The Cheserasera 宍戸 翼 特別対談「歌い手、冥利につき」 第二回 岩崎 慧(セカイイチ)

The Cheserasera 宍戸 翼 特別対談「歌い手、冥利につき」 第二回 岩崎 慧(セカイイチ)

The Cheserasera 宍戸 翼が敬愛するバンドマンの先輩たちに直接会いにいき、音楽について、歌について、言葉について真摯に語り合う特別対談企画「歌い手、冥利につき」。第二回にはセカイイチのギター・ボーカル 岩崎慧さんに登場いただきました。

取材・文=柴 那典

 

慧さん

セカイイチと初めて出会ったのは、僕が歌詞を書き始めて間もない頃でした。反対岸まで届くような声と、ダイナミックな演奏、『淡い赤ときれいな青と』を通学路、毎日聴いておりました。そこからコピーも沢山しました。雨のぼりでの甘くザラついたバッキング、伸びやかかつ自然なサスティーンのリフ、石コロブや井の中の世界における、内省世界を題材にした歌詞と、超越した歌声と、僕の教科書でした。愛だの恋だの、世界がどうのとか、そんな事より自分の事で一杯だった僕にとって、掛け替えのない歌でした。身近ちっぽけで、でも何よりも大切に感じていた事、それを歌ってよいのだ、等身大で立てばよいのだという後押しを受け取り、以来作詞の方角も定まって行きました。慧さんの作詞の始まりと、聴いてきた音楽などについても、是非お聞きしたいです。

宍戸 翼 (The Cheserasera)

 

シアターブルックの初期を観てるみたいな感じがする(岩崎)

 

岩崎:まあまあ、まずは乾杯しましょ。

宍戸:はい、ぜひぜひ。

岩崎:乾杯!

ーーではまず、宍戸さんがセカイイチを知ったきっかけの話から聞かせてもらえますでしょうか。

宍戸:僕は高校で軽音楽部に入ってバンドを始めたんですけど、その時に一緒にやっていた奴がコピーしようと持ってきたのがセカイイチの『淡い赤ときれいな青と』というアルバムだったんです。

岩崎:デビューアルバムだね。

宍戸:それがめちゃくちゃよかったんです。なんというか、僕がそれまで聴いてきた音楽に比べて、歌詞の大らかな感じがすごく新しくて。自分との戦いという世界観もあったり、身近なテーマや、素朴な歌詞もあって。そういうことを歌にしていいんだ、って思ったのを覚えています。

岩崎:確かに、その頃は宍戸くんが言ってくれたみたいに、身近なテーマで、でもあんまり人が使いたがらないフレーズを使うことを肝に銘じながらやってたと思う。でも、サウンド面においては、まだ到達しきってない部分はあったかな。もちろんその分の青さがあって、今はもうあれはできないと思うけれど。

宍戸:“雨のぼり”とかめっちゃ聴いてました。その時にやってたバンドではドラムだったんですけれど、カラオケで歌おうとしても高いところが届かなかったのを覚えてます。

ーー宍戸さんは、どういうところにセカイイチの魅力を感じたんでしょう?

宍戸:今回改めてアルバムを一通り聴かせていただいて、鼻歌のようにして思いつくメロディをありのまま曲にしているように感じたんです。そして、アレンジには洋楽とかいろんなところからのエッセンスを自由に持ってきている。音楽の原点というか、楽しさを出来るだけ盛り込みたいとしてやってるように感じて。そういうところが素敵だなって思います。

ーー岩崎さんとしては、どうですか? 宍戸さんの見方は。

岩崎:えっ、いや……全然合格!

一同:(笑)

岩崎:実際、閃いたメロディを鼻歌でボイスメモに録音して作るんです。そこにコードをつけて、そこからどんな洋服着せようかなみたいな感じですね。この曲は80’sぽくしようとか、この曲は70’sソウルにしようとか、そういう感じ。なんとなくのロールモデルを自分で作って、最終的にその洋服を着せていくアレンジの方法なんですよ。

宍戸:僕はそういう80’sとかそういう言い方もできなくて。「これが気持ちいい」という考え方しかできてないんです。

岩崎:いやいや、いいんじゃない? それで。

宍戸:いろんな時代の手法を明確にしってたら、もっと沢山のことができるのかなって思ったりしますけれど。

岩崎:そんなことしなくてもいいよ。そこがThe Cheseraseraの良さなわけじゃないから。

ーー岩崎さんとしては、The Cheseraseraの良さはどういうところに感じている?

岩崎:やっぱり僕としては宍戸くんのヴォーカルが好きですね。使うコード進行もかなり好き。それがちゃんと3ピースのロックバンドのあるべき形になっている。前に宍戸くんに言ったことがあるんですけれど、佐藤タイジさんの、シアターブルックの初期を観てるみたいな感じがするんですよ。そういうイメージがある。潔さというか、真っ直ぐ突き進んでいく強さを感じるんですよね。

ーー歌詞に関してはどうでしょう。

岩崎:そんな偉そうなことは言えないですけれど、歌詞を見てるとやっぱり自分たち世代のバンドの一部、それこそLUNKHEADとかLOST IN TIMEとか、あのあたりに非常な影響を受けたんだなあっていうのは感じますよね。自分がそこに当てはまるのかどうかはわからないけれど。それに、言葉が繊細だよね。表現も美しい。

宍戸:嬉しいです。

ーー実際に影響を受けてきたわけですよね。

宍戸:それぞれ知ったタイミングは違うんです。LUNKHEADとセカイイチは高校で、LOST IN TIMEは大学に入ってから知ったんで。でも、時代的には同じ音楽だったって聞くとそれもまた納得がいく。そういう精神性を受け継いでいるのかもしれないということは思います。

ページ:

1

2 3

関連記事

セカイイチ

セカイイチ

岩崎慧(Vo, G)、中内正之(G, Cho)、泉健太郎(B)、吉澤響(Dr)からなるロックバンド。当初ソロで活動していた岩崎が、かねてより惚れ込んでいた吉澤を誘い2001年に結成する。2003年に現メンバーが揃い、同年12月に1stアルバム「今日あの橋の向こうまで」でインディーズデビュー。2005年にシングル「石コロブ」でメジャー進出を果たし、以降着実にリリースを重ねながら、精力的にライブを行い支持層を拡大している。自らを「真性唄歌い」と称する岩崎の伸びやかで力強い歌声が大きな魅力。バンド活動の傍ら、岩崎と吉澤は不定期でソロとしてさまざまなライブイベントにも出演している。2013年2月に結成10周年を記念したセルフカバーアルバム「and10(2003~2013)」を発表。本作は田中和将(GRAPEVINE)、Chage(CHAGE and ASKA)、増子直純(怒髪天)、宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))、山田将司(THE BACK HORN)など10組の豪華アーティストをゲストに迎えて制作された。同年3月、泉がバンドを脱退。現在は3人体制で活動を続けている。

< RELEASE INFORMATION >
ミニアルバム『Anaheim Apart』

2014年10月15日発売
anhm-001 / 1,800円(税抜)
[ 収録楽曲 ]
1. エントランス
2. Empty(MV曲)
3. 光になる
4. ない
5. ウォルターの報われない世界
6. 未来
7. さよなら夏の想い

< TOUR INFORMATION >
デビュー10th REQUEST ONE-MAN SHOW
5月24日(日) TSUTAYA O-WEST
5月28日(木) 名古屋UPSET
5月29日(金) 大阪Shangri-la

オフィシャルサイト



The Cheserasera
The Cheserasera

2009年、東京にて前身バンドを結成。2010年02月26日、渋谷屋根裏との共同レコ発企画を開催。1st demo『夜も消えない』をリリース。同年11月21日、初自主企画『曇天ケセラセラ』を開催。バンド名を「The Cheserasera」に改名。2011年04月15日、渋谷屋根裏にて、レコ発自主企画を開催。2nd demo『empty,empty,dream』をリリース。同年12月、rockin'on presents『RO69JACK COUNTDOWN JAPAN 11/12』の入賞アーティスト16組に選出。2012年05月03日、渋谷屋根裏にて、レコ発自主企画を開催。3rd demo『さよなら光』をリリース。2013年03月22日、下北沢SHELTERにて、初のワンマンライブを開催。チケットソールドアウト。2013年10月09日、タワーレコード限定1st Single『Drape』をリリース。2014年01月08日、初の全国流通盤となる1st Mini Album『The Cheserasera』をリリース。

< RELEASE INFORMATION >
1st FULL ALBUM
『WHATEVER WILL BE,WILL BE』


2015年1月14日(水)発売
CRCP-40390 / 2,880円(税込)
[ 収録楽曲 ]
01. FLOWER
02. 東京タワー
03. さよなら光
04. 白雪
05. Yellow
06. BLUE
07. whatever will be,will be
08. カゲロウ
09. N0.8
10. 消えないロンリー
11. コーヒー


< TOUR INFORMATION >
The Cheserasera TOUR〜WHATEVER WILL BE, WILL BE〜
3月27日(金) 郡山♯9
3月28日(土) 秋田LIVE SPOT 2000
3月29日(日) 盛岡The Five morioka
4月10日(金) 名古屋HUCK FINN
4月12日(日) 大阪LIVE SQUARE 2nd LINE
4月14日(火) 広島CAVE-BE
4月16日(木) 福岡LIVE HOUSE Queblick
4月28日(火) 札幌COLONY
5月06日(水) 仙台PARK SQUARE
5月08日(金) 東京shibuya WWW ※ツアーファイナル・ワンマン

オフィシャルサイト

ページ上部へ戻る