<インタヴュー> THE ORAL CIGARETTES「人が好きだから4人でバンドやってる。それが原動力」――2015年末復活を果たし、さらなる進化を図る2016年、バンドの核にあるもの

<インタヴュー> THE ORAL CIGARETTES「人が好きだから4人でバンドやってる。それが原動力」――2015年末復活を果たし、さらなる進化を図る2016年、バンドの核にあるもの

THE ORAL CIGARETESが、2ndアルバム『FIXION』をリリースした。

アルバムは、ロックバンドとしての“華”を感じさせる一枚。ライヴ映えしそうな激しさと艶やかさを持つ楽曲が並ぶ一方、シングルとしてリリースされた「エイミー」のような歌心を伝える楽曲が核としての存在感を持っている。

2015年9月下旬から山中拓也(Vo・G)の声帯ポリープの摘出手術のために約2ヶ月ほどライヴ活動を休止していた彼ら。新作は、バンドが辿ってきた数々の経験の結晶でもある。

アルバムについて、そしてさらなる進化を図る2016年のバンドの「攻めの姿勢」について、4人に話を訊いた。

取材・文=柴 那典


バンドの核がどこなのかをしっかり考えることができた


ーーアルバムを聴いて、バンドとしてのステージが一段上がったという感じがしました。出来上がっての手応えはどうですか?

山中拓也(Vo/Gt):2016年のオーラルがこれからどうやって出ていくかがわかりやすく表れた一枚だと思いますね。2015年は、いろいろあったからこそ、THE ORAL CIGARETTESというバンドについて考えることが多かったんです。2013、2014年はどうやって前に進んでいこうか、どういうフェスに出るかとか、そういうことばっかり考えていたと思うんですよね。でも、2015年になっていろいろな経験をさせてもらって、THE ORAL CIGARETTESというバンドの核がどこなのかをしっかり考えることができた。それを踏まえた結果、2016年のスタートをきれるようなアルバムになったと思っていて。

鈴木重伸(Gt):挑戦できたと思います。アルバムを制作していく上で、歌に対しての寄り添い方は前よりもパワーアップできたと思う。僕は引き算っていう意味での挑戦ができたというか、いつもだったら足して足して「どうだ、これだオーラル節だ!」ってやってたんですけど、ちゃんと引くところは引いて、曲としての良さをきっちり詰めたアルバムになった。

あきらかにあきら(Ba):2015年はお客さんに助けられた部分もあったので、今まで応援してくれてたりこれから応援してくれる人たちのことを思って曲を作るようになりました。ライヴを意識したアルバムになったし、お客さんと一体感が生まれる曲もある。今までは他のバンドとかロックシーンを見ていた部分もあったけれど、オーラルを気にかけてくれるお客さんとの関係性を意識する部分が増えました。

中西雅哉(Dr):僕らがやってる音楽のジャンルがさらにこのアルバムで広くなるだろうなと思っていて。もちろんオーラルらしさも残ってるけれど、幅の広さやスケール感のある曲が増えたと思って。今までよりもいろんな人に届く作品になっていると思います。

ーーアルバムの制作はどういうところからスタートしたんですか?

山中:2014の年末に声帯ポリープが発覚して、まずそこから1年間どうやって動いていこうかという話をしたんですね。すぐに活動を止めるわけにはいかないと思った。さっきあきらが言ったように、もっとオーラルとお客さんとの信頼関係を築かないと休めないと思ったんです。そこから、4月に『エイミー』を出して、7月にライヴ会場・配信限定で『カンタンナコト』を出そう、夏フェスまで納得いくまでやりきって摘出手術をしようっていうことになって。治療に3ヶ月くらいかかるというのも聞いてたので、休んで、復活するのは12月とか1月になるだろうという話をして。復活したタイミングに、待っててくれたお客さん、新しいオーラルに期待してくれてるお客さんがいるだろうから、そこに対して自分たちから発信したいと思って。ライヴ活動の休止を経てすぐにアルバムを出せるようにスケジュールを組んでいこうというのを、最初の段階で決めたんです。

ーーバンドの勢いも止めず、ライヴに来てくれる人ともつながりながら進んでいくというのを踏まえて作っていった。

山中:そうですね。そこで楽曲を作っていって。ポリープの手術の前にレコーディングを全部終えないとスケジュール的には厳しいので、夏フェス期間の合間を縫ってレコーディングをしてました。


お客さんへの感謝の気持ちをしっかり伝えて、もっとつながりを深くしたい


ーーそれぞれの曲についても聞ければと思います。まず「エイミー」という曲はインディー時代からバンドがずっと大事にしていた曲で、それを2015年の4月にシングルとしてリリースして、このタイミングできっちりと形にしてアルバムに入れたわけですけれども。これはどういう位置づけの曲になったと思いますか?

山中:「エイミー」は俺らにとって一番でかいシングルだったと思います。「エイミー」を出すきっかけは、そもそもポリープになったときに、対シーンじゃなくて対お客さんという関係を築いていくためにどういうことをしていったらいいだろうと考えたことにあって。じゃあ、インディーズのときから応援してくれるお客さん、「東京に行ってこいよ」って背中を押してくれた地元関西のお客さん、東京や他の地方で待っていてくれたお客さん、そういうお客さんへの感謝の気持ちをしっかり伝えて、もっとつながりを深くしたいと思ったんですね。

ーーまずはお客さんへの思いがあった。

山中:それと、自分たちの原動力の中に、シーンへのコンプレックスみたいなものはすごくあるんです。フェスだけのバンドだって絶対思われたくないし、前も言ったと思うんですけど、僕たちはダンスロックバンドじゃないし、歌モノだって胸張って言えるバンドだと思うので。そこをちゃんと表現していきたいっていう意志の表れが「エイミー」でもあるし、今回のアルバムにもこの曲をちゃんと入れたっていうのは、2015年に声が出なくなってしまったライヴだとか、絶対に忘れられないライヴでも、「エイミー」という曲がずっとそばにいてくれたという感触があるので、アルバムにもしっかり入れたい、と。

中西:僕ら、ストレートすぎるのが恥ずかしくなることがあって、昔は「エイミー」をやるとちょっと照れくさい自分もいたんですけど、自然と今は「エイミー」がないとダメな気もしてますね。「エイミー」が僕らを変えてくれた気もするし、よりこのアルバムに華を持たせてくれてるっていうことも思います。

ーー「カンタンナコト」はライヴ会場・配信限定シングルというかたちでリリースをされましたが、これはどういうところから出てきた曲なんでしょうか?

山中:これも全部コンプレックスからの理由になっちゃうんですけど、やっぱり便利になっていく世の中で、CDを買うことをしなくなっているお客さんもいるし、自分たちもメジャーデビューしてそこらへんが甘くなってきてしまったのかなっていうのをすごく思っていて。インディーズ時代は、ライヴして、それを観ていいか悪いかを判断してお客さんがCDを買うという流れだったんですよね。でも、メジャーでCDを出すというのは、それをショップにまかせてしまって、感覚が鈍ってしまったんじゃないかという思いもあって。自分たちはライヴバンドだし、ライヴでどれだけお客さんに響かせられているんだろうとかを思って。そこでライヴという原点に立ち返ろうっていうことで。ステージでも、よかったら買って、別によくなかったら買わなくていいし、ライヴも来なくていいですってはっきり言ったんです。オーラルにしかできない攻め方でちゃんと攻めていきたいと思って。だから「カンタンナコト」っていう曲ができました。

ーー「狂乱 Hey Kids!!」はどうでしょう? これはアニメのタイアップにもなっているし、お客さんとの関係というよりは、外側に向けた曲だと思うんですけれど。

山中:自分たちがポリープの手術を決める決定打になったのは、お客さんとの信頼関係ができたという実感があったからなんです。「エイミー」と「カンタンナコト」で、その関係ができた。で、手術でライヴ活動を休止している間に、そこで学んだことをちゃんと全部踏まえつつ、外に発信していくっていうことを考えたんです。全部つながっているんですよね、「エイミー」から「カンタンナコト」から「狂乱 Hey Kids!!」っていう流れは。作り上げたパワーを外に放出するという。「狂乱 Hey Kids!!」は総決算みたいな感じだったんで、「これぞオーラル」っていうのを提示したんです。



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THE ORAL CIGARETTES

奈良にて結成された4人組ロックバンド、THE ORAL CIGARETTES。2010年に結成して以来、アグレッシブなライブパフォーマンスで地元はもちろん関西圏での知名度を広める。一聴で耳に残る歌心のあるメロディと、複雑に練られた絶妙なバンドアレンジがそのオリジナリティを形成する楽曲とそのパフォーマンスを武器に2012年(初年度)のMASH A&R オーディションにてグランプリを獲得。以降全国各地のイベントでその名を轟かせ、発表する作品は常に虜になるリスナーを増やす。関西バンドシーンが盛り上がる中、直球勝負でひときわ光るTHE ORAL CIGARETTESはBKW(番狂わせ)で全国に規模を拡大中。


オフィシャルサイト


2nd Album『FIXION』


初回盤(CD+DVD):AZZS-44 / 3,000円(税抜)


通常盤(CD):AZCS-1054 / 2,500円(税抜)

[ 収録楽曲 ]
01. 気づけよBaby
02. 狂乱 Hey Kids!!
03. MIRROR
04. STAY ONE
05. エイミー
06. マナーモード
07. 通り過ぎた季節の空で
08. カンタンナコト
09. A-E-U-I
10. Everything

初回盤DVD収録内容
Vo.山中の声帯ポリープを抱えながら駆け抜けた全国ワンマンツアー・夏フェスの様子、その後摘出手術を無事終え復活に向けた活動を追ったドキュメント


< TOUR INFORMATION >
THE ORAL CIGARETTES 唇ツーマン TOUR 2016 〜復活・激突・BKW!!の巻〜
02月08日(月) 京都MUSE w/ BLUE ENCOUNT
02月11日(木・祝) 高松MONSTER w/ SUPER BEAVER
02月12日(金) 広島CLUB QUATTRO w/ a flood of circle
02月14日(日) 福岡DRUM LOGOS w/ androp
02月19日(金) 仙台RENSA w/ SiM
02月21日(日) 札幌PENNY LANE w/ WHITE ASH
03月05日(土) 新潟LOTS w/ 04 Limited Sazabys
03月11日(金) 大阪ZEPP NAMBA w/ HEY-SMITH
03月13日(日) 愛知ZEPP NAMBA w/ UNISON SQUARE GARDEN
03月20日(日) 東京STUDIO COAST w/ THE BAWDIES

THE ORAL CIGARETTES 唇ワンマンツアー〜奈良まで続くよ道のりはツアー!〜
4月05日(火) 赤坂BLITZ
4月07日(木) HEAVEN’S ROCK 熊谷VJ-1
4月09日(土) 松本a.C
4月15日(金) 名古屋ダイアモンドホール
4月16日(土) 松坂M’AXA

THE ORAL CIGARETTES 唇ワンマンライブ〜故郷に錦を飾りまSHOW!!〜
4月30日(土) 奈良 なら100年会館


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