佐咲紗花「5で刻むな」対談 第四回前編:KOTOKO

佐咲紗花「5で刻むな」対談 第四回前編:KOTOKO

2000年にI’veの派生ユニット「Outer」のボーカリストとしてシーンへ登場し、直後にKOTOKOとしてソロデビューを果たし、幅広いジャンルの楽曲を歌い上げ人気のKOTOKO。2005年からはアメリカやカナダ、アジアなど海外のアニメイベントでライヴをし、多くの海外アニメファンを熱狂させる彼女は、今や日本でも押しも押されぬライヴアーティスト。そもそもはアニソンシンガーを目指していたわけではなかった彼女だからこそ見えるもの、彼女が感じているシーンの盛り上がりについて。彼女を一心に尊敬する佐咲紗花が直撃する!

取材・文=えびさわなち

ーーKOTOKOさんのようなアニソンシンガーになりたい、という佐咲さんの想いから今回の対談が決定しました。

KOTOKO:すごく嬉しいです。ありがとうございます。

佐咲:そうなんです。本当に。

ーー声優さんではなく、タイアップのために他のジャンルのアーティストさんが歌うのでもなく、アニメやゲームに特化した歌を歌うアーティストさんの草分け的な存在でもあると思うのですが、最初に音楽活動を始められたときはどんな経緯だったんでしょうか。

佐咲紗花「5で刻むな」対談 第四回前編:KOTOKO

KOTOKO:今の時代だと、アニソンシンガーになりたくてオーディションを受けて、アニソンシンガーへの道を掴む、というような方法があるんですが、わたしがこの世界に入ったときはそういう感じじゃなくて。色んなオーディションも受けましたし、自主制作したアルバムを各レコード会社に送りつけたりもしましたし。でもそのどれもが引っ掛からなくて。そんな時、北海道で活動していたI’veっていう音楽集団と出会って、PCゲームの音楽を作っていたそのI’veのお仕事をやりませんか?って言われたのが、この世界で歌をやっていくことになったきっかけだったんですよ。だから、ゲームソングのシンガーや、アニソンのシンガーになりたいってことで目指してきたわけではないですし、いわゆる秋葉なんかで頑張っている子たちやサブカルシーンに行きたいって思って活動してきたわけではなかったんですよね。

佐咲:たまたまそういう流れに・・・?

KOTOKO:本当にそう。たまたま歌を志していたら、そういうお話を頂いたことでゲームソングを歌うようになって、それがまた、たまたまキャラクターたちの世界観とわたしの声とがリンクしたみたいで、そこからたくさん、立て続けにお仕事を頂けるようになったんですよ。それから『LOVE A RIDDLE』がアニメ「おねがい☆ティーチャー」のイメージソングになって、そこからアニメソングのお仕事が来るようになった、という流れなんですね。だから「わたしはアニソンシンガーになりたいんです」という想いを抱いて、この世界を目指している人たちとはちょっと違ってはいるんですよね。不思議な出会いや奇跡や、ご縁があって、今、ここにいて。とにかくわたしは、歌の仕事が出来るのなら何でもいいやっていう貪欲な想いでここまで来ているので。そこは紗花ちゃんとは少し違っているところなのかな?

佐咲:そういう方がいて、今みたいにアニソン・ゲーソンを歌う職業の間口を広げて下さったからこそ、わたしたちのような、アニソンシンガーになりたい、という人が出てくるくらいのシーンになったんだと思うんです。今や、アニソンシンガーは、ひとつの音楽ジャンルだとも思うので。

KOTOKO:「アニソン」ってその当時は一般的にはあまり受け入れられていなかったですしね。J-POP至上主義というか。アニメの主題歌というのは、ヒットソングとは違う、シンガーの単独の作品として、よりは、テレビで聴こえてくるだけの歌、という感覚も強かったかもしれないですよね。コンピレーションでしか収録されることがなかった曲だってたくさんあった時代でしたし。たまたまわたしが活動をやり始めた頃に、ちょうどアニメが「ジャパン・アニメ」みたいなことで海外からの注目が上がってきたところでもあったので、ちょうどいい波に乗れたんですよね。ラッキーだなぁって思っていて。開拓するぞー!って思っていたわけでもなくて、ただひたすら頂いたアニメのお仕事で、外国の方からオファーがあったり、出て下さいって言われて出かけていってやっと、盛り上がっていることがわかって。逆にわたしもやりながら「すごいことになってきているんだな、日本のアニメって!」ってことを感じていたんです。

佐咲:体感しながら…。

KOTOKO:そうそう。だから経験させてもらうことが先で、後から実感がついてくるような感覚だったんだよねぇ。

ーー逆に目指して入ってきたわけではないだけに、海外での盛り上がりやもちろん日本でのシーンの移り変わりみたいなものも客観視できているのではないでしょうか?

KOTOKO:それはあるかもしれませんね。今まで触れてなかった日本のアニメ技術だったり、絵の繊細さっていうのは、海外の皆さんから良いものとして映るんだなぁってことも思いますし。何よりアニメ・ミュージックっていうのはジャンルが広いですよね。限定されない。たとえばJ-POPのアーティストとして活動していたら、ある種、軸になるジャンルの音楽の、その表現の範囲内での歌になっていくと思いますし、その枠の音楽が好きなリスナーさんがついてくるんだと思うんです。でもアニソンシンガーは作品ありきで色んな音楽を歌えるから、アニメが好きだけど、それほど音楽にフォーカスして聴いていなかったような人も、様々なジャンルの音楽に触れることができる。その中から自分の好きなタイプの音楽を取捨選択してもいいんだろうし、むしろアニメ・ゲーム音楽との出会いによって、音楽を楽しむようになっていくことだってあると思うんです。そういうのが凄く嬉しくて。わたしの歌を通して、音楽好きな人が増えたら嬉しいなって思って、初期の頃はやっていたような気がします。

佐咲:本当にKOTOKOさんお一人の作品をずっと聴いているだけで、色んなタイプの曲を楽しめますよね。

KOTOKO:わたし自身もゲームソングやアニメソングをやっていく中で、音楽の幅がすごく広がって、自分の中にはなかったようなジャンルにも挑戦できるじゃない? タイアップの世界観を表現しようって必死でやらせてもらって行く中で、音楽的にすごく成長させてもらったなってことは今も感じていますね。

佐咲:なるほど~。

KOTOKO:だからわたしはそういうラッキーが、すごくいいタイミングで来てって感じだと思います。

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佐咲紗花
佐咲紗花

「第3回全日本アニソングランプリ」でグランプリを受賞し、TVアニメ「戦う司書 The Book of Bantorra」第2期OP主題歌『星彩のRipieno』でデビュー。圧倒的な歌唱力に加えデビューシングル「星彩のRipieno」からC/W共に作詞も担当するなど、その才能の片鱗を見せつける。

デビュー以来、横浜アリーナ、埼玉スーパーアリーナ等での大きなフェスにも多数参加。2011年2月にはデビュー1周年の集大成とも言えるワンマンライブを開催。

2012年、2013年には1stアルバム、2ndアルバムをリリースしをアルバムを引っさげてワンマンツアーを開催。海外にも活発に活動している。代表曲はアニメ「日常」ED主題歌「Zzz」、TVアニメ「だから僕は、Hができない。」OP主題歌、TVアニメ『閃乱カグラ』OP主題歌「Break your world」TV アニメ「牙狼」のED「CHIASTOLITE」など数々の主題歌を担当。2014年は超大型イベント、ランティス祭りのステージにも立ち2015年はランティスフェスティバル、ラスベガス、香港、台湾公演に出演することが決定。2015年2月14日に5周年ライブがshibuya duo MUSIC EXCHANGEで開催される。

2015年3月25日に全てのアニソンファンに捧げる世界基準のカバーアルバム「SAYAKAVER.」のリリースが決定。

< RELEASE INFORMATION >
New Single『DREAMLESS DIVER』

2015年5月27日発売
LACM-14345 / 1,200円(+税)
[ 収録楽曲 ]
1. DREAMLESS DIVER
2. EverCruise
3. DREAMLESS DIVER(Off Vocal)
4. EverCruise(Off Vocal)


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KOTOKO
KOTOKO

2000年に札幌のクリエイター集団「I've」に所属し、2002年1月にTVアニメ『おねがい☆ティーチャー』主題歌「Shooting Star」でメジャーデビュー。

その後、2004年ジェネオン・エンタテインメント(現ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント・ジャパン)からリリースしたメジャー1stアルバム「羽-hane-」は、タイアップ楽曲未収録にも関わらずオリコン初登場7位を記録。アニメタイアップ楽曲を定期的に発表し、アルバムも継続的にリリース、これまでにシングル計24枚、アルバム計6枚をリリースし高い実績を残している。

TVアニメ『神無月の巫女』主題歌「Re-sublimity」、TVアニメ『灼眼のシャナ』主題歌「being」「Light My Fire」、TVアニメ『ハヤテのごとく!』主題歌「ハヤテのごとく!」TVアニメ「アクセル・ワールド」「→unfinished→」など、常にチャートの上位に位置付き、高いアーティスト性、音楽性で、多くのファンを魅了している。

また、卓越したライブ・パフォーマンスにより、国内の大規模会場でのワンマンライブをことごとく成功させている。2005年7月にはアメリカ・アナハイムでの『アニメエキスポ2005』にゲスト参加し、2006年12月には、横浜アリーナにて単独アリーナライブ、2010年1月には日本武道館公演を大成功をおさめている。その他にも多数の国内ツアーや、ASIAツアー、各フェス等、国内外問わずライブ活動をしている。

2011年、「I've」という枠から飛び出し、自身のオフィス“オルフェコ”を設立。2014年、メジャーデビュー10周年を記念し日本全国47都道府県ツアーを敢行、また同2014夏、TVアニメ「白銀の意思アルジェヴォルン」のOPを2クール連続担当。翌2015年4月メジャーデビュー10周年記念LIVEと精力的にライブを行っている。日本だけに留まらず、海外へ向けてもまだまだとどまる所を知らない!

< RELEASE INFORMATION >
21th シングル『ZoNE-iT』

TVアニメ「白銀の意思アルジェヴォルン」新オープニングテーマ
初回限定盤(CD+DVD):1,944円(税込)
通常盤(CD):1,296円(税込)
[ 収録楽曲 ]
1. ZoNE-iT
2. call
3. ZoNE-iT(instrumental)
4. call(instrumental)

特典DVD内容
・「ZoNE-iT」 MUSIC VIDEO
・MV Making Movie
・TV-SPOT

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter


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