<インタヴュー> 水曜日のカンパネラ「破壊衝動の時代は終わる?」 ーーコムアイが語る、2015年のムードと水カンのビジョン

<インタヴュー> 水曜日のカンパネラ「破壊衝動の時代は終わる?」 ーーコムアイが語る、2015年のムードと水カンのビジョン

噂が噂を呼ぶかたちで人気を増し、先日に恵比寿リキッドルームで行われた初ワンマンライヴもチケット即完の超満員。いよいよ本格的なブレイクに向かいつつある音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」。その主演/歌唱担当・コムアイにインタヴューを行った。

4月15日にリリースされた初の全国流通盤『トライアスロン』は、デビュー以来全てのトラックを手掛けてきたKenmochi Hidefumiに加え、オオルタイチ、OBKR(N.O.R.K)をサウンドプロデュースに迎えた3曲入りEP。中毒性あるトラック、ユーモラスなリリック、独特な存在感を見せるコムアイのパフォーマンスという水カンの魅力をクリアに打ち出した一枚だ。

というわけで、これが初の取材。「今、水曜日のカンパネラは何故こんなにも注目を集めているのか?」という問いに、コムアイはとても明確なビジョンと共に答えてくれた。

取材・文=柴 那典


いつも人を驚かせたい


ーー今回のEPはジャケも歌詞カードも全て透明。水曜日のカンパネラって、毎回かなりデザインにこだわってパッケージを作っていますよね。

コムアイ:そうですね。前作の『私を鬼ヶ島に連れてって』が穴が空いた「観光地の顔ハメパネル」仕様のジャケで、「次作はもっと貫通させたいよね」という話をデザイナーとしました。で、顔を出さないでやろうということは最初に決めて、タイポグラフィーの強さだけで見せるジャケットにしたいと伝えました。曲もビジュアルイメージも、前とは全然違う雰囲気にしたんです。デザイナーが遊び心のある特殊仕様ジャケをコレクトしまくってくれて、その中でも藤原ヒロシさんの「FLOWER」という透明CD盤が皆気に入って採用になりました。タイポの配色も試作で作ってくれたものそのままですが、攻めた仕様のわりにポップなデザインになったので、ちょうどよく仕上がりました。

ーーデザインのコンセプト自体も、コムアイさんが関わっている?

アイディアの段階から話し合います。

ーー音楽の中身も含めたところで、新作の方向性やイメージはどんな風に決めていったんですか?

新しく物を放つなら、いつも誰かを驚かせたい。それは癖みたいなもので。今まで4枚出して、そのたびに何度も「変えよう」と思ったんですけど、水曜日のカンパネラっぽさみたいなのは全然変わらなくて、もっと自由なはずなのに、今のままだと既存の曲のファンにしか聴いてもらえなくなって、それがそのうち自分のストレスになってやりづらくなるだろうなと思ったんですよね。でも、今回は完成して、ちゃんと変わったなと思いました。

ーー変化を求めたのは何故でしょうか?

今までは、みんなが水曜日のカンパネラを初めて聴く人だと思って一曲一曲を出してきたんですよ。でも、今回はそうじゃなくて。聴いたことがあるけど「なんか水曜日のカンパネラは別にいいや」って思った人にも届くことを意識した。そういう人の気持ちが私はわからなくもないので。

ーー「別にいいや」という人の気持ちがわかる、というのは?

水曜日のカンパネラってネタ満載で楽しいけど、「色物すぎてちょっと恥ずかしい」みたいな感じ。だから、そう感じている自分が水曜日のカンパネラのファンになれるような楽曲を出したいと思って。

ーーなるほど。基本的にはトラックも含めてイメージが固定しないように、毎回鮮度の高い面白いことができるようにしたい、という考えがある。

その通りです! 毎回そう思ってるんですけど、なかなかそれができたなって感じたことがなくて。でも、今回は完成して感動がありました。思ってた通りイメージも変わって、これはみんながびっくりするぞって思うようなものができた。幸せだし緊張します。


自分のやってることを冷めた目でちゃんと問い質す


ーーそもそも、水曜日のカンパネラでこういうことをやりたいという意識、コンセプトのようなものは、グループが始まった時点で持っていたものでした?

そうですね。音楽始める前から、無駄なものが世の中に生まれるのが嫌いなんですよ。人の心を動かしたり、広げたりするものだったらいいけど、あまりにも同じような歌が多いし、これ以上ミュージシャンが増える必要なんてあるのか?って本当に思ってた。みんながみんな、同じように売り出すじゃないですか。バンドもアイドルも「誰? 誰? 同じような子ばっかじゃん」って。その感覚を忘れたくないです。

ーーその感覚は今でも変わってない?

今は音楽業界の内側にいるので、ミュージシャンがそれぞれ魅力的なのはわかってるけど、もっと客観的に見て「つったって一緒じゃん」みたいなのはあるかな。「結局、似てんじゃん」って。そういう風に、自分のやってることを冷めた目でちゃんと問い質すようにしたい。現場で、あるバンドを聞いたヘアメイクが「ん〜、アジカンで良くない〜?」と言ってたのをロック好きのスタイリストさんが聞いて凍り付いてたのが面白かった。

ーー他の人と似てることはやりたくない、と。

CDショップって、同じ規格の正方形のものがバーッて並んでるわけですからね。PVもYouTubeの16:9のアスペクト比で並んでて、そこで気にならないとダメってハードルがありますよね。一回観たら最後まで再生したくなるものじゃないと。それは3人とも意見が一緒で、kenmochiさんもDir.Fも音楽業界も長いし、いろんな音楽を知ってから「もっと目を引くものができそうじゃないか」ってところに戻ってきてると思うんです。で、私は逆に一般人として「目立ってるものが世の中にない」と思ってた。そういう考えにたどりついたバックグラウンドは違うけどやりたかったことは一致していました。


次のページ:世の中がどうなってるかを見回して、コンセプトを考えてる

ページ:

1

2 3 4

関連記事

水曜日のカンパネラ

2012年、夏。初のデモ音源「オズ」「空海」をYouTubeに配信し始動。

「水曜日のカンパネラ」の語源は、水曜日に打合せが多かったから・・・と言う理由と、それ以外にも、様々な説がある。
当初グループを予定して名付けられていたが、現在ステージとしてはコムアイのみが担当。
それ以降、ボーカルのコムアイを中心とした、暢気でマイペースな音楽や様々な活動がスタートしている。


オフィシャルサイト


1st EP『トライアスロン』
2015年4月15日発売
TRNW-0090 / 1,111円(+税)
[ 収録楽曲 ]
1. ディアブロ
2. ナポレオン
3. ユタ


< LIVE INFORMATION >
ワンマンツアー「トライアツロン」
6/12(金) 福岡voodoo lounge
6/13(土) 沖縄Output
6/20(土) 札幌Sound lab mole
7/10(金) 大阪Shangri-La
7/11(土) 名古屋CLUB UPSET
7/15(水) 東京キネマ倶楽部


ページ上部へ戻る