<インタヴュー>スキマスイッチ「この曲自体が今の自分たちにも当てはまる」ーースキマスイッチのクリエイティビティ、そして今を探る

スキマスイッチ

スキマスイッチがニューシングル『LINE』をリリースした。

TVアニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のオープニングテーマとして書き下ろされたこの曲は、アップテンポな疾走感を持った楽曲が多いイメージがある同アニメの主題歌とは一風変わった、力強いメロディと言葉が心に迫るナンバー。昨年の「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」主題歌「星のうつわ」に続き、ふつふつと湧き上がるようなエモーションを感じる一曲となっている。

カップリングの「第95回全国高校ラグビー大会」大会テーマソング「ハナツ」も含めて、曲の完成する経緯を訊いた今回のインタヴュー。二人のクリエイティビティのあり方、そしてスキマスイッチの今を訊くことができた。

取材・文=柴 那典


6/8拍子で、内から湧き出す情熱が表現できる


ーー「LINE」という曲は「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のオープニングテーマということですが、お話があって作り始めた感じなんでしょうか。

大橋:そうですね。そこから書き下ろしました。

ーーどういったところがスタート地点になりましたか。

大橋:前回「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」のお話を受けたときに、考えたことがあって。「NARUTO」は戦闘シーンもあるし、アップテンポで疾走感がある曲が似合うのはわかるんです。でもせっかく僕らがコラボレーションさせてもらえるなら、ちょっと違うアプローチができたら面白いと思っていて。それでミディアムバラードの曲を書いたんです。

ーーそれが「星のうつわ」という曲だった。

大橋:その曲が好評だったのもあって、今回も変化球のようなものを書けたらいいなと思ったんです。オープニングは疾走感あるアップテンポな曲が多いけれど、僕らとしては違うものを作ろうという。そんなときに、シンタ君が6/8拍子でエモーショナルな楽曲はウチにはないし、今回のタイミングにハマると面白いんじゃないかと言って。そういうところから作り始めたんですね。

ーー6/8拍子のリズムはこの曲のポイントでもあると思うんですが、このリズムを使った曲はどういうテイストを持った曲調になるんでしょうか。

常田:ゆっくりやると、アメリカンなバラードっぽくなるんです。オールディーズなロックンロールにもよくある感じというか。でも、もう少し速くして、アコギをかき鳴らすアレンジで、エモーショナルな曲にすると、また別の感じになる。8ビートの曲とは違った、力強く、かつゆっくりとした推進力を持つ曲になるんです。「いくぜ!」というより「うわぁー!」って内から湧き出す情熱が表現できる。ライヴの中でも映える曲になる。僕らとしてもそういう曲をほしていた感じがしますね。

ーーあのテンポ感が絶妙だった。

常田:そうですね。フレーズも聴こえるし、演奏の感じも伝わってくる。スローなバラードでもミディアムでもない、アップテンポでもない、いいバランスだったと思います。

ーー昨今のアニメのオープニングテーマって、どんなアニメも激しくアップテンポな曲は多いですよね。

常田:そうですね。四つ打ちの曲もあったりする。

ーーそうじゃない、いい意味での違和感を生み出す曲を狙ったというのもありますか?

大橋:そうですね。そこが上手くハマれば、面白いコラボレーションになると思いました。

常田:自分たちもそういう分析をしたんです。やっぱりそういう曲調が多いですし、特に「NARUTO」のテレビシリーズはほとんどそうなので。でも、そういうものを求められているのであれば、ウチには話が来なかったのかなとも思って。で、提出して、向こうも喜んでいるという話を聴いて「よかったな」と思いましたね。

ーーなるほど。

常田:あとは、歌詞の中に「自転車」が出てくるというのも、最初は懸念していたところだったんです。忍者が自転車ってどうなのか?って。でも、そういう心配も結局は杞憂だった。ホッとしましたし、嬉しかったですね。


歩んだ道筋を「過去」と捉えるか「歴史」と捉えるか


ーー歌詞に関してはどういうイメージから書き始めたんでしょうか。

常田:最初に僕が書きたいテーマがあったんです。それが歌詞にもある<通り過ぎていった時間の捉え方で“現在”が変わっていく 歴史とするか、過去とみなしていくのか>というところで。というのも、ツアー後にしばらく時間をもらって、いろんな人と会ってお話をさせてもらったんですね。実業家とか、スポーツの指導者とか、同世代の友達とか、いろんな人と話したんです。そうしたら、自分のやってきたことをどう捉えているか、それがみんな同じだった。みんな「過去」としてしか捉えていないんです。「歴史」として捉えていない。「こんなことをした」と主張するより、今何をしたいか、何をしているかのほうに、目をキラキラさせて語る。中には金メダリストの方もいたんですけれど、やっぱりそうだった。年配の方は自分のこれまでを歴史として捉えていたりもするんですが、それでも現在のことを考えている。それがとても印象的で。

ーーどんな人にお会いしたんですか?

常田:金メダリストというのは、柔道の鈴木桂治さんで、今は大学の監督をやっているんです。指導の様子とかも見学させてもらって、その後にやっぱりそういう話になって。「あれはあれだから」みたいに、過去の栄光と捉えていて。自分の学校をどう強くするかを研究しているし、それを生きがいにしている。プライドを持ってやっている。そこは刺激にもなりました。

ーーそのテーマがどんな風に歌詞になっていったんでしょうか。

大橋:「過去と歴史」というテーマを、二人ですりあわせていきましたね。実際に一生懸命走っている本人は歴史を作ろうとしているのか、とか。そういう人もいるだろうし、何かに没頭して必死で走っている人が、やってきた功績を他人が見て「あれは歴史的なことだった」と言うこともあるだろうし。そういう話をたくさんしましたね。そこが二人の中で合致すれば、この曲は形になるだろうと。あとは「自転車」というキーワードがあって、アコギをかき鳴らしている楽曲の温度感と、自転車を必死に漕いでる感じがリンクするなと思いました。

ーーどういうところが合致したポイントだったんでしょう。

大橋:今思えば、この曲自体が今の自分たちにも当てはまるのかなって思うんですね。今までいろんな楽曲を作って、世の中にリリースしてきて、それは僕らの歴史でもある。でもただの過去でもある。それよりも前を向いて走っていくし、日々面白いことができないかと考えている。だから、自分たちにも当てはまると思いました。

ーー実際、タイミングとしても、そうですよね。セルフタイトルのアルバムを去年にリリースして、それを引っさげたツアーを経てきた。自分たちの大きな節目を作ってきたわけで、その手応えとリンクするところもあったんじゃないでしょうか。

常田:セルフタイトルというのは大きかったと思いますね。そう自分たちで認めることのできるアルバムができたということと、それを引っさげてのツアーもあった。そこで納得できるものを見せなきゃいけないというプレッシャーもありましたけれど、それ以上に充実感があった。

ーー武道館のライヴアルバムを聴いても、すごくミュージシャンシップのあるステージを感じるんですけれども。どういうツアーをやってきた感触がありますか。

大橋:やっぱり、そこを意識していたんです。音楽を届けたいと思ってやってきた。お客さんだけじゃなく、そこにいるミュージシャンに対して発信している感覚もあったという。これまでは、いろんな楽しみ方をできるエンターテイメントを追求して、コンサート全体をサーカスのように捉えているツアーが多かったんです。でも今回は、演奏自体に感動してもらえればいいなと思っていた。コンパクトでも、濃いものを作れたらいいなと意識してましたね。

常田:楽器を弾くというイメージが強かったですね。手練のミュージシャンの皆さんと一緒に、リハの時から楽しみながら演奏を良くしていった。楽をしたというより、いろんな困難もありましたし、課題もあったんですけれど、それを一つ一つ埋めていった。それも含めて充実していたと思います。


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スキマスイッチ

大橋卓弥、常田真太郎のソングライター2人からなる男性ユニット。

1999年に結成。2003年7月9日シングル「view」でメジャーデビュー。2004年2ndシングル「奏(かなで)」がロングセラーとなる。2005年5thシングル「全力少年」が大ヒット、2ndアルバム「空創クリップ」で初のチャート1位を獲得。同年、NHK「紅白歌合戦」に初出場し、3年連続出場を果たす。2013年にデビュー満10周年を迎え、リリースした初のオールタイム・ベストアルバム「POPMAN’S WORLD~All Time Best 2003-2013~」が大ヒット。同年10月、11月には全国アリーナツアー、更に12月には豪華フルオーケストラとの競演となった、キャリア初の日本武道館公演を大成功におさめ10周年YEARを締め括った。2014年、10周年記念ライブ作品(CD/Blu-ray&DVD)の4カ月連続リリースとともに、7月には人気テレビアニメ「ハイキュー!!」のOPテーマに起用された、2014年第一弾シングル「Ah Yeah!!」をリリース。これに続き、11月には21stシングル「パラボラヴァ」(ヨコハマタイヤ「アイスガード ファイブ」CMソング)を、12月には22ndシングル「星のうつわ」(『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』主題歌)と前作から約3年振りとなるオリジナル・アルバム「スキマスイッチ」をリリース。2015年、ニュー・アルバムを携えた全国ツアー「スキマスイッチTOUR2015 “SUKIMASWITCH”」(28ヶ所32公演)は全公演即日完売!日本武道館2DAYS &大阪城ホール追加公演と大成功をおさめる。ライブアーティストとしても定評がある。


オフィシャルサイト


New Single『LINE』
2015年11月11日(水)発売


初回生産限定盤(Blu-spec CD2+DVD):AUCL-30032〜3 / 1,800円(税抜)


通常盤(CD):AUCL-190 / 1,200円(税抜)


アニメ盤・期間生産限定盤(CD):AUCL-191 / 1,300円(税抜)

・初回生産限定盤 / 通常盤共通
[ 収録楽曲 ]
1. LINE
2. ハナツ
3. スキマスイッチのミッドナイト・グッドモーニン!! -2-
4. LINE (backing track)
5. ハナツ(backing track)
DVD
スペシャル・コンテンツ「スキマスイッチのミッドナイト・グッドモーニン!! -2- THE MOVIE」収録!(約27分)
*CD収録のラジオ番組風トーク・コンテンツの映像版(CD未収録トークも収録)

・アニメ盤・期間生産限定盤 ※2016年3月31日までの期間生産限定
[ 収録楽曲 ]
1. LINE
2. ハナツ
3. スキマスイッチのミッドナイト・グッドモーニン!! -2-
4. LINE (anime ver.) *アニメ盤のみTVアニメ・オープニングVer.を収録
5. LINE (backing track)
6. ハナツ(backing track)


Live Blu-ray&DVD『スキマスイッチTOUR2015“SUKIMASWITCH”-SPECIAL-THE MOVIE』

2015年11月11日(水)発売
初回生産限定盤(2DISCS:Blu-spec CD2+DVD):AUCL-30032〜3 / 1,800円(税抜)
2015年11月11日(水)発売
Blu-ray:AUXL-30 / 6,800円(税抜)
DVD:AUBL-51~52 / 6,000円(税抜)
[ 収録楽曲 ]
OPENING
Ah Yeah!!
トラベラーズ・ハイ
夏のコスモナウト
双星プロローグ
アイスクリーム シンドローム
思い出クロール
願い言
僕と傘と日曜日
life×life×life
蝶々ノコナ
ムーンライトで行こう
ゴールデンタイムラバー
ゲノム
パラボラヴァ
ガラナ
ユリーカ
星のうつわ
-encore-
1017小節のラブソング
全力少年
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BONUS MOVIE
-W encore-
奏(かなで)
Documentary & Interview


< LIVE INFORMATION >
「Denka presents J-WAVE LIVE~WINTER」
12月13日(日) Bunkamuraオーチャードホール

「塩谷哲プロデュース Saltish Night vol.XIX」
12月23日(水・祝) 中野サンプラザホール


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