<インタヴュー> WEAVER「ゼロをイチにするのは自分」――3年ぶりの新作でWEAVERが掴んだ覚悟の由来

<インタヴュー> WEAVER「ゼロをイチにするのは自分」――3年ぶりの新作でWEAVERが掴んだ覚悟の由来

WEAVERがニューアルバム『Night Rainbow』をリリースした。

オリジナルアルバムのリリースは前作『Handmade』から3年ぶり。その間、バンドは様々な経験を重ねてきた。約半年のロンドン留学で新しい音楽の刺激に触れたこともあった。帰国後もツアーを繰り返し、ベスト盤のリリースによるキャリアの総括も、夏フェスへの出演で新たなフィールドに踏み出したこともあった。

新作はそういう様々な体験が結実した一枚。これまでリリースしたシングル曲に加えて、EDM的な高揚感に満ちた「KOKO」や、インディーR&Bに通じる深みを感じさせる「マーメイド」など、新たなサウンドにも意欲的に挑戦しつつ、それを3人組のピアノロックバンドであるWEAVERのやり方で咀嚼している。

充実作の背景にあったものを3人に語ってもらった。

取材・文=柴 那典


3年間の経験が全てこのアルバムにつながってる


ーーアルバムは、WEAVERのアイデンティティを更新した、かなりの力作だと思います。完成してどういう印象がありますか?

杉本(Piano&Vo):自分たちが今やりたいことをちゃんと表現できたアルバムだなって、改めて思いますね。自分たちができるいろいろなことの中から本当にやりたいことを選び抜いて、それを自分が出したいかたちにして出せた感覚が強い。この何年かライヴでは新しいことをやってきて、ステージの上ではかたちにできてたんですけど、それをやっと作品として証明できた、そういうアルバムになったんじゃないかなと思います。

河邉(Dr&Cho):この曲たちを改めて聴くとそれぞれ本当に個性があって、一つの色では表せないようなアルバムになったと思います。だからタイトルにも「Rainbow」という言葉を使ったんですけど。それぞれ個性の際立った曲ができて、それぞれが本当にやりたいことを、どこかから借りてきたような感じではなく、自分たちの枠の中で表現できたんじゃないかなと思えるアルバムになりました。

奥野(Ba&Cho):前のアルバムからは3年経っていて。3年って、アーティストがアルバムを出す期間としてはすごく長いと思うんですけど、でも、これが1年でも2年でも、このアルバムを作るにはダメだったんだろうなと感じていますね。ロンドン留学に行く前の悩んでた時期も、ロンドンで得たものも、ロンドン以降でやってきたツアーも、3年間の経験が全てこのアルバムにつながってると感じているんです。今のWEAVERじゃないと作れない、鳴らせないサウンドに到達できたなと。

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わがままに、批判も気にせず、自分のやりたいことを貫いていきたい


ーーいろいろなことを悩んだり、探ってきた経験が結実してるわけですよね。今振り返って、その理由はどういうところにあったんだと思いますか?

杉本:一番大きく変わったターニング・ポイントは、やはり一昨年のロンドン留学だったと思うんですよね。デビューしてからバンドがすごくうまくいった状態があって、自分が思ってたよりも周りの環境が進むのが速くて、そこに対して必死で追いつこうという中で冷静に自分たちを見れない時期が長かった。で、ロンドン留学に行く前は、3人の中でも、スタッフの中でもWEAVERの今後、先が見えてなかった。で、ロンドンに行くことを決意して、ゼロからもう一度バンドを作っていかないといけない環境を作って。そこで自分たちが今何をやりたいのか、これからどうなっていきたいのかの答えを出す時間があった。それが変わるきっかけになったんじゃないかなと思います。

ーーロンドンの経験はアルバムにはものすごく入っていると思うんですけど、ご自身としては、どういうところに結実したという感じがしますか?

杉本:僕に関しては、やはり自分が曲をほとんど作って、そこに河邉が歌詞を乗せてくれるっていうかたちで活動をしてきたので、やっぱり自分がゼロをイチにする人間なんだなっていうのは、むこうにいてすごく感じたんですよね。正直、行く前からバンドがどうしていったらいいのかわからない状態で、行ってもなかなか3人でうまくそれを気付いていけない、悔しい、もどかしい感じっていうのはずっと続いてたんです。でも、以前はスタッフやメンバーやファンの方だったり、そういう人の顔色ばかりうかがって「こういうものを聴きたいのかな」って曲を作っていたのが、そうじゃなくなった。やっぱりゼロをイチにするのは自分だし、僕が本当にやりたいものをちゃんと作っていかないと将来後悔すると思った。もっとわがままに、批判も気にせず、自分のやりたいことを貫いていきたいなって思えたのがすごく大きかったなと僕は思います。

奥野:今スギが言った「わがままになっていいんや」っていう風に変わったっていうのは、実はWEAVERにとって一番大きな変化なんじゃないかと思いますね。僕ら個人もそれぞれ、例えば精神的にタフになったとか、違うプレイスタイルを身につけたとか、そういう細かいのはあるんですけど、やっぱりWEAVERの出発点であるスギがそう変わってくれたっていうのはすごく大きくて。作り上げるデモのひとつひとつで、「これはこうしたいんや」っていうのも今まで以上に鮮明に見えるようになってきた。やっぱりバンドのフロントマン、作曲者ってそうあるべきだと思うし。デビューした時を振り返って思い返してみると、WEAVERがどんなバンドになりたいんだっていう将来のヴィジョンはなかったと思っていて。例えば、デビューする前からWEAVERはピアノトリオでやっていくんだ、ギターバンドに負けへんピアノサウンドでやっていくんだっていう意思があったら、当初感じてたギターバンドに対するコンプレックスも生まれなかったと思うし。環境の力に流されることもなかったと思うんです。でも今は、将来へのヴィジョンがある。それが、ライヴで曲をこう演奏する、こういうサウンドを、こういうリズムを鳴らしたいという細かいところまで見えている。そこが、ロンドン以降の変化で一番大きいですね。

河邉:だからこそ僕も、歌詞を書いていて「こんなことも歌える」という感覚が生まれてきたんです。今までだと「これはさすがにWEAVERに合わへんよな」みたいに思っていたことも「これも歌える」と思えるようになった。自分たち自身、アルバムにも多様性が生まれたなと思いますし、外の世界に広がってる感じがありますね。それが『Night Rainbow』というアルバムに繋がっていると思います。

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WEAVER

杉本 雄治(ピアノ&ボーカル)、河邉 徹(ドラム)、奥野 翔太(ベース)からなる3ピース・ピアノバンド「WEAVER」。2009年10月にデビューダウンロードシングル「白朝夢」にてデビュー。 「Hard to say I love you~言い出せなくて~」(フジテレビ系ドラマ「素直になれなくて」主題歌)や「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~」(au「LISMO!」CMソングなどで注目を集める。2014年にはロンドン留学も行い、2015年6月に「くちづけDiamond」はTVアニメ「山田くんと7人の魔女」オープニングテーマに起用され、10月7日にはニューシングル「Boys & Girls」をリリースした。

「Night Rainbow」特設ページ
オフィシャルサイト



< RELEASE INFORMATION >
ニューアルバム『Night Rainbow』

2016年2月10日(水)発売
初回盤(CD+DVD):AZZS-43 / 3,611円(税抜)
通常盤(CD):AZCS-1053 / 2,500円(税抜)
[ 収録楽曲 ]
01. Overture
02. You
03. くちづけDiamond <TVアニメ「山田くんと7人の魔女」オープニングテーマ>
04. さよならと言わないで
05. クローン
06. KOKO
07. マーメイド
08. Beloved <映画「ライアの祈り」主題歌>
09. Welcome!
10. Boys & Girls <TBS駅伝テーマソング>
11. Life
12. Hello Goodbye

※初回盤DVD内容
「WEAVER HALL TOUR 2015 Still Boys & Girls 〜Sing Like Dancing In Our Hall〜」
NHKホール公演の模様を全曲収録
01. Shine
02. トキドキセカイ
03. 愛のカタチ
04. Happiness 〜ふたりは今も〜
05. blue bird
06. 僕らの永遠〜何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから〜
07. 泣きたいくらい幸せになれるよ
08. クローン
09. さよならと言わないで
10. Beloved
11. Boys & Girls
12. Hard to say I love you 〜言い出せなくて〜
13. 夢じゃないこの世界
14. Shall we dance
15. Free will
16. くちづけDiamond
En1. こっちを向いてよ
En2. Welcome!

・アルバム封入特典
A賞:WEAVER 11th TOUR 2016「Draw a Night Rainbow」
バックステージご招待:各会場2名様
※ライヴチケットをお持ちの方のみ参加することができます。
B賞:WEAVER 直筆サイン入りポスター:100名様


< TOUR INFORMATION >
WEAVER 11th TOUR 2016「Draw a Night Rainbow」
4月09日(土) 大阪 オリックス劇場
4月10日(日) 名古屋 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
4月16日(土) 高松 アルファあなぶき小ホール
4月17日(日) グランシップ静岡中ホール
4月29日(金・祝) 福岡国際会議場メインホール
4月30日(土) 広島JMSアステールプラザ中ホール
5月02日(月) 仙台 若林区文化センター
5月04日(水・祝) 札幌サンプラザホール
5月06日(金) 東京 NHKホール



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