The Cheserasera 宍戸 翼 特別対談「歌い手、冥利につき」 第一回 小高芳太朗(LUNKHEAD)

The Cheserasera 宍戸 翼 特別対談「歌い手、冥利につき」 第一回 小高芳太朗(LUNKHEAD)

The Cheserasera 宍戸 翼が敬愛するバンドマンの先輩たちに直接会いにいき、音楽について、歌について、言葉について真摯に語り合う特別対談企画「歌い手、冥利につき」。第一回にはLUNKHEADのギター・ボーカル 小高芳太朗さんに登場いただきました。

取材・文=柴 那典

小高さん

LUNKHEADとの出会いは、高校の軽音の頃でした。パートはその時唯一ドラムでしたが、『地図』の“音” “夜行バス” “灰空” “金木犀”を除く全ての曲をコピーしました。USAのジャズマスターという存在も、その時に刻まれました。

いつか僕らが新潟でライヴをした時LUNKHEADさんも新潟ライヴで、偶然にも同じ飲み屋で打ち上げておりました。
そこで初めて会い、しっかり出来上がっているように見えた小高さんは、僕に何のパートだ?と問いかけ、ボーカルだと答えると、「あぁ、一番楽なパートだよなぁ?」と薄く笑いながら言いました。

僕はその皮肉にえらく痺れて、それが今でも心に残っています。真意はまたお伺いしたいですが、僕はその言葉に、粗雑な世の中やメディアに決して魂を売らない、小高さんの気高さと芯を感じました。お会いしたいです。

宍戸 翼 (The Cheserasera)


LUNKHEADの歌詞が、すごく、真実だった(宍戸)


ーー宍戸さんはどのようにLUNKHEADに出会って、どういうことろに魅かれたんでしょうか?

宍戸:高校で軽音楽部に入った時ですね。バンドを組んでボーカルをやってたんですけれど、それと同時に僕は別のバンドでドラムをやっていて。それがLUNKHEADの『地図』の曲を全部やるっていう目標でやってたバンドなんです。
 
小高:すげえ(笑)。
 
宍戸:ずっとドラムだったんですけど。それで“プリズム”から “前進/僕/戦場へ”から、とかもやっていて。今思い出すと懐かしい……。

ーーいつ頃のことでした?

宍戸:高1……いや、高2、3の頃ですね。『地図』が出てから少し後だと思います。
 
小高:今いくつ?
 
宍戸:25になります。
 
小高:そっか、自分が今年35だから、じゃあ10歳くらい違うんだ。

ーー宍戸さんはどうやってLUNKHEADを知ったんですか?

The cheserasra 宍戸 翼

宍戸:僕はやっぱり友達の薦めでしたね、もともとは。それで初めて聴くようになって。歌詞がやっぱり肌に合ったんですよ。あの……僕、あんまりメインの青春を送ってたわけじゃないところがあって。
 
小高:えっ、そうなの?
 
宍戸:別に学園ラブコメみたいなこともなかったですし(笑)。軽音楽部の部室にこもりっきりだった感じです。スポーツとか吹奏楽が盛んなところで、隅に追いやられた軽音楽部の部室が唯一の居場所だったので。授業も適当にこなして、暇さえあれば部活に行っていたんです。そういう生活をしていた僕にとって、LUNKHEADの歌詞が、すごく、真実だったっていう。
 
小高:そうなんだ。でも俺ね、高校時代はリア充だったんですよ。

ーーそうなんだ。

小高:バンドもやってたけど、弓道部だったんで、ほぼ弓道一筋でしたね。彼女もいたしね。ファーストキスもその頃だった(笑)。車がびゅんびゅん通ってる道端で、弓道部の先輩とね。

ーーそれはリア充ですね。

小高:1年生でひとりだけレギュラーに入って。居残り練習みたいのがあるんですよ。で、そこで先輩に一目惚れしちゃって。で、その先輩っていうのが実は幼馴染でさ。同じ団地に住んでたんだけど、小学生の時に離れ離れになって、高校で戻ってきた人で。俺、そのこと忘れてて。

ーー完全に学園ラブコメだ。

小高:そうそう。部活で一緒になって、一目惚れしたら、その先輩が実は幼馴染だった!って、「マンガか!」って思うよね。

宍戸:……すげえ。

ーーそういうリア充だった思春期から、なぜ小高さんは宍戸さんが憧れるような切ない歌詞を書くようになったんでしょうか。

小高:やっぱりね、東京に出てきたのがきっかけなんだろうなと思いますね。早稲田に推薦入学で入ったんですよ。そしたらまあ友達ができない。出身が愛媛なんで、まず、愛媛と東京の言葉の壁に阻まれるわけですよ。そこであんまり社交的になれなくて。気付いたらこうなってましたね。

爪痕を残してたんだな、って最近思うようになった(小高)



――LUNKHEADとしてメジャーデビューした時はどういうことを思ってましたか?

小高:俺らこのままブレイクしちゃうな、って思ってましたね。でもしなかったなあ。
 
宍戸:したじゃないですか。
 
小高:してないよ。なんか、夢と野望しかなかったですね。『地図』とか10万枚くらい売れると思ってましたもんね。でも売れなかった……。

ーーそれでもここにいる人に届いたわけですよね。

小高:そうね。そうだね。

宍戸:めっちゃ聴いてましたから。

LUNKHEAD 小高芳太朗

小高:今、若いバンドにそう言ってもらう機会がすごく多くて。爪痕を残してたんだな、って最近思うようになったんですよ。それをキャッチしてくれた人が今こうやってデビューしているというのは、すごく感慨深いです。続けること自体が目的じゃなかったけれど、それでも、生き残ってきたから、そういう子たちに巡り合えるんだな、って。

宍戸:とにかく共感があったんですよ。ああいう斜に構えてしまう姿勢とか。いい意味で飾り気がなくて。すごく素直に聴けたんです。それ自体がもう純粋で綺麗だなって思って。

ーー特に好きだった曲は?

宍戸:最近また聴き返したんですけれど、今頭の中で流れているのは“千川通りは夕風だった”です。
 
小高:おっ。
 
宍戸:《自転車のスピードを 上げる》ってサビが終わるんですけど、そこが一番の焦燥のポイントなんですよね。そこでガーッて自転車を漕いでるのが、一番モヤモヤしているポイントで。そういう焦燥感が描かれているのがすごくリアルでした。
 
小高:あれはもう、今は歌がヘタ過ぎて聴き返したくないけどな。

ーー小高さんがあれを書いた時はどういうイメージがあったんでしょうか?

小高:あれは下北沢GARAGEによく出てた頃に書いたのを覚えてる。俺、歌詞を書くのが遅いんですよ。なかなか書けなくて。今はレコーディングが〆切だけど、当時はバンド内で「次のライヴでやる」っていうのが〆切で。でも当日になっても歌詞が書けてないんですよ。で、出番までに、下北沢GARAGEのあたりの住宅街を散歩しながら歌詞を書いてた。
 
宍戸:へえ、そんなことあったんですね。
 
小高:2サビの《街灯が灯った公園でブランコ泣いている》っていう歌詞なんか、歩いてて公園があってブランコがあったのをそのまま書いていて。

宍戸:うん。

小高:で、当時、千川通りという通り沿いに住んでたんですよ。で、大学にバイクで通ってたんだけど、バイクだと風情がねえなあと思って自転車にして。で、なんとか最後まで書けて。で、ライヴの出番の直前にウチのギターに歌詞を見せた時の感想はいまだに忘れないんだけど、「うーん、もうちょっといけるかな」って。

宍戸:ああ、そういうリアクション、ありますよね。たまに。

小高:そのまま十数年やってますけどね。

宍戸:そうそう、なんかメンバーのリアクションが微妙なんですよ。

小高:それはバンドの「ヴォーカルあるある」かもね(笑)。
 
宍戸:あるある、ですねえ。
 
小高:逆もありますけどね。満場一致で「これはやべえ!」みたいな。「これもうシングルじゃない!?」って。そういう時に限って自分はピンと来てない、みたいな。
 
宍戸:あー…わかります(笑)。

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LUNKHEAD

LUNKHEAD

小高芳太朗(Vo/Gt)
合田 悟(Ba)
桜井雄一(Dr)
山下 壮(Gt)

1999年に結成された、愛媛出身の4人組ロックバンド。
2004年にシングル「白い声」にてメジャーデビューし、これまでに、ベストアルバム2 枚・ミニアルバム2枚を含む計13枚のアルバムをリリース。Vo 小高の紡ぎだす真っ直ぐすぎる歌詞と確かな演奏力を武器に、LIVEバンドとして精力的なツアーをこなし、LIQUIDROOM ebisu、SHIBUYA-AX、渋谷公会堂、新木場STUDIO COAST他にてワンマンライブを敢行。また、「MONSTER baSH」「RUSH BALL」「「ROCK IN JAPAN FES」「COUNTDOWN JAPAN」など大型フェスの出演実績も誇る。2015年4月に徳間ジャバン移籍第1弾として、10枚目のオリジナルフルアルバム『家』をリリース。全国ツアーと日比谷野外大音楽堂での単独公演が決定している。

< RELEASE INFORMATION >
10thアルバム『家』
2015年4月1日(水)発売
TKCA-74217 / 2,900円(税抜)


< LIVE INFORMATION >
LUNKHEAD TOUR 2015 君の街でYeah! 〜日比谷野外大音楽堂のチケットを売りに行くツアー〜
5/07(木) 代官山UNIT
5/15(金) 名古屋ellFITS.ALL
5/23(土) 奈良NEVER LAND
5/24(日) 神戸VARIT.
5/31(日) 札幌DUCE
6/02(火) 仙台MACANA
6/12(金) 大阪JANUS
6/14(日) 福岡DRUM SON
6/16(火) 広島NAMIKI JUNCTION
6/20(土) 横浜club Lizard
6/27(土) 松本ALECX
6/28(日) 金沢VANVAN V4
7/03(金) 千葉LOOK
7/05(日) 浜松窓枠
7/09(木) 米子AZTic laughs
7/11(土) 新居浜JEANDORE

LUNKHEAD TOUR 2015 FINAL 野音でYeah!!!! 〜日比谷野外大音楽堂〜
日程:9月22日(火・祝)
会場:日比谷野外大音楽堂

オフィシャルサイト



The Cheserasera
The Cheserasera

2009年、東京にて前身バンドを結成。2010年02月26日、渋谷屋根裏との共同レコ発企画を開催。1st demo『夜も消えない』をリリース。同年11月21日、初自主企画『曇天ケセラセラ』を開催。バンド名を「The Cheserasera」に改名。2011年04月15日、渋谷屋根裏にて、レコ発自主企画を開催。2nd demo『empty,empty,dream』をリリース。同年12月、rockin'on presents『RO69JACK COUNTDOWN JAPAN 11/12』の入賞アーティスト16組に選出。2012年05月03日、渋谷屋根裏にて、レコ発自主企画を開催。3rd demo『さよなら光』をリリース。2013年03月22日、下北沢SHELTERにて、初のワンマンライブを開催。チケットソールドアウト。2013年10月09日、タワーレコード限定1st Single『Drape』をリリース。2014年01月08日、初の全国流通盤となる1st Mini Album『The Cheserasera』をリリース。

< RELEASE INFORMATION >
1st FULL ALBUM
『WHATEVER WILL BE,WILL BE』


2015年1月14日(水)発売
CRCP-40390 / 2,880円(税込)
[ 収録楽曲 ]
01. FLOWER
02. 東京タワー
03. さよなら光
04. 白雪
05. Yellow
06. BLUE
07. whatever will be,will be
08. カゲロウ
09. N0.8
10. 消えないロンリー
11. コーヒー


< TOUR INFORMATION >
The Cheserasera TOUR〜WHATEVER WILL BE, WILL BE〜
2月10日(火) 高崎club FLEEZ
2月11日(水祝) HEVEN’S ROCK宇都宮
2月13日(金) 西川口Hearts
2月14日(土) タワーレコード津田沼店 インストアライブ(15:00~)
2月20日(金) 神戸VARIT
2月22日(日) 岡山CRAZYMAMA 2nd ROOM
2月28日(土) 宮崎SR BOX
3月06日(金) 高松DIME
3月07日(土) 徳島Crowbar
3月27日(金) 郡山♯9
3月28日(土) 秋田LIVE SPOT 2000
3月29日(日) 盛岡The Five morioka
4月10日(金) 名古屋HUCK FINN
4月12日(日) 大阪LIVE SQUARE 2nd LINE
4月14日(火) 広島CAVE-BE
4月16日(木) 福岡LIVE HOUSE Queblick
4月28日(火) 札幌COLONY
5月06日(水) 仙台PARK SQUARE
5月08日(金) 東京shibuya WWW ※ツアーファイナル・ワンマン

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