る」である。

期待通り、今日のライヴもひと言「あぁ、楽し!」というものだった。neco眠るは、エキゾチカ、ダブステップ、エレポップなど様々な音楽的素養を感じさせながらも、その独特の「音頭」のリズムが一体感を生み出し、どんなライヴ会場でも盆踊り大会のようにしてしまうが、夕方になり汗も乾く時間になってきたこの時間帯、本当に納涼祭りに来てるみたい。

ライヴ全体を通して、音楽の構造は非常にハイブリットなものなのに、足し算や掛け算ではなく引き算や割り算による「抜け感」の美学がとても光っていて、全然小難しくならず堅苦しくならない。とても人を選ばない演奏は、今日もピカイチだ。ビートのブレイクも、変拍も、音楽的IQの高さが披露されるところとしてではなく、「よいしょ〜!」とみんなの心を楽しく掴むものとして鳴っていた。

そしてラストの“ENGAWA DE DANCEHALL”は、今日一番のアップテンポなナンバー。ゆるく踊ってた人々が、いきなり狂喜乱舞する。これって何かに似てる。小さいころ、夏になると近所の普通のおじちゃんが神輿を担ぐ時だけその様子が豹変してびっくりしたことってあると思う。でも、びっくりしつつも、幼心にも血がたぎってくるものがやっぱりあって、妙にその現象が腑に落ちた。これが人間っていうものの本性なんだろうと、人間の業というものを納得したのだと思う。

neco眠るのライヴには、そんな人間の原始的な反応がある。音楽とは思考するものではなく体験し自分を好きなだけ解放させるもの、つまり楽しむもの。そんな、とてもシンプルで、だからこそ紛うことのない音楽の楽しみ方がこれ!という、ぶっとくて高らかなメッセージが非常に感じられたインストバンドによる好演だった。

[ Photo:釘野孝宏   Text:堺 涼子 ]

■ セットリスト
01. 新曲
02. DASI CULTURE
03. SUN CITY’S GIRL
04. 新曲
05. ENGAWA DE DANCEHALL

[ PLANT STAGE ] 髭

髭

髭 髭 髭 髭
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18時間にわたるBAYCAMPもいよいよ大詰め。トリを務める髭の登場である。これまで以上の観客がPLANT STAGEの前に集まり、彼らの登場を待ちわびる中、なんとSEなしでメンバーがステージに現れた。“SEはなし!”と須藤寿(Vo,G)が絶叫すると演奏が始まった。

”ダーディーな世界(Put your head)” ”ロックンロールと五人の囚人” ”黒にそめろ”などノリの良いナンバーを連発。トリプル・ギターに、ドラム2台&パーカッションという大編成から繰り出されるサウンドは迫力十分だ。迫力の演奏を聴かせるメンバーは自由そのもの。特に須藤は会場の後方の海に船を見つければ「船」と叫び、スクリーンに映る自分を見ては笑顔を見せるなど、実に楽しげだった。また、”ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク2”では川崎“フィリポ”裕利(Per)がフロントに出てきて、旗を振って観客を煽る。観客はそれに合わせて手を左右にふって彼に応えた。”黒にそめろ”の頃には漆黒だった空も、この曲が終わる頃には白んできて、会場はなんとなくさわやかな雰囲気に。そんな中で披露されたのは”サンデー・モーニング”と”虹”。どちらもキャッチーで開放感のあるサウンドを持ち、朝の空気にすごくなじんでいたように思う。最後は”それではみなさん良い旅を!”で会場を踊らせて彼らはステージを降りていった。

髭

興奮が続く会場のアンコールに応え、再びステージに現れた髭は、”ギルティーは罪な奴”をもう一発。佐藤“コテイスイ”康一(Dr)がフロントに出てきて、拡声器で煽りまくり、さらなる盛り上がりを作り出し、ライヴは終了。今年のBAYCAMPも終演を迎えた。ライヴ中、須藤が「生まれて一番良い朝を迎えられた」と発言していたが、この場にいた誰もが、それを実感したライヴだったと思う。

[ Photo:釘野孝宏   Text:竹内伸一 ]

■ セットリスト
01. ダーティーな世界 (Put your head)
02. ロックンロールと五人の囚人
03. ドーナツに死す
04. 黒にそめろ
05. ハリキリ坊やのブリティッシュ・ジョーク2
06. Acoustic
07. ボーナス・トラック
08. サンデー・モーニング
09. 虹
10. テキーラ!テキーラ!
11. それではみなさん良い旅を!
EN. ギルティーは罪な奴

[ FREE THROW DJ TENT ] DJダイノジ

DJダイノジ DJダイノジ

DJダイノジ DJダイノジ
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[ Photo:後藤壮太郎 ]

NEXUS SELECT 大谷ノブ彦 (ダイノジ)
http://www.nexus-web.net/select/?cat=87

[ EAST ISLAND STAGE ] LOSTAGE

LOSTAGE

LOSTAGE LOSTAGE LOSTAGE LOSTAGE
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インディペンデントの重要性を体現し続けるLOSTAGEが、BAYCAMPのトリ(EAST ISLAND STAGEの)を務めるということは、とても意味のあることだ。なぜなら、BAYCAMPはROCK IN JAPANのような大きなフェスではないものの、運営側も、そこに集うオーディエンスも、誰もが自ら楽しもうという強い意志を持っていて(そうでなければ、とても18時間という長丁場は乗り切れないだろう)、その姿勢はまさに、LOSTAGEというバンドのあり方そのものだからだ。

夜3時45分の会場に、ヒリヒリとしたフィードバックノイズが響き渡る。幕開けは最新作『ECHOES』でも冒頭を飾っていた“BROWN SUGAR”。ハードコアな演奏で、一気にオーディエンスを引き込んでいく。それにしても、五味岳久のボーカルはやはり特別だ。それだけでひとつの楽器のようであり、彼の声そのものがサイケデリック。そんな声の持ち主は、五味以外ではMO’SOME TONEBENDERの百々和宏ぐらいしか思い浮かばない。それでありながら、メロディーはどこか人懐っこく、ポップですらあるところが、LOSTAGEというバンドの持つ不思議な魅力。シンプルなギターとベースのフレーズが不思議なタイム感で重なり合い、ダビーなドラムも加わる“楽園”は、時間帯の効果もあってか、空間が捻じれていくような不思議な感覚を伴うものであった。

男共の野太い声援が飛ぶ中、「この時間は深夜手当が出るから、ギャラも多めにもらえるそうです」と、不敵にガッツポーズを決める五味。その後も熱っぽい演奏を続け、男だけではなく、女性ファンからも大きな歓声を受けると、ラストに披露されたのは新曲の“GOOD LUCK”。アウトロではメンバー3人がそれぞれ渾身のノイズをかき鳴らし、まるでその魂をステージに置いていくかのように、フラフラとステージを去っていった。LOSTAGEに、BAYCAMPに、この日集まったすべてのオーディエンスに、幸あれ。

[ Photo:市村 岬   Text:金子厚武 ]

■ セットリスト
01. BROWN SUGAR
02. 僕の忘れた言葉達
03. SURRENDER
04. 楽園
05. BLUE
06. カナリア
07. Good Luck

[ PLANT STAGE ] 0.8秒と衝撃。

0.8秒と衝撃。

0.8秒と衝撃。 0.8秒と衝撃。 0.8秒と衝撃。 0.8秒と衝撃。

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BAYCAMPには連続出場中の0.8秒と衝撃。このイベントで数々の伝説を生んできた彼らが今年もやってくれた。彼らもサウンド・チェックからかなり本気で演奏しており、しかも観客に手拍子を促すなど、すでに本番モードといったところ。「みなさん、深夜だから静かですね。でもこれからみんなでうるさくしようね」と塔山忠臣が観客に紳士的に語りかけると一旦ステージを降りた。

やがてSEが鳴り、メンバーが改めてステージに登場。まずは塔山が「おはようございま〜す!」と元気に挨拶。だがしかし紳士的だったのはここまで。演奏が始まると、まるで人が変わったように会場をアジテートしていく。いやしかし、その演奏は凶暴だ。サウンド・チェックの段階で、かなりのものだと感じたが、本番は軽くその10倍といった印象。早急で荒々しく突き進むドラム、ノイズを振りまくギター、蠢くようなべースが一体となって奏でるサウンドに乗せ、塔山とJ.M.が絶叫。そんな荒々しくハイテンションなサウンドを突きつけられて、じっとしていろという方が無理な話で、会場も大暴れで彼らのパフォーマンスに応えていった。

ライヴは最後までハイテンションで突き進んでいった。いや、尻上がりにそのテンションが増幅していったというべきか。塔山は会場に降りていったり、気がつけば半裸になっていたり…。今年も最後はパンツ(そこには「いつでもハッピー」と書かれていた…)一丁からのハンケツという定番コースで怒濤のステージを締めくくった。聞けば彼らは、今日はダブルヘッダーだったのだそう。こんな壮絶なライヴを、一日に二度もやるとは、恐るべし、である。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:竹内伸一 ]

■ セットリスト
01. POSTMAN JOHN
02. シエロ・ドライブ 10050
03. 「町蔵・町子・破壊」
04. ビートニクキラーズ
05. Btain Eno
06. 02490850230・・・

[ FREE THROW DJ TENT ] Dorian

Dorian

Dorian
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長かったBAYCAMP 2013、DJ TENTのゲストライヴの最後に登場するのはDorian。やけのはらや七尾旅人との仕事で知られる彼、ライヴではやけのはらと共演で登場することも多いけど、今回はソロでの登場だ。

Rolandのオールインワン・グルーヴマシン「MC-909」を使ったスタイルで、ノンストップでライヴを繰り広げていく彼。低音の強い四つ打ちキックとグルーヴ感あるベースラインとキラキラしたシンセのフレーズで、ハウスを中心にした心地いいクラブ・ミュージックのグルーヴを組み立てていく。BPMは120くらい。00年代のエレクトロからここ最近のEDMみたいなバキバキのサウンドは一切なし。シティポップの洒脱なセンスも持ち合わせた90sオリエンテッドなダンスミュージック。ドリアンは汗だくになりながら一心不乱にプレイし、オーディエンスもゆらゆらと身体を揺らしている。

Dorian

このBAYCAMPに限らず、ここ最近のロックフェスのDJブースの風景は一体感を生み出してガンガン盛り上げたもん勝ちになっていて、だからみんなが知ってる曲をかけたり、飛び道具に煽ったりするタイプのパフォーマンスが多くて、だから彼みたいにストイックにクラブミュージックに徹するタイプは逆に珍しいかもしれない。でも、特に終盤、電子音の洪水に埋もれそうになる多幸感たっぷりのサウンドは、かなりグッときた。
もうそろそろ朝日があがるけど、最後まで踊ってる人も多数。最高。

[ Photo:釘野孝宏   Text:柴 那典 ]

[ FREE THROW DJ TENT ] avengers in sci-fi

avengers in sci-fi

avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi avengers in sci-fi

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興奮続く夜更けのDJTENTに登場したのはavengers in sci-fi。考えてみればこの時点でゆうに12時間以上ほぼノンストップでロックとダンスミュージックが鳴り続けてるわけだ。すごい。というわけで、アベンズのステージ。ハイパーな高揚感を作り上げることにかけては敵無しの3人が登場すると、楽しみ足りないオーディエンスが大歓声で迎え入れる。

イントロ代わりのSEから、まずは木幡太郎(G,Vo,Syn,Sampler)、稲見喜彦(B,Vo,Syn,Sampler)、長谷川正法(Dr,Perc,Sampler,Cho)の3人が強力なリズムを叩き出す“The Planet Hope”でテンションを上げると、そのままコズミックな“Universe Universe”へ。ベスト・アルバム『Selected Ancient Works 2006-2013』をリリースしたばかりということもあって、今回のステージはまさに鉄板のセット。息もつかせず次々と曲をプレイして、オーディエンスの身体を揺らしていく。

フェスでのアベンズのステージを何度も観てきた僕としては、今日のステージの白眉は「ありがとう、朝まで楽しもう」と木幡太郎が告げて中盤に披露した“Crusaders”だった。ベスト盤のラストに収録された新曲で、ゆっくりなBPMの、壮大なメロディとサイケデリアで震わせるタイプのナンバー。こういう決してダンサブルではないタイプの曲が、実はアベンズの「次」への重要なキーになりそうな気もする。

終盤は“Sonic Fireworks”で再びハイテンションに。木幡太郎は右手を何度も掲げ、稲見喜彦はベースを高く示す。ダンスロックというよりも“祭り”の興奮のツボを刺激するような“Yang 2”でさらにヒートアップして終了。フィールドにはステップ踏んで踊りまくってる人、多数。いやあ、アベンズとお客さん、両方から発せられるこの場の狂騒のムードは、ほんとすごい!

[ Photo:釘野孝宏   Text:柴 那典 ]

■ セットリスト
01. The Planet Hope
02. Universe Universe
03. Psycho Monday
04. Odd Moon Shining
05. Crusaders
06. Sonic Fireworks
07. Yang 2

[ PLANT STAGE ] Hermann H.&The Pacemakers

Hermann H.&The Pacemakers

Hermann H.&The Pacemakers Hermann H.&The Pacemakers Hermann H.&The Pacemakers Hermann H.&The Pacemakers
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昨年再始動し、BAYCAMPにも登場したHermann H.&The Pacemakers。今年初頭にギターの平床政治もバンドに復帰。そして2年連続の出演となった。サウンドチェックから大音量をかき鳴らし、その音につられて、会場ではすでに踊り出している人も。そのまま本編へ突入かと思ったが、はやり一旦ステージを降り、しばしのブレイクを挟んで、SEが流れ出し、メンバーが登場。今回はギター×3、キーボード、ベース、ドラム、そしてwolfことアジテート役の若井悠樹の7人の大編成での出演だ。7人はまずステージ中央で円陣を組み、全員で気合いを入れる。すると会場からも大歓声が上がり、彼らのライヴはスタートした。

“アクション” “東京湾” “Come On,Hall”など、かつてを知る者には懐かしい曲の数々を次々と鳴らし、会場を踊らせていく。中でも、岡本洋平(Vo,G)と若井の掛け合いが楽しい“Pinkie’s Rock Show”では、そこに観客も加わり、さらなる一体感が生まれていった。また、「今日は雨が降らなくて良かった」の言葉に続いて演奏されたメロディアスな“言葉の果てに雨が降る”では、情感溢れる表情で歌う岡本の姿が印象的だった。

新曲の“Mr. Memento”を披露した後、年末にニューアルバムをリリースすることをアナウンス。「言いたいことはたくさんあるけど、それは全部アルバムに込める」という岡本の力強い宣言も聞かれた。すぐに「くさいこと言ってると思ってんじゃねえ(笑)」という照れ隠しも飛び出したが。最後はおなじみの“ROCK IT NOW!!”。若井が大きな旗を振りまくり、激しいダンスを披露し、会場をさらに盛り上げ、彼ららしい華々しい終幕となった。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:竹内伸一 ]

■ セットリスト
01. アクション
02. 東京湾
03. Come On,Ha!!
04. Pinkie’s Rock Show
05. 言葉の果てに雨が降る
06. Mr.Memento
07. ROCK IT NOW!

[ EAST ISLAND STAGE ] 東京カランコロン

東京カランコロン

東京カランコロン 東京カランコロン 東京カランコロン 東京カランコロン 東京カランコロン
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東京カランコロンは戦っている。彼らの楽曲はあくまでポップだし、男女混成のメンバーが醸し出す青春の香りは、「僕も(私も)バンドやりたい!」と思わせるに十分なもの。しかし、実際にライヴを見てみると、むしろ印象に残るのは彼らの凛々しさ。そう、東京カランコロンはオーディエンスを楽しませるために、そして、自分たち自身が楽しむために、どこまでも必死なのだ。

TRFの“survival dAnce”をSEに、勢いよくステージに飛び出してきたいちろーの第一声は「起きてー!」。そこから推進力のあるビートが駆け出し、“少女ジャンプ”でライヴが幕を開ける。可憐な歌声を聴かせるせんせいの横で、ステージ上を駆け回るいちろーは、実際に寝ている人のところまで起こしに行きそうな勢いだ(まあ、みんなカランコロンを見るためにしっかり起きてるんだけど)。最新シングルの“16のbeat”でさらに勢いを加速させると、シンセのリフがスケール感を生む“フォークダンスが踊れない”では、いちろーとせんせいがコミカルなダンスを披露して、オーディエンスの心をがっちりと掴んでいく。去年はDJテントへの出演だったが、今年は大きなステージに出れたことの喜びを語ると、バラードの“ラブ・ミー・テンダー”をしっとりと聴かせ、ライヴは後半戦へ。

いちろーがギターを置いて、MJばりのダンスとシャウトで魅せる“true!true!true!”で一気にボルテージを最高潮まで持って行くと、ラストはせんせいの早口ボーカルが耳に残る“泣き虫ファイター”で大団円。何度もステージの前方に出て、大きく両腕を広げるいちろーの姿が実に印象的だった。個人的に、小さなライヴハウスに出ている頃から見ていたバンドなので、BAYCAMPの広いステージを見事に掌握する光景を見て、ちょっと泣きそうになったことは、メンバーには秘密です。

[ Photo:市村 岬   Text:金子厚武 ]

■ セットリスト
01. 少女ジャンプ
02. 16のbeat
03. フォークダンスが踊れない
04. ラブ・ミー・テンダー
05. true!true!true!
06. 泣き虫ファイター

[ EAST ISLAND STAGE ] GRAPEVINE

GRAPEVINE

GRAPEVINE GRAPEVINE GRAPEVINE GRAPEVINE GRAPEVINE
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ダンサブルなアクトが続き、オーディエンスにも少しずつ疲労が感じられるものの、ここからは大人の時間。GRAPEVINEのメンバーがゆっくりとステージに姿を現す。中央の立ち位置についた田中和将がオフマイクで「よっしゃあ」とつぶやくと、「いくよー!」と会場に呼びかけて、ライブは“シスター”からスタート。アッパーな曲調に合わせて、田中は気持ちよさそうにシャウトを響かせる。「だいぶ涼しくなってきたけど、まだ夏が続いていると信じて、爽やかな曲をやります」と言って演奏されたのは“ナツノヒカリ”。美しいコーラスワークと清廉なピアノが涼しい夜風と混ざり合って、実に心地いい。幻想的なイントロから始まった“豚の皿”は、骨太なバンドの演奏が際立ち、西川弘剛のスライドバーを用いたギターソロも印象的な名曲。田中は「今のが代表曲“豚の皿”でした」とさらりと言ったが、シングルではないこの曲が実際にバンドの代表曲であっても決しておかしくはないぐらい、文句なくカッコよかった。

「代表曲でも何でもないけど、夏の間にやっておきたかった曲」と言って披露された、アコギを用いてのミドルバラード“風待ち”までは、比較的過去の曲が続いたが、この後に続けて演奏された最新作『愚かな者の語ること』からの2曲、“1977”と“無心の歌”は、ここまでに増して素晴らしく、現在の彼らの充実ぶりがはっきり表れていたように思う。アメリカのNRBQをモチーフにしたという“1977”に顕著だが、彼らの曲には特別なギミックこそないものの、いい曲、いい歌、いい演奏があり、その背景には音楽の豊潤なる歴史がある。そこに何よりグッと来るのだ。

「今日はどうもありがとー!」と大きく手を振って、ラストに演奏されたのは“真昼の子供たち”。ステージにいる真夜中の大人たちは、子供のような無邪気な笑みを浮かべて、もう一度大きく手を振った。

[ Photo:釘野孝宏   Text:金子厚武 ]

■ セットリスト
01. シスター
02. ナツノヒカリ
03. 豚の皿
04. 風待ち
05. 1977
06. 無心の歌
07. 真昼の子供たち

[ PLANT STAGE ] The Mirraz

The Mirraz

The Mirraz The Mirraz The Mirraz The Mirraz
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本日のPLANT STAGE最多のオーディエンスが待ち構える中、ベイ・シティ・ローラーズの“サタデイ・ナイト”に乗って現れた新体制The Mirraz。ドラムにサポートのゲンキを迎えたグルーヴはどう変化しているのか?今夏のフェスを歴戦してきた今、見られるのはラッキーだ。金髪にティアドロップのサングラス姿の畠山承平(Vo,G)の表情はもちろん見て取れないが、ライヴハウスではギッチギチで踊っているファンが酸素もたっぷり、自由に身体を動かしている様子が反応しあっている様子。

早い段階でこの夏のThe Mirraz流のキラーチューン“真夏の屯田兵”を投下。アッパーでハッピーだが、中間部にリアル過ぎるバンドの状況報告兼意思表示のリリックが挟まれるこの曲はいかにも彼ららしいが、どこかワンマンライヴに比べて肩の力が抜けた印象もあり、この曲以外も名曲感を新たにまとったぐらいにコードワークやリフのセンスに唸ってしまう。

轟くドラミングに導かれてハードエッジな演奏が加熱する“スーパーフレア”では、サウンドそのものがイーヴルな畠山と、ディレイがかかった印象的な佐藤真彦(G)のギターフレーズのチェイスがスリリング。ゲンキのドラムスタイルは割とジャストでソリッドなタイプであることも、この曲にハマっている。そして一転、ロマンティックで真摯な“シスター”が夕闇に溶けていき、オーディエンスも心ゆくまで堪能し、身体を揺らす。「ありがとう!いいね、ベイキャン。川崎は音楽の街って知ってる?」という畠山の問いかけには、ポカーンとする瞬間もあったが、「気持ちいいよ、この景色。次はミニアルバムから“名曲”をやります」という言葉から察するに、心地よさからつい出た一言だったのだろう。

先ほどまでの、涼しくなっていい雰囲気の中、磨かれてきた楽曲に感じていた名曲感とはまた違う、名曲を作る動機と作り続ける意志に溢れるこの曲、そしてすっかり踊りながら、心の底から差し出された手はつなごうとする彼らの優しさがアンセミックに響く“僕らは”では、ある種シリアスに戦い続けるバンドの姿が、引き締まった演奏と重なって仕方なかった。何度も「ありがとう」と叫ぶ畠山は、「このあともオールナイトで続くイベントを怪我なく楽しんで」と臆面なくその優しさを表現していた。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:石角友香 ]

■ セットリスト
01. check it out! check it out! check it out! check it out!
02. 真夏の屯田兵
03. 僕はスーパーマン
04. スーパーフレア
05. シスター
06. 名曲
07. CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
08. 僕らは

[ PLANT STAGE ] group_inou

group_inou

group_inou
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日付が変わった深夜0時。PLANT STAGEにはあるのはDJ機器をセットした黒いテーブルのみ。group_inouの出番である。オープニングの”RIP”が始まると、DJのimaiは激しいアクションとともにターンテーブルを操り、過激なトラックを生み出していく。MCのcpも独特のダンスを交えて、広いステージを暴れまくる。そんな2人に煽られて会場も激しいリアクションを見せる。続く”THERAPY”でさらに会場のボルテージは上がっていったが、その後のMCではimaiが「今日はあまり話す時間がないんだけど」と前置きしつつ、「バックステージでスネ毛がすごい人を見た」という話を披露。会場は笑いに包まれた。するとすかさずアッパーな”KNUCKLE”へとなだれ込み、再びオーディエンスを激しく踊らせる。

group_inou

ポップな新曲ではcpがトラックに合わせて手拍子を打つダンスを披露。観客もつられて手拍子を打つ。そして後半は”MAYBE”など激しいチューンを連発。かと思うとimaiがMCで、「今度は曲をたくさんやりたいから」と前置きしつつ、MCで言ったことが婉曲して報道されるといった趣旨の話を愚痴り出し、会場はまたまた笑いに包まれた。

踊らされたり笑わされたり見ている側もなかなか大変だが、激しくストイックなサウンドと、自然体といった感じのMCの落差も彼らの魅力だろう。最後は「この曲でみんなの夏を終わらせる」と謎(?)の宣言とともに”9”を繰り出し、またもや会場を踊らせて、ビシッとライヴを締めくくり、ステージを降りていった。

[ Photo:市村 岬   Text:竹内伸一 ]

■ セットリスト
01. RIP
02. THERAPY
03. KNUCKLE
04. 新曲
05. COMING OUT
06. MAYBE
07. SWEETIE
08. 9

[ FREE THROW DJ TENT ] a flood of circle

a flood of circle

a flood of circle a flood of circle a flood of circle a flood of circle
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深夜となったDJ TENT、日をまたいでの登場となったのは、ご機嫌なロックンロールと生き様としてのブルースを鳴らすバンド、a flood of circle 。個人的には、この日の出演陣の中でもかなり上位で真夜中が似合うバンドだと思ってる。あとアルコールも。というわけで、初登場のBAYCAMPは本領発揮のステージとなったのではないだろうか。

迫力あるセッションからライヴはスタート。挨拶代わりの“Blood Red Shoes”に続いては「一緒にロックンロールでブチ上がっていこうぜ!」と、“Dancing Zombies”。思い思いのステップでお客さんも踊る。佐々木亮介が叫び、HISAYO姐さんがうねるベースラインでクールにオーディエンスを煽り、ステージはどんどん熱を帯びていく。

「ウチのドラムのナベちゃん、今日が誕生日なんだよ」と、佐々木。ドラム渡邊一丘は9/7で27歳になったとのこと。その渡邊のパワフルなビートから始まった“アイ・ラヴ・ロックンロール”が中盤のハイライト。コール・アンド・レスポンスを巻き起こしただけでなく、佐々木亮介がマイクを持ったままオーディエンスの中に飛び込んでお客さんに歌わせる一幕も。

ラストは“理由なき反抗(The Rebel Age)”から“Human Licence”。跳ねるビートのやけっぱちなロックンロールでから“Human Licence”。前の方では汗まみれのモッシュが起こり、後方では笑顔でステップを踏んでる人多数。楽しかった。ロックンロール・パーティーってこんな感じ、って思うようなステージだった。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:柴 那典 ]

■ セットリスト
01. Blood Red Shoes
02. Dancing Zombies
03. シーガル
04. アイ・ラヴ・ロックンロール
05. プシケ
06. 理由なき反抗(The Rebel Age)
07. Human License

[ EAST ISLAND STAGE ] the telephones

the telephones

the telephones the telephones the telephones the telephones
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さあ、夜はまだまだこれから、パーティー番長の登場だ。フロム・キタウラワ・サイタマ・ジャパン、the telephonesがBAYCAMPをディスコの向こう側に連れていくぜ!

会場中のハンドクラップに包まれて登場したメンバーは、ノブを筆頭にのっけから超ハイテンション。“It’s Alright To Dance(Yes!!! Happy Monday!!!)”と“Urban Disco”を連発し、“Urban Disco”では早速「アイ・アム・ディスコ!」の大合唱を巻き起こす。石毛はMCで事故により急遽出演キャンセルとなった同じ事務所の[Champagne]について触れ、「もっとイケメンになって返ってくるんで、大丈夫」とジョークを飛ばして、会場を穏やかな空気にさせていた。

歌詞に合わせて「A」「U」「O」の人文字を作り出した“A A U U O O O”に続いて、ノブがカウベルを打ち鳴らし始めたら“HABANERO”の合図。複雑な展開にもしっかりついていくオーディエンスに、バンドとの信頼関係を感じずにはいられない。そして、「猿のように踊ろうぜ!」という号令に合わせて、“Monkey Discooooooo”では会場中が大爆発!石毛はブリッジをしながらギターソロを弾き、ノブがラストでラメラメの衣装を脱ぎ捨てると、そこはもうディスコの向こう側だ。

おなじみの「ウィー・アー・ディスコ!」のコール&レスポンスをDJブースのスピーカーにも負けないボリュームで決めると、ラストは11月から始まるツアーのタイトルにもなっている新曲“Don’t Stop The Move,Keep On Dancing”を披露。初聴きの人がほとんどだったであろうにもかかわらず、印象的なリフレインに合わせて多くの人が腕を振る光景は、とても感動的なものだった。最後は石毛がエフェクターでサイケデリックなサウンドスケープを作り出し、「ライヴハウスにも遊びに来てね」と、らしい言葉を残してステージを去っていった。

[ Photo:釘野孝宏   Text:金子厚武 ]

■ セットリスト
01. It’s Alright To Dance(Yes!!! Happy Monday!!!)
02. Urban Disco
03. A A U U O O O
04. Baby,Baby,Baby
05. HABANERO
06. Monkey Discooooooo
07. Don’t Stop The Move, Keep On Dancing

[ FREE THROW DJ TENT ] 細美武士

細美武士

細美武士
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いよいよ夜も深まってきた。スタートから9時間とフェスは折り返し地点を迎えて、興奮のムードはまだまだ続く。

FREE THROW DJ TENTに2年連続の登場となる細美武士は、弾き語りによるスペシャルなステージだ。「みんなが美味しいお酒を飲めるような感じでやります」と、アコギ一本持ってふらりと現れ、サウンドチェックがわりに“Let It Be”を披露。ゆるい佇まいだけど、この人が歌うとやっぱり空気が変わる。

細美武士

まず歌い上げたのは“風の日”。集まったお客さんから、大きな歓声があがる。ギターと歌だけのシンプルなサウンドで、メロディの良さが真っ直ぐに伝わる。続いては「この時代に清志郎さんが生きてたら何やってたかなって思うんです」と“スローバラード”、「この曲をやるとKのことを思い出すんだ。PTPのKに捧げます」とジミ・ヘンドリックスの“Little Wing”を披露。少しかすれた、しかしとても艶のある彼の声は、実はブルースを歌うとすごくハマるのだ。“スタンド・バイ・ミー”も絶品だった。

ラストは、お客さんの大合唱にあわせてサビでコーラスパートを歌い見事にハモっていた“Make a Wish”から“虹”。ロック不朽の名曲、そしてELLEGARDENの名曲の数々を力強く歌い上げた、とても贅沢な時間だった。

[ Photo:釘野孝宏   Text:Text:柴 那典 ]

[ PLANT STAGE ] Dragon Ash

Dragon Ash

Dragon Ash Dragon Ash Dragon Ash Dragon Ash
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昼間の蒸し暑さが消え、海からの夜風が心地よくなってきた22時30分。PLANT STAGEはDragon Ashの出番となった。SEが流れ出すと会場には手拍子が巻き起こり、彼らの登場を待つ。そんな中、ゆるやかな”運命共同体”のイントロに乗せて、Kjが「BAYCAMPに吹いたFreedom」と歌い、会場に大歓声が巻きこり、ライヴはスタートした。

ゆったりとしたグルーヴを持つ曲での始まりとなったが、曲の終盤、Kjの「飛び跳ねろ!」の絶叫で、雰囲気は一変。演奏は一気にテンポを上げ、会場のテンションも一気に上がっていった。以降はもう怒濤! ”Run to the Sun” ”Revolater”といったアッパーなナンバーを続けて、会場を揺らしていく。Kjも隙あらば、「手を叩け!」「飛び跳ねろ!」と扇動し、後ろで見ていないでもっと前に来いとばかりに、観客を指さしては手招きをして煽り続けていった。”AMBITIIOUS”では、「持っているタオル、何でもいい。振り回せ!」との号令とともに、会場はタオルを振り回し、一体感を増していった。そんな観客に今度はバンドが煽られて、ステージ上の動きもどんどん激しくなってゆき、ステージを離れて大型スクリーンの前でパフォーマンスを見せる場面もあった。ラストの”Fantasista”では大合唱が巻き起こり、会場のテンションがマックスを振り切る中、ライヴは大団円となった。

Kjは「名前だけでも覚えて帰ってください。Dragon Ashでした」と言い残してステージを降りていった。この会場で彼らの名前を知らない人はいないと思うが、もし知らない人がいたとすれば、鮮烈な印象を残したことだろう。それほど一気呵成に攻め立てた圧巻のパフォーマンスだった。

[ Photo:市村 岬   Text:竹内伸一 ]

■ セットリスト
01. 運命共同体
02. Run to the sun
03. Revolater
04. Here I Am
05. AMBITIOUS
06. 百合の咲く場所で
07. Fantasista

[ FREE THROW DJ TENT ] SIMI LAB

SIMI LAB

SIMI LAB SIMI LAB SIMI LAB SIMI LAB
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だいぶ夜も深まってきて、みんなとてもリラックスしながらゆったりと思い思いに過ごす時間帯になってきたが、横浜のヒップホップ集団「SIMI LAB」はそんなムードを払拭した。もちろん、いい意味で。

もうね、ひと言、すげぇカッコよかった。6人のMCが次々とメインをとっていくという集団芸はSIMI LABならではの圧巻の離れ技的パフォーマンスで、文字通り、「普通じゃない」。しかもメンバーは男女を交えながら、そのヴィジュアルも声質も個性が6者6様だから、「集団」の構成としても非常にユニークかつ高性能。ほんと、アヴェンジャーズのような最強の人達なんです。そして、そんな個性が最終的にこれほどひとつのヒップホップミュージックとして主張され、表現されていることに、純粋に興奮を覚えたオーディエンスは多かったのではないだろうか。こういうのを本当の「ハーモニクス」と言うのだ。でも楽曲がひとたび終わると、各々がステージ上で言いたいことを言っていくというのがまさにスタイルの表れで、彼らをよく物語っていた。

中でも特に、「普通」や「常識」を今一度問いかける“Uncommon”の――誤解を恐れずに言えば――「威圧感」は、凄かった。と同時にオーディエンスが一層激しく体を揺らしハンズアップしたのもこの曲だったのだ。そんな光景はまるで、所謂スラングの「swag」とは何か?を見ているようで。自分達がカッコいいと思う音を鳴らして思ってることを言うだけ、という当たり前のことだがなかなかできないことをここまで自然にスマートにクールにゴージャスにやってみせるのがSIMI LABだ。

今回のBAYCAMPの中で最と言っていいほど、ダークでディープな空間を作り上げながら、彼らとこちら側の間に胸に芽生えてくるのは「同志」という感覚だった。SIMI LABのライヴは、最終的にとても暖かいものとして届いてくるからだ。それは何故かって、彼らのメッセージが生ヌルいものじゃないから。誰も簡単には教えてくれない、教科書になんか載ってなかった、生きるための本当の厳しさがそこにあるのだ。それは、道を開くのはお前自身しかいないし、でもそこにしか花は咲かないんだし、それは誰にも邪魔されるべきではない――ということだと思う。そして、彼ら「本当の個の集団」が、誰よりも、そんな生き方をこうやってステージで体現してみせている。彼らほど信用できるものが他にあるだろうか? BAYCAMPのSIMI LABのライヴは、人の生き方さえも変えるような30分間だったと本当に思った。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:堺 涼子 ]

■ セットリスト
01. page2 intro
02. Show Off
03. Avengers
04. Hiat what you ???
05. Roller Coaster
06. Uncommon
07. Joke
08. We just

[ FREE THROW DJ TENT ] LEF!!!CREW!!!

LEF!!!CREW!!! LEF!!!CREW!!!
LEF!!!CREW!!! LEF!!!CREW!!!
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[ Photo:後藤壮太郎 ]

[ PLANT STAGE ] 快速東京

快速東京

快速東京 快速東京 快速東京 快速東京
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トイピアノのSEとPLANT STAGE上方のスモークがいい感じにナイトメアな雰囲気を醸す中、破顔一笑な表情で福田哲丸(ボーカル)が自由に身体を躍動させ、一ノ瀬雄太(ギター)が随所でメタルなフレーズをキメる「ロックンロール」でスタート。ご存知のとおりほとんどの曲が1〜2分台のショートハードロックバンド、快速東京はロックのおいしいとこ、尖ったとこ、面白いとこ、刺さるとこだけを抽出した確信犯だ。哲丸がKISSのTシャツを愛用しているのは雑誌などでも見かけるが今日は一ノ瀬がモーターヘッド、藤原一真(ベース)がアンヴィル、柳田将司(ドラム)がメタリカのTシャツを着用。「なんかアメリカのハードロックバンド好きの集まりみたいでおかしいね」という哲丸の、演奏時とギャップあり過ぎのいたいけなMCもまた確信犯なのか?

「こんな時間にみんな暇だね」と哲丸が毒づくでもなく、あくまで曲の前振りとしてMCするのもある意味、ロックのおいしい正統派スタイル。その「ヒマ」で歌われる<ヒマだからご飯を食べよう> <暇だからお金を稼ごう>といった身も蓋もないけれど、なんだかしゃにむにアクションしながら彼がが歌うと、とても痛快だし、救われる。その究極は「新曲です」と紹介された「ヤダ」。ほぼ全編<ヤダ>しか言ってない快速にありがちな展開だが、「ヤなこと一杯あるでしょ?認めなきゃダメだ」という(またしても)前振りとともに放たれれ、一緒になって<ヤダ、ヤダ>歌っていると、単にストレス発散しているようで実はこれまたものすごく赦されてる気持ちになるから快速東京はホントに侮れない。いや、そんなことを彼らが目指しているとはあまり思えないのだが、彼らがロックのいちばん鮮度満点な部分の一点突破でバンドを転がしていることが受け手に純度の高い(いい意味で)単なる衝撃を残す。

屈託のない笑顔と交互にものすごく物騒な表情を覗かせる哲丸のカリスマ、もう一つの職業はプロのデザイナーである一ノ瀬の「使える社会人」の素顔も垣間見える二人の会話のやりとりもちょっと他のバンドにはないニュアンスで、爆音でショートハードロックを鳴らしたすぐ後に素になっているのも彼らにとっては普通のことなのだろう。<それ以上何がほしいの?>と、攻撃的というよりは純粋に問うように歌われる「テーマ」をオーディエンスの中に入り支えられながら歌う哲丸は、人間世界に紛れ込んだクリーチャーみたいだった。爆笑しながら、自分の不自由さが暴露されたような気まずさまで残すのは快速東京の才能という他ない。暴風の代わりにやってきた?と錯覚するような一瞬の出来事だった。

[ Photo:市村 岬   Text:石角友香 ]

■ セットリスト
01. ロックンロール
02. 変だぜ
03. 八
04. 虫
05. かいじゅう
06. エレキ
07. ヒマ
08. ラヴソング
09. ドロドロ
10. ダラダラ
11. 800
12. とうめい人間
13. ヤダ
14. コピー
15. ワオワオ
16. ダンス
17. ほしいの
18. テーマ

[ FREE THROW DJ TENT ] ATATA

ATATA

ATATA ATATA ATATA ATATA
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ベテラン揃いのメンバーからなるオルタナティヴロック・バンドとしての演奏技術、緻密でいてダイナミックという非常に深遠な音楽世界を成すアンサンブル。爆発的にエモーショナルでパンキッシュなステージパフォーマンス。バンドメンバーの放つ異様なほどに高い存在感。さらにそこから何より響いてくるのは「リアルさ」というATATAのライヴ。最高にして最強だった。

終始、ヴォーカル奈部川の歌に宿る光とステージ上のライトの光が重なって、とても美しい。と、ただの感想のようになってしまうのも許して欲しい。自分達でレーベル管理をするなど、まさにDIYな活動をするATATAだが、そこにある自由と表裏一体にある大きな責任と強い覚悟、そしてそれゆえの巨大な感動や、たくさんの嘘のない笑顔を日々味わいながら生きている――そういった道程がそのまま届いてくるようで、猛烈な感動に襲われるのだ。「ATATA最高!」というオーディエンスの呼びかけに、「知ってる」と冗談めかしながらも奈部川が答えられるのは、そういった一日一日から確かに生まれてくる一音を鳴らしているという誇りがあるからだと思う。オーディエンスも、そんな音楽が自分の心臓に刺さっていると実感しているから、みんなの拳がこれほど自然と高々と挙がるのだろう。

ATATAのライヴに対して「衝動的」と言うと野暮だし青臭くなるけれど、それくらい、音楽を作ることと鳴らすことと人に届けることのとても純粋な景色が広がっていた。消費のスピードに眩暈を覚えるこの時代にあって、本当に心臓に響くのはこんなバンドなんだと確信できて、単純にすごく嬉しくなる。こんな感動がもっともっと広まって欲しい。奈部川もMCで、「俺たちはいつもライヴハウスにいます」と言っていた。今日の日のステージも、こういうリアルな音楽とリアルなライヴが数珠つなぎで伝わっていく一夜のひとつになったと思うと、否応にも胸は熱くなるのだ。さらに、“Star Soldier”、“LEF!!! DUB!!!”で自分達のライヴが最高潮に達した後まで、次にDJとして登場するLEF!!!!CREW!!!!をそのまま呼び込むという流れを作った。ATATAのライヴは、最後の最後まで最高だったのだ。

[ Photo:釘野孝宏   Text:堺 涼子 ]

■ セットリスト
01. Fury Of The Year
02. Minority Fight Song
03. The Lust Dance
04. General Headquarters
05. Star Soldier
06. LEF!!! DUB!!!

[ EAST ISLAND STAGE ] Wienners

Wienners

Wienners Wienners Wienners Wienners
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「BAYCAMP 2013」、ついにスタート!現在、会場周辺は快晴。太陽が照ってくる場所にいると光線がジリジリと肌を焦がしてくる。そんな中、元気良くステージに飛び出してきたのはWienners。玉屋2060%(Vo,G)が「おはようございます!今、入ってきた人、こっちこっち!」とオーディエンスに呼びかける。この18時間の祝祭、火蓋を切ったのは“FUTURE”。560(B,Cho)のランニングベースが唸る。フとオーディエンスに目をやると、さっそくペットボトルの水が撒かれている。暑いもんなあ。

ファストな展開の“TOKYO concert session”を畳み込み、「改めておはようございます!地球の平和を……いや、BAYCAMPの平和を守るため!」とMC、みんな笑顔のまま「T!O!K!Y!O!」のコール・レスポンスへ。“シャングリラ”のサビではオーディエンスの腕が頭上に掲げられ、左右に揺れる。560の「みんな全力で遊ぼうよ!」のMCから“Justice4”。サンバのリズム。560が途中、セットアップしてあったティンバレスとスプラッシュのパーカッションでリズムに参加。MAX(Vo,Key,Sampler)のシンセが響く。“レスキューレンジャー”に突入、スカのリズムでオーディエンスが臨戦態勢だ。マナブシティ(Dr)のエッジーなリズムが素晴らしい。

この日、最後の曲は“蒼天ディライト”。曲名をコールすると大歓声。男女ツインボーカルがフィーチャーされたこの曲。彼らが最後の曲に選んだのは大正解だ。非常に好意的にオーディエンスに歓迎された25分、無事トップの大役を果たした。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:林 拓一朗/FIX ]

■ セットリスト
01. FUTURE
02. TOKYO concert session
03. シャングリラ
04. Justice4
05. レスキューレンジャー
06. 蒼天ディライト

[ EAST ISLAND STAGE ] The Birthday

The Birthday

The Birthday The Birthday The Birthday The Birthday
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夜の海。遠くには工業地帯。いくつかの赤と白に塗られた鉄塔から、オレンジの炎が噴出している。本日EAST ISLAND STAGE、6組目のアーティスト、The Birthday。いつものSEが鳴り響くと、グッとフィールドの前の方が詰まっていくのがわかる。メンバーがステージに登場、大歓声に迎えられる。チバユウスケ(Vo&Gt)は片手にタンバリン。シャラシャラ、と振ってみせ、自分のギターを手にする。

「all right!!」ティアドロップのサングラスをかけたチバが一声、“オオカミのノド”からスタート。バンドはボルテージを最初から上げていく。クハラカズユキ(Dr)のタイトなリズム、ヒライハルキ(B)の地を這うベースライン。フジイケンジ(G)のエッジーなリフ。そしてチバユウスケのボーカル、ギター。フジイのワウを巧みに使ったソロも素晴らしい。“ホロスコープ”。リフがシャープに切り込み、バンドのアンサンブルがそのリズムを補強する。“SATURDAY NIGHT KILLER KISS”。最初のコーラスから全開でバンド、オーディエンス共にさらに激しさを増していく。「good evening」とチバさん。ギターを置いて、ハンドマイク。“Red Eye”。シャッフルのブルージーな曲。曲中でスリリングなソロ回し、チバのハープとフジイのギターとの掛け合い。夢中になっているとすでに後半、“爪痕”。チバの歌い上げる歌詞が沁みる。「限りなく 夏が続くと思ってた」……チバさんの声で、叙情的な歌詞を美しいメロディーで歌い上げられると、どうしても琴線に触れてしまう。

続く“なぜか今日は”。ヒライハルキの口元が、歌詞を口ずさんでいるのがスクリーンに映る。グレッチからコードがゆっくり鳴らされる。“涙がこぼれそう”。イントロはもちろん、オーディエンスたちは大合唱。クハラさんのカウント前、「俺さ 今どこ」の部分で「今、ちょっと海の近くに来ています」とチバさん。間髪入れずカウント、四人がロールし始める。大歓声と拍手のなか、メンバーはステージを後にした。日本の至宝。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:林 拓一朗/FIX ]

■ セットリスト
01. オオカミのノド
02. ホロスコープ
03. SATURDAY NIGHT KILLER KISS
04. Red Eye
05. 爪痕
06. なぜか今日は
07. 涙がこぼれそう

[ PLANT STAGE ] ZAZEN BOYS

ZAZEN BOYS

ZAZEN BOYS ZAZEN BOYS ZAZEN BOYS ZAZEN BOYS
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「貴様に伝えたい〜」、赤いテレキャスを爪弾きながら歌う向井秀徳(Vo,G,Key)率いるZAZEN BOYSが明らかにこれまでと違う空気を川崎に連れてきた。オープニングの“KIMOCHI”がメロディアスなせいばかりではない。向井のヴォーカルは艶を増し、言ってしまえば凄まじく上手くなっている。その表現力は曲が終わる前に歌に対して拍手が起こるほどといえばわかってもらえるだろうか。そしておのおの高度な有段者集団のようなバンドアンサンブルが、あの居合のような息を呑む迫力はそのままに、妙なタメを感じさせない。要は洗練されているというか。

“泥沼”では今夏の各地のフェスで恒例になっている「エロい言葉の連なり」を向井自ら発し、呼応した観客にまた応えて演奏が起動するという、おかしくも真剣なやりとりが繰り広げられる。時は夏。さしずめZAZEN BOYSによる日本の奇祭といったところか。演奏もソリッドなら音響も研ぎ澄まされて、音の一粒一粒に細胞が反応する。“COLD BEAT”では松下敦(Dr)と吉田一郎(B)のリズムをめぐるチェイスはまるで蛇とマングース状態である。そこに茶目っ気たっぷりにチャルメラのフレーズをキーボードで弾き、またまたエロいワードをしかも大仰に歌う向井の態度は、100%生真面目に見上げられることへの拒否感か?そんなに大げさなものではないにしても、自然と笑いが洩れてくるオーディエンスの一体感はかなりいい感じだ。

踊れるビートでも音の強度の違いを見せつけた“はあとぶれいく”。向井のスタンドマイクによる姿勢を正したヴォーカルスタイルも新鮮に映る。「いや、ホントに今日はお集まりいただきありがとうございます。バーカウンターはそちらでございます」と、店主さながらのMCをした後は向井と吉兼聡(G)のアイヌ音階がプログレッシヴロックに変容したようなギターアンサンブルが強烈に新しく、歌はリリカルなメロディを持つ“破裂音の朝”が進んでいくに連れ、オーディエンスは演奏というものの不思議と奇跡にますます身を任せているように見えた。彼らの演奏をライヴで体感すると音の組み合わせやビートやBPM……その無限さに素直に未来を感じる。抜き差しならないグルーヴに反応しているうちに中毒者が続出した模様で、向井の終演と同義の「乾杯!」の一言が告げられてもその場をすぐ動かない人がかなりいた。

[ Photo:釘野孝宏   Text:石角友香 ]

■ セットリスト
01. KIMOCHI
02. HIMITSU GIRL’S TOP SECRET
03. 泥沼
04. サイボーグのオバケ
05. COLD BEAT
06. はあとぶれいく
07. 破裂音の朝

[ FREE THROW DJ TENT ] STOROBOY

STOROBOY

STOROBOY STOROBOY STOROBOY STOROBOY
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暑さはだいぶ和らいできて、気持ちの良い風がフィールドを吹き抜ける。空の色も徐々に茜色に染まり始め、なんとなく夏の終わりを感じさせるような切なげなムードの中、STOROBOYがダンスロックチューン”DENIM”を鳴らし始める。「跳び跳ねる準備はいいかー!」というARAKI(Vo)の呼びかけに、オーディエンスはダンスステップで応える。ディスコタイムのスタートだ。

バンドはダンスを止めるのを惜しむように立て続けに曲を繰り出す。パフォーマンスはあくまでもクールだが、ARAKIが身に付けるサングラスの奥からは熱を感じずにいられない。そして、シンプルな演奏と思いきや、実はギターがテクニカルで、この辺りもSTOROBOYサウンドの根幹を支えていると言っても良いだろう。

”METROPOLIS”を披露した後は、休憩代わりのMC。ここでファンにとって嬉しい情報が3つもARAKIの口から告げられた。まずは、先ほどプレイした”BOY”が明日(9月8日)0時から無料配信されること。次に、11月26日に下北沢Shelterにて初のワンマンライヴを行うこと。そして最後に、待望の新作を11月6日にリリースすることがアナウンスされると客席のボルテージは一気に上昇。その勢いのまま、”SALON”になだれ込む。「Are you ready?」というサンプリングボイスと共にたくさんのタオルが振り回される様子はまさに壮観だった。

ディスコタイムの最後を飾ったのは”FLICK”。沈みゆく太陽をミラーボール代わりにして、オーディエンスは歓喜の表情を浮かべながら踊り狂い、STOROBOYの音に酔いしれた。

[ Photo:釘野孝宏   Text:阿刀大志 ]

■ セットリスト
01. DENIM
02. HUG
03. METROPOLIS
04. BOY
05. SALON
06. FLICK

[ EAST ISLAND STAGE ] FRONTIER BACKYARD

FRONTIER BACKYARD

FRONTIER BACKYARD FRONTIER BACKYARD FRONTIER BACKYARD FRONTIER BACKYARD
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涼しい海辺の風が頬に当たる。気持ちいい。FRONTIER BACKYARDのライヴがスタートする。大音量でファンカデリックの“Get Off Your Ass And Jam”が鳴り響くと、大歓声。赤いライト、スモークたっぷりのステージに、5人のシルエットが浮かび上がる。“wonderful world”から。TGMXの声、メロディーが本当に人をハッピーな気持ちにさせる。オーディエンスも思い思いのダンスを、気持ちよさに任せて自由に踊っている。続いて“TWO”、心地いいスカのフレーヴァーを感じながら、気がつけば身体が揺れている。

“TRANCE NONE”ではステージ狭しと全員がステージを縦横無尽に動く。TGMXもステージを降り、オーディエンス直前の柵まで。さすが、キャリアのあるメンバーだけに、本当にこういう場での盛り上げ方がツボを突いていて、思わず笑みがこぼれてしまう。「FRONTIER BACKYARDです!(隣のステージでセッティングをしている)ZAZEN BOYSのファンのみなさん、お邪魔してます!」と会場全体を自らの世界に引き入れ、笑顔の輪がどんどん広がっていく。“Putting on BGMs”ではコール・アンド・レスポンスからスタートし、コーラスでは会場全体の腕が上がり、左右に揺れる。“hope”、「Put your towels up!」とオーディエンスのタオルを頭上に掲げさせる。もちろん、彼らのグッズ、名入りのタオルだけではない。しかし、それがこのピースフルな空間を象徴している。タオルが回る。本当に美しい光景。“missing piece”。

まさに先日、9/4に5枚目のアルバム『fifth』をリリースしたことを告げ、ツアー、そして10/27に恵比寿リキッドルームでワンマンがあることを話す。ラストは“POP OF D”。本当に暑かった今日のような夏の夜、この曲で彼らは「BAYCAMP 2013」でのステージを締めくくった。

[ Photo:市村 岬   Text:林 拓一朗/FIX ]

■ セットリスト
01. wonderful world
02. TWO
03. TRACE NONE
04. Putting on BGMs
05. hope
06. missing piece
07. POP OF D

[ EAST ISLAND STAGE ] eastern youth

eastern youth

eastern youth eastern youth eastern youth eastern youth
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序々に陽も落ち、照明の効果も分かるようになってきた。ステージ上ではeastern youthの3人がサウンドチェックをしている。吉野 寿(G,Vo)がうつむいていた顔を上げる。笑みがこぼれて、何やら言いながらステージから見える海の方を指差している。そこには、本当に大きな貨物船が、物憂げに、そして静かに歩みを進めていた。

スクリーンに「eastern youth」の文字が映し出されると大歓声。ステージ上の2台のアンプには「STAND AGAINST RACISM」のフラッグが掲げられている。ギターが鳴り出す。口笛。より大きな大歓声。なんと、“夏の日の午後”からこの日のライヴをスタート。なんてこの日のシチュエーションにピッタリの曲だろう。キメの部分で本当にたくさんの腕が上がり、口ずさんで感無量の顔付きの人もいる。振り絞るように歌う吉野さんの顔がスクリーンに大写しになる。もうそれだけで、心が動いて、冷静ではいられなくなってしまう。リアリティーに溢れているが、徹底的にロマンティックだ。いや、リアルを常に歩んでいるからこそ、これだけロマンティックでも真摯に響き、聴き手の心を打つのだ。

“砂塵の彼方へ”、「サヨナラだけが人生だ、って言ってね」と唐詩の「勧酒」井伏鱒二の名訳をつぶやいたあとに“グッドバイ”。とにかく轟音。あちこち歩き回ってみたが、本当にどこにいても大迫力、3ピースとは思えない音の厚さだ。“踵鳴る”のイントロで、オーディエンスは歓喜の声を挙げる。二宮友和のベース、田森篤哉のドラムがボトムをガッチリタイトに固める中、吉野さんが鬼の形相でギターをかきむしる。「自分ってもんを貫き通そうとすると敵ばかり、そんな足取りで今日まで歩いて来ました。ーー冗談じゃねえよ、これからも同じだ」“荒野に針路を取れ”。この曲を熱演し、「ありがとう さよなら」の言葉と共に3人はこの日のステージを降りた。

[ Photo:市村 岬   Text:林 拓一朗/FIX ]

■ セットリスト
01. 夏の日の午後
02. 砂塵の彼方へ
03. グッドバイ
04. 踵鳴る
05. 荒野に針路を取れ

[ PLANT STAGE ] QUATTRO

QUATTRO

QUATTRO QUATTRO QUATTRO QUATTRO QUATTRO
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PLANT STAGEのオープナーとして登場したのはQUATTRO。今年から設置された中央のビジョンにメンバーの表情が映し出されるのはかなりアガる。「みんな走って、走って!」とオーディエンスを煽る岩本岳士(Vo)をはじめ、全員、アタマからどこかてたがが外れている。リズムギターの爽快なカッティングにクラップが広がる夏らしいナンバー“BIG BOY”…と、早くも浜田将充(B)がゆるやかに観客にアップリフトされている(ダイブというよりはそのほうがふさわしいような)。メンバーは気にせず?そのままバックビートにチェンジ。浜田はと言えばリズムがダッシュを始める中間部でようやくベースを手にするという自由過ぎる展開に。

中盤には岩本が弾くシンセがループし、ギターはファンキーな16ビートを刻み、全体的にはユーフォリックなムードを漂わせ、今年、ダフトパンクが提示したディスコファンクよりもしかしたら早かったかも?な80s感漂う、時代が一回りしてアップデートされた印象のダンスタイムへ。真っ昼間のPLANT STAGEに明滅するカラフルなライティングが、気分だけでも真夜中へと誘惑するようだ。

「こんにちわ!QUATTROです。この工業地帯、川崎で…(一瞬の間)最高のグッドミュージック工場、BAYCAMP!」と岩本が煽ると、すかさず「それ、何日前から考えてたの?」と浜田のツッコミが。その後、このMCのおかげでずっと「工場長」と呼ばれることになった岩本。その後も工場長はテンションが上がりすぎて浜田のシールドを踏んで断線、メンバーも思い思いに動きまくって、音楽性のポップさとシュールな対照を見せるのがなんともQUATTROらしいのだが、カディオをはじめ、全体の音量が上がっていいバランスになってきた頃、グルーヴィチューン“FOOLS”でフィニッシュ。あとに残ったのは、ようやくエンジンがかかった気持ち…さぁ、18時間の楽しい長丁場はここからだ。

[ Photo:市村 岬   Text:石角友香 ]

■ セットリスト
01. BIG BOY
02. Summertime
03. Question #7
04. 新曲
05. Flamingo
06. FOOLS

[ FREE THROW DJ TENT ] 弦先誠人 (FREE THROW)

弦先誠人

弦先誠人
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[ Photo:後藤壮太郎 ]

[ PLANT STAGE ] キュウソネコカミ

キュウソネコカミ

キュウソネコカミ キュウソネコカミ キュウソネコカミ キュウソネコカミ キュウソネコカミ
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傾きかけた西日の中に響き渡る平井堅の“POP STAR”に乗せてイベントきってのナチュラル・ボーン(を装った)関西人バンド、キュウソネコカミが満杯のオーディエンスに迎えられてやってきた。ネタにされることを狙ってるのか?真ん中辺りにファンが掲げたブラジル国旗に「俺らジャパニーズバンドやぞ?」とヤマサキ セイヤ(Vo,G)が突っ込む、抜群のコミュニケーション!自分が関わるライヴシーンやバンドや時にはリスナーまでディスる歌詞は、だがそのリアルさと思わず笑ってしまうセンスで、シンガロングが起こるほど。

「何が嬉しいって、大きいスクリーンに映ること」(ヤマサキ)「後で見に行きましょう」(ヨコタ シンノスケ(Key,Vo))と不可能なことまで天然なのかネタなのかわからなくなってくる。そして彼らのあいだで「ウォール・オヴ・デス」と呼ばれている、二手に分かれてのモッシュを細かく指示(この辺り細かい気配り)して、演奏が始まった“DQNなりたい、40代で死にたい”はさすが人気曲。後方にいた人もモッシュに参加すべくどんどん前へ走る。かくして「ヤンキーこわい〜!」のシンガロングの末、成功したウォール・オヴ・デス。シンプルなリフ主体のロックンロールをいい意味でいなたくもタフなものにしているカワクボ タクロウ(B)のクロっぽいベースが耳から離れない。徹底してオーディエンス参加型(というか誰も傍観者にさせないという意地がキュウソ最大の吸引力だと思うが)のライヴを展開する彼ら。

どこかチャイニーズメロディを思わせるフレーズと軽快な四ツ打ちがフィットする“お願いシェンロン”では、ヤマサキ言うところの筋斗雲(大きめのビート板みたいなもの)に乗ってオーディエンスの頭上を進むという大技も。忍術か中国4000年の秘技か?会場一体となってのカメハメ波の応酬は妙な宗教儀式みたいだが、参加する人全員が全力なのが楽しい。どこまでも普通の人より普通なヨコタと絶叫し続けるヤマサキの対照もシュールで、ツッコミどころ満載の30分はあっという間に終了した。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:石角友香 ]

■ セットリスト
01. JP
02. ファッションミュージック
03. DQNなりたい、40代で死にたい
04. サブカル女子
05. お願いシェンロン
06. ネコオドル

[ FREE THROW DJ TENT ] Kidori Kidori

Kidori Kidori

Kidori Kidori Kidori Kidori Kidori Kidori Kidori Kidori
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会場は徐々に混み始め、DJ TENTの前にも多くのオーディエンスが詰めかけている。彼らが待っていたのはKidori Kidoriだ。“You Will Realize”から“HHH” “Paperhouse”と立て続けにソリッドなロックナンバーをカマす。マッシュのボーカルは色っぽさとSystem Of A Downのサージ・タンキアンのような民族的な雰囲気を漂わせるトリッキーさがあり、豊かな表現力でオーディエンスの心をつかむ。

MCでは、「みなさん、熱中症には気をつけてください!…はい、これを英語で言ったら?」という問いかけから、最新作『El Blanco』の1曲目“Watch Out!!!”へとなだれ込む。スカっぽいフレーズが印象的なナンバーで、決してダンスビートではないのだけど、踊らずにはいられない。しかも、こちらの想像の上をいく曲展開で、なんとなく中東を思わせる雰囲気がかなりスリリングだ。この曲に限らず、どれもそんなに短い曲ではないんだろうが、気付けばあっという間に曲が終わっている。体感時間2分ぐらい。それぐらい1曲の中での仕掛けが多く、知らないうちに3人の策略にハメられているんだろう。

“Say Hello!(I’m not a slave)”は今日のセットリストの中では分かりやすい部類の楽曲で、コーラスに合わせてあちこちから手が挙がる。曲終わりに「暑いわ、ボケぇ!」とマッシュはぼやいていたが、時間は14時30分過ぎ。そりゃあまだまだ暑いわ!しかし、その暑さを超える勢いで、最後は「一番のロックミュージック鳴らして帰るわ!」と宣言し、“NUKE?”をプレイ。大阪のバンドらしく、他のどのバンドともカブらない独特な世界観はステージに集まった聴衆に確かな印象を残した。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:阿刀大志 ]

■ セットリスト
01. You Will Realize
02. HHH
03. Paperhouse
04. Watch Out!!!
05. Say Hello! (I’m not a slave)
06. NUKE?

[ PLANT STAGE ] SuiseiNoboAz

SuiseiNoboAz

SuiseiNoboAz SuiseiNoboAz SuiseiNoboAz SuiseiNoboAz
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サウンドチェック時から渾身の演奏を聴かせるSuiseiNoboAzの方に思わず走ってくる人も。いや、久々に高潔というか、思わずその場に立ち尽くしてしまうバンドに出会ってしまった。

石原正晴(ボーカル、ギター)がシーケンサーで出した泡のような音、そしてそれ以上に体感温度を一気に20℃ほど下げるギターの単音フレーズに宿る圧倒的な蒼さ。1曲目の”adbird”で一気に3人の世界観に引きずりこむ求心力。独白的なトーキングスタイルの”T.D.B.B. PIRATES LANGUAGE”の途中では石原が「俺たちはSuiseiNoboAz、未確認飛行物体である」という、SF好きというか、Science Factをここで生み出しているような彼らに似合いの宣言に、ファンから歓声が上がる場面も。最初は長い前髪に遮られて見えづらかった石原の眼光はフラットながらかなり鋭い。バスドラとベースの重低音がブーストされて芝生の地面から身体を這い上がってくるような感覚、そしてトライアングルの何ミリかが狂っても瓦解してしまいそうなギリギリのテンションに圧倒される。

初期のZAZEN BOYS(1stのプロデューサーは向井秀徳)にも近いダッシュ&ブレイクも残しつつ、より透徹したシューゲイズサウンドを研ぎ澄まされたフレージングや、よく歌う指弾きの溝渕匠良のベース、リズムの表裏を自在に行き来する櫻井範夫のドラミングのすべてで構築するラストの”ubik”は、今夏リリースしたニューアルバムのタイトルチューンだ。<誰もが14歳で ビーチサンダルで 誰もまだ知らない ものを探している>という歌詞は未だに続く焦燥とも、ロックの衝動に触れたばかりのまばゆさや祝祭感ともとれる。透き通った音像は、圧が上がっても決して濁らない。ギターを肩から外して絶唱する石原はいったんステージを後にし、花を携えて再び登場するとギターアンプのツマミを可変させながら狂おしく自分の中から溢れる何かを放出していた。音が止む前にそこらじゅうで初見と思しき男性リスナーが発していた「すげぇ…」がこのライヴのすべてを物語っている。

[ Photo:市村 岬   Text:石角友香 ]

■ セットリスト
01. adbird
02. T.D.B.B. PIRATES LANGUAGE
03. mizuiro
04. elephant you
05. ubik

[ EAST ISLAND STAGE ] Czecho No Republic

Czecho No Republic

Czecho No Republic Czecho No Republic Czecho No Republic Czecho No Republic Czecho No Republic
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やっと会場も陽が柔らかくなってきた。Czecho No Republicがステージに登場するのを待つ。トンボが飛び交っている、誰かがシャボン玉を吹いている。小さな玉がたくさん重なり合って、空を飛んでいく。SE、そしてメンバーがステージへ。

「こんにちは」と武井(Vo,B)。“Call Her”からライヴがスタート。もちろん、オーディエンスは大盛り上がりだ。コーラスに合わせて、無数の腕が挙げられる。タカハシマイ(Cho,Per)のグロッケンが印象的。「Enjoy your Festival!」と砂川(G)のMCから“Festival”へ。続く“絵本の庭”では八木(Gt)がボーカルを取る。「BAYCAMP最高!」の武井MCのあと、新曲“NEVERLAND”が披露される。10/30にリリースされる予定のメジャー第一弾となるアルバムのタイトルチューン。そして“幽霊船”。砂川がステージ前方まで煽りに出、無数の腕が彼に向かって差し出される。続いて、“RUN RUN TIKI BANG BANG”、「最高に楽しいです、ありがとうございます」とラストナンバー“ダイナソー”。大喜びするオーディエンス。

ハッピーだなあ。そういえば、彼らを初めてライヴで見たのもここ、BAYCAMPだった。ちょうど一年前になる。明らかに状況も違うし、なにより彼ら自身の存在がキラキラ輝いて見える。(もちろん、去年もそう感じたんだけど、より一層、だ)これからメジャーという広大なフィールドに船出する彼ら、陰ながら応援して行きたい。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:林 拓一朗/FIX ]

■ セットリスト
01. Call Her
02. Festival
03. 絵本の庭
04. NEVERLAND
05. 幽霊船
06. RUN RUN TIKI BANG BANG
07. ダイナソー

[ FREE THROW DJ TENT ] 忘れらんねえよ

忘れらんねえよ

忘れらんねえよ 忘れらんねえよ 忘れらんねえよ 忘れらんねえよ
(C)BAYCAMP 2013 All Rights Reserved

DJ TENTに管楽器の珍妙なSEが鳴り響く。運動会でお馴染みのあの曲をどうしようもなくヘタクソに吹いている。そんなトホホな演奏をバックに登場したのは忘れらんねえよ。さらにトホホなのが、「チャットモンチーのえっちゃんに憧れてバンドを始めたのに、結婚しちまった!」と第一声でボヤいた柴田隆浩(Vo,G)。いや〜、ただでさえ暑いのに、さらに暑苦しいのが出てきちゃったなぁなんて思っているうちに、1曲目”僕らチェンジザワールド”が鳴り始める。分かりやすく説明すると、3人の音は00年代に流行った青春パンク的なサウンドだ。ツバをまき散らす勢いで言葉を吐き出すボーカルとシンプルなバンドサウンド。誰でも簡単に「パンク」になれるということで、一時期嫌われることが多かった系統の音だが、彼らの音がそれとは一味違うことに後で気づいた。

曲終わりには「サンキュー!セックス!ありがとう!」とさり気なく下ネタを交えつつ、ライヴは暑苦しく進行。まるで灼熱の下でストーブにあたりながらラーメンを喰うような感じ。しかし、気持ちいい。客席もこの日一番の盛り上がりを見せ、”この高鳴りをなんと呼ぶ”ではクラウドサーフも起こった。J-POP的な親しみやすいメロディで、ヘタすると平凡に聞こえかねない曲だが、梅津拓也のベースがこのバンドの肝になっていることに気づいた。フレーズが歌っているのだ。スピッツの田村明浩を思わせるようなプレイ(あんなに動きまわらないけど)で、思わず見とれてしまった。客席からの大歓声を受けながら披露した”Cから始まるABC”、そして最後の”バンドワゴン”が終わる頃には、ステージ前はもうもみくちゃ。10年代に入り、気付けばこのテのバンドはいなくなっていたけど、決して需要がなくなったわけじゃなかったんだ。だって、気付けばフィールド後方まで人がびっしり集まっていたんだから。こんなにも忘れらんねえよを求めてる人たちがいた。

[ Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)   Text:阿刀大志 ]

■ セットリスト
01. 僕らチェンジザワールド
02. 僕らパンクロックで生きていくんだ
03. この高鳴りをなんと呼ぶ
04. 北極星
05. Cから始まるABC
06. バンドワゴン

[ FREE THROW DJ TENT ] 藤田琢己 a.k.a DJ SHOCK-PANG

藤田琢己 a.k.a DJ SHOCK-PANG

藤田琢己 a.k.a DJ SHOCK-PANG
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[ Photo:後藤壮太郎 ]

NEXUS SELECT 藤田琢己:http://www.nexus-web.net/select/?cat=21

[ EAST ISLAND STAGE ] HUSKING BEE

HUSKING BEE

HUSKING BEE HUSKING BEE HUSKING BEE HUSKING BEE
(C)BAYCAMP 2013 All Rights Reserved

まだここ川崎東扇島、BAYCAMP2013会場は快晴。ちょっと日差しを避ける場所があればそこそこ暑さからはまぬがれるが、オーディエンスがいるフィールドに照りつける太陽。しかしながら、ステージ前方にギッシリと、そして本当に後方の海側まで、たくさんのオーディエンスが彼らを待っているーーHUSKING BEE。サウンドチェックで「では、曲をなにか」とPAオペレーターから指示が出る。演奏したのは“Walk”。大歓声、そしてオーディエンスがモッシュを始める。まだライヴ本番がスタートしていないにも関わらずだ。まさに、会場のライヴへの期待度をうかがわせる光景だった。もちろん、完奏はせず、一旦メンバーもバックステージに移動、ほどなくしてSEが大音量で鳴り響き、4人がステージに現れる。

「HUSKING BEE、始めます」──磯部正文(G,Vo)のMC、そして磯部のレスポールから
アルペジオで開放感のあるコード。コーラスワークも見事な“#4”からライヴは始まった。“Put On Fresh Paint”へなだれ込む。平林一哉(G,Vo)が赤いSGをカッティングしながら、このファスト・ビートの曲を歌い上げる。そして“Art Of Myself”。この曲が終わったところで磯部がMC。「ありがとう。BAYCAMP、暑いですね。水分をちゃんと取って、最後まで……最後ってかなり深い(深夜)時間ですけど……楽しんでください!」 “暖願コントロール”。「空には」の歌詞が、真っ青な空に溶け込んで行く。

オーディエンスはそれぞれの場所で、自由に彼らのライヴを笑顔で楽しんでいる。ステージ中央で、ドッシリとボトムを支える岸野一(B)のベースーー“New Horizon”ハイハットのカウントから間髪入れず“Sing To Me”。磯部もステージ袖ギリギリまで移動、オーディエンスを煽る。オーディエンスは手を高く挙げ、手拍子。曲の最後、会場に設置したスクリーンに山崎聖之(Drs)の笑顔が映る。なんてハッピーな空間なんだ。“Feedback Loop”。もう彼らのライヴも終盤だ。“The Steady-State Theory”。巻き起こるモッシュ、ダイバー。 ラストナンバーは“新利の風”。よりオーディエンスは歓喜の声とモッシュでバンドに応える。セキュリティーの筋肉もより緊張し、ダイバーを次々と受け止めていくのに必死だ。曲が後半に差し掛かった頃、会場に優しい風が吹き始めた。野外フェスならではの奇跡の瞬間。

[ Photo:釘野孝宏   Text:林 拓一朗/FIX ]

■ セットリスト
01. #4
02. Put On Fresh Paint
03. Art Of Myself
04. 暖願コントロール
05. New Horizon
06. Sing To Me
07. A SINGLE WORD
08. Feedback Loop
09. The Steady-State Theory
10. 新利の風

[ FREE THROW DJ TENT ] 神啓文 (FREE THROW)

神啓文 (FREE THROW)

神啓文 (FREE THROW)
(C)BAYCAMP 2013 All Rights Reserved

[ Photo:後藤壮太郎 ]

[ FREE THROW DJ TENT ] THE★米騒動

THE★米騒動

THE★米騒動 THE★米騒動 THE★米騒動 THE★米騒動
(C)BAYCAMP 2013 All Rights Reserved

ステージに上がるやいなや、その素っ頓狂なバンド名からは到底想像もつかないようなぶっとい音をフィールドに響かせたのは、THE★米騒動の3人。ベースとボーカルが向かい合う形でマイクがセッティングされていて、最初はそれに目を奪われていたが。終わってみれば、とにかく石田愛実(Vo,G)のセンスに圧倒されたライヴだった。90年代にアメリカで活躍した、ありとあらゆる女性ロックボーカリストの良い所を集めたような、太くてドスの効いた声は完全に規格外。

若手でこんなにも迫力のある女性ボーカルは聴いたことがない。それだけでなく、最後にプレイした“ブラック・ダンス・ホール”などで顕著なように、一筋縄にはいかないフレーズを駆使したギタープレイがとにかくかっこいい。単音弾きのフレーズを聴かすギタリストが多い最近の日本のロックシーンにおいて、彼女のような存在は珍しい。もちろん、沖田笙子(B)と坂本タイキ(Dr)によるシュアなプレイもこのバンドの重量感のあるサウンドを支えている。特に沖田のステージングは印象的だった。不穏なロックサウンドを鳴らしつつも、沖田は客席を真正面に見据えて笑顔でベースの弦をはじく。筆者よりも遥かに年下ながら、実際に対峙したら思わず土下座をしてしまいそうな石田の迫力とは対照的で、このバンドのバランス良さを垣間見た。

“女の娘” “S.S.A.” “hys”と立て続けに披露した後のMCでこのバンドが札幌出身であることを知ったが、妙に納得。彼女たちは、eastern youthやbloodthirsty butchersなど札幌ロックシーンの系譜に見事に属している。MC後、“家政婦はなにも見ていない”のタイトルをコールすると客席から一際大きな歓声が沸き起こり、地面を踏み鳴らすステップにも力が入る。石田に煽られ、「家政婦はなにも見ていない!」と叫ぶオーディエンスの姿は心底この時間を楽しんでいるようだった。晴天のもとで観るというシチュエーションも相まって、なんともかんともちょっととんでもないものを目撃してしまったなぁ。

[ Photo:市村 岬   Text:阿刀大志 ]

■ セットリスト
01. 女の娘
02. S.S.A.
03. Hys
04. 家政婦はなにも見ていない
05. ブラック・ダンス・ホール

[ FREE THROW DJ TENT ] タイラダイスケ (FREE THROW)

タイラダイスケ (FREE THROW)

タイラダイスケ (FREE THROW)
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[ Photo:後藤壮太郎 ]

[ FREE THROW DJ TENT ] ミケトロイズ

ミケトロイズ

ミケトロイズ ミケトロイズ ミケトロイズ ミケトロイズ
(C)BAYCAMP 2013 All Rights Reserved

雨は降らず、かといって晴れすぎもしないという絶好のフェス日和の中、今年もBAYCAMPがスタート!トップバッターは、TIP OFF ACTとしてステージに上がった10代女子3人組バンド、ミケトロイズ。若い女のコだからってキュートなサウンドを鳴らすと思ったら大間違い。影響の受けどころが容易に分からないオルタナティヴ・ロック・サウンドをかき鳴らす。しかも、初っ端の曲中から、ちこにゃん(G,Vo)がありちゃん(Dr)からドラムスティックを受け取ったかと思ったら、そのまま客席に降りてフィールドを走り回る。一方、その間、ありちゃんは客席を煽り倒す。若いわりにかなりステージ慣れしてると思いきや、自ら客席に要求したタオル回しの光景に声を上げて驚き、なつみん(B,Vo)も思わずベースを弾く手を止めてしまう。超絶かわいいじゃないか!

しかし、何度も言うようだけど、彼女たちが鳴らす音は徹底的にオルタナティブ。ありちゃんが「平家物語」の一節を語るところから始まるおどろおどろしいスローナンバー“魅獣阿弥陀仏”や「電波!電波!」となつみんが躁気味に連呼する“あの子は電波少女”など、アイドル全盛のこのご時世、3人揃ってキュートなルックスをしていながらもこんなド渋なロックを鳴らす3人に驚かされっぱなし。MCもかなり慣れたもので、なにより心の底から演奏を楽しんでいる様子にこっちの顔まで緩んでしまう。一体、カート・コバーンがこのステージを観たらどんな感想を漏らすだろうか。そんなことをふと思ったのは、独特なサウンドはもちろんのこと、3人お揃いの衣装が少年ナイフを思い起こさせたからだろう。

今のアイドルブームとは全く関係ないと思うが、曲によってはキュートな振り付けがあるところも新しい。最近のロックバンドにはない工夫に、日本のロックの新たな可能性を見た。正直、演奏は稚拙な部分が目立ったけど、それは今後いくらだって伸ばすことができるし、それ以上に説得力のあるステージだった。

[ Photo:釘野孝宏   Text:阿刀大志 ]

■ セットリスト
01. オーアイニー
02. まきちゃん
03. 魅獣阿弥陀仏
04. ミケひっかき病
05. あの子は電波少女

BAYCAMP 2013

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[ Photo:後藤壮太郎 ]

BAYCAMP 2013 速報生レポート決定!!

「BAYCAMP 2013」出演全アーティストのリアルタイムレポート決定!!
続々とアップ予定ですので是非チェックして下さい!

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