<インタヴュー> 忘れらんねえよ「もっと先を考えるようになったんです。もう逃げられないから」――腹をくくった柴田隆浩35歳、バンドマンの生き様を語る

<インタヴュー> 忘れらんねえよ「もっと先を考えるようになったんです。もう逃げられないから」――腹をくくった柴田隆浩35歳、バンドマンの生き様を語る

バンドマンという生き物は、どんな風に生きていくのか。どんな人生を歩んでいくのか。そういうことについて語り合うインタヴューになったと思う。

昨年11月にドラマー・酒田耕慈が脱退し、現在はサポートを迎えて活動を繰り広げる忘れらんねえよ。彼らは「別れの歌」を含む新曲3曲を収録したベストアルバム『忘れらんねえよのこれまでと、これから。』をリリースした。

「別れの歌」は、いわば酒田に向けた手紙のような一曲。これが何故生まれたのか、そして何故今のタイミングでベスト盤をリリースしようと思ったのか。

全力ドミノ」や「ミラクルカラオケプロジェクト」などなど、NEXUSというウェブメディアともたびたび濃い関係を築いてきたバンドのフロントマン柴田隆浩に、今の思いを紐解いてもらった。

取材・文=柴 那典

 

バンドの転機になる曲ができた

 

ーー何から聞こうかと思ったけど、「別れの歌」はいい歌ですね。これは本当にいい。

柴田:これはヤバいでしょ! たぶん、バンドの転機になる曲ができたと思う。今までそういう曲が3つあると思っていて。「Cから始まるABC」が自分たちをデビューさせてくれた曲、バンドの世界に自分を連れて行ってくれた曲で、その次が「この高鳴りをなんと呼ぶ」。これは自分たちのステージをあげてくれて、それ以降の苦しみを生んだ曲。で、その3曲目が今回の「別れの歌」になる気がしてる。

ーーこれは歌詞にもある通り、今の自分たちの歌ですよね。酒田さんが脱退したことを受けて書いている。

そうですね。酒田の脱退は、それぞれが信じる音楽の道をまっすぐ妥協なく進んでいくために決めたことなんですよ。要は、酒田がやりたいと信じている音楽の道と、俺のそれが致命的に違った。今まではそこに目をつぶってきたんですよ。それはいろんな理由があるんだけど、バンドにとって脱退ってネガティブな話じゃないですか。あとは、どんな理由であれ確実にお客さんを悲しませる。だから、それが怖くて逃げてたというか避けていたということがあって。あと、今の俺は音楽をやりたくて、音楽だけを見たいなって思ってるんですね。他がもう面倒くさくなっちゃって。そうなった時に、一緒に音を鳴らすと、諦めないといけないところがお互いに出てくるんです。俺は本当はこういうビートじゃないほうがいいのに、酒田もこういう風に叩きたくないのになって思うようになる。それは音楽に対して誠実じゃないですよね。

ーー純度が濁りますよね。

それがすごい嫌になって、決断したんですね。そういう話を酒田の脱退発表の時に文章にした。酒田とメンバーとスタッフで考えて、言うべきこと全てを書いた文章を作って発表したんです。で、すぐにスカッと前を向いていけるって思ってたし、そのために脱退って決めたわけだけど、ぶっちゃけお客さんのリアクションを見て、そうなれなかったんですよね。モヤモヤがすごい残っちゃった。すっきりしないんです。完全には納得いってない感じが漂ったんですよ。

ーー言い切れてない感があった。

「いや、実はこういうことがあったんだよ」とか「でもさ、言えないこともあるんだよ」とか、そういうことを言いたくなったんです。でも、やっぱりネガなことをお客さんに言うべきでないと思ったし、それを言うと、酒田も俺らも前に進めなくなるし。そういうダサい気持ちを殺したかったんですね。それで書いた歌詞なんです。酒田に宛てた手紙になっているんですけど、お客さんにも言いたいことでもあるし、俺自身に言いたいことでもあるんですよね。「覚悟を決めろよ」って。こういうことを言うバンドが俺にとっての理想像なんですよね。これをお客さんと共有することで、酒田とも共有することで、ようやく前に進めた感じがする。

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忘れらんねえよ

柴田隆浩(ボーカル、ギター)
梅津拓也(ベース)

ここじゃないけど、今なんだ。 僕たちは、この胸の高鳴りを信じる。

オフィシャルサイト


< RELEASE INFORMATION >
ベストアルバム『忘れらんねえよのこれまでと、これから。』

2016年2月24日発売
VPCC-81862 / 2,407円+税
[ 収録楽曲 ]
01. 別れの歌
02. バレーコードは握れない
03. 世界であんたがいちばん綺麗だ
04. 犬にしてくれ
05. 寝てらんねえよ
06. バンドやろうぜ
07. ばかもののすべて
08. 愛の無能
09. 絶対ないとは言い切れない
10. ばかばっか
11. 体内ラブ~大腸と小腸の恋~(feat.玉屋2060%,MAX from Wienners)
12. この高鳴りをなんと呼ぶ
13. バンドワゴン
14. 中年かまってちゃん
15. 戦う時はひとりだ
16. 僕らパンクロックで生きていくんだ
17. 夜間飛行
18. 僕らチェンジザワールド
19. この街には君がいない
20. 北極星
21. CからはじまるABC
22. 忘れらんねえよ


< TOUR INFORMATION >
『忘れらんねえよのこれまでと、これから。』発売記念インストアイベント
日時:2月27日(土) 21:00~
場所:タワーレコード新宿店 7Fイベントスペース
内容:ミラクルビンゴ大会+ウルトラミニライブ

「忘れらんねえよ主催ツレ伝ツアー2016」
2月28日(日) 浜松窓枠
w/ BLUE ENCOUNT SOLD OUT!

3月05日(土) 岡山IMAGE
w/ KING BROTHERS

3月27日(日) 東京TSUTAYA O-EAST
w/ 夜の本気ダンス SOLD OUT!



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