<インタヴュー> GLIM SPANKY「覚悟を決めたなら迷わず突っ走れ」――ロックの魔法を今に蘇らせるGLIM SPANKYの“本気”


みんなで突っ走った方が大きな道が開ける


ーー今回の「ワイルド・サイドを行け」はどんな風にアレンジを仕上げていったんでしょう?

松尾:最初のきっかけになったのは、ビートルズの「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」という曲ですね。海外の昔の遊園地の音みたいな不思議な音が入ってたり、オルガンを弾いた音の逆再生が入っていたり。そういうのをやってみたいな、って思ったんです。で、もう一方で、さっき言ったように「褒めろよ」と「リアル鬼ごっこ」に続くGLIM SPANKYらしい疾走感のある曲を作るべきだっていうのも二人の中で決めてあって。そこに私のやりたいサイケ感をうまく合わせられないかと思って。シンセを多用してみたり、いろんなルーツが垣間見える曲にするように実験して作り上げていった感じです。

亀本:「褒めろよ」は景色がわりと変わることなく3分くらいで終わる曲だったんですけど、今度は変化をつけたいというのがあって。サビの後にシンセやギターのリバースを入れて、その段階でほぼ完成させたものをプロデューサーの亀田(誠治)さんに渡したんです。そこから「こういうフレーズが欲しい」とか「こういう音が似合うかも」とか「ちょっと違う」とか、いろいろやりとりして作っていきました。

ーー曲のテーマや歌詞は、サウンドがある程度できてから浮かんできた?

松尾:コード進行とか、それくらいはできてましたね。その上で「こういうことを伝えたい」っていうのはあったんですけど、なかなかキーワードになるキャッチーな言葉が浮かばなかったんで、それを(いしわたり)淳治さんに相談しようってことになって。

ーー「ワイルド・サイドを行け」という曲名のとおり、常識にとらわれないということが曲のテーマになっていますよね。これはどういうところから?

松尾:これはもう、自分が常に思っていることですね。やっぱり、日本では本当のロックはなかなか存在できないものだと思ってるんです。でも、私はロックが好きだから、ロックをやりたいし、日本語にもこだわりたい。世界に挑戦したいし、海外の人に見てもらえる音楽を作りたい。で、同じ目標を掲げているミュージシャンもたくさんいると思うんで、そういう人たちが集まれば、新しい時代が作れるんじゃないかって思っていて。

ーー新しい時代を作る、というと?

松尾:一匹狼でやっていくのも格好いいかもしれないけど、やっぱり時代を変える時って、同じ目的を持ったいろんな人が集まって爆発するような時だと思うんです。みんなで突っ走った方が大きな道が開けるし、決められた目的地じゃなくて、誰も予想できないようなところに行けるんじゃないかって。そういう曲を、デビューして1年ちょっと経った今の時期に世に訴えるべきなんじゃないかって思ったんです。

ーーなるほど。

松尾:こういう曲を世に出したら、誰かが共感してくれて、仲間になれそうな予感がするし。それに、大きな目線で、いろいろなことにあてはめることが出来る曲を書きたいな、って常に思っているんですね。だから、良い子ちゃんでいるよりも、本気で覚悟を決めたなら迷わず突っ走れ、って感じですね。それに、一人で歓ぶよりはみんなで歓んだ方が楽しいに決まっている。そういうことを歌いたいな、と思いました。


熱い思いと「日本から世界へ」というキーワードがリンクした


ーー「NEXT ONE」はブラインドサッカーのテーマソングですね。これはどういうきっかけで作ったんですか?

松尾:ブラインドサッカー協会の事務局長さんがGLIM SPANKYをもともと知っていて、曲を聴いてくださっていたみたいなんですよ。そこから私たちと繋がったんですけど、その事務局長さんが熱く語っていたのが「ブラインドサッカーはまだまだ世間に浸透してないけれど、いつか日本のチームが世界で勝てる日が来る」っていうことで。その思いに、自分たちの音楽に対する姿勢とまったく同じものを感じたんです。デビューしたばっかりで、何も結果はないけど、絶対にやってやるっていう熱い思いと、「日本から世界へ」というキーワードがすごくリンクしたので、「これは曲、書ける」ってすぐに思って。で、そのまま何も考えずに自然に書いたら出来ちゃった、って曲ですね。

ーー「BOYS&GIRLS」はどうですか? 

松尾:これはリズムからですね。亀本がシャッフルの曲作ってみようよ、って言って。「こういう感じどう?」みたいな感じから始まったんですけど。

ーーなぜシャッフルの曲を書いてみようと思ったんですか?

亀本:僕らはデビューしてから「ブルースに影響を受けている」という形容のされ方をすることが多くて。でも、ブルースって、やっぱりルーズとか煙たいとか暗いみたいなイメージが強い音楽だと思うんです。一般的なポップ・ミュージックには、あまり結びつかないというか。

ーーそうですね。いわゆる今の時代性でいうと、ポップスのメインストリームから外れたところにある。

亀本:ただ、いろいろ聴いていると、これは今の人には伝わるかもしれない、っていう要素も昔の音楽に散りばめられてるんです。その一つがシャッフルのビートだと思っていて。最初はいかつい感じのリフとポップなメロディーがうまく噛み合わないんじゃないかと思ったんですけど、やってみたら、しっくりハマって。「あ、これ、できる!」みたいな感じで出来た感じです。

松尾:この曲は、時間がなかったからこそ逆に何を伝えたいかっていうのがシンプルに迷いなく決められたんですよね。シャッフルビートだけど、キッズ感がほしかったんです。そういうのを意識した明るいメロディーや歌詞の言葉にしました。日本語でシャッフルビートってなかなか難しくて、うまくハマりづらいような気がしてたんですけど、面白い化学反応が生まれたと思います。

次ページ:自分にとって特別な曲

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GLIM SPANKY

松尾レミ (Vocal&Guitar, Song Writting, Art&Design)
亀本寛貴 (Guitar)

ロックとブルースを基調にしながらも、新しさを感じさせるサウンドを鳴らす、男女2人組新世代ロックユニット。ハスキーで圧倒的存在感のヴォーカルと、ブルージーで感情豊かなギターが特徴。ライブではサポートメンバーを加え、東京都内を中心に活動中。


オフィシャルサイト


MINI ALBUM『ワイルド・サイドを行け』


初回限定盤(CD+DVD):TYCT-69097 / 2,500円(+税)


通常盤(CD):TYCT-60077 / 1,500円(+税)

2016年1月27日(水)発売
[ 収録楽曲 ]
・CD
01. ワイルド・サイドを行け
02. NEXT ONE
03. BOYS&GIRLS
04. 太陽を目指せ
05. 夜明けのフォーク

・DVD
2015/10/17 赤坂BLITZワンマン公演
01. サンライズジャーニー
02. 焦燥
03. MIDNIGHT CIRCUS
04. ダミーロックとブルース
05. 褒めろよ
06. WONDER ALONE
07. リアル鬼ごっこ
08. NEXT ONE
09. 大人になったら
10. さよなら僕の町


< EVENT INFORMATION >
『ワイルド・サイドを行け』発売記念インストアイベント
1月30日(土) START 21:00(集合20:30)
会場:タワーレコード新宿店 7F イベントスペース

1月31日(日) START 16:00(集合15:30)
会場:タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース

2月7日(日) START 13:00 (集合12:30)
会場:名古屋パルコ 西館1F イベントスペース

「“ワイルド・サイドを行け”ツアー」
4月2日(土) 名古屋SPADE BOX
出演:GLIM SPANKY ...and more

4月3日(日) 心斎橋JANUS
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4月16日(土) 恵比寿LIQUIDROOM
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